政策目標6 私学の振興

概要

 建学の精神に基づく個性豊かな活動を積極的に展開して、我が国の学校教育の発展にとって、質・量共に重要な役割を果たしている私立学校の振興のため、その教育研究条件の維持向上と在学する学生生徒の修学上の経済的負担の軽減を図るとともに、経営の健全性を高めることを目的として、様々な振興策を講じている。

主管課(課長名)

 高等教育局私学部私学行政課(森 晃憲)

評価

 我が国の学校教育の発展において重要な役割を果たしている私立学校の振興に向けた取組は、目標通り成果を上げた。

24年度実施施策の取組状況

○(施策目標6-1)特色ある教育研究を展開する私立学校の振興
 私立学校の振興に向け、私学助成、税制などの施策を行った。
その結果、大学、短期大学、高等専門学校の教員一人当たりの学生数は8.3人に改善され、大学及び短期大学における定員超過率が150%を超えるものの全体に占める割合は、平成23年度において0%を達成する等教育研究条件の向上や学校法人の経営の健全性が図られた。
 また、私立学校施設の耐震化率は、大学等が81.8%、幼稚園から高等学校が75.4%に増加しており、幼児児童生徒学生等の安心安全な環境整備が促進された。
 今後は、私立学校が質の高い教育を継続的に実施するとともに、現下の厳しい経営環境に鑑み、学校法人自らが「自立・発展」、「連携・強化」、「撤退」といった将来的な方向性を早期に判断し得るよう、引き続き学校法人の経営改善に向けた取組をこれまで以上に強化することが課題である。
 具体的には、学校法人の総負債比率の数値を改善するための方策の検討や、学校法人が多様な収入源を確保するため、「寄附促進アクションプラン」の推進、学校法人の帰属収入に占める寄附金比率を改善するための方策の検討も課題である。
 東日本大震災により被災した私立学校の災害復旧費補助を行っている。また、被災した私立学校に対して、経常費補助の増額、幼児児童生徒数が減少し経営に不安を抱える私立学校に対する減収分を考慮した支援を行った。これらの一体的な支援により、安定的・継続的な教育環境が確保されるよう、私立学校の復旧・復興に努めている。引き続き、被災した私立学校や学生等に対して、安定的・継続的な教育環境が確保されるよう重点的な支援を行うことが課題。

25年度以降の政策への反映方針

・引き続き、教育研究条件の維持向上を図るため、今後も各大学等の特色を生かせるきめ細やかな支援を行うなど、私立学校の振興を図るための支援策について検討を行い、事業を引き続き実施する。その際、各私立学校における教育条件の維持向上を図るため予算の充実が必要であり、また、加速度的に知識基盤社会化する世界にあって、高等教育の約8割を担う私立大学の質的充実が大学全体の質の保証、向上にとって極めて重要である。私学助成はこれを支える基盤的経費として相応しい効果を挙げる必要があるため、多様な特色の発揮と質的充実に向けた支援及びガバナンス強化や教育研究活性化のためのメリハリある配分を強化していく。また、学ぶ意欲のある児童生徒等が経済的理由により修学を断念することのないよう、今後とも経済的負担軽減のための方策について検討を行い、引き続き事業を実施する。また、東日本大震災の教訓等を踏まえ、今後発生が懸念されている南海トラフ地震や首都直下地震に備えるべく、「私立学校施設防災機能強化集中支援プラン」により、私立学校施設の耐震化の一層の促進を図る。
・大学が質の高い教育を継続的に実施するために、引き続き学校法人運営調査等を通じ、経営改善のための取組や積極的な財務情報の公開の取組を促進する。最新年度の集計中データも集まり次第、分析を行う。また、「寄附促進アクションプラン」を積極的に推進することで、各種の寄附金に係る制度の周知・定着をさらに図り、寄附金比率向上を目指すなど、学校法人の確固とした財政基盤の確立を一層図っていく。平成26年度税制改正要望において、多元的な資金調達の促進に向けて、「学校法人への個人寄附に係る税額控除の要件の見直し」等を要望しており、学校法人の寄附税制の拡充等を行う。
・東日本大震災により被災した地域を含む全国において、安全安心な教育環境の整備を行うために耐震化を促進するとともに、被災した学校法人に対する経営支援を行うなど、引き続き、被災した私立学校や学生等に対して、安定的・継続的な教育環境が確保されるよう重点的な支援を行っていく。 

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大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成25年12月 --