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特定非営利活動法人 シブヤ大学

遊ぶのがいちばん楽しい街は、学ぶのがいちばん楽しい街

所在地…〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-9ー11 シオバラ外苑ビル3階
TEL…03-3479-4285 FAX…03-3479-4288
URL…http://www.shibuya-univ.net/ E-Mail…info@shibuya-univ.net

東京都渋谷区

1 団体の概要

代表者名…左京泰明
設立年月…2005年11月 認証日…2006年8月10日
有給スタッフ数…常勤/2名、非常勤/1名
事業規模(09年度決算収入)…49,765,607円
(内訳:会費・入会金3,237,676円、事業収入27,383,169円、補助金11,996,944円、寄付金5,106,811円、雑収入2,041,007円)

活動の目的・趣旨

 広く一般市民に対して、社会教育に関する講演会やイベント、小中学校の総合的な学習への講座カリキュラムの提案等の教育事業を行い、もってあらゆる世代の人々が生涯にわたって学び続け、いきいきとした生活が送れる社会の実現に寄与する。

団体の設立経緯

 シブヤ大学は、特定非営利活動法人greenbird(グリーンバード)代表の長谷部健氏がその著作(『シブヤミライ手帖』、木楽舎、2005年)のなかで、それまで行政によって実施されていた生涯学習事業をビルドアップし、地域密着型の新しい生涯学習のあり方として提案したのが、もともとのきっかけである。その後、05年末にシブヤ大学を、NPO法人を運営主体として事業化するための検討会をスタート。約1年間の準備期間を経て、2006年8月に認証を得て、9月に設立された。

主な活動内容

1.渋谷区を中心とした公開講座等
  • 一般市民を対象に地域資源を活かした生涯学習の機会を提供する
  • その他、市民学習グループのサポート、商店と地域をつなぐサポートを行う
2.他団体姉妹校活動サポート事業
  • 全国各地で生涯学習の機会の提供や、実施団体に対して助言支援を行う
    支援対象は、札幌オオドオリ大学、京都カラスマ大学、福岡テンジンなど、全国9地域、9団体にのぼる。

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 渋谷区を中心とした公開講座

街がまるごとキャンパス!シブヤ大学

 シブヤ大学の特色の一つに校舎がないことが挙げられる。通常、学校を設立する場合、校舎をどこに建設するかといったことから検討するが、シブヤ大学では、渋谷の街の良さをシブヤ大学の活動に取り入れることを目的として、渋谷の街全体をキャンパスに見立てて活動している。
 講座の内容に応じて、公民館、商業施設、カフェレストランなど、渋谷区内の施設と提携しながら、これまで197カ所を教室に用いて講座を行っている。

●多様な講師陣、教室は渋谷区内

 二つめの特色として、先生、生徒といった役割に固定されず、ボーダレスに学び合う独自の体制を確立している点が挙げられる。「遊ぶのがいちばん楽しい街は、学ぶのがいちばん楽しい街になれる」というコンセプトに代表されるように、シブヤ大学ではオープンな学びの場を通じて様々な人と関わることができる。講座の講師陣には大学教授をはじめ、音楽プロデューサー、有名料理店の若女将、区内の市民活動家、区内の学生や主婦など、有名無名の講師がそれぞれの得意分野で講座を行う。
 また、講座は資格や単位取得を目的としていない。あくまでシブヤ大学は、参加する個人が毎日を楽しく過ごすきっかけを見つけ、人生が少しでもよい方向に変わっていく学びの場である。

明治神宮での授業の様子
明治神宮での授業の様子 

●地域に根ざした講座

 講座内容は、落語などの教養講座や環境問題いった生涯学習講座から、「男のたしなみ白書」など時事性に富んだ講座、「明治神宮の森でどんぐり拾い」など地域に根ざした講座まで幅広い。
 講座は1回で完結するものを中心に、第3土曜日に開講する。教材などの必要経費以外は、講座料、入学料はかからない。受講者の層は、20~30代が全体の約8割を占めるが、70代まで幅広い。
 参加者総数は4年間で約1万6千人、開講した講座数は557講座に上る。また、これまで開講したすべての講座で、定員に対して倍以上の申し込みがあった。

●講座の運営を支えるコーディネーター

 こうした幅広い講座の企画から運営を支えるシステムとして、授業コーディネーターと呼ばれるスタッフの存在がある。授業コーディネーターは、講座を企画し、講師の発掘、講座の運営までを請け負う。授業コーディネーターは有償のボランティアスタッフで、現在は約20名程度、年齢構成も職種も様々である。
 授業コーディネーターは、いわばレストランのシェフであり、発掘した講師を素材として、生徒の視点で講座の内容や進め方について講師と共有する一方、事務局と講師の間を調整する役割を担いながら料理(=講座)を完成させる。

●自発的なゼミ活動

 3つめの特色としてゼミ活動がある。講座終了後にも継続的に学習したい生徒が自発的に集い、任意の活動を始める。そのなかにはアサヒビール株式会社との連携で、未来の渋谷で飲みたい地ビールづくりを行う「ビール醸造ゼミ」、放課後NPOアフタースクールとの連携で小学校を中心に放課後プログラムを行う「放課後ゼミ」などがある。

誰でも教え、学べる地域密着型の生涯学習の場
誰でも教え、学べる地域密着型の生涯学習の場 

●全国に広がるシブヤ大学モデル

 シブヤ大学の理念や活動に共感した全国各地で、シブヤ大学のモデルを参考に街をキャンパスに見立てて、地域密着型の生涯学習と新しい地域コミュニティづくりを支援する活動が進行している。全国各地や海外からの依頼を受け、2007年10月より「シブヤ大学のつくりかた学科」を設置し、生涯学習の機会を提供する団体に対して、シブヤ大学のノウハウを提供する活動を行ってきた。この学科は、NPO法人格取得の申請方法、講座カリキュラムの構築方法、資金調達方法などのシブヤ大学運営のノウハウに加え、シブヤ大学設立の理念が伝わる内容になっている。
 当学科を契機に、2008年10月の「京都カラスマ大学」を皮切りに、2009年9月には「大ナゴヤ大学」、2010年11月には「琉球ニライ大学」が開講し、姉妹校は全国で9地域、9団体にのぼる。

3 事業の成果と課題

Win-Winの関係を築く

 現在、多数の企業や行政、町会、商店街と連携した取り組みを開始しているが、連携相手に対しては「生涯学習を通じた街づくりの推進」というシブヤ大学の理念に賛同していただくことを最も大切にしている。特に、理念の共有を得ないまま安易な下請け関係にならないようにしている。また、連携の相手先に対しては、一方的なパートナーシップにならないよう、相手の立場を考慮し双方の資源を活用できるような取り組みになるよう注力している。
 とりわけ連携先が資金や人材を拠出する場合には、シブヤ大学に集う受講生のネットワークを活かせる仕組みづくりなどの工夫が欠かせない。例えば、アサヒビールとの連携事業「ビールの醸造ゼミ」では、ビールの魅力を知ることを目的として、ビールづくりに関心のある受講生を募集し、企業のビール専門家の講義後、渋谷の地ビールの商品コンセプトについてディスカッションを行う。企業にとっては、若年層のビールに対する価値観や嗜好に対する理解を得る機会になっており、新しい商品のマーケティングに寄与する取り組みになっている。

教室(会場)によって、講義の雰囲気は様々
教室(会場)によって、講義の雰囲気は様々

地域に広がるネットワーク

 設立以来5年の間に、講座終了後の「ゼミ」活動を通じて受講生のネットワークが生まれると同時に、姉妹校との交流を通じて他地域にも新しいネットワークが広がるなど、シブヤ大学のモデルを横展開することができた。
 また、シブヤ大学の活動がより地域に根ざした形で浸透している例の一つに、2006年から継続している「原宿表参道元氣祭“スーパーよさこい”」体験会がある。当時、町会の方と話をするなかで、地域のお祭りの参加者はシニア世代が中心で、若い世代の参加が見込めず、若い世代と話をするきっかけすらないと相談を受けた。
 そこで、地域の若い世代とシニア世代が出会う場として、シブヤ大学で盆踊りや地域のお祭りに関する講座を開講した結果、受講生の中から多くの参加者につなげることができた。また、よさこい祭りには受講生の中から毎年リピーターで参加する人が増えており、シブヤ大学の活動が地域社会のコミュニティビルディングにつながっていることを実感している。
 また、「明治神宮の森でどんぐり拾い」の講座に過去5年間、小学生の子どもと2人で参加している保護者から「子どもが成長したら活動に参加する立場から運営する立場になりたい」との話をいただいた。シブヤ大学の多くの講座は1回限りではあるが、活動が一過性ではなく、地域住民から所望されて活動を継続できたことを嬉しく感じている。

財政基盤を強化するための課題

 財政基盤については、行政や企業の講座企画委託事業収入が中心となっているが、景気の変動に左右されやすく、年度ごとに収入の振れ幅が大きい。したがって、連携事例を推進するなかで、連携先のニーズを見通して良好な関係を継続できるように、常に意識している。また、寄付や会費を増やすことを検討しているが、寄付に対する受益をどのように定義づけるかなど受益と負担の関係が不明確なこともあり、改善途中である。

4 今後の展望

ネットワーク型のコミュニティづくりを深化させる

 シブヤ大学の活動に参加した市民一人ひとりが、街の魅力を発信することで、渋谷区の将来にわたる活性化につなげたい。そのためには、まずシブヤ大学が世代を超えた様々な人がつながるプラットフォームになればいいと考える。
 これまで、特定の分野に関心はあるけれど学習する機会がない人や、渋谷区の若者に出会う機会がない人にとっての架け橋となり、シブヤ大学での学びを通じて、地域のネットワークを深化させてきた。
 今後は参加者層の世代に広がりを持たせるとともに、託児施設と連携した子どもと一緒に参加できる講座など、より新しいサービスを充実させたい。また、2011年春には鹿児島に姉妹校が設立されるなど、各地でシブヤ大学のモデルを参考に地域の独自色を活かしたプロジェクトが広がっている。
 今後も地域の特色や活動を通じて得られたノウハウを共有しながら、ネットワーク型のコミュニティづくりを進め、全国9地域にある姉妹校との連携を強化していきたい。

左京学長
左京学長 

(ヒアリング応対者:学長 左京泰明氏)

 シブヤ大学では参加者が先生・生徒といった特定の役割に限らず、全員がキーパーソンになれる。プロジェクトに関わる事務局スタッフ、商店や企業の担当者、地域の専門家など全員をキーパーソンと捉えることで、新たな活動のきっかけを生み出すことができる。活動を仕事としてというより、参加者全員が自らの生きがいや、やりがいを感じられるような取り組みを増やすことが大事。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --