男女共同参画推進のための学び・キャリア形成に関する有識者会議(第3回)議事要旨

1.日時

平成30年1月31日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省生涯学習政策局会議室

3.議題

(1) 学びを通じた女性の社会参画について 
(2) その他

4.出席者

委員
大槻座長、小山内委員、櫻田委員、竹原委員

文部科学省
中野男女共同参画学習課長、宗近女性政策調整官、岡田専門官ほか

5.議事要旨

(1) 学びを通じた女性の社会参画について、事務局から資料1、参考資料に基づき説明の後、委員による意見交換が行われた。委員からの主な意見は以下のとおり。
各段階における方策
<学びの場への誘導>
○学びの場への誘導の対象が、社会参画へつながっていくために何かしたいが何をすればいいのかわからないといった層と、社会参画について関心が低い層へのアプローチが混在しているため、分けて考えるべき。前者は男女センターなどに行っている可能性があるが、後者はそのような場に行かないので、住民窓口からのアプローチが効果的である。
○学びの場への入り口としてネットを活用した情報提供が効果的ではないか。例えば、住民窓口で配布するリーフレットなどにQRコードをつけて、気軽にアクセスして気づきを与えるようなことが考えられる。
○「もやもや」の中身を、例えば社会に参画したいという気持ちとか、将来への漠然とした不安など具体的に記載するべき。
○PTAは1つの任意団体であるため、地域活動団体、NPOなどの1つとして書いてはどうか。他方、多くの保護者が集まるという点で、他の団体とは異なり、広く情報を届けられるという特長がある。また、積極的に参画している人と加入しているだけの人、有職者、無職者など、多様な人がいることに留意が必要。
○学びの場へ誘導するための効果的な情報提供として、自分が働いたとき、働かなかったときの生涯賃金や老後の生活への影響などリアルなデータを示してはどうか。
<自己発見・キャリアプランニング>
○マインドアップのための学びでも、具体的なプログラムの中に、子育て後の人生をイメージするなど、社会構造と照らして自分のいる位置を確認するプロセスを盛り込むべき。
○とりあえずパートと考える人もいるが、生涯賃金のことや社会保障のことなども含め、ライフプランを考えて様々な選択肢を考慮するような学びも必要。
○社会の変化のスピードは早く、離職前の仕事と現在の仕事、将来の仕事は変わってくる。やりたいことを見つける際に、過去の仕事にとらわれず、社会情勢の変化をとらえ、自ら方向性を見出していくことが重要。
○子どもの教育同様に、大人も知識だけでなくいかに活用するか、コミュニケーション能力も含め、変化に対応して生きぬく力が必要。
<就職に向けた学び>
○インターンシップは、社会体験を目的とするものと、実務を行ったり、相性が合えばそのまま採用に至るようなものがあるが混在して書かれている。前者は、非営利団体や女性センターのようなところでの実施、後者は企業等などでの実施とすみ分けることも考えられる。
<就職支援>
○就職支援では、企業などの受け入れ側に、離職中の子育て等の経験や社会活動のキャリア評価について理解を求めていく視点も必要。
○子育て中の体験は、コミュニケーション力のみならず、協調性や調整力、忍耐、継続力、やりぬく力などにつながっている。
○就職活動のノウハウに大学等のリカレント教育実施機関が出てくるが、多くの大学はこのターゲットとしている女性の就職支援のノウハウをあまりもっていないのではないか。
<フォローアップ>
○当人だけでなく、企業などの受け入れ側のフォローアップも必要。フィードバックを得てよりよいプログラムに改善していけるとよい。
○好事例の共有に、大学のキャリアセンターでよく行われている体験記の共有というものを入れ込んではどうか。

地域の関係機関の連携体制構築
○関係機関の連携の必要性については、単なる一元的な相談体制だけではないため包括的な機能が構築できるといった意味合いの書きぶりに修正すべき。
○企業・商工会に期待される役割に、教育プログラム構築とあるが、教育プログラムを構築するのはハードルが高い。企業・商工会には、プログラム構築に向けた検討に加わって、出口としてのニーズを伝えることを期待する。また、就業中の女性とのキャリアトークなどで協力してもらうことも考えられる。
○企業等には、女性を採用する意義を理解してもらうことも必要。
○教育プログラムは、むしろNPOや男女共同参画センター等に期待することである。
○地方公共団体に期待している役割に、女性の学び支援や再就職支援の啓発や講座の実施を見えるように記載すべき。
○企業・商工会は受け入れ側であるが、農業などのその他産業も含まれるということがわかるような書きぶりにすべき。
○男女共同参画に関する活動を行っているNPOも多く、NPOにも期待する役割は大きいので、各機関の1つに入れるべき。
○1つの機関では、ジェンダーの視点が抜けた支援になってしまうことが考えられることから、関係機関との連携によって、ジェンダーの視点を理解することが必要である。

今後の検討事項、その他
○「自分のよりよい選択のための学び」とあるが、選択だけでなく「人生」と大きくとらえてもよいのではないか。また、社会参画の視点も必要。
○全体を通して、全員が働くべきというメッセージと捉えられないよう配慮が必要。
○非正規から正規への転換は重要な課題。

(2)その他として、男女共同参画のための女性の学び・キャリア形成支援に関する調査概要について、事務局から資料2に基づき説明の後、委員による意見交換が行われた。委員からの主な意見は以下のとおり。
○学びに利用した場所としては、通信教育や資格取得等のために自学自習する人も結構多いと思われる。
○男女共同参画センターの場合、学び(講座)は行っているが、その受講生がその後再就職までしたかというところは情報の収集が難しいかもしれない。
○男女センター等からのアプローチの場合、再就職した人に限定せず、再就職しなかった場合にその理由を聞くことも考えられる。
○調査対象の女性はモニターの活用も考えられるのではないか。
○アンケート調査とインタビュー調査をうまく組み合わせて情報を補完する必要がある。

 (3)事務局から次回の日程について説明し、会議を終了。

(以上)

6.配付資料

資料1)学びを通じた女性の社会参画中間まとめ(素案)
資料2)男女共同参画のための女性の学び・キャリア形成支援に関する調査の概要について(案)
参考資料1)男女共同参画推進のための学び・キャリア形成支援事業(30年度予算(案))
参考資料2-1)公益財団法人日本女性学習財団認定キャリア形成支援士
参考資料2-2)平成29年度厚生労働省委託事業女性就業支援全国展開事業
参考資料3)女性の学び支援のための研究協議会(徳島・東京)チラシ

お問合せ先

生涯学習政策局男女共同参画学習課

男女共同参画推進係
電話番号:03-5253-4111(2654)
メールアドレス:danjo@mext.go.jp

(生涯学習政策局男女共同参画学習課)