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31.競技者・指導者等のスポーツキャリア形成支援事業(新規) 【達成目標11‐3‐4】

平成22年度要求額:181百万円
(平成21年度予算額:‐百万円)
事業開始年度:平成22年度
事業達成年度:平成25年度

主管課(課長名)

 スポーツ・青少年局競技スポーツ課(芦立 訓)    

関係局課(課長名)

 ―

事業の概要等

1.事業目的   

 トップレベル競技者・指導者等が、生涯にわたり、社会の各分野で活躍できる基盤の形成を図り、安心して競技活動に専念できる環境を整える。

2.事業に至る経緯・今までの実績 

 競技者が第一線で活躍できる期間は限られていることから、現役引退後の生活に不安を持たずに安心して競技活動に専念できる環境を整備すべきであり、そのためには、スポーツで培った経験・ノウハウを引退後に活用できるセカンドキャリア対策が必要であるとの指摘がスポーツ関係者からなされてきた。
 こうした指摘を踏まえ、文部科学省では、平成18年度に有識者による協力者会議を設け、国内外の競技者の現役引退後の進路、セカンドキャリア支援のニーズ及び各団体等の取組状況についての調査を実施し、平成20年3月に支援の具体的方策(注)を取りまとめた。これを踏まえ、平成20年度には「セカンドキャリア支援促進事業」として、ジュニア競技者等を対象としたキャリア意識向上等のための教育プログラム開発及びこれに基づく教育啓発活動を実施したところであり、8割以上の受講者が主体的な取組を見せるなどの成果が得られたことから、教育プログラムの更なる充実・普及を図る必要がある。
 また、平成19年度からは、現役引退後の競技者を含め、世界で通用する指導者(コーチ、スタッフ)を目指す者が高度な専門的能力を習得するために財団法人日本オリンピック委員会が実施する研修制度(ナショナルコーチアカデミー)に対し補助を行っている。

注:トップレベル競技者のセカンドキャリア支援に関する調査研究事業 報告書(以下「平成20年3月報告書」。)

3.事業概要 

(1)スポーツキャリア大学院プログラム

 本プログラムでは、体育系の大学等が、財団法人日本オリンピック委員会(JOC)及び国立スポーツ科学センター(JISS)と連携し、JOCのナショナルコーチアカデミーで行われる実践的な講義・演習(コーチング論等)を単位認定するなど、理論と実践を組み合わせた教育プログラムを開発・提供することを支援する。
 これにより、意欲のある同アカデミーを受講する指導者等に対し、学位取得の道を開き社会的評価の向上を図るとともに、高度な指導・戦略立案等が可能な指導者等の養成により国際競技力の向上を図る。

(2)キャリアデザイン支援プログラム

 現在、JOC補助により、現役のトップレベル競技者を対象としたキャリア形成支援を行っているが、1.トップレベルで活躍できる競技者は限られていること、2.スポーツ分野に限らないキャリアの多様性を確保する必要があることから、競技生活初期からキャリア意識の向上やキャリアデザインの重要性等についての理解を図る必要がある。また、ジュニア競技者のキャリア意識の向上等には、保護者や指導者など周囲の理解が重要な役割を果たす。このため、ジュニア競技者(ユースエリート)、指導者、保護者、競技団体のスタッフ等に対して、教育啓発を図るためのガイダンス等を開催する。

(3)国際的スポーツ人材養成プログラム

 国際スポーツ団体等における政策決定に対する我が国のスポーツ関係者の情報収集・発信能力を高めるために、スポーツ団体の優れた人材を国際スポーツ団体等に派遣し、国際的な情報収集・発信能力を高めるとともに、国際的なスポーツ政策立案について研修する機会を提供する。

(4)企業アスリート支援プログラム

 企業等からのヒアリング等を通じ、トップアスリートのためのキャリアサポートのあり方・方法を検討し、キャリアサポートシステムの構築を図るとともに、競技生活の継続が困難と認定されたアスリートに対する活動経費の支援、情報提供等を行う。

