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特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所

今、大学の「知」を社会へ

所在地…〒184-8501 東京都小金井市貫井北町4-1-1東京学芸大学20周年記念飯島会館1F
TEL…042-329-7795 FAX…042-329-7795
URL…http://www.u-gakugei.ac.jp/~codomo/
E-Mail…codomo@u-gakugei.ac.jp

東京都小金井市

1 団体の概要

代表者名…松田恵示
設立年月…2005年5月認証日…2009年6月11日
有給スタッフ数…常勤/5名、非常勤/4名
事業規模(09年度決算収入)…11,476,598円
(内訳:入会金・会費238,000円、事業収入11,238,285円、その他313円)

活動の目的・趣旨

 広く一般市民を対象として大学の「知」(教育に関するノウハウ)を地域に還元していくことで、子どもが健全に育つ環境の整備、学校内外の教育力の向上に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 東京学芸大学と株式会社おもちゃ王国が、様々な「こどもの遊びと子育て」に関するニーズに応えるために設立した、産学共同研究のための研究組織「学芸大こども未来プロジェクト」を母体として発足した。大学の研究者や学生が生み出す「知」と企業の持つ「展開力」を結集し、「こどもの遊びと子育て」に関するノウハウを研究開発するとともに、公的サービスや商業サービスでは担いきれない問題を解決することを目指して活動を展開している。

主な活動内容

1.人材育成

 子ども・子育てへの理解を深める人材教育を行うことで、子どもに関わる質の高い教育者(教育支援人材)を育成することを目指す。

  • 教育支援人材認証制度事業
  • 文科省助成金調査研究事業「教育サポーター制度モデル研究開発」の受託
  • 東京都教育委員会との放課後子ども教室の人材養成に関わる連携事業の実施
2.コンテンツ開発

 子どもの遊びと学びを深める活動などを収集・研究し、広く社会還元できるコンテンツを開発する。

  • 120の遊びコンテンツの開発と実施
  • 民間・行政よりイベント実施の受託
3.コミュニケーション

 研究成果を子どもの目線に立った視点に置き換え、ワークショップやイベントなどの企画・運営を通じて、メッセージ、知識などを子どもたちに伝える支援を行う。

  • 東京都より教育サポーター養成事業受託
  • NPOより体験プログラム策定の受託

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 教育支援人材認証制度事業

地域の子どもたちは地域で育てる

 少子化が進展し地域や家庭を取り巻く状況が大きく変化するなかで、子どもが社会のなかで成長するためには、家庭や教育の現場のみならず、学生、市民、企業人など地域の大人も子どもを見守り、成長を支える取り組みが不可欠である。また、子どもが育つ環境づくりが問題になるなかで、例えば「放課後子どもプラン」など国の政策が打ち出されてはいるが、子どもの成長を見守り育てるボランティアの質を保持・向上するための講座の運営が難しく、ボランティア確保に苦戦している市区町村も少なくない。
 こうした現状から、地域の大人が教育活動に関わり社会に還元できる環境を実現すべく、子どもが成長する生活環境を整備・支援することを目的として、「東京学芸大こども未来研究所」の活動がスタートした。

子どもの教育を支援する地域の人材と教育現場のマッチング

 とりわけ学校教育や学校外教育の現場では、地域ボランティアの参加を求めるニーズはあるが、「よく背景を知らない人に子どもを任せられない」といった、信頼関係が構築されていないことなどを背景に、現場のニーズと地域ボランティア双方のマッチングが進んでいない。そこで、学校教育活動や学校教育外活動において、親や保護者以外の地域の一般市民が子どもの教育に参加することを目指し、教育系の全国6大学(東京学芸大学、奈良教育大学、鳴門教育大学、東京成徳大学、白梅学園大学、中国学園大学)が連携し、地域のなかで情熱を持って教育を支える人材を支援する、教育支援人材認証制度を立ち上げた。

教育支援人材認証制度の内容

 教育支援人材認証制度には、ボランティアが深く教育現場に関わることを目指して、子どもの特性と発達についての素養など基本的な接し方を学ぶ基礎資格「こどもパートナー」のほか、安全確保、学習指導などの専門性を持った人材を認証する「こどもサポーター」がある。いずれもプログラム認証を受けた大学などが実施する講座に参加し、一定時間以上の講義を修了すれば認定証が渡される。
 「こどもパートナー」の資格を得るためには4時間の講義と実習に参加することが必要である。「こどもサポーター」は、「こどもパートナー」の内容に加えて支援活動の専門的な内容について、さらに8時間以上の履修が必要となる。いすれも認証を得た後は、例えば地域の学校における「放課後子どもプラン」の安全管理員や学習アドバイザー、児童館・公民館など社会教育施設での補助を担うことが期待されている。
 教育支援人材認証制度の特徴としては、(1)理論と実践が組み合わさった体系的なプログラムである、(2)行政、企業などのニーズに合わせ、認証のための講座をカスタマイズできるプログラムであることが挙げられる。
 (1)の講座内容には、現場のニーズと、教員養成の基幹大学の教員陣が考える必修の講座が組み込まれており、受講生の資質向上を目指した講座となっている。
 (2)では、依頼先である行政、企業などのニーズに合わせたオーダーメード制度を導入し、地域でボランティアの核となる団体から現場のニーズをヒアリングするなどして、ボランティアを受け入れる地域の現状と、ボランティアを派遣する行政・企業の課題やニーズに対応できるプログラム形成を図っている。

こどもパートナー認証講座でのグループワーク
こどもパートナー認証講座でのグループワーク 

こどもパートナー認証講座のカリキュラム例

1.教育支援者とは? 講義
(60分以上) 
教育支援者のあり方や、安全・安心への配慮の仕方など基礎的な支援者としての知識・技能を学びます。
2.こどもの理解 講義
(60分以上) 
子どもの主体性や子どもの権利を含む子どもの特性についての知識について学びます。
3.こどもを取り囲む環境 講義
(60分以上) 
現代の子ども事情と子どもを取り巻く様々な環境についての知識を学びます。
4.こどもとの接し方 講義+実習
(60分以上) 
子どもの世界を理解し、子どもと生き生きとしたコミュニケーションをとるための知識や技能を学びます。

※「こどもサポーター」では、「こどもパートナー」の内容に加えて「こどもに内容を伝える方法」と「支援活動の専門的内容」について480分以上の履修が必要になります。また、これまでの活動履歴を評価し、受講に換えることができる内容があります。

3 事業の成果と課題

教育支援人材認証制度の実績

 教育支援人材認証制度は、2011年1月現在、全国12の大学、専門学校の学生の教育に貢献しているほか、全国17の市町村で採用され、地域の教育向上に貢献している。10年度においては125講座が開講され、認証取得者数は主婦や定年退職をしたシニア世代を中心に約1,500人にのぼる。
 受講者からは、「子どもとの関わり方などが大変参考になった。子どもへの接し方、スタッフへの指導に活かしたい」「理論的にも自分の経験を振り返れたことで、以前よりいろいろな子どもと関わりを持て、自信がついた」「今後の子育て、子どもとの関わりのなかで役立てたい。さらにステップアップしたい」といった声が寄せられており、ボランティアとしてこれまで携わってきた人にとって、活動を振り返るきっかけや、さらなる成長を求める向上心につながっている。
 講座実施後に行う受講生を対象としたアンケート調査の結果からは、講座後、講座の内容を自分の活動に「役立て、活用した人」の割合は平均して6割にのぼっており、講座の内容を実践の場で活用している人が過半数以上を占めている。
 教育分野で社会貢献をしたいと考える地域ボランティアの自発的な取り組みとして、現在文部科学省が主導する「放課後子ども教室」以外の場で、ボランティアが子どもや保護者のニーズに沿った学びの場を支援する活動を立ち上げる動きも生まれている。

ボランティアに認証を出す矛盾

 教育支援人材認証制度のねらいは、1.子どもたちの教育や保育のために自発的に参加している地域の市民の実績を広く社会に認知させることにより、「個人の活動や学び」を「皆の活動や学び」へと結びつけること、2.認証を通じてお互いに信頼し合える輪のなかで教育支援活動が広がること、にある。
 しかし、教育活動を支援するボランティアに認証を与えるという行為が、「認証がないとボランティアができないのか?」といった疑問や、「ボランティアとして自発的に活動に参加しているのに、もっと勉強しなければならないの?」など、継続的なボランティア活動を阻害する原因として受け止められる場合がある。
 認証という行為は一般的には、能力を評価するライセンス形式になるが、本講座のねらいは能力を評価することではない。講座を受講したことによりボランティアとして教育に携わる方の視野を広げ、すでに持っている力を定着させ、ステップアップにつながることを強調し、教育支援人材認証制度の仕組みが活きるネットワークを全国に展開したい。

行政・大学・企業との連携調整を上手く図るために

 行政との連携現場では、発注元の要求を充足するために、様々な調整が行われている。しかし、行政の担当窓口の組織改変が行われるたびに同じ説明を行わなければならないことや、要求される提出書類作成に費やすマンパワーが十分でないNPO法人の現状に対して、行政側の理解が十分に進んでいない側面がある。行政内の子どもに関する事業については、プロジェクトチームを発足し、部署間を横につなぐ組織として連携を深めるなど、情報の共有化が図られることに期待したい。
 行政・大学との連携の形態は様々であるが、行政の限られた予算のなかで必要物資に対する現物給付、広報誌での活動の告知や、大学側の教室の無料開放など、資金面以外の支援が活動継続のうえで役立っている。今後行政・大学との様々な連携の形態を模索したい。

 また、NPO・企業主催のオープンフォーラムへの出展時に、先方からの声がけをきっかけに、現在凸版印刷株式会社の社会貢献活動の一環として、小学校を対象としたキャリア教育プログラムに関する連携事業の企画が進んでいる。連携先の企業の社員を対象に、教育に関わる専門職員を支援する人材「こどもサポーター」を育成し、小学校の総合学習の時間に派遣できる体制を構築していきたい。

こどもパートナー講座の人気講義「新聞紙タワー」
こどもパートナー講座の人気講義「新聞紙タワー」 

4 今後の展望

一般社団法人設立による人材養成のプラットフォーム構築

 2011年6月より、教育支援人材の育成事業に関わる教育系6大学以外の大学を含めた総計20から30の大学で一般社団法人を設立して、教育支援人材認証制度を移管し、他外部組織との連携による全国展開を行うことを検討している。それぞれの大学の叡知を結集し、地域で教育活動を担う人材養成のプラットフォームとして継続的な取り組みを目指すとともに、本プラットフォームを通じて、「教える/学ぶ」関係を相互に築き、地域の活性化につながる社会づくりに貢献したい。

(ヒアリング応対者:理事長松田恵示氏、角田貴世氏、木村翔太氏)

 未来を担う子どもたちの健やかな成長を育むためには、学校、家庭及び地域住民などが連携・協力し地域全体で子どもたちの教育に取り組む体制をつくっていく必要がある。子どもが子どもらしくいられる安全・安心な居場所づくりや、学校の教育活動を支援するために、地域ボランティアなどの子どもを支援する地域と大人を育てる環境づくりが大切である。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --