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32.子どものための優れた舞台芸術体験事業(新規) 【達成目標12‐1‐3】

平成22年度要求額:4,975百万円
(平成21年度予算額: ‐ 百万円)
事業開始年度:平成22年度
事業達成年度:平成24年度

主管課(課長名)

 文化庁文化部芸術文化課(清水 明)

関係課(課長名)

 ―

事業の概要等

1.事業目的

 子どもたちが本物の舞台芸術や伝統文化に触れ、子どもたちの芸術を愛する心を育て、豊かな情操を養うとともに、優れた才能の芽を育て、将来の観客層の育成を図る。

2.事業に至る経緯・今までの実績

 子どものための事業に重点化を図るため、子どもに対象を限定せず、地域の文化施設で公演を行う「舞台芸術の魅力発見事業」を廃止し、「本物の舞台芸術に触れる機会の確保」に統合し、子どもを対象として学校を中心に公演を行う「子どものための優れた舞台芸術体験事業」を要求することとした。
 「本物の舞台芸術体験事業」と同様に、全国の小学校・中学校等の体育館等の学校施設において、優れた舞台芸術や伝統芸能の鑑賞の機会を提供するとともに、ワークショップや共演を図ることに加え、学校施設以外の文化施設等において複数校合同で開催し、より効率的な事業実施を行うこととする。

3.事業概要

公演種目:合唱、オーケストラ、音楽劇、児童劇、演劇、ミュージカル、歌舞伎、文楽、洋舞、邦楽、邦舞の11種目
演目:芸術性に富み、かつ評価の定まったものを中心として、対象年代層の鑑賞に適したものとする。
公演団体:文化庁が設置する芸術に関し見識を有する者をもって構成する企画委員会の推薦に基づき決定する。公演団体は、公演に先立ち、開催校の児童・生徒に対して公演に関するワークショップ及び鑑賞指導を行うとともに、事前の実演指導を行い、公演の実演に参加させるものとする。
公演数:1,658公演
開催場所:小学校・中学校の体育館(1,516公演)及び文化施設(142公演)
参加者:小学校・中学校の児童・生徒,教職員及び保護者等
◎実施方法(共同参画の方法)
1.芸術団体側から提案された優れた演目などの企画と、学校側からの公演希望を文化庁においてマッチングし、効率的かつ効果的な公演計画を策定する。
2.実施に際しては、次のとおり三者が共同(コラボレーション)することにより効率的・効果的に事業を実施する。
 ア 文 化 庁:公演費や芸術団体の移動費等のコアな部分の経費負担
 イ 学 校 等:会場の提供、舞台装備等の搬入等の人手の提供、子どもたちへの事前・事後の指導
 ウ 芸術団体:子どもたちの心を捉える公演の企画・実施、通常より低額な出演費等

【概念図】

【概念図】

【実施スケジュール】

 8月頃 公演団体募集開始
 11月頃 公演団体決定
 12月頃 開催校募集開始
 4月頃 開催校決定
 7月頃 ワークショップ開始
 9月頃 公演開始

 なお、本事業の事務は、公募により選定した団体に委託し、民間の工夫により効率的な事業実施を行う予定である。

【年次計画】

 全国の義務教育諸学校数に特別支援学校を加えた33,963校(平成20年度学校基本調査より)を対象に、小規模校における合同開催等を加味して、義務教育期間中に本事業を1回実施するために必要な本事業の公演数は1年あたり2,315公演である。
 今後3年間で上記目標を達成するために、前身の事業である「本物の舞台芸術体験事業」の平成21年度公演数1,330公演から計画的に増加させ、平成22年度1,658公演、平成23年度1,986公演、平成24年度2,315公演を目標に予算を確保し実施する。     

4.指標と目標

【指標】

○目標公演数に対する実施公演数の達成状況
○本事業を実施した学校に対するアンケート調査  

【目標】

○平成24年度までに目標公演数(2,315公演)を達成する。
○本事業を実施した学校を対象にアンケート調査を実施し、その結果をもとに、事業を通じて豊かな感性と創造性を育んだ子どもの割合を高いレベルで維持させる。

【効果の把握手法】

○目標公演数に対する実施公演数の達成状況による。
○本事業を実施した学校に対するアンケート調査による。

事業の事前評価結果

A.20年度実績評価結果との関係

 施策目標12‐1「施策への反映」において「子どもたちが本物の舞台芸術や伝統文化に触れる機会の拡充を図る」と記載されている。

B.必要性の観点

1.事業の必要性

 次代の芸術文化の担い手である子どもたちの豊かな心や感性を育むために、学校において子どもたちに芸術文化に触れる機会を提供することは、我が国の芸術文化の振興を図る上で必要であると考える。

2.行政・国の関与の必要性

 「文化芸術の振興に関する基本的な方針(第2次基本方針)」において、文化芸術振興に当たって、重点的に取り組むべき事項の一つとして、「子どもの文化芸術活動の充実」があげられている等、各種の答申等において、国が行うべき重要な施策である旨が述べられている。
 これらを踏まえ、義務教育期間中にすべての子どもたちに2回(「子どものための優れた舞台芸術体験事業」と「学校への芸術家派遣事業」の合計2回)の鑑賞機会を提供するために、文化庁としては、事業の拡充(本事業の前身の事業である「本物の舞台芸術体験事業」と「舞台芸術の魅力発見事業」を統合)を図っているところである。
 また、トップレベルの芸術団体は首都圏等に集中している傾向があり、できるだけ地域間の格差なく優れた舞台芸術に触れる機会を確保するためには、地方や学校に委ねるのではなく、国が必要な経費を負担しつつ、全国的な芸術団体と学校側の希望をマッチングしながら実施することが適切である。

3.関連施策との関係

1.主な関連施策 施策目標12‐1

○ 「学校への芸術家派遣事業」(文化庁文化部芸術文化課)
 児童・生徒が文化活動のすばらしさを知る機会を充実し、学校における文化活動の活性化を図るため、優れた活動を行っている芸術家や伝統芸能の保持者等を学校に派遣し、講話、実技披露、ワークショップ等を通して、子どもたちの芸術への関心を高める。
 (平成22年度要求額302百万円、事業開始年度:平成14年度、事業達成年度:平成26年度)

2.関連施策との関係(役割分担・連携状況)

 子どもの文化芸術活動を総合的に推進するため、本事業のほか、「学校への芸術家派遣事業」を実施する。両事業により、義務教育期間中における子どもたちの鑑賞機会を充実する。

4.関係する施政方針演説、審議会の答申等

 「文化芸術基本方針(第2次)」P.9 8行目~15行目、「教育振興基本計画」第3章 P.22 23行目~31行目、「日本文化への理解と関心を高めるための文化発信の取組について(報告)」(文化発信戦略に関する懇談会) P.11 23行目~25行目

B.有効性の観点

1.目標の達成見込み

 平成19年度の実施状況に関する調査である「学校における鑑賞教室等に関する実態調査(社団法人日本芸能実演家団体協議会)」では、鑑賞教室が児童・生徒に与える効果の回答としては、「舞台芸術への関心を高められた」が85.1%、「豊かな心や感性・創造性をはぐくめた」が82.0%となっている(本調査結果は「本物の舞台芸術体験事業」を含む、学校における舞台芸術の鑑賞教室全般に関するデータである)。また、「文部科学省政策評価に関する調査研究(株式会社三菱総合研究所)」では、「当該事業をきっかけに文化・芸術活動を実施したくなった児童生徒の割合」が81.1%、「豊かな心や感性、創造性を育てるきっかけになったと思う保護者・教職員の割合」が保護者78.0%、教職員78.2%となっており(本調査結果は、「本物の舞台芸術体験事業」を対象としたデータである。)、児童・生徒に与える効果は高いという結果が出た。引き続き事業を充実し、この結果を維持する。

2.上位目標のために必要な効果が得られるか

 本事業の計画的拡充により、子どもたちに優れた舞台芸術や伝統芸能を鑑賞する機会が確保され、その結果、豊かな感性と創造性を育むことにつながるものと考えられ、上位目標のために必要な効果が得られると判断する。

D.効率性の観点

1.インプット

本事業の予算規模は4,975百万円である。
(内訳)

  • 諸謝金 1,109千円
  • 職員旅費 718千円
  • 委員等旅費 2,332千円
  • 芸術祭等運営費 71千円
  • 文化芸術振興委託費 4,970,371千円

2.アウトプット

 今年度は1,330公演となっており、達成年度には年間2,315公演の実施を目指している。
 優れた舞台芸術や伝統文化の鑑賞機会の増加は、次代を担う子どもたちの豊かな感性と創造性を育み、もって我が国の文化芸術水準の向上につながる。

達成年度までの計画 (公演数)

22年度 23年 24年度
1,658 1,986 2,315

3.事業スキームの効率性

 本事業の予算規模(4,975百万円)に対して、アウトプットとして、一つの芸術団体が、連続して複数の学校を訪問する旅行日程を組み、公演を行うことにより、より多くの公演数を確保することが可能となるよう事業が実施されることを見込むと、本事業のインプットとアウトプットの関係は効果的であると判断する。

4.代替手段との比較

 一流の芸術団体について分野(オーケストラ、オペラ、バレエ等)の特質を踏まえて選考を行うとともに、芸術団体と学校等とのスケジュールを調整し、芸術団体が県域を越えて巡回公演を実施することは、各地域の学校では不可能であり、地方自治体ごとに企画するよりも、国(文化庁)が一括して実施するほうが、効率的かつ効果的である。

E.公平性の観点

 本事業は、出演団体については、全国の芸術団体に対し公募を行い、外部専門家による審査を経て決定している。また、開催校についても、都道府県を通して全国の小学校・中学校等に公募を行い、公正な手続きを経て決定している。以上のことから、公平性は保たれていると判断する。

F.優先性の観点

 すべての子どもに本物の舞台芸術や伝統芸能を鑑賞する機会を提供することは、「文化芸術の振興に関する基本的な方針(第2次基本方針)」や「教育振興基本計画」、「文化発信戦略に関する懇談会」における提言においてその重要性が示されており、優先すべき政策と考えられる。

G.総括評価と反映方針

 達成年度(平成24年度)に2,315公演を実現するため、平成22年度概算要求において、計画的拡充を図る。

H.審議会や外部有識者の会合等を利用した中間評価の実施予定

 特になし

指摘事項と対応方針

【指摘事項】

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

 特になし

2.外部評価、第三者評価等を行った場合のその概要等

 本事業の前身の事業である「本物の舞台芸術体験事業」について、平成19年度の実施状況に関する調査(「学校における鑑賞教室等に関する実態調査(社団法人日本芸能実演家団体協議会)」、「文部科学省政策評価に関する調査研究(株式会社三菱総合研究所)」)を行ったところ、舞台芸術への関心を高められた等、子どもたちに与える効果は高い結果となった。

3.政策評価に関する有識者委員からの指摘・意見等

 特になし

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成22年02月 --