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2-2.試験研究を行った場合の法人税額等の特別控除(拡充)

1.政策評価の対象とした租税特別措置等の名称

 試験研究を行った場合の法人税額等の特別控除

(国税11)(所得税(租税特別措置法第10条、租税特別措置法施行令第5条の3、租税特別措置法施行規則第5条の6):外)
(法人税(租税特別措置法第42条の4、第68条の9、租税特別措置法施行令第27条の4、第39条の39、租税特別措置法施行規則第20条、第22条の23):義)

2.要望の内容

総額型の控除上限の再引上げ(法人税額の20%→30%)

3.担当部局

科学技術・学術政策局基盤政策課

4.評価実施時期

平成24年8月

5.租税特別措置等の創設年度及び改正経緯

  • 増加型:昭和42年度創設
  • 中小企業技術基盤強化税制:昭和60年度創設
  • 特別共同試験研究に係る税額控除制度:平成5年度創設
  • 総額型:平成15年度創設
  • 高水準型:平成20年度創設
  • 平成24年度税制改正にて、上乗せ措置(増加型・高水準型)の適用期間を2年延長

6.適用又は延長期間

  • 総額型(中小企業技術基盤強化税制、特別共同試験研究に係る税額控除制度含む):期限なし
  • 増加型・高水準型:平成25年度末まで

7.必要性等

丸1 政策目的及びその根拠

《租税特別措置等により実現しようとする政策目的》

2020年度までに、官民合わせた研究開発投資をGDP比4%以上にする。

《政策目的の根拠》

「2020年度までに、官民合わせた研究開発投資をGDP比4%以上にする。」
(日本再生戦略:平成24年7月閣議決定)

丸2 政策体系における政策目的の位置付け

政策目標7 科学技術・学術政策の総合的な推進
施策目標7-3 科学技術システム改革の先導

丸3 達成目標及び測定指標

《租税特別措置等により達成しようとする目標》

民間研究開発投資の対GDP比率を、主要先進諸国の中で最高水準(第1位)とする。

《租税特別措置等による達成目標に係る測定指標》

民間研究開発投資の対GDP比率の国際比較

《政策目的に対する租税特別措置等の達成目標実現による寄与》

 我が国全体の研究開発投資の7割以上を占める企業の研究開発投資を押し上げることにより、国全体の研究開発投資の対GDP比率を高めることに大きく寄与することが可能。

8.有効性等

丸1 適用数等

・利用実績 (うち、税法上の中小企業分)

<総額型>

平成21年度 5,628事業年度(3,392事業年度)
平成22年度 6,640事業年度(4,029事業年度)
(出典:国税庁 会社標本調査結果「税務統計から見た法人企業の実態」。 

<総額型控除上限20%→30%を活用する企業>

平成21年度  1,127事業年度(733事業年度)
平成22年度  1,722事業年度(1,269事業年度)
(平成24年度「経済産業省企業アンケート調査」より推計)

・将来推計

<総額型>

平成23年度見込み  6,475事業年度(3,783事業年度)
平成24年度見込み  6,775事業年度(3,783事業年度)
平成25年度見込み  6,719事業年度(3,584事業年度)
(平成24年度「経済産業省企業アンケート調査」より推計)

<総額型控除上限20%→30%を活用する企業>

平成25年度見込み  1,616事業年度(1,051事業年度)
(平成24年度「経済産業省企業アンケート調査」より推計)

・利用業種

下記の通り、幅広い業種で利用されている。

【総額型控除上限20%→30%適用企業 業種別内訳】

業種名

適用企業数 

 うち中小企業

総計

158

22

化学

56

7

電気機器

25

3

精密機器

14

2

輸送用機器

12

0

機械

9

0

食料品

8

1

ゴム製品

7

2

情報・通信業

4

1

金属製品

3

1

その他

20

5

平成24年度「経済産業省企業アンケート調査」より

丸2 減収額

・減収額実績 (うち、税法上の中小企業分)

<総額型>

平成21年度  2,432億円(125億円)
平成22年度  3,502億円(165億円)
(出典:国税庁 会社標本調査結果「税務統計から見た法人企業の実態」)

<総額型のうち、控除上限20%→30%>

平成21年度  342億円(9億円)
平成22年度  460億円(12億円)
(平成24年度「経済産業省企業アンケート調査」より推計)

・将来推計

<総額型(平成24年度及び25年度は、控除上限20%として推計)>

平成23年度見込み  3,735億円(131億円)
平成24年度見込み  3,760億円(120億円)
平成25年度見込み  4,178億円(126億円)
(平成24年度「経済産業省企業アンケート調査」より推計)

<総額型のうち、控除上限20%→30%>

平成25年度見込み  589億円(11億円)
(平成24年度「経済産業省企業アンケート調査」より推計)

丸3 効果・達成目標の実現状況

《政策目的の実現状況》(分析対象期間:平成17年~平成21年)

我が国は、主要先進国の中で第2位の対GDP研究開発投資比率であるが、4%には届いていない。

主要国の対GDP研究開発投資比率(単位:%)

 

2005年

2006年

2007年

2008年

2009年

日本

3.32

3.40

3.44

3.45

3.36

中国

1.32

1.39

1.40

1.47

1.70

韓国

2.79

3.01

3.21

3.36

3.56

アメリカ

2.59

2.64

2.70

2.84

2.90

イギリス

1.73

1.75

1.78

1.77

1.85

カナダ

2.04

2.00

1.96

1.86

1.92

ロシア

1.07

1.07

1.12

1.04

1.25

フランス

2.11

2.11

2.08

2.12

2.26

ドイツ

2.51

2.54

2.53

2.69

2.82

イタリア

1.09

1.13

1.17

1.21

1.26

出典:OECD「Main Science and Technology Indicators database 2012/01」

主要国の対GDP民間研究開発投資比率(単位:%)

 

2005年

2006年

2007年

2008年

2009年

日本

2.54

2.63

2.68

2.70

2.54

中国

0.91

0.99

1.01

1.08

1.25

韓国

2.15

2.32

2.45

2.53

2.64

アメリカ

1.80

1.86

1.93

2.04

2.04

イギリス

1.06

1.08

1.11

1.10

1.12

カナダ

1.14

1.14

1.09

0.98

0.99

ロシア

0.73

0.72

0.72

0.66

0.78

フランス

1.31

1.33

1.31

1.33

1.39

ドイツ

1.74

1.78

1.77

1.86

1.91

イタリア

0.55

0.55

0.61

0.65

0.67

出典:OECD「Main Science and Technology Indicators 2012/01」

<今後の達成予測>

主要先進諸国等における研究開発税制拡充競争が激化する中、総額型控除上限の引上げにより、長期的に安定した研究開発投資が促進されることで、最高水準の対GDP民間研究開発投資比率の確保に寄与することが可能と考えられる。

《租税特別措置等が新設、拡充又は延長されなかった場合の影響》(分析対象期間:平成25年度~平成34年度)

平成25年度の減収見込み額及び投資押上げ効果に基づき、今回の拡充要望が実現しなかった場合のGDP押し下げ効果を試算する。

経済波及効果を分析するに当たっては、モデルを用いて計算をする前提として、一定の期間を区切る必要があり、分析対象期間は平成25年度~平成34年度までの10年間とした(※24年度の経済産業省実施アンケートに基づく試算)。

<控除上限型>

平成25年度の減収見込み額における、今回要望内容の効果

 ・減収額:589億円程度

  ↓ (マクロモデルによる計算)

 ・GDP押下げ影響:約3,596億円

《税収減を是認するような効果の有無》(分析対象期間:平成25年度~平成34年度)

 経済波及効果の試算 (※24年度の経済産業省実施アンケートに基づく試算)

<今回要望:控除上限20%→30%>

 ・平成25年度減収額 (大企業579億円、中小企業11億円)

  ↓ 研究開発税制による研究開発投資押上げ効果
     大企業:1.49倍
     中小企業:1.41倍

 ・研究開発投資押上げ額
     大企業:863億円(579億円×1.49倍)
     中小企業:15.5億円(11億円×1.41倍)

  ↓ GDP押上げ効果(マクロモデルによる計算)
     大企業:3,532億円
     中小企業:64億円

 ・平成25年度の控除上限引上げ(20%→30%)による減税が、平成25年度~平成34年までの10年間に及ぼ すGDP押上げ効果:3,596億円

9.相当性

丸1 租税特別措置等によるべき妥当性等

・ 我が国においては、
 丸1 企業が実施する研究開発費は、国全体の研究開発費総額に占める割合が高い(75.3%、主要国中トップ
 丸2 企業が実施する研究開発費をほとんど企業自身の資金で賄い(98.2%)、
 丸3 政府による企業への直接支援が少ない(1.2%、主要国中最低)。

・ すなわち、我が国のイノベーションは、企業が牽引しており、かつ、企業が自らの負担で推進していることから、企業の創意工夫ある自主的な研究開発を促進することが、成長力・国際競争力強化の観点から極めて重要。
・ 研究開発税制は、企業の法人税額負担を減少させることにより、創意工夫あふれる自主的な研究開発投資を直接促すことが可能な措置であり、妥当性があると言える。
・予算上の措置(委託費等)は、それぞれ国の政策に基づき助成等の対象者及び研究テーマ等を設定することで、より特定された分野又は研究開発段階における成果の獲得を目指す制度であることからすれば、あくまで誘導的な政策支援であり、民間活力による自主的な研究開発投資を幅広く促進することにより、我が国の経済成長を実現するためには、本税制措置による支援が適切と考えられる。

丸2 他の支援措置や義務付け等との役割分担

・ 予算上の措置(委託費等)は、それぞれ国の政策に基づき助成等の対象者及び研究テーマ等を設定することで、より特定された分野又は研究開発段階における成果の獲得を目指す制度であり、民間活力による研究開発投資を幅広く促進する制度である税制措置とは支援目的と対象が異なる。
・ また、諸外国においても、民間研究開発投資に対し、予算・税制両面から積極的な支援が行われている。

丸3 地方公共団体が協力する相当性

・地方税法第23条第一項第四号において、法人住民税は試験研究費税額控除前の法人税額を課税標準とすることとされている。その中で、中小企業者等においては、地方税法附則抄第8条により、試験研究費税額控除後の法人税額を課税標準とすることが定められている。

10.有識者の見解 

11.前回の事前評価又は事後評価の実施時期 

平成23年9月

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成24年10月 --