4.指標と目標  

(1)スポーツキャリア大学院プログラム

【指標】

 プログラム実施大学が開発した教育プログラムに対する受講生等の関係者の評価

【目標】

 スポーツキャリア形成の実践と理論、諸科学を組み合わせた優れた教育プログラムの開発

【効果の把握手法】

 教育プログラムの受講者等関係者へのアンケート調査等により効果を把握する。

(2)キャリアデザイン支援プログラム

【指標】

 教育啓発のためのガイダンスへの参加人数

【目標】

 毎年500人にガイダンスを行い、キャリアデザイン等に関する意識を高める。

【効果の把握手法】

 ガイダンス参加人数の調査により、量的な面での効果を把握するとともに、参加者に対するアンケートにより、講習内容に関する質的な効果を把握する。

(3)国際的スポーツ人材養成プログラム

【指標】 

 養成対象者に対する派遣先の国際スポーツ団体等関係者の評価

【目標】

 情報収集・発信能力、国際的なスポーツ政策立案能力が備わった国際的スポーツ人材の養成

【効果の把握手法】

 派遣先の国際スポーツ団体の関係者等に対し評価を依頼する。

(4)企業アスリート支援プログラム

【指標】

 対象となる企業アスリートの競技活動状況、キャリア形成の状況

【目標】

 我が国の国際競技力を支える企業アスリートが安心して競技活動に専念できる環境を構築する。

【効果の把握手法】

対象となるアスリートからの聴取等。

事業の事前評価結果

A.20年度実績評価結果との関係  

 本事業は新規事業であり、20年度実績評価では、関連する達成目標は設定されていない。

B.必要性の観点  

1.事業の必要性  

 ジュニア競技者がトレーニング活動に専念している期間には、学業の停滞が生じ、引退後の生活に支障をきたす恐れがある。また、国際競技力向上のためには、トップレベル競技者が、選手として日常のトレーニングや国際競技大会等で得た貴重な経験を、引退後に指導者等として次代の競技者に伝えることが有益である。このため、競技生活の初期からキャリアデザインの重要性等を理解させる機会を提供するとともに、引退後に指導者等を目指す競技者に対し、実践と理論を組み合わせた高度な指導理論を学習する機会を提供する必要がある。また、昨年来の世界的な経済危機の中で、企業の運動部の休廃部が続いており、トップレベル競技者がトレーニング活動に専念できない事態が生じており、国際競技力の向上の観点から、活動の継続を支援する必要がある。

2.行政・国の関与の必要性

 競技者等のキャリア形成については、基本的には競技団体、学校、所属企業等による支援を受けながら自らの責任において、行われるものであるが、以下のとおり、国際競技力向上など、政策的必要性が特に高いものについては、国として支援を行う必要がある。

(1)スポーツキャリア大学院プログラム

 現役を引退したトップレベル競技者等で、ナショナルレベルの指導者を目指す者が、自らの競技者としての貴重な経験・ノウハウ等を次代の競技者に伝えることは、今後の国際競技力の向上に資するものであり、中でも大学院において、高度な指導理論を学習する意欲を有する者については、その機会を与えることが必要である。

(2)キャリアデザイン支援プログラム

 世界の強豪国では、競技者の育成方法として、ジュニア期からの計画的な競技者育成を図る一貫指導システムが主流となっており、我が国においても、近年、同システムによるトップレベル競技者の育成に取り組んでいる。しかし、このような新たな取組の下、ジュニア期からの高度な指導が継続して行われることにより、学業の停滞が生じ、引退後の生活に支障をきたす恐れがある。この点については、本来的には競技団体又は学校等により支援が行われることが望ましいが、一貫指導システムの定着を図るためには、当面の間、国がキャリア意識の啓発等を図り、ジュニア競技者の自らのキャリアデザイン形成の契機を与えることが必要である。

(3)国際的スポーツ人材養成プログラム

 現在、国においては、国際競技力の向上のため、トップレベル競技者の強化活動等に対する支援等を行っているが、近年、各競技における国際ルールの変更等が各国の競技力を左右する面が出てきている。このため、国際スポーツ団体の政策決定過程において、我が国としての情報収集・情報発信を行える人材を養成し、国際競技力の向上につなげる必要がある。

(4)企業アスリート支援プログラム

 我が国の国際競技力は、多くのトップレベル競技者が企業の運動部に所属してトレーニング活動を行うなど、企業の支援に支えられてきた。しかし、昨年来の世界的な経済危機の中で、企業の運動部の休廃部が続いており、トップレベル競技者がトレーニング活動に専念できない事態が生じている。このような状況は我が国の国際競技力の向上に大きな影響を及ぼすことから、トップレベル競技者が安心して競技活動に専念できる環境を構築する必要がある。

3.関連施策との関係  

1.主な関連施策 施策目標11‐3

○日本オリンピック委員会補助(選手強化事業:ナショナルコーチアカデミー事業、キャリアアカデミー事業)(競技スポーツ課)

2.関連施策との関係(役割分担・連携状況)

 「スポーツキャリア大学院プログラム」では、ナショナルコーチアカデミーの講義・演習等の単位認定などにより、大学の教育プログラムと同アカデミー事業との連携を図ることとしている。
 また、JOCが行っているキャリアアカデミー事業は、主としてメダリスト等のトップアスリート本人を対象としているのに対し、本事業では、ジュニアアスリート及びその指導者、保護者を対象とした事業であり、中・長期的な視野でキャリア意識の形成等を図ることとしている。 

