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2-2.試験研究を行った場合の法人税額等の特別控除(上乗せ措置の恒久化)

1.政策評価の対象とした租税特別措置等の名称

試験研究を行った場合の法人税額等の特別控除(上乗せ措置の恒久化)

2.要望の内容

増加型・高水準型の恒久化

3.担当部局

科学技術・学術政策局基盤政策課

4.評価実施時期

平成23年9月

5.租税特別措置等の創設年度及び改正経緯

  • 増加型:昭和42年度創設
  • 中小企業技術基盤強化税制:昭和60年度創設
  • 特別共同試験研究に係る税額控除制度:平成5年度創設
  • 総額型:平成15年度創設
  • 高水準型:平成20年度創設

6.適用又は延長期間

  • 総額型(中小企業技術基盤強化税制、特別共同試験研究に係る税額控除制度含む):期限なし
  • 増加型:平成23年度末まで
  • 高水準型:平成23年度末まで
  • 経済対策部分:(総額型控除上限を20パーセントから30パーセントとすることについては平成23年度末まで。繰越期間は最長平成24年度末まで)

7.必要性等

1.政策目的及びその根拠

《租税特別措置等により実現しようとする政策目的》

2020年度までに、官民合わせた研究開発投資をGDP比4パーセント以上にする。

《政策目的の根拠》

「2020年度までに、官民合わせた研究開発投資をGDP比4パーセント以上にする。」
(新成長戦略:平成22年6月18日閣議決定)

2.政策体系における政策目的の位置付け

  • 政策目標7 科学技術・学術政策の総合的な推進
    • 施策目標7-4 科学技術システム改革の先導

3.達成目標及び測定指標  《租税特別措置等により達成しようとする目標》

民間研究開発投資の対GDP比率を、主要先進諸国の中で最高水準(第1位)に維持する。

《租税特別措置等による達成目標に係る測定指標》

民間研究開発投資の対GDP比率の国際比較

《政策目的に対する租税特別措置等の達成目標実現による寄与》

我が国全体の研究開発投資の7割以上を占める企業の研究開発投資を押し上げることにより、国全体の研究開発投資の対GDP比率を高めることに大きく寄与することが可能。

8.有効性等

1.適用数等

  • 利用実績 (うち、税法上の中小企業分)
    <本租税特別措置全体>    
    平成19年度  8,479事業年度(5,747事業年度)
    平成20年度  7,912事業年度(4,657事業年度)
    平成21年度  7,172事業年度(4,411事業年度)

    <増加型・高水準型>
    平成20年度   907事業年度( 430事業年度)
    平成21年度  1,544事業年度(1,019事業年度)

(出典:国税庁 会社標本調査結果「税務統計から見た法人企業の実態」。 なお、平成18年度以前の会社標本調査においては、事業年度に係るデータが表記されておらず、また増加型・高水準型の事業年度は平成20年度から表記されている。)

  • 将来推計(うち、税法上の中小企業分)
    <本租税特別措置全体>
    平成22年度見込み  8,727事業年度(5,224事業年度)
    平成23年度見込み  6,485事業年度(3,099事業年度)
    平成24年度見込み  6,660事業年度(3,180事業年度)

    <増加型・高水準型> 
    平成22年度見込み  1,442事業年度( 877事業年度)
    平成23年度見込み   887事業年度( 439事業年度)
    平成24年度見込み   857事業年度( 390事業年度)

(出典:平成23年度「経済産業省企業アンケート調査」より経済産業省が推計)

  • 利用業種
    下記の通り、幅広い業種で利用されている。

【平成22年度増加型・高水準型 業種別内訳】

業種

 利用企業数

 (うち中小企業)

化学 

44

3

電気機械 

19

3

窯業

3

0

輸送用機械

7

3

精密機械

6

1

機械

13

3

その他

52

14

平成23年度「経済産業省企業アンケート調査」より

2.減収額  

  • 減収額実績 (うち、税法上の中小企業分)
    <本租税特別措置全体>
    平成17年度 5,663億円(307億円)
    平成18年度 5,820億円(305億円)
    平成19年度 6,269億円(167億円)
    平成20年度 2,881億円(246億円)
    平成21年度 2,565億円(131億円)

    <増加型・高水準型>
    平成20年度 178億円(14億円)
    平成21年度 133億円(6億円)

(出典:国税庁会社標本調査結果「税務統計から見た法人企業の実態」)

  • 将来推計(うち、税法上の中小企業分)
    <本租税特別措置全体>
    平成22年度見込み 3,059億円(248億円)
    平成23年度見込み 2,915億円(113億円)
    平成24年度見込み 2,591億円(112億円)

    <増加型・高水準型>
    平成22年度見込み 221億円(8億円)
    平成23年度見込み 151億円(4億円)
    平成24年度見込み 126億円(3億円)

(出典:平成23年度「経済産業省企業アンケート調査」より経済産業省が推計)

3. 効果・達成目標の実現状況

《政策目的の実現状況》(分析対象期間:平成15年~平成20年)

 現在、我が国の官民合わせた研究開発投資のGDP比率は3.42パーセント。主要先進諸国の中で最高水準の対GDP研究開発投資比率を維持しているが、4パーセントには届いていない。
 なお、当該目標は政府による研究開発投資と民間研究開発投資とを合わせて達成すべきものであるところ、本租税特別措置は、民間研究開発投資の促進に資するものである点に留意。

主要国の対GDP研究開発投資比率(単位:パーセント)

 

2003年

2004年

2005年

2006年

2007年 

 2008年

日本

 3.20

3.17

3.32

3.41

 3.44

3.42

中国

1.13

1.23

1.34

1.42

1.44

1.54

韓国

2.49

2.68

2.79

3.01

3.21

3.37

アメリカ

2.61

2.54

2.57

2.61

2.66

2.77

イギリス

1.75

1.68

1.73

1.75

1.79

1.77

カナダ

2.04

2.08

2.05

1.97

1.90

1.84

ロシア

1.28

1.15

1.07

1.07

1.12

1.04

フランス

2.17

2.15

2.10

2.10

2.04

2.02

ドイツ

2.52

2.49

2.49

2.53

2.53

2.64

イタリア

1.11

1.10

1.09

1.13

1.18

1.19

出典:OECD「Main Science and Technology Indicators 2010/01」

<今後の達成予測>
 主要先進諸国との研究開発投資拡充競争が激化する中、本租税特別措置の効果を通じて、民間研究開発投資の対GDP比率を世界最高水準に維持し続けることができれば、政策目標の達成に大きく寄与することが可能と考えられる。

《租税特別措置等による効果・達成目標の実現状況》(分析対象期間:平成15年~平成20年)

 我が国は、主要先進諸国の中で最高水準の対GDP民間研究開発投資比率を維持している。

主要国の対GDP民間研究開発投資比率(単位:パーセント)

 

2003年

2004年

2005年

2006年

2007年

2008年

日本

2.40

2.38

2.54

2.63

2.68

2.69

中国

0.71

0.82

0.91

1.01

1.04

1.13

韓国

1.89

2.06

2.15

2.33

2.45

2.54

アメリカ

1.81

1.76

1.80

1.86

1.92

2.01

イギリス

1.11

1.05

1.06

1.08

1.12

1.10

カナダ

1.16

1.18

1.15

1.11

1.04

1.00

ロシア

0.88

0.79

0.73

0.72

0.72

0.65

フランス

1.36

1.36

1.30

1.32

1.29

1.27

ドイツ

1.76

1.74

1.72

1.77

1.77

1.85

イタリア

0.52

0.52

0.55

0.55

0.61

0.60

<今後の達成予測>
 主要先進諸国等における研究開発税制拡充競争が激化する中、総額型に続き、上乗せ措置の恒久化を図り、長期的に安定した研究開発投資が促進されることで、最高水準の対GDP民間研究開発投資比率の維持に寄与することが可能と考えられる。

