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29.IAEA保障措置体制下における日本の保障措置制度の改善・強化(拡充) 【達成目標10‐5‐4】

平成22年度要求額:3,309百万円
(平成21年度予算額:3,229百万円)
事業開始年度:昭和52年度
事業達成年度:平成26年度

主管課(課長名)

 科学技術・学術政策局原子力安全課保障措置室 (室長:木村 直人)

関係局課(課長名)

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事業の概要等

1.事業目的

(1)我が国は、核不拡散条約(NPT)、日・IAEA保障措置協定等に基づき、国際原子力機関(IAEA)の保障措置を受け入れ、国内にある核物質が核兵器等に転用されないことについて、IAEAの確認を得た上で原子力活動を行っている。
(2)この国際約束を履行するため、我が国は原子炉等規制法による国内保障措置制度に基づき、国内にある核物質について、1.計量管理、2.封じ込め/監視、3.現場査察を柱とした保障措置活動を実施し、これにより得られた情報をIAEAに提供している。これを受けて、IAEAが核兵器等に転用されていないことを検認することによって我が国の原子力の平和利用が担保されている。
(3)平成22年度には、IAEA最大の査察対象国である日本の保障措置制度の改善・強化を図るため、特にIAEAから日本に対して改善要請の強い、国内評価・認定体制の構築及びIAEA査察業務量の低減に対応したリモートモニタリングの導入等を実施することにより、IAEA保障措置体制における日本の国際的責務を遂行する。

2.事業に至る経緯・今までの実績

(1)我が国は、1977年に日・IAEA保障措置協定を締結以来、IAEA保障措置を受け入れ、その結果としてIAEAが毎年まとめる保障措置実施声明(Safeguards Statement)において、「保有する全ての核物質が保障措置下にあり平和的原子力活動の中にとどまっている」旨の保障措置結論を得ることで原子力の平和利用を担保してきている。
(2)近年、イラン、シリア、北朝鮮、インド等の国への対応として、IAEAに対する要請がこれまでになく高まってきている中で、IAEA査察資源の3割をも活用している日本は、平成21年度より国内保障措置制度による評価・認定の事業を開始した。これにより、日本独自の保障措置結論を得られる国内制度を構築し、国内保障措置の信頼性・透明性の向上と、IAEA査察量の削減に取り組んでいるところである。
(3)上記、国内保障措置制度による評価・認定にかかる取組は、IAEAを始め、米国やユーラトムなどからも高い評価・関心が示される一方で、もんじゅなどの施設では、監視カメラ等の情報が我が国には提供されていない。国内保障措置体制確立のためには、当該情報の共有により、一層の透明性の確保が必要である。
(4)また、平成21年度以降、プルトニウムをウランと混ぜて、混合酸化物燃料「MOX(モックス)燃料」に加工し、これを現在の原子力発電所の軽水炉で使用するプルサーマル計画により、今後16基~18基で導入を計画(大量の査察需要の発生)しているが、MOX燃料はウラン燃料よりも核兵器に転用しやすいため、より厳格な保障措置が必要となる。これに伴う立会査察等の増加に対し、我が国として、保障措置の効果を維持しつつ、効率的に対応をしていかなければならない。
 等取り組まなければならない課題等がある。引き続き、我が国の全ての核物質が平和利用されているとするIAEAの保障措置結論を継続的に得るためには、上記の課題等に対し迅速に対応していく必要がある。
 以上のことから、IAEA保障措置体制下において、我が国が引き続き国際約束を果たすため、国内保障措 置活動による評価・認定体制の確立と査察業務量の低減のためのリモートモニタリングシステムの導入等について対応していく必要がある。

3.事業概要

 上述の状況を踏まえ、平成22年度には従来の定常的な取組に加えて、国内保障措置活動による評価・認定体制の確立と査察業務量の低減のためのリモートモニタリングシステムの導入等を実施することで、IAEA最大の査察対象国である日本の保障措置制度の改善・強化を図り、日本の国際的責務を遂行する。結果として、IAEA保障措置への効率化と持続的保障措置を実現する。

