政策目標6 私学の振興

●概要

 建学の精神に基づく個性豊かな活動を積極的に展開して、我が国の学校教育の発展にとって、質・量共に重要な役割を果たしている私立学校の振興のため、その教育研究条件の維持向上と在学する学生生徒の修学上の経済的負担の軽減を図るとともに、経営の健全性を高めることを目的として、様々な振興策を講じている

●主管課(課長名)

 高等教育局私学部私学行政課(森 晃憲)

●評価

 我が国の学校教育の発展において重要な役割を果たしている私立学校の振興に向けた取組は、目標通り成果を上げた。

●23年度実施施策の取組状況

○ (施策目標6-1)特色ある教育研究を展開する私立学校の振興

 私立学校の振興に向け、私学助成、税制などの施策を行った。
 その結果、大学、短期大学、高等専門学校の教員一人当たりの学生数は8.4人に改善され、高等学校等においても、平成20年度12.0人から平成23年度11.5人に改善。また、私立大学の図書館の蔵書数や、電子ジャーナルの蔵書数についても、着実に改善した。
 また、私立学校施設の耐震化率は、大学等が1.9%、幼稚園から高等学校が2.3%に増加しており、幼児児童生徒学生等の安心安全な環境整備が促進された。
 今後とも私立学校が質の高い教育を継続的に実施するために、学校法人自らが「自立・発展」「連携・強化」「撤退」といった将来的な方向性を早期に判断し得るよう、引き続き学校法人の経営改善に向けた取組をこれまで以上に強化する必要がある。
 そのために、具体的には学校法人が多様な収入源を確保するため、「寄附促進アクションプラン」の推進、学校法人の帰属収入に占める寄付金比率を改善するための方策の検討が課題である。
 東日本大震災により被災した私立学校の災害復旧費補助に加え、原子力発電所事故に伴い、毎時一マイクロ・シーベルト以上の放射線量の私立学校を対象に、校庭等の土壌改良への財政支援を行っている。また、被災した私立学校に対して、経常費補助の増額、幼児児童生徒数が減少し経営に不安を抱える私立学校に対する減収分を考慮した支援を行った。これらの一体的な支援により、安定的・継続的な教育環境が確保されるよう、私立学校の復旧・復興に努めている。引き続き、被災した私立学校や学生等に対して、安定的・継続的な教育環境が確保されるよう重点的な支援を行うことが課題。

●24年度以降の政策への反映方針

○ (施策目標6-1)特色ある教育研究を展開する私立学校の振興

・引き続き、教育研究条件の維持向上を図るため、今後も各大学等の特色を活かせるきめ細やかな支援を行うなど、私立学校の振興を図るための支援策について検討を行い、引き続き事業を実施する。その際、私学助成においては、引き続き、各私立学校における教育条件の維持向上を図るため予算の充実が必要であり、また、加速度的に知識基盤社会化する世界にあって、高等教育の約8割を担う私立大学は日本の「分厚い中間層」を支える土台であるとの認識から、私学助成はこれを支える基盤的経費として相応しい効果を挙げる必要があるため、多様な特色の発揮と質的充実に向けた支援及びガバナンス強化や教育研究活性化のためのメリハリある配分を強化していく。
・学ぶ意欲のある児童生徒等が経済的理由により修学を断念することのないよう、今後とも経済的負担軽減のための方策について検討を行い、引き続き事業を実施する。
・大学が質の高い教育を継続的に実施するために、引き続き学校法人運営調査等を通じ、経営改善のための取組や積極的な財務情報の公開の取組を促進する。最新年度の集計中データも集まり次第、分析を行う。また、「寄附促進アクションプラン」を積極的に推進することで、各種の寄附金に係る制度の周知・定着をさらに図り、寄附金比率向上を目指すなど、学校法人の財政基盤の安定化を図っていく。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成24年10月 --