4.関係する施政方針演説、審議会の答申等  

  • スポーツ振興基本計画
    3.A.(4)2)
    B.(3)1)
  • 教育再生懇談会第四次報告
    3(2)2つ目の○

C.有効性の観点

1.目標の達成見込み  

 トップレベル競技者やジュニア競技者等に対するスポーツキャリア形成支援について、現状では、各競技団体が主要な担い手であるが、取組を行っていない競技団体も多く見られる。また、取組を実施している競技団体においても、事務体制及び財政能力の限界から、必ずしも競技者等のニーズに応えるだけの研修は行われていないと考えられる。しかし、第一線で活躍できる期間が限られているという競技者の特性からすると、多くの競技者が研修等に対するニーズを有していると考えられる。本事業の実施により、スポーツキャリアの形成に関する潜在的なニーズが発掘され、多くの競技者等がプログラム、ガイダンス等に参加すると考えられることから、上述の目標を達成できると見込まれる。

2.上位目標のために必要な効果が得られるか 

 本事業を実施し、トップレベル競技者等のキャリア形成を支援することによって、1.競技者として蓄積した経験・ノウハウを次代の競技者への指導に活用すること、2.キャリア意識の向上を併せて行うことにより、一貫指導システムの構築が保護者等の理解の下、円滑に進められること、3.国際スポーツ団体における政策決定過程に関与できる人材を養成すること、4.企業アスリートの競技活動の継続などにより、結果として、施策目標11‐3にある我が国のメダル獲得率上昇に結びつくものと考えられる。

D.効率性の観点

1.インプット  

  • 事業名 平成22年度概算要求額:181百万円

2.アウトプット  

(1)スポーツキャリア大学院プログラム

 平成22年度に10大学で教育プログラムの開発を行う予定である。

(2)キャリアデザイン支援プログラム

 平成22年度には、ジュニア競技者等の参加人数50名を目指している。

(3)国際的スポーツ人材養成プログラム

 平成22年度には、5名を国際的スポーツ団体等へ派遣する予定である。

(4)企業アスリート支援プログラム

 平成22年度には、10名の企業アスリートへの活動支援等を実施する予定である。

3.事業スキームの効率性 

 本事業の予算規模(181百万円)に対して、アウトプットとして、1.トップレベル競技者等が安心してスポーツに取り組める環境の整備、2.実践と理論・諸科学を組み合わせた指導のできる指導者の養成等が図られ、これにより、中長期的には国際競技力の向上が見込めることから、本事業のインプットとアウトプットとの関係は効果的と判断する。

4.代替手段との比較  

 1.本事業は、B.2.「行政・国の関与の必要性」に記載しているとおり、国際競技力の向上等の政策的必要性を有するものであるため、その確実な実施を図るためには、各競技団体等が実施主体となる(補助事業)のではなく、国が実施主体となる(委託事業)べきであること、2.本事業の趣旨及び内容に鑑みれば、スポーツキャリアの構築についての知見及び能力を有する団体において実施する必要があること、等の理由により、委託事業として実施することが適切である。

E.公平性の観点

 本事業はトップレベル競技者が安心して競技活動に専念できる環境の整備を行うことにより、国際競技力の向上を図ることを目的としている。オリンピック競技大会をはじめとする国際競技大会における我が国のトップレベル競技者の活躍は、多くの国民、とりわけ子どもたちに夢や感動を与え、ひいては、明るく活力ある社会の形成に寄与するものであることから、本事業は、特定の競技者・競技団体・大学にのみ影響を及ぼすものではなく、効果の分配は公平であると考える。
 また、本事業の委託先については、一般競争入札又は公募による企画競争を実施し、外部有識者で構成される選定委員会において審査の上、決定する予定である。このため、選定過程においても公平性が担保されている。

F.優先性の観点

 2012年のロンドンオリンピック及び2016年のリオデジャネイロオリンピックでメダル獲得数を増大させるには、メダル獲得が有望な競技種目に対する重点的な支援に加え、今のジュニア世代の競技者の育成が重要となってくる。ジュニア競技者が将来のトップレベル競技者を目指すにあたっては、将来のキャリア形成について明確な見通しが示されることが重要と考えられる。また、国際競技力の向上には、トップレベルの競技者の国際競技大会等における経験や日常のトレーニングで得た経験が切れ目なく、次代の競技者に活用されていくことが必要である。また、企業アスリート支援については、世界的な経済危機を背景とした企業スポーツの休廃部に対応するものであり、緊急性が高い。以上のことから、本事業は優先すべき政策と考えられる。

G.総括評価と反映方針

 平成22年度概算要求及び機構定員要求に反映する。

H.審議会や外部有識者の会合等を利用した中間評価の実施予定

 選定委員会において中間評価を実施する予定である。

指摘事項と対応方針

【指摘事項】

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

 特になし

2.外部評価、第三者評価等を行った場合のその概要

 特になし

3.政策評価に関する有識者委員からの指摘・意見等

 特になし

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成22年02月 --