IAEA保障措置体制下における日本の保障措置制度の改善・強化

4.指標と目標

<指標>

 IAEAが前年1年間の保障措置実施状況をまとめた保障措置声明(Safeguards Statement)において我が国が、「保有する全ての核物質が保障措置下にあり平和的原子力活動の中にとどまっている」旨の保障措置結論を得ること。

<目標>

 我が国自らの保障措置活動を評価、認定する能力を保有し、リモートモニタリング等の導入により査察業務量の低減を図り、その他の国内保障措置の課題に対応することで、効率的かつ持続可能な形で我が国の原子力の平和利用が担保される。

事業の事前評価結果

A.20年度実績評価結果との関係

 平成20年度の実績評価では、国内の核物質が核兵器その他の核爆発装置に転用されていないことがIAEAにより確認された、という評価結果であったが、保障措置については、今後とも核不拡散の観点から重要であることは変わりない。
 引き続き、国際約束に基づく保障措置を着実に実施するためには、

1.国内の核物質が核兵器等に転用されていないことの評価・認定を実施する体制を構築
軽水炉のMOX燃料受入等にかかる査察業務の効率化
 等の拡充を行う必要がある。

B.必要性の観点

1.事業の必要性

(1)IAEA保障措置の受け入れは国際約束に基づく義務であり、原子力の平和利用を担保する唯一の手段である。
(2)一方、IAEAの保障措置結論において、全ての核物質が平和的原子力活動の中にとどまっている旨の保障措置結論を得るためには、国内保障措置にかかるさまざまな課題等に対し、事前にかつ迅速に対応・改善していかなければならない。
(3)特に
(ア)  厳格な管理を必要とするプルトニウムの利用(プルサーマル計画)に伴い、燃料受入、燃料装荷や取替燃料に伴う立会査察等の増加に対応し、保障措置効果を維持して効率的に実施
(イ)  もんじゅなどの施設に設置されている機器の活用で、データ集約、レビューを可能とし、国内保障措置活動の評価・認定体制を構築
 等は、IAEAの保障措置結論を得るために取り組まなければならない課題であり、本事業はそのために必要な施策である。

2.行政・国の関与の必要性

 保障措置の実施とそのために必要な体制の整備は、我が国が原子力開発利用を進めるに当たって国際約束により求められている国の責務である。

3.関連施策との関係

 特になし

4.関係する施政方針演説、審議会の答申等

  • 「2008年保障措置声明」(Safeguards Statement for 2008)
     1.Eighty‐two States had both comprehensive safeguards agreements and additional protocols in force:a.
  • G8首脳会合(ラクイア会議)における「不拡散に関するラクイア声明」
     第3パラグラフ
  • 「平成22年度原子力関係経費の見積りに関する基本方針」(平成21年7月7日 原子力委員会決定)
     P4 22行目
     2.基本方針
     (6)原子力平和利用の厳正な担保と国際社会への対応の充実
  • 「総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会国際戦略検討小委員会報告」(平成21年4月)
     P13 22行目
     <戦略3>積極的な原子力外交の推進
     (2)核燃料供給補償等の国際的議論への積極的貢献
  • 北海道洞爺湖サミットにおける「議長総括」(平成20年7月9日)
     2.環境・気候変動
  • 「経済成長戦略大綱」(平成20年6月20日 財政・経済一体改革会議改定)
     P29 19行目
     第1 国際競争力の強化
     3.資源・エネルギー政策の戦略的展開
     (4)原子力立国計画
  • 原子力政策大綱に示している平和利用の担保と核不拡散体制の維持・強化に関する取組の基本的考え方の評価について(平成19年5月15日 原子力委員会決定)
     P1 16行目
     (1)国内法規制及び国際的な枠組みに基づいた、原子力の平和利用を担保する取組の推進
  • 原子力政策大綱(平成17年10月14日 その基本方針を尊重すると閣議決定)
     P6 30行目
     1‐2.現状認識 1‐2‐2.平和利用の担保

