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特定非営利活動法人 アスクネット

子どもたちの夢と未来をつなぎ出会いと挑戦の教育をつくる

所在地…〒456-0006 愛知県名古屋市熱田区沢下町8-5愛知私学会館東館3階
TEL…052-881-4349 FAX…052-881-5567
URL…http://www.asknet.org/ E-Mail…info@asknet.org

愛知県名古屋市

1 団体の概要

代表者名…白上昌子
設立年月…1999年6月 認証日…2001年10月16日
有給スタッフ数…常勤/16名(契約社員含む)
事業規模(09年度決算収入)…89,424,696円
(内訳:会費1,396,000円、事業収入87,306,447円、寄付金608,909円、その他113,340円)

活動の目的・趣旨

 地域の学校・市民・企業・行政・各種団体などと協力して、互いが学びあい育ちあう共同体づくりを進める。そこでの出会いをきっかけとして、人々とりわけ子どもたちが夢や目標をもって挑戦し、その中で成長していく学習を創造する。これらの多様な「出会い」と「挑戦」の機会を通じて、自らの人生を主体的に切り開き、社会をよりよくしていく主体者へと成長する過程を支援することで、誰もが心豊かに暮らせる社会を実現し、社会全体の利益の増進に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 初代代表が国際交流の経験から、日本の状況、特に若者について“このままではいけない!”と考えたことが団体発足のきっかけである。日本の若者を変えるためには、教育のあり方を変えなければいけないのではないかと奔走した結果、出会ったのが市民参加型セミナー「愛知サマーセミナー」と私立学校の教職員組合を中心としたネットワークであった。
 教育への想いを持ったこのネットワークと「誰でも先生、誰でも生徒、どこでも学校」をキャッチフレーズとする愛知サマーセミナーに可能性を感じて、代表自身の得意分野であったIT技術を活用して教育イベントを支援する事業を「愛知私学教育ネット」として1999年に開始した。
 2001年6月に「愛知市民教育ネット」と改称し法人化申請、10月にNPO法人として認証を受けた。2006年10月に現在の「アスクネット」に改称した。

主な活動内容

1.教育コーディネート事業

 専任の教育コーディネーターを養成し、学校と地域をつないでキャリア教育を推進する事業

2.教育CSR推進事業

 企業の教育的社会貢献活動のプログラム開発から実施・検証までを支援する事業

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 教育コーディネート事業

 アスクネットでは、専任の教育コーディネーターを養成し、学校と地域をつないでキャリア教育を推進する事業を行っている。「教育コーディネーター」とは、子どもと学びと地域の大人をつなぐ専門家である。教育現場では、多忙な先生方を陰でサポートし教師力を存分に活かせる環境をつくり、地域社会では、学校と社会をつなぐ「仲介役」である。
 アスクネットでは、2001年7月からスタートした「市民講師ナビ事業」以降、学校への市民講師派遣のコーディネート活動を継続し、ノウハウを蓄積してきた。
 2009年度から3年計画で受託している愛知県委託事業「ふるさと雇用再生人材育成コーディネート推進事業」では、アスクネットが教育コーディネーターを育成しつつ、次の3つの事業を実施している。

1.高等学校への社会人講師の派遣

 その道のプロ・社会人の先輩として社会人が教壇に立ち、生徒たちに職業についての授業を行うことで、生徒の仕事への興味・関心を高め、職業観の醸成に役立つ。また、教えることを通じて自分の仕事を客観的に見つめ直すことができるなど、企業が協力する場合は社会貢献と同時に社員教育としての効果が期待できる。

2.高校生を対象にしたインターンシップのサポート

 実際の仕事の現場に触れることで、生徒たちの働くことへの関心が高まる。

3.小中学生を対象にしたモノづくり教室の開催

 イベントだからこそ楽しめるプログラムで、時間や空間の自由さを生かした体験が子どもたちのモノづくりに対する興味や関心を湧き立たせるとともに、職人とのふれあいによって、技能職に対する理解や関心も引き出す。

高校生に対して板金の実技指導を行う社会人講師
高校生に対して板金の実技指導を行う社会人講師

事業名称 教育CSR推進事業

 アスクネットは、2006年からアイシン精機株式会社と協働で「アイシン環境学習プログラム」を支援している。アイシン精機株式会社は、経営理念の一つに「社会・自然との共生」を掲げ、CSR(企業の社会的責任)として、持続可能な社会構築に貢献すべく、地球環境に対しても様々な活動を行っている。
 アイシン精機株式会社は、2005年に開催された「愛・地球博」で環境学習に取り組む地域の小学校と共同でイベントを実施した。その後、継続的な年間行事とするために、プログラムの見直しを行い、教育委員会や学校の理解をより得られるようにしたいというアイシン精機株式会社の考えから、教育に関する知識やノウハウを持つアスクネットと協働して、初年度は本社を置く刈谷市と工場のある安城市の小学校から環境学習を開始した。
 「アイシン環境学習プログラム」は、「地球の仲間たちの声を聞こう!」をコンセプトに、次の5つのプログラムで構成される。アスクネットとアイシン精機株式会社が、学校・学年・クラスの学習目標や子どもたちに学ばせたい内容や学校のある地域の特性に応じて、先生方と相談しながらつくり込んでいく。

