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特定非営利活動法人 マドレボニータ

「美しい母」が増えれば世界はもっとよくなる

所在地…〒168-0071 東京都杉並区高井戸西2-12-23 グリーンハイツ301
TEL…090-8490-5274 FAX…03-6762-3650
URL…http://www.madrebonita.com E-Mail…info@madrebonita.com

東京都杉並区

1 団体の概要

代表者名…吉岡正枝
設立年月…2000年9月 認証日…2008年2月18日
有給スタッフ数…常勤/1名、非常勤/4名
事業規模(09年度決算収入)…23,077,450円
(内訳:会費5,750,000円、寄付金1,000,000円、公的補助金2,243,000円、民間助成金2,600,000円、自主事業収入11,479,450円、その他5,000円)

活動の目的・趣旨

 広く一般市民に対して、産後ケアの重要性を啓蒙するとともに、産前・産後の女性に向けた、産前・産後のボディケア&フィットネスプログラムを開発・研究・普及し、プログラム提供者の養成を行うことで、母となった女性が子育ての導入期を健やかに過ごし、子どもの健全な育成、虐待の予防、夫婦不和の予防、地域の活性化、女性の再チャレンジとエンパワメント、少子化への歯止めに寄与することを目的とする。

※マドレボニータとはスペイン語で「美しい母」の意。

団体の設立経緯

 マドレボニータ設立のきっかけは、1998年に吉岡代表が経験した出産後の体調の著しい変化にある。妊娠中には、母親学級などをはじめとして、妊娠中の女性の健康管理や過ごし方について学習できる環境が整備されている。しかし出産後には、産後女性を対象とした心身の健康管理の取り組みが存在しない。また、産後の健康に対する知識体系すら確立されておらず、適切な対処方法を調べることが難しい。これらの問題意識をもとに、産後の体調を自己管理できるプログラムを伝えるために開催したのが、マドレボニータの活動の中心である「産前・産後のボディケア&フィットネス教室」の始まりである。

主な活動内容

1.産前・産後のボディケア&フィットネス教室
  • 直営教室の運営(関東に7カ所)
  • 認定インストラクターによる認定教室運営のサポート(全国に25カ所)
  • 認定インストラクターとプログラムのクオリティコントロール
2.産前・産後のヘルスケアプログラム指導者の養成
  • 産後セルフケアインストラクター養成コース・認定試験、研修を実施
  • 教材の開発や集中講座の開催
3.産前・産後についての調査研究
  • 産後の専門誌「マドレジャーナル」を年4回発行
  • 産後白書プロジェクト
4.産学官との連携・協働事業
  • 会員、産後クラス卒業生のネットワーキングを目的とする「マドレ・ネットワークサロン」
  • NEC社会貢献室との協働事業で、子育てしながら働くことについて語り考えることを目的とするワーキング・マザーサロンの開催
  • 東京大学大学院医学系研究科に、研究プログラムの提供、インストラクター派遣
  • 杉並区の子育て支援のバウチャー制度「すぎなみ子育て応援券」の対象事業者

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 産前・産後のボディケア&フィットネス教室

市民発の産後の専門家として

 「産後は特殊な時期なので、医師などが片手間にケアするようなものではなく、専門家が必要。」と吉岡代表は言う。出産は病気ではないため緊急な治療を要するわけでは必ずしもない。しかし、出産によって母体は大きな影響を受けており、健康な体を維持するにはリハビリとエンパワーメントが必要である。そのコンセプトに基づき、「産前・産後のボディケア&フィットネス教室」が実施されている。

ボディケア&フィットネス教室の様子
ボディケア&フィットネス教室の様子 

●産後ケアプログラムで自己表現力アップ

 「美しい母が増えれば世界はもっとよくなる」との設立理念のもと、産後女性を対象に体力の回復とトラブルが起きにくい体をつくるためのノウハウを提供している。
 例えば、「産後ケアプログラム」は、1.有酸素運動(バランスボールとエクササイズ)、2.自己表現とコミュニケーション、3.セルフケアの知識と技術の習得、の3本柱で構成されている。
 1レッスン120分×4回で1クール、4回のレッスンを通じて、無理なく体力を回復させ、美しい体型をつくると同時に、パートナーや職場でのコミュニケーションに活用できるような自己表現力を高めることを目的としている。