C.有効性の観点

1.目標の達成見込み

 IAEAの保障措置結論は、日・IAEA保障措置協定等に基づき、IAEAの独立検認により導出される。よって、我が国は、国内保障措置における評価・認定制度の確立、リモートモニタリングの導入等により効率化を図りつつIAEA保障措置効果を維持するとともに、国内保障措置活動における問題事象に適切に対応し問題解決がなされれば、IAEAの保障措置結論としての原子力平和利用の担保が可能となるので目標の達成は可能である。

2.上位目標のために必要な効果が得られるか

 本事業により、国内保障措置制度の改善・強化を図ることができれば、我が国の保障措置活動の透明性が向上し、査察業務等の効率化を実現しつつ、効果を維持することが可能となり、持ってIAEAの保障措置結論としての原子力平和利用の担保が可能となる。これらにより、上位目標である施策目標8‐1「核物質の適正な計量と管理を行う」ことにつながる。

D.効率性の観点

1.インプット

(1)国内保障措置活動による評価・認定体制の確立と査察業務量の低減のためのリモートモニタリングシステムの導入
 1.立会査察の代替として、a.カメラによる監視、b.ネットワークによる情報転送、c.コントロールセンターによる情報管理及び評価の実施
(2)平成22年度要求額:3,309百万円のうち、183百万円(新規)
 評価・認定体制の確立とリモートモニタリングシステムの導入

2.アウトプット

 国内保障措置活動による評価・認定体制の確立と査察業務量の低減のためのリモートモニタリングシステムの導入

  1. 国内保障措置活動による評価・認定体制の確立
  2. 複数モニタによるIAEAとの同時・適時監視の実現
  3. MOX燃料受入に伴う立会査察業務の低減
  4. 査察準備・対応にかかる事業者側の負担の軽減

3.事業スキームの効率性

 当該事業が実施されれば、我が国自らの保障措置活動を評価、認定する能力を保有し、査察業務量を削減し、効果的に事業者等の問題事象に対応することが可能となり、今後益々拡大する我が国の核燃料サイクルに対するIAEA保障措置への対応を効率化させることができる。

4.代替手段との比較

 国内保障措置活動結果を自ら評価しつつ、国内保障措置制度の改善・強化を図ることができなければ、我が国は問題事象に対応できずに、全ての核物質が平和利用されているとするIAEAによる保障措置結論を得ることができなくなってしまう。また、当該手段を実施しなければ、代替として実施者を増員したり、情報処理対応の迅速化のために、プログラム整備ではなく人員増により対応した場合は、人件費がかかるだけでなく、ミスを減らす効果も相対的に低く、IAEA指摘の疑義等への十分な対応が出来なくなり、IAEAの保障措置結論を得ることが出来ない恐れがある。

E.公平性の観点

 本事業は、原子炉等規制法により義務付けられている核燃料物質を扱う事業者への保障措置検査や核物質の計量管理について、国際約束を果たすための改善を行い、効果を維持しながら効率化するものであり、公平である。

F.優先性の観点

 我が国のエネルギー政策の根幹をなす原子力エネルギーを推進するためには、原子力の平和利用を確保する必要があり、このため、原子力活動の推進のためには、保障措置は着実に実施しなくてはならないものであり、極めて優先性が高い。(仮に保障措置が着実に実施されない場合、我が国の原子力活動に対して疑義がもたれ原子力発電所をはじめとする核燃料サイクルが停止し、我が国の経済社会に多大な負の影響を及ぼす恐れがある。)

G.総括評価と反映方針

(1)平成22年度予算については、1.保障措置の着実な実施、2.国内保障措置活動による評価・認定体制の確立とリモートモニタリングシステムの導入のための所要の経費を要求し、持続的な保障措置実現を図る。
(2)平成22年度機構定員については、国際的な核不拡散の強化に対応して、原子力の平和利用に関する国際協力を推進するための体制の整備のため、国際協力・保障措置課の設置を要求する。

H.審議会や外部有識者の会合等を利用した中間評価の実施予定

 特になし

指摘事項と対応方針

【指摘事項】

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

 特になし

2.外部評価、第三者評価等を行った場合のその概要

 特になし

3.政策評価に関する有識者委員からの指摘・意見等

 特になし

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成22年02月 --