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廃止措置の強化に関する規制項目

主管課(課長名)

文部科学省科学技術・学術政策局原子力安全課 課長:明野 吉成

施策目標及び達成目標

施策目標10-8 安全・安心な社会の構築に資する科学技術の推進
達成目標10-8-3 放射性同位元素等に係る事故・トラブル及び放射線障害の発生を防止し、放射性同位元素等を防護する。

規制の概要

放射性同位元素の使用者等は、放射性同位元素の使用等を廃止した場合や許可を取り消された場合等には、放射性廃棄物を適切に廃棄し、汚染を除去するといった措置(以下「廃止措置」という。)を行わなければならない。この廃止措置について、以下の規制強化を行う。

1 現在、廃止措置は廃止の日から30日以内に行うこととなっているが、この期限を撤廃するとともに、放射性同位元素の使用を廃止した者等(以下「使用廃止者等」という。)が廃止措置を講じようとするときは、あらかじめ、当該措置に関する計画を文部科学大臣に届け出ることとする。
2 使用廃止者等の義務として、作業者に対する健康診断、教育訓練等の義務を追加する。
3 文部科学大臣等は、この法律の施行に必要な限度で、使用廃止者等に対し、報告させ、及び立入検査を行うことができることとする。

規制の必要性

現在、廃止措置は廃止の日から30日以内に行うこととなっているが、近年、放射性同位元素や放射線発生装置を取り扱う事業所が大型化しているため、これらの事業所が廃止措置を講ずる場合、30日以内にすべての措置を完了することは難しくなってきている。また、クリアランス制度の導入後は、廃止措置中にクリアランスを実施することが想定され、30日以内にクリアランスのための手続を終えるのは難しいと想定される。
また、平成8年に放射性同位元素の使用を廃止した事業者が、すべての放射性同位元素によって汚染された物を廃棄しなかったにもかかわらず、すべて処分したという虚偽の報告を行い、12年間にわたって放射性廃棄物を事業所内に放置していたことが平成20年に判明した。その後、当該事業者は措置命令を行っても命令に従わず、適切な廃止措置を講じなかったため、文部科学省が刑事告発し、事業者の代表者が処罰をされ、行政代執行を行うにまで至った。このような事件を防ぐための対策が必要となってきている。
このため、30日の期限を撤廃するとともに、使用廃止者等が計画的かつ確実に廃止措置を講じ、また、国がその計画を把握し適切に監督することができるよう、使用廃止者等が講じる廃止措置の内容と終了の見込みについての計画を作成させる必要がある。また、廃止措置が長期化する可能性があることから、放射線障害の防止及び廃止措置の適切な履行のため、作業者に対する健康診断及び教育訓練、放射線障害を受けた者に係る措置の報告等の義務について、廃止後も引き続き課す必要がある。さらに、廃止措置中や廃止措置を終えた後であっても、必要に応じて、報告徴収や立入検査が行えるような仕組みを導入し、使用廃止者等による適切な廃止措置の履行を担保する必要がある。これらの規制の導入は、上述の達成目標を達成するうえでも重要である。

規制の便益分析

規制を強化・緩和することによって得られると見込まれる便益

直接便益

廃止措置を講ずる期間として30日の期限が撤廃されることにより、事業所の規模等に応じた無理のない廃止措置計画をたてることができる。また、これにより廃止措置を計画的かつ確実に行うことができる。

社会便益

放射性廃棄物の処分等の廃止措置がより確実に履行されるための措置が講じられるため、放射線利用に対する社会の安全・安心につながる。
また、放射性廃棄物を事業所内に放置していた事業者がいた事件においては、事業者が措置命令に従わなかったため、文部科学省が最低限の措置について行政代執行を行うこととなった。現在、事業者は破産手続を進めているため、行政代執行の費用のすべては回収できない可能性がある。その場合、事業者の廃棄物の処理に税金が使われることとなる。廃止措置の規制を強化することにより、事業者が行う廃止措置の内容を国が事前に把握し、適切な監督を行うことができるようになるため、この事件のような不適切な廃止措置に対応するための行政費用・社会的費用が発生する可能性が低減される。

規制を強化・緩和することによって想定されるリスク

廃止措置がより確実に履行されるための措置が義務づけられるため、規制の導入によるリスクは想定されない。

規制の費用分析

遵守費用

廃止措置計画の作成のための人件費のほか、健康診断及び教育訓練等の義務の遵守のための費用が名目上発生するが、実質的には従来と変化がないものと考えられる。

行政費用

廃止措置計画の受理・確認業務(年間約140事業所程度)及び廃止措置期間が長期に渡る大規模事業所等への立入検査業務のための人件費が発生する。

社会的費用

放射性同位元素の使用者等の廃止措置に対して法令に基づく規制がかかるようになり、これに伴う社会的費用は発生しない。

評価結果

上記の便益分析及び費用分析を踏まえ、今回の放射線障害防止法の改正による廃止措置に係る規制の強化は適切である。

想定できる代替手段との比較考量

代替手段としては、使用廃止者等による確実な廃止措置の実施を担保するため、廃止措置が終了したときは国による確認を受けなければならない制度とすることが考えられる。しかし、放射線障害防止法の規制を受けている各事業所において取り扱う放射性同位元素の危険性や規模、廃止措置の困難度は様々である。それらすべての事業所について国の検査員を派遣して確認を行うことは、その必要性に対して過大な行政コストを生むこととなり、不適切である。このため、廃止措置計画の届出を受けて国がその内容を把握し、必要に応じて報告徴収や立入検査を行い得る制度とすることが適当である。

審議会等における検討結果及び有識者等の意見

文部科学省放射線安全規制検討会

放射線障害防止法における廃止措置に係る規制の強化に関して、平成21年7月に方針が了承された。

文部科学省政策評価に関する有識者会議委員の意見

・意見聴取期間:平成22年1月29日~平成22年2月5日

・評価結果はおおむね妥当。

レビューを行う時期

法律の施行後5年以内に、その時点における科学的知見、施行状況等を勘案して見直しを行う。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成22年04月 --