行政との連携(杉並区子育て支援バウチャー制度)

 2007年6月より杉並区で施行されている「子育て支援のバウチャー制度」では、0歳から2歳児のいる世帯に年間6万円の「子育て応援券」が給付されている(2010年より購入式に変更。3,000円で1万円分が購入できる)。
 マドレボニータの「産前・産後のボディケア&フィットネス教室」も対象サービスとして承認されている。現在、杉並区子育て応援券に対応するマドレボニータ直営教室は区内に6教室ある。制度の導入にあたり、準備段階では区の担当者と意見交換会を開催するなど、マドレボニータのノウハウや知見から、利用者の声を行政に発信している。

事業名称 産前・産後のヘルスケアプログラム指導者の養成

インストラクター養成による全国展開

 受講者数が増えるのに伴い、全国で活動を展開する認定インストラクターの養成に注力している。インストラクターのなかには、受講後、心身への効果を実感しインストラクターへ転向した人も多い。
 6カ月間にわたる「認定インストラクター養成コース」では、身体スキルとエクササイズの指導方法について訓練しながら、筆記試験と実技試験を行う。筆記試験範囲は産後女性の筋肉、骨格などの解剖学や、運動生理学などの専門知識や一連の教室の詳細な指導方法から、産後女性を取り巻く時事問題まで幅広い。また、産後の女性たちが互いを尊重しあえる環境をつくるために、「○○ちゃんのママ」ではなく、敬称で呼び合うなどの細かな行動様式を明文化し、試験に取り入れている。

狭き門のインストラクター試験

 300点満点の試験を2回受験。添削と解説によって2回めで合格点の270点をクリアできるよう指導する。さらに、筆記試験と実技試験の合格者は3カ月間の実習と開業の準備を経て、「産後セルフケアインストラクター」としてデビューする。
 候補生には活動を支持する強い想いと、鍛錬に耐え抜く根気強さが要求されるため、毎年6名程度の限られた人数しか育成できない。
 このようにインストラクターを厳選している点については、「産後ヘルスケアという社会的な認知が薄い分野の専門家を育成し、地域展開を図るには、質の高いインストラクターを育成し、組織化することが不可欠」と吉岡代表は話す。現在、北海道、千葉、埼玉、東京、神奈川、静岡、名古屋、岐阜、沖縄でインストラクターが活躍している。

インストラクターのみなさん
インストラクターのみなさん 

事業名称 企業とのコラボレーション(NECワーキング・マザーサロン)

 産休・育休・短時間勤務など女性のための制度が整備されている企業でも、産後女性の心や体へのケアまでは制度が準備されておらず、職場復帰した女性の多くは心身の負担を抱えながら仕事と家庭の両立を目指しているのが現状である。
 そこで、日本電気株式会社(NEC)の社会貢献活動の一環として、円滑な職場復帰に向けての心身のリハビリ・エンパワーメントを目的としたセミナーを共催している。このサロンは社員に限らず、地域からの参加も可能としており、地域とつながりながら子育てすることを側面から支援している。

3 事業の成果と課題

 活動を開始して12年、現在マドレボニータの「産前・産後のボディケア&フィットネス教室」は北海道から沖縄まで全国28カ所の認定教室を開講(うち都内は7教室)し、年間、約1,500人が受講している(2010年12月時点)。また、2005年から計19人の認定インストラクターを輩出している。
 卒業生が増えるなかで、受講生同士のエンパワーメントの場をつくろうと、円滑な職場復帰や、産後のパートナーとの関係等のテーマについて日頃の不安を話し合う場として「マドレ・ネットワークサロン」を2007年より開始し、事業の多角化を図っている。
 また、受講生をサンプルとして産後の実態調査を行う『産後白書』の発刊を行うなど、「産前・産後のボディケア教室」を基点に事業を展開している。

絶大なるボランティアの力

 マドレボニータでは、教室事業によるサービスの提供だけではなく、サービスの質を向上させ、社会にその必要性を認知させるために、2009年より『産後白書』を2回発刊している。白書作成にあたっては、保健や医療の専門家、大学の教員のみならず、マドレボニータの理念に賛同したマーケティングのプロや、広報のプロがなど総勢20名に及ぶボランティアが関わっている。とりわけ、産休・育休中の女性から「仕事に復帰するまでのよいリハビリになった」、「再就職のきっかけとなった」といった声が寄せられている。
 産後ヘルスケアに関わる専門家や産後女性以外にも、子育て支援者や仕事のプロフェッショナルが、それぞれの専門分野を超えて産後女性の心身のヘルスケアに対する支援のあり方について考えるネットワークを構築することができた。

2010年、鳩山前首相がマドレボニータの産後クラスを視察
2010年、鳩山前首相がマドレボニータの産後クラスを視察 

設立当初からの組織面での課題

 組織が拡大するなかで、最も苦心しているのが、各地域で認定教室を運営するインストラクター間のコミュニケーションである。頻繁に顔を合わせられる関東圏に比べ、地方はコミュニケーションの機会が少ない。そのために、オンラインの情報共有ツールであるSkypeやGoogledocumentなどを活用するとともに、オンラインで毎月開催する「認定インストラクター定例報告会」に意欲的に参加する体制づくりを行っている。
 その一つの試みが「マドレアワード」である。マドレアワードは、認定インストラクターが報告書に掲載した「自慢したいエピソード」「教訓になったエピソード」のうち、最もすぐれた内容を選出し、表彰する仕組みである。表彰にあたっては、議事進行を担うモデレーターや審査者など、全員が持ち回りで役割を担う。
 認定教室の運営は独立採算制を採用しており、各地域のインストラクターがすべての運営を担う。それぞれの経験や、日頃の考察から生まれる知恵を組織全体で共有し、ノウハウの標準化を図るとともに、組織を強化している。

4 今後の展望

ヒアリングにご対応いただいた吉岡代表
ヒアリングにご対応いただいた吉岡代表 

・短期目標――受講生を増やす

 2011年度の短期目標には、受講生を今年度の1,500人から2,500人へ増やすこと、満席率100%の継続などの定量目標を加えることで到達点を明確にしている。

・中長期の展望――2つの偏りの最小化

 産後ヘルスケア分野の活動を広く一般に普及させるためには、まず認定教室を開催する「地域の偏り」を最小化することが必須である。また、意識の高い受講者のみならず、産後のヘルスケアを必要とするすべての人にプログラムを認知してもらうべく、「受講者の偏り」も最小化したい。
 前者の地域の偏りを解消するためには、女性の年齢別・地域別労働力率の推移など統計データを活用し、出産を機に退職する人が多い地域や出生率の少ない地域には資本を集中投下するなど、マクロ情報からニーズを汲み取り戦略を立てたい。後者の受講者の偏りについては、幅広い受講者の層を確保するために、「多胎の母親」「障害児の母親」「一人親」「若年層の母親」の方々に、無償でプログラムを受講できる仕組みを構築した。2011年にはマドレ基金を設立し、無償プログラム運営の財源を賄うべく、寄付を募っている。

(ヒアリング応対者:代表理事吉岡正枝氏)

 日常的なマーケティングのツールとして、Twitterとホームページの連動を活用している。速報性の高いTwitterで発信された内容をもとに、ホームページから詳しい情報を入手して活動に参加する受講生やボランティア、連携先を模索する行政、企業が増えている。メールマガジンは内容が多くて読みきれないが、Twitterは内容が端的にまとめられるため、欲しい情報が入手しやすい利点がある。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年03月 --