1-8.我が国の強み・特色を活かした日本発「人材・技術」の世界展開
名称
我が国の強み・特色を活かした日本発「人材・技術」の世界展開
予算
平成23年度「元気な日本復活特別枠」要望額:448億円
(平成22年度予算額:176億円)
目的
我が国の強み・特色のある先端科学技術分野(宇宙分野、原子力分野、重粒子線治療分野)において、最先端技術開発及び課題解決型技術開発を進めるとともに、当該技術及び関連する人材育成をパッケージとして海外市場に提供できるようにすることを通じ、我が国の技術・インフラ・システム輸出に貢献し、我が国の国際競争力を強化する。
概要
成長市場の獲得に向けた国際競争が熾烈さを増す中、以下のとおり、我が国の科学技術の成果たるソフトパワーを活かして、日本発の「人材・技術」を世界に展開する。
- 最先端宇宙科学・技術と人材育成をセットにした新たな海外展開戦略
- 世界を圧倒的にリードした最先端宇宙科学・技術の代表である「はやぶさ」の後継機等の開発により、我が国の宇宙技術の高さをアピールし、ブランド力を育てる。
- 防災、環境監視、地図作成、森林・国土管理、水・資源管理などの各国のニーズに対応できる地球観測衛星による宇宙システムと衛星データ利用のアプリケーションを開発・実証し、衛星データの利用促進を通じた国際貢献・協力の実績を積み重ねる。
- 宇宙新興国が必要とする能力開発や人材育成・派遣を行い、技術の提供とパッケージ化することで、衛星開発技術、衛星データ利用技術の海外展開を図る。
- 高度な3S「人材・技術」を活かした日本発原子力の世界展開
(3S … Safety:原子力安全、Safeguards:核不拡散・保障措置、Security:核セキュリティ)
- 我が国が培った3Sの経験・知見を活かし、原子力導入に不可欠な保障措置(Safeguards)や核セキュリティ(Security)から、原子力利用の後処理として不可欠な放射性廃棄物処理処分の安全確保(Safety)にかかる技術までの人材育成と技術協力において、「システム」型の原子力輸出に貢献する。
- 具体的には、核セキュリティサミットにて我が国が表明し国際的に期待の高いアジア不拡散・核セキュリティ総合支援センターを設置し、各国のニーズに合わせた人材育成等を実施。
- また、放射性廃棄物処理処分の技術基盤の構築・技術提供や人材育成等を行い、これら3Sにかかる「人材・技術」のトータルパッケージを構築・提供することにより新規導入国のニーズに対応し、経済産業省と連携しつつ、民間の原子力輸出を推進。
- 日本発の重粒子線がん治療技術の高度化・海外展開
- 最先端技術の開発・導入により、重粒子線がん治療装置(HIMAC)を高度化し、術後の生活の質の更なる向上を目指す。
- 圧倒的な臨床経験を有する放射線医学総合研究所の治療方式を国際標準化することで、諸外国への展開を促進する。
- さらに、重粒子がん治療システムの更なる小型・汎用化を目指した研究に着手する。
主な目標(指標)
- ◎我が国の衛星データ利用等を通じ10年以内を目処に新たに複数の宇宙新興国において宇宙活動利用の浸透・拡大を促進
(宇宙新興国に対する衛星データ提供の件数・種類)
- 核不拡散・核セキュリティにかかる人材育成を推進、10年以内を目処に放射性廃棄物の処分に至るまでの一連の技術基盤を構築・提供。
(研修生の受け入れ数、技術の開発状況、我が国の原子力技術の導入実績)
- 3年以内を目処に治療者数を500人程度増加、海外からの研修受け入れを通じた日本発の方式の世界標準化の推進
(HIMACによる治療患者数、海外からの研修生の受入数)
必要性等
本施策は、「新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)」に掲げられた「日本の安全・安心等の技術のアジアそして世界への普及」、「パッケージ型インフラ海外展開」や、マニフェスト2010に掲げられた「総理、閣僚のトップセールスによるインフラ輸出」等を実現する上で有効かつ効果的な施策であり、実施する必要がある。また、各国の官民一体となった売り込みに係る国際競争に打ち勝つ観点からも、それぞれの分野の特徴に応じた国としての関与が必要である。
今後の方針及び外部評価・有識者からの指摘等
計画のとおり実施していくことが適当。