《租税特別措置等が新設、拡充又は延長されなかった場合の影響》
(分析対象期間:平成22年度~平成31年度)

 平成23年度の減収見込み額及び投資押上げ効果に基づき、今回の拡充要望が実現しなかった場合のGDP押し下げ効果を試算する。
 なお、今回の要望は恒久措置を求めるものであるが、経済波及効果を分析するに当たっては、モデルを用いて計算をする前提として、一定の期間を区切る必要があり、分析対象期間は平成24年度~平成33年度までの10年間とした。

<増加型・高水準型>
平成24年度の減収見込み額における、各租税特別措置の効果

  • 減収額:126億円程度(うち中小企業分3億円)
  • GDP押下げ影響:約654億円(うち中小企業分:20億円)
    (減収額からマクロモデルにより算出) 

《税収減を是認するような効果の有無》(分析対象期間:平成24年度~平成33年度)

経済波及効果の試算 (※23年度の経済産業省実施アンケートに基づく)

<本租税特別措置全体>

  • 平成24年度減収額 2,591億円(うち中小企業112億円)
    研究開発税制による研究開発投資押上げ効果
      • 大企業:減収額の1.26倍
      • 中小企業:減収額の1.59倍
  • 研究開発投資押上げ額
      • 大企業:3,125億円(2,480億円×1.26倍)
      • 中小企業:177億円(112億円×1.59倍)
    GDP押上げ効果(研究開発投資押上げ額よりマクロモデルにより算出)
      • 大企業:1兆2,719億円
      • 中小企業:728億円

 平成24年度の本租税特別措置全体による減税が、平成24年度~平成33年までの10年間に及ぼすGDP押上げ効果:1兆3,447億円

9.相当性  

1.租税特別措置等によるべき妥当性等    

  • 我が国においては、
  1. 企業が実施する研究開発費は、国全体の研究開発費総額に占める割合が高く(72.5パーセント。 韓国に次いで2番目)、  
  2. 企業が実施する研究開発費をほとんど企業自身の資金で賄い(98.5パーセント)、
  3. 政府による企業への直接支援が少ない(0.9パーセント、主要国中最低)。
  • すなわち、我が国のイノベーションは、企業が牽引しており、かつ、企業が自らの負担で推進していることから、企業の創意工夫ある自主的な研究開発を促進することが、成長力・国際競争力強化の観点から極めて重要。
  •  研究開発税制は、企業の法人税額負担を減少させることにより、創意工夫あふれる自主的な研究開発投資を直接促すことが可能な措置であり、妥当性があると言える。
  • 予算上の措置(委託費等)は、それぞれ国の政策に基づき助成等の対象者及び研究テーマ等を設定することで、より特定された分野又は研究開発段階における成果の獲得を目指す制度であることからすれば、あくまで誘導的な政策支援であり、民間活力による自主的な研究開発投資を幅広く促進することにより、我が国の経済成長を実現するためには、本税制措置による支援が適切と考えられる。
  • 平成23年度経済産業省アンケート結果によれば、「上乗せ措置が継続される保証がないが恒久措置となれば計画に考慮」と回答する企業が半数近く(42パーセント)存在し、上乗せ措置の恒久化が研究開発投資促進の大きなインセンティブとなることが期待できる。

2. 他の支援措置や義務付け等との役割分担

  • 予算上の措置(委託費等)は、それぞれ国の政策に基づき助成等の対象者及び研究テーマ等を設定することで、より特定された分野又は研究開発段階における成果の獲得を目指す制度であり、民間活力による研究開発投資を幅広く促進する制度である税制措置とは支援目的と対象が異なる。
  • また、諸外国においても、民間研究開発投資に対し、予算・税制両面から積極的な支援が行われている。

3. 地方公共団体が協力する相当性    

10. 有識者の見解

 特になし

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成23年10月 --