  1. 学び(座学):教室や学校内で学習する背景や知識を学ぶ。
  2. 感じる(体験):学校外に出て実際の現場を目で見て触れて五感で感じ学習する。
  3. 「愛・シンパシーワークショップ」:カードゲームで、魚や鳥、熊など生き物(動物)の気持ちになって、自然環境や人間と動物の関係について感じ考える。
  4. エコ・アクション:企業の行っているエコの取り組みについて学び、自分たちの生活をチェックし、毎日の生活のなかではどのようなエコの取り組みができるか話し合った後、期間を決めて児童自身が発見したエコな取り組みを「気づき」として共有しあう。
  5. エコトークセッション:プログラムのまとめとして、他学年や保護者、地域の方々に学習した成果を発表する。

自然環境を学ぶカードゲームに夢中になる子どもたち
自然環境を学ぶカードゲームに夢中になる子どもたち

3 事業の成果と課題

教育コーディネーターに対する一層の理解に向けて

 10年前のファーストステージでは、総合学習の進め方等明確にニーズのある先生や学校の依頼に応じる形で、いわば点と点で教育コーディネートを行っていた。その後、行政からの委託事業等を受託できるようになり、現在は愛知県との協働によって、愛知県全域を対象としたキャリア教育の推進に取り組み、教育コーディネーターの育成そのものを事業の一つとするセカンドステージへと移り変わってきた。
 こうした変遷に伴い、広く企業を含む地域市民の理解とより多くの先生の理解を得るためにニーズを喚起することが課題になっている。
 先生にとって、教育コーディネート事業は、保護者や先生以外の様々な社会人の人的ネットワークの広がりが期待できる。また、教育コーディネーターを通じて他校の取組事例を知る機会にもなる。
 毎年1~3月頃の新年度の年間教育計画を学校側が検討する時期に、学校の先生方の相談に乗り、社会人講師を活用したカリキュラムを提案することが多い。しかし、管理職の校長や教頭が実施を決めても、現場の先生方には戸惑いが見られることがある。子どもたちにとっての最大の教育環境は先生自身である。先生方と信頼関係を築き、寄り添いながら側面的に支援していく姿勢が大切であると考える。

小中高校生からのキャリア教育の必要性

 高等学校の特に普通科の先生は、進路指導というと大学への進路指導が主であるため、キャリア教育への理解が十分とは言えないことが多い。フリーターやニートの増加、雇用のミスマッチや就職難という現代社会において、大学生になってからのキャリア教育では遅い。また、そもそも学習する意味が分からず学習意欲が低いのも現代日本における課題である。小中高校生のときから学習が社会とつながっていることを感じられる教育、つまりキャリア教育を進めることで、社会性を身につけることができる。児童・生徒一人ひとりの職業観を育てるために、教育コーディネーターのような外部資源をもっと活用して、学びそのものを根底から変えていく必要がある。
 こうしたなか、今回、高等学校の新学習指導要領で明確にキャリア教育の推進が明記された。高等学校への社会人講師の派遣を通じたキャリア教育など、これまでのアスクネットの取り組みが教育行政においても積極的に評価される時代が訪れていると考える。

子どもたちだけでなく大人にとっても貴重な経験に
子どもたちだけでなく大人にとっても貴重な経験に 

教育CSR推進事業では企業のニーズに合った活動を

 企業のCSR活動と協働するうえでは、次世代にビジネスをつないでいきたい会社、事業を通じて社会をより良くしたい会社、社員教育に力を入れている会社、新しいことにチャレンジしたい会社などに対して、そのニーズに沿った提案することが必要である。
 例えば、自分の仕事に対する責任と誇りを社員たちに持ってほしいという企業の悩みに対しては、社員が生徒の前で講演し、生徒が会社の現場を訪問してそこで働く社員がインタビューに対応するような機会を設ければ、何のために働いているのかという仕事の意義を社員が再確認するきっかけになるという提案ができる。社員が子どもたちに触れることで大人の自我を芽生えさせ、この企業に入社してよかったという気持ちが改めて醸成されたという評価も得ている。

学校と企業と行政の結節点を目指して

 教育コーディネーターが介在することで、企業の学校教育現場への参画の潤滑油となることができる。企業がコスト負担するため学校も予算面での心配が少なく、企業もCSR活動を推進できるという面で、学校と企業の双方にとって望ましい成果を生んでいる。
 教育コーディネーターは、学校が受け入れやすいように、総合的な学習の時間に適したイベント授業を企画・提案することが大事である。大手企業にはCSR部署があるため、こうした部署を相手に提案活動を行えるが、中小企業にはCSR部署がないことが多いため、地域ぐるみの教育をどのようにつなげていくかという観点で、地域の中小企業を巻き込んでいくことが課題となっている。
 国や自治体による委託事業や助成金を継続的に獲得していくことで、アスクネットの認知度も高まり、教育コーディネーターという新たな役割を明確に示すことにつながっている。アスクネット内での人材育成と、学校や企業からの受注という事業の好循環を持続させることが必要である。

4 今後の展望

 アスクネットは、行政では分断されている小中高大の教育のそれぞれの現状と課題を、愛知県の子どもたちの教育との全体的な関わりを通じて熟知しており、横断的に情報提供できる点が強みである。今後もこうした強みを活かして、アスクネットが教育コーディネーターとして地域資源を教育現場に結び付ける「仲介役」を果たすとともに、各地域で教育コーディネーターとしての人材を育成し、市民参加による出会いと挑戦の教育づくりを推進していきたい。

(ヒアリング応対者:代表理事白上昌子氏、高井千恵子氏)

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --