政策目標7 科学技術・学術政策の総合的な推進

概要

 科学技術と社会との調和に考慮し、国民、地域、国際等の視点に立ち、科学技術・学術政策を総合的に推進する。このため、4の施策によってその目的の達成を目指す。

主管課(課長名)

 科学技術・学術政策局政策課(磯谷 桂介)

評価

 科学技術関係人材の育成及び科学技術に関する国民意識の醸成、イノベーション創出に向けた産業連携の推進及び地域科学技術の振興、科学技術システム改革の先導、科学技術の国際活動の戦略的推進に向けた取組は、想定通り達成された。

24年度実施施策の取組状況

○科学技術関係人材の育成及び科学技術に関する国民意識の醸成(施策目標7-1)
 未来を創る若手研究者等の支援の強化を図るため、自立的な研究環境の整備、若手研究者等が能力を発揮できる環境整備を支援するとともに、理数分野において優れた素質を持つ児童生徒を発掘して、その能力を伸ばすための取り組みを推進してきた。また、科学技術の社会的信頼を得るために、広く国民を対象として、科学技術に触れ、体験・学習できる機会の拡充を図ってきた。
 結果、若手研究者等が能力を最大限発揮できる環境を整備し、理数に興味関心の高い子供の能力を伸長することができる環境が提供され、国民が科学技術に触れる機会が増えてきている。
 第4期科学技術基本計画において、自然科学系のテニュアトラック教員や女性研究者の採用割合について高い目標が定められている(それぞれ平成27年度に30%)が、最新のデータではそれぞれ6.7%(平成24年度)、24.2%(平成21年度)である。近年増加傾向にはあるものの、依然として目標値とは差があるため、さらに若手研究者等が力を最大限発揮できる環境整備や、女性研究者が研究と出産・育児等を両立するための環境整備の支援を進めていく必要がある。

○イノベーション創出に向けた産業連携の推進及び地域科学技術の振興(施策目標7-2)
モニタリングとしたため、モニタリング結果を参照。

○科学技術システム改革の先導(施策目標7-3)
モニタリングとしたため、モニタリング結果を参照。

○科学技術の国際活動の戦略的推進(施策目標7-4)
 研究環境の国際化や人的ネットワーク等の国際活動の基盤を拡大することにより、研究者等の往来などの国際交流を推進するとともに、戦略的な国際共同研究や政府間会合を通じ、各国との持続的な関係の構築を促進することに取り組んできた。
結果、国内の研究環境の国際化や外国人研究者等の受入れのための制度や環境を整備したり、我が国の研究者の海外派遣を強化したりすることで、国際交流をより一層推進している。また、先進国から途上国まで途切れずに多様で重層的な協力関係の構築を行い、科学・技術外交を戦略的に推進している。
 国際研究ネットワークの形成・強化は今後とも一層進めていく必要があるため、我が国の大学等の研究機関が、世界トップクラスの研究機関とネットワークを形成し、自らそのハブとなることへの支援の充実を図ることが重要である。
 また、東日本大震災の影響等で「科学・技術・自然」分野における国際会議の開催数(1,104回(平成22年度)→899回(平成23年度))や海外からの受入れ研究者数(短期)(23,212人(平成22年度)→20,257人(平成23年度))が減少しており、今後の推移が回復傾向にあるかを注視していく必要がある。

25年度以降の政策への反映方針

○科学技術関係人材の育成及び科学技術に関する国民意識の醸成(施策目標7-1)
・スーパーサイエンスハイスクールにおいて平成25年度から開始した「科学技術人材育成重点枠」を平成26年度以降も着実に実施す る。また、平成26年度概算要求において、大学を中心とした国際的科学技術人材育成プログラムの開発・実施、課題探求型の理数教育の実践を支援するための予算を新たに要求する。さらには、サイエンス・インカレをより価値の高いイベントとし、創造性豊かな科学技術関係人材を効果的に育成するため、新たにシンポジウムを開催するための費用を要求する。

・女性研究者研究活動支援事業において、共同研究を行っている企業等が機関や地域と連携して取り組みを広げる拠点型が平成25年度に新設されたが、引き続き、関係者の意識改革や周知・普及に関する取組を行っていく。また、大学等でコンソーシアムを形成して、企業等とも連携し、人材の流動性を高めつつ、若手研究者等が能力を最大限活躍できる環境整備のために必要な予算等を新たに要求する。さらに、労働契約法の若手研究者のキャリア形成に対する影響を懸念する指摘もあるため、関係府省が連携して直ちに検討を開始し、必要な措置を講ずる。技術士制度については、制度の在り方についての検討を含め、その充実に取り組んでいく。

・科学技術週間の推進や科学技術リテラシーの向上を目的とした資料の作成などを通じ、引き続き「科学技術」について国民が意識し、考える機会を提供するとともに、多様な科学技術コミュニケーション活動を活性化させるように努める。

○科学技術の国際活動の戦略的推進(施策目標7-4)
・海外の優れた研究者の受入れ並びに我が国の研究者の海外派遣を強化し、国際交流を推進するための支援等を着実に実施していく。このうち、「頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣事業」については、対象とする研究グループの重点化や交流相手となる世界トップレベルの研究グループの絞り込み等を行う「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業」として実施する。
・引き続き、先進国から途上国まで多様で重層的な協力関係の構築を行い、科学・技術外交を戦略的に推進するための施策を着実に実施していく。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成25年12月 --