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特定非営利活動法人 開発教育協会(DEAR)

一人ひとりが世界を変えるチカラになる

所在地…〒112-0002 東京都文京区小石川2-17-41 富坂キリスト教センター2 号館3階
TEL…03-5844-3630 FAX…03-3818-5940
URL…http://www.dear.or.jp/ E-Mail…main@dear.or.jp

東京都文京区

1 団体の概要

代表者名…岩﨑裕保
設立年月…1982年12月 認証日…2003年3月3日
有給スタッフ数…常勤/2名、非常勤/4名
事業規模(09年度決算収入)…24,581,955円
(内訳:会費5,935,000円、寄付金298,467円、助成金等 3,155,000円、自主事業収入15,016,934円、受託事業収入170,000円、雑収入6,554円)

活動の目的・趣旨

 広く子どもたちや一般市民をはじめ、行政および各種団体等の関係者を対象として、地球社会が抱える開発・環境・人権・平和・文化などの人類共通の諸問題に関する教育活動の推進、およびそれら問題の解決に向けた国際協力や国際交流等の実践を図るため、開発教育に関する政策提言、調査研究、情報提供、人材育成、普及推進等の事業を行い、もって共に生きることのできる公正な地球社会の実現という公益の増進に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 1979年11月に日本で初めての「開発教育シンポジウム」が東京で開催されたことをきっかけに、開発教育の普及推進に関心を寄せる個人やユニセフ(国連児童基金)などの国際機関、国際協力NGOが結集、1982年12月に「開発教育協議会」が発足し、2002年に「開発教育協会」(通称:DEAR(Development Education Association and Resource Center))に改称した。
 設立当初は主に社会教育や市民活動の場を中心に開発教育の普及推進を行っていたが、「総合的な学習の時間」の開始に伴い、学校における開発教育プログラムの作成や実施する人材の育成に注力している。会員数は、2010年3月時点で団体会員が42団体、個人会員は683人にのぼる。また、個人会員のうち、約半数は学校の教員で構成されている。会員のなかには、教材作成やワークショップ開催等の企画を担当するなど、主導的に団体の活動に関与している人もいる。

主な活動内容

1.開発教育に関する教材・資料作成と情報収集・提供事業
  • 会報「DEARニュース」の編集発行
  • 新規教材・資料の企画編集と制作発行・販売
2.開発教育に関する人材育成事業
  • 行政、学校、教育委員会などによる研修会へDEAR関係者を講師として派遣
  • 開発教育や参加型学習に関連した各種講座・研修会の開催
3.国内外の開発教育実践者間の交流やネットワーク事業
4.開発教育に関する政策提言事業
  • JICA(国際協力機構)や外務省等に対する政策提言活動
5.開発教育に関する調査研究事業

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 開発教育に関する人材育成事業

開発教育協会の事業構成

 開発教育協会が実施する教育事業は、主に3つの形式に分かれる。「開発教育に関する教材や学習プログラムの作成」、「教育現場の指導者を主対象とした研修会」、「教育委員会や自治体などが主催する研修会等に対する講師派遣」である。
 開発教育協会では、とりわけ開発教育の理念や参加型学習の手法を、現場で実践する先生や教育関係者と共有することを目指して、先生向けの教材開発や、先生に対するトレーニングを実施している。
 学校で開発教育を導入する教科は、総合学習のほか、社会科、家庭科、地理・公民、英語、道徳などで、教科の枠を超えて開発教育が実践されている。開発教育協会が実施する学習テーマや教材には、例えば世界経済の動きを疑似体験する「新・貿易ゲーム」、世界24カ国の30家族と1週間分の食材を撮影した写真を用いて文化の多様性、ライフスタイルの変化などを学ぶ「写真で学ぼう! 地球の食卓学習プラン10」などがあり、いずれもゲームなどの参加型の学習活動をとおして、生徒が身近な問題から社会問題全般を幅広く考える内容になっている。
 開発教育は貧困問題や人権問題などの社会情勢に対する理解と密接に関係するため、小学校低学年ではその実践が難しいといわれてきた。しかし、多様性への理解や、世界の様々な人と文化に対する共感力の育成は開発教育のねらいのひとつであり、親しみやすいゲームや写真を使用してこうした内容を学習できる教材は、低学年から活用されている。

開発教育は参加型学習で進める
開発教育は参加型学習で進める

●「授業作りサークル」

 「 授業作りサークル」は、小中学校の先生が発起人となり、開発教育の実践における先生同士の経験交流を図ることを目的に、具体的な実践事例を交えながら、開発教育の授業の作り方や進め方について話し合う。2009年度は計6回の講座を開催し、延べ100名程度の先生が参加した。「水と地球と私たち」「とうもろこしから見える世界」などをテーマにした開発教育の実践事例を持ち寄り、それぞれの持つ知見を授業のなかでどのように活かすかなどについて研究しながら交流を深めている。
 参加者には、毎回参加している先生も多い。これらの研究成果として、小中学校の新学習指導要領と開発教育に関連するさまざまな学習テーマとの対応表を、2011年に作成する予定である。

教員・教育実践者向けワークショップでの熱心な視線
教員・教育実践者向けワークショップでの熱心な視線

●「教材体験フェスタ」

 「教材体験フェスタ」は先生をはじめとする教育実践者を対象として、「世界」と「足もと」をつなぐさまざまな学習テーマについての、参加型の学習手法を学ぶことを目的とした講座である。
 受講者は、2日間で30コマの中から最大6コマを選択できる。取り上げられる学習テーマはいずれも「世界の貧困の現状」「多様性の理解と尊重」「公正な貿易のありかた」「わたしたちの暮らしと世界とのつながり」などに関連する。各講座では、参加型学習(ワークショップ)の体験後、それを参加者が実際に教室でどのように活用できるかについて、講師と参加者を交えて意見交換を行う。
 2010年で4回目の実施となり、毎回全国各地から先生をはじめとする教育実践者が300名ほど参加している。さまざまな参加型学習の手法や教材を一度に体験できる数少ない場として好評で、毎回参加する人も多い。

3 事業の成果と課題

教え子が実践者に!

 団体設立から30年弱、開発教育に対する意識の高い会員の先生のもとで、小中学校時代に開発教育の参加型学習を受けた若い世代が、現在会員として開発教育協会の活動に関わっている。
 若い世代の会員のなかには「生徒として受講した開発教育プログラムにおいて、生徒同士の学びを通じて、社会の課題を考えるきっかけになった」と話す人もいる。このように、会員である先生の教え子が再び開発教育プログラムを時代に合わせて進化させる好循環が生まれている。

先生同士の経験・交流のネットワーク

 先生向けの研修・講座を通じて、先生方の経験・情報交流のネットワークが団体を超えて発展している。例えば、海外での開発教育の事例を研究し、それを国内で展開する方法を探る会員グループが現れている。また、会員同士の情報交換のツールであるメーリングリストでは、会員の先生が実践した開発教育プログラムの内容報告、生徒の反応や意見がタイムリーに交換されており、地域を超えて志を同じくする先生方と継続的に関わり、相互に学びあう場が構築されている。
 また、開発教育の研修会を地域に広げるために、地域のNPO・NGOと連携して研修を共同開催することもある。共同開催をきっかけに、地域に根ざした教育活動を行っているNPO・NGOと、同じ地域の学校で活動する会員の交流が継続しているなど、開発教育で繋がるネットワークが構築されている。

参加型学習に関する研修機会が必要

 学習指導要領の変更に伴って「持続可能な開発」への言及がそのなかに見られるなど、今後、学校で先生が開発教育を実施しやすくなることが期待される。しかしながら先生の多くは参加型学習に馴染みがなく、ほとんどの場合その知識や手法に関する研修を受ける機会がない。「総合的な学習の時間」の設置等により参加型学習を実践する機会も以前よりは増えたが、参加型学習を実践するための指導者向けの研修体制や情報提供体制は不十分であり、現場が混乱する一因となっている。
 開発教育は、さまざまな教科内で実践できることに加え、教科横断的な「テーマ学習」として実践することで、学習効果を高めることも可能である。しかし、学校内で限られた先生のみが開発教育の知識や手法を持ち、それらを学校内で共有する機会が得られない場合や、学校の方針で数時間の授業枠しか設けられないという場合が多く、その効果が十分に発揮できていないのが現状である。

現場型NPOに有利な助成金制度の増加

 事務局の運営面は財政的に厳しく、また慢性的に人手不足の状態が続いている。特に財政面では、教材販売などによる事業収入が収益の柱であるが、教材作成には平均して2 年以上費やすうえ、販売数も限られており十分な収入とは言えない。加えてこれまでは、地方自治体や財団からの助成金を教材開発費の財源に充当していたが、最近の傾向として直接現場と関わるNPO・NGO向けの助成金が増えており、当団体のような実践者を間接的に支援するNPO・NGOが活用できる助成金は減少している。
 東京ボランティア・市民活動センターや、助成財団センターなどのサイト等を日頃から確認しているが、教材作成や組織基盤強化への助成金の獲得はさらに難しくなると感じている。

「写真で学ぼう!地球の食卓 学習プラン10」
「写真で学ぼう!地球の食卓 学習プラン10」 

4 今後の展望

開発教育プログラムのより一層の広がりに期待

 社会全体のNPO・NGOに対する意識の高まりとともに、団体の活動に対する理解が得られてきているとも感じる。また、小中高校生はディスカッションを中心とした参加型の学びを進めていく機会が増えている。こうした社会の変化にあわせて、開発教育のプログラムの認知と普及により一層努め、教育の場でより良い実践ができるような工夫を行っていきたい。
 また、より多くの良質な教材を発行できるよう、人員の確保と費用を獲得するための工夫が必要だと考えている。例えば、「写真で学ぼう! 地球の食卓」では、ワークショップ開催時に、教材費に加え一律定額の寄付をセットにして販売するなどの工夫を行っている。
 ただし、教材の発売だけでは教材が一人歩きして本来の目的とは異なる使われ方をすることもあるため、教材を適切に活用できる人材の育成と教材の開発を同時に進めていく必要がある。

(ヒアリング応対者:事務局次長 西 あい氏)

助成金の獲得が厳しくなっているが、地域の市民活動センターや、助成財団センター等のWEB サイトなど、日頃のチェックは欠かせない。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --