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認定NPO法人 日本グッド・トイ委員会

おもちゃは人間が初めて出会うアートである

所在地…〒160-0004 東京都新宿区四谷4-20東京おもちゃ美術館内
TEL…03-5367-9601 FAX…03-5367-9602
URL…http://goodtoy.org/ E-Mail…info@goodtoy.org

東京都新宿区

1 団体の概要

代表者名…多田千尋
設立年月…1987年 認証日…2003年1月27日
有給スタッフ数…常勤/8名、非常勤/7名
事業規模(09年度決算収入)…81,606,426円
(内訳:会費・入会金5,732,000円、事業収入66,585,602円、助成金等1,000,000円、寄付金7,431,731円、雑収入857,093円)

活動の目的・趣旨

乳幼児から高齢者まですべての人々に対し、おもちゃ選びの目安とすべく「グッド・トイ」の選定とおもちゃ文化・遊び文化の研究・啓蒙を進め、おもちゃ文化・遊び文化の向上を目指す。

団体の設立経緯

 日本グッド・トイ委員会は、子どもの遊びを通じた表現教育について実践研究を行う民間研究団体「芸術教育研究所」を母体として1987年に発足した団体である。同研究所が推進する「おもちゃの貸出し」事業においては、発売後すぐに消えていくおもちゃが少なくないなか、貸出し先から子どもの個性に適した、優良なおもちゃに関する照会が多数寄せられた。
 子どもの成長に大切な役割を果たす優良なおもちゃを選定する事業のみを同研究所から切り離して、同事業を中心に運営する特定非営利活動法人日本グッド・トイ委員会が設立された。また、この優良なおもちゃを選定する「グッド・トイ選定事業」により全国から集まった良質なおもちゃを誰もが触って遊べる機会を提供しようと、東京都中野区に「おもちゃ美術館」を設立した。
 「おもちゃ美術館」は多数の収蔵品があるにもかかわらず、十分な展示スペースがないために、企画展示など大規模な事業展開ができない問題を抱えていた。その矢先、子どもから高齢者まで遊びを通じて世代交流を目指す「おもちゃ美術館」の理念に共感した四谷周辺の地域住民から、閉校となった旧四谷第四小学校(東京都新宿区)への移転について誘致を受けた。旧四谷第四小学校は、1935年地域住民の寄付によって建て替えられた歴史がある、地域の方の愛着が深い学校である。内装もできるだけ変えず、建設当時の趣のある校舎を美術館の仕様にし、2008年4月に移転した。

主な活動内容

1.東京おもちゃ美術館

 子どもから高齢者までが楽しめるおもちゃ1万点以上を展示し、見る・作る・借りて遊ぶという3つの機能を備えた美術館

2.病児の遊びとおもちゃケア

 病院の小児病棟内に「おもちゃライブラリー」開設。おもちゃコンサルタントがボランティア活動を行う

3.移動型おもちゃ美術館「グッド・トイキャラバン」

 全国各地を巡回する期間限定の移動型おもちゃ美術館

4.おもちゃの広場

 同委員会から無料で届く世界のおもちゃが詰まったグッド・トイを利用し地域の親子におもちゃの魅力を伝える、子育てミニサロン

5.「グッド・トイ」選定事業

 おもちゃ選びを支援するため、優良なおもちゃを「グッド・トイ」として選定

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 東京おもちゃ美術館

おもちゃは人間が初めで出会うアートである

 東京おもちゃ美術館が四谷に移転して以降、事業規模、来館者数ともに増加している。現在は総面積1,100m2、11教室を使って「おもちゃを通じた地域の交流拠点」づくりを行っている。また、100カ国15万点に及ぶ収蔵品のなかからテーマごとに選ばれた展示以外にも、紙コップなどの日用品を使った簡単手づくりおもちゃを紹介する「おもちゃこうぼう」、子どもの創造力を高めるひらめきや発見満載の「おもちゃのまちきいろ」、国産の材木を敷き詰めた木の香り漂う癒しの空間「おもちゃのもり」などの教室がある。

旧四谷第四小学校を生かした美術館
旧四谷第四小学校を生かした美術館 

支えるボランティア、コンサルタント、専門家

 東京おもちゃ美術館は多世代交流を促す体験型美術館としてスタートしたが、現在来館者で最も多い層は、幼児から小学生までの子どもと、その保護者である。
 来館者が美術館を楽しめるように、同美術館の運営を支えるスタッフは、1.おもちゃを通じた交流活動を促すボランティア「おもちゃ学芸員」、2.同団体が開催する養成講座を終了した「おもちゃコンサルタント」、3.一流棋士などの「専門家集団」の3つに分類できる。

●ボランティアの「おもちゃ学芸員」

 「おもちゃ学芸員」とは、東京おもちゃ美術館の運営に携わるボランティアの総称である。おもちゃ学芸員は来館者の誘導や遊びの補助に加え、手づくりおもちゃを作成し、子どもたちに上手に指導する役割を担う。このおもちゃ学芸員になるためには、ボランティアをしたいという想いに加え、2日間の講義と実習1日コースを受講する必要がある。受講料は、テキストを含めた材料代、日本グッド・トイ委員会の会費を含めて、総計11,000円である。
 このように時間と費用までボランティアに求める背景には、美術館の理念やミッションを共有し、おもちゃに対する理解と深い愛情を共有したいとの事務局側の想いがある。おもちゃ学芸員登録者数は現在200人で、平日は7~8人、休日には15人ほどのおもちゃ学芸員が同美術館の運営に携わる。学芸員の男女比率は3:7くらいで、それぞれの得意分野を生かした手づくりおもちゃを来館者に披露している。
 例えば、エンジニアの人は遠心力を使う科学おもちゃを披露するなどして、子どもたちを喜ばせている。

●おもちゃの消費者アドバイザー「おもちゃコンサルタント」

 「おもちゃコンサルタント」は、おもちゃの歴史や文化を学んだうえで、子どもの個性にあわせたおもちゃの選び方や、高齢者のリハビリへの応用を身につけた、おもちゃの消費者アドバイザーを指す。これまでに北海道から九州、海外在住者を含めて約4,000人が卒業し、同団体が認定する「おもちゃコンサルタント」の資格を取得している。受講生は、おもちゃ業界の関係者のみならず、地域の主婦から高齢者まで幅広い。
 最近では保育士や介護福祉士など子どもや高齢者と接する機会の多い人たちも増えており、芸術教育の現場で効果的だったおもちゃが多数推薦されている。また、おもちゃコンサルタントは毎年開催される「グッド・トイ選定事業」の審査委員として、子どもから高齢者まで楽しめるおもちゃ選びの手助けになるように、優良なおもちゃを選定している。

「グッド・トイ」の常設展示
「グッド・トイ」の常設展示 

●一流の専門家がボランティアで参加

 また、おもちゃを使った遊びの面白さを伝えるために、一流棋士やテーブルサッカー競技など、第一線で活躍する専門家集団がボランティアとして加わることで、子どもたちが直に一流の技術に触れる機会を提供している。

●それぞれの得意分野を生かす学芸員たち

 これらの美術館を支える活動のなかで最も特筆すべきものは、おもちゃ学芸員の熱心な活動である。おもちゃ学芸員のなかでも得意分野に分かれて、例えば科学おもちゃ、わらべうた、伝統おもちゃなどのグループが発足し、メンバー間で自発的に技術や指導方法を学ぶ取り組みが行われている。また、2010年からの新たな試みとして、東京おもちゃ美術館設立時からボランティアで運営を担ってきたメンバーを中心に運営委員会を設立し、ボランティア間の情報共有を進めている。

3 事業の成果と課題

資金調達の多様化を図る

 東京おもちゃ美術館の運営にあたっては、設立当初から指定管理者制度などの行政からの委託契約は締結しておらず、10年間にわたって施設の賃貸契約を新宿区と締結している。また、設立当初から現在に至るまで最も苦心したのは、財政基盤を維持するために資金源の多様化を図ることである。
 学校の教室を美術館の仕様に改修するための設備投資分を含めた運転資金の調達は、以下の3つの方法で行った。

  • 「一口館長」による寄付
     名前入り積み木の永久展示などの特典をつけて、一口1,000円から10,000円程度の小口にわけて寄付を募るものである。
  • 「設立応援債」による私募債を発行
     「設立応援債」という名称で、一口50万円、年限は3年と5年の2種類の私募債を発行し、地域から支援者を幅広く募った。
  • 民間銀行からの融資を得る
     最後に、民間銀行からの融資も得た。

 設立3年目の2010度は期末に設立応援債の元利金返済を控えており、原資を確保するために、おもちゃ美術館の事業の横展開を図ることで更なる収入を見込んでいる。新たに取り組む木育事業については、10年度に林野庁補助事業として助成金を得た。また、現在は、新宿区との協働事業を提案するなど、資金源の多様化を模索している。

集客のために広報活動に注力

 東京おもちゃ美術館の活動についての広報活動が、いまだ発展途上だと認識している。特にホームページでの情報公開については、例えば年齢別の美術館の遊び方など、利用者が欲しい情報がすぐに入手できない課題がある。また、名称が「美術館」のために、子どもを連れて遊べないのではないか、という先入観を持つ場合があり、鑑賞するだけではなく、じかに触れる「体験ができる美術館」を強調する必要がある。そこで、最近では体験型の美術館であることを認知してもらうために、幼稚園や保育園の遠足で活用してもらうべく、日頃からマーケティング活動を行っている。

来館者数を増やすための取り組み

 開館3年目の今年は、様々な工夫をして来館者を増やすために取り組み中である。平日の昼間は来館者数が少ないため、2010年度より乳幼児連れの保護者を対象に、美術館の1階に「赤ちゃん木育ひろば」を設けた。このひろばでは木製の家具やおもちゃなど様々な遊具セットが用意されており、子どもたちが、木材の持つ感覚的な温かさや優しさに触れることにより、子どもたちの好奇心を刺激することを目的としている。
 また、このひろばは、利用者同士のコミュニケーションを促すため、保護者同士の情報交換や子育ての悩み相談室としても活用されている。最近では父親の利用率も高く、週末には家族で憩える場として利用者から好評を得、開催日を週1回から週3回に増やした。

4 今後の展望

 乳幼児から大人まで幅広い世代の人が、おもちゃに触れて満足を得られる事業にすることが、東京おもちゃ美術館が目指すミッションである。このミッションを達成するための一つの手段が、国産材の木のぬくもりに触れる「木育の実践」である。木育を通じて、子どもが木の温かさに触れることで、環境を愛する人材になることを企図すると同時に、保護者が木の文化を取り入れた癒しのライフスタイルを築くことで豊かな子育てを実現することを目的としている。この「木育の実践」の視点をもとに、今後は以下5つの事業を展開する予定である。

ご対応いただいた馬場事務局長
ご対応いただいた馬場事務局長 

  1. 全国赤ちゃん木育広場・木育寺子屋の運営
     乳幼児とその保護者に向けて国産材で作られた赤ちゃん木育セットを使い、成長発達の段階にあわせて、おもちゃの遊び方を指導する。
  2. 森のめぐみの子ども博の開催(林野庁補助事業)
     子ども向けの木製品やおもちゃを作っている職人に出展依頼をして見本市を開催する。
  3. 木育キャラバンの開催
     木製おもちゃを集めたキャラバンが全国各地を巡回する、期間限定の移動型おもちゃ美術館の開催。
  4. 岐阜県美濃市にある岐阜県立森林文化アカデミーと連携した保育園・幼稚園向けの木育プログラムの実践。
  5. 現在、図書カードの配布を行っている新宿区の誕生祝い品制度を変更し、新宿区と友好都市提携を結んでいる長野県伊那市の木工職人たちが制作した木製おもちゃの贈呈を図るプロジェクト。

(ヒアリング応対者:事務局長 馬場 清氏)

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年03月 --