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16.世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)(拡充) 【達成目標7‐4‐4】

平成22年度要求額:9,312百万円
(平成21年度予算額:7,109百万円)
事業開始年度:平成19年度
事業達成年度:平成23年度

主管課(課長名)

 科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官(推進調整担当)(岡谷 重雄)

関係局課(課長名)

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事業の概要等

1.事業目的

 高いレベルの研究者を中核とした世界トップレベルの研究拠点形成を目指す構想に対して集中的な支援を行い、システム改革の導入等の自主的な取組を促すことにより、世界から第一線の研究者が結集する、優れた研究環境と高い研究水準を誇る「目に見える拠点」の形成を目指す。平成22年度では世界トップレベルの研究機能の強化・拡充を図り、我が国の国際競争力を高める。

2.事業に至る経緯・今までの実績

 近年、優れた頭脳の獲得競争が世界的に激化している中で、我が国が科学技術水準を維持・向上させていくためには、優秀な人材の世界的な流動の「環」の中に位置づけられ、内外の研究人材が自然に蓄積されるような研究機関を国内に作っていくことが必要である。諸外国では、スタンフォード大学のBio‐X、MITのメディアラボ、ハワード・ヒューズ医学研究所のジャネリアファーム、英国の分子細胞学研究所のように世界から第一線の研究者が集い、異分野を融合させて新しい学問分野を創造する研究活動が行われ、優れた研究成果を生み出す拠点として世界的に高い評価を受けるような拠点が多数存在する。こうした状況を踏まえ、平成19年度に世界の頭脳が集い、優れた研究成果が生み出され、人材を育む「場」として世界トップレベル研究拠点プログラムを創設した。
 (拠点の新規採択)
 当プログラムは、平成19年度の5拠点の採択から2年弱が経過し、各拠点とも当初計画どおり着実に進行し成果をあげつつあり、既存の5拠点の世界トップレベル研究拠点の向かうべき方向性が明確に見えてきたところである。研究水準に関してはすべての拠点が非常に高いレベルにある。また、国際化に関しては5拠点平均で外国人研究者の割合が38%となり、事務部門においても英語での対応が可能である環境を整備している。さらに、システム改革の面では、学内の通常の給与基準と異なる能力に見合う給与システムの導入がなされている。
 WPIプログラムの対象分野は「現在、世界トップレベルの研究者グループが存在する基礎研究分野で、原則として複数の分野にまたがる融合領域」としているが、平成21年8月4日に取りまとめられた「基礎科学力強化総合戦略」において、基礎科学力の強化のための戦略の一つに世界水準の拠点を形成するとともに、研究者の支援体制を強化すること、とあり、世界トップレベルの研究拠点の拡充を目指すこと、との指摘がある。
 世界トップレベル研究拠点の具体的なシステム改革・対応策が明確化してきたこと、また、基礎科学力強化の面から拠点数増の必要性の指摘もあることから鑑み、速やかな対応が求められる。
 一方、毎年度行っているフォローアップから明らかになった問題点としては、テニュア職に関するものが挙げられる。WPI拠点が卓越した世界的研究拠点として長期間にわたり存続するためにはテニュア職が必要であり、ホスト機関の支援が求められているところである。
 新規公募にあたり、改善点を踏まえ、グローバルスタンダードに相応しい先進的システム改革の継続・発展を図る。
 (RAの活用による世界トップレベル研究拠点の研究機能の充実)
 「平成21年度概算要求における科学技術関連施策の重点化の推進について」(総合科学技術会議)においては教育拠点との連携を図るようにとの指摘があり、対応が求められているところである。

3.事業概要

1.拠点の新規採択

 世界トップレベルの研究拠点を拡充するため、既採択の5拠点に加え、低炭素社会への貢献が期待される環境分野等の地球規模課題を見据えた拠点を含め、新たに3拠点を採択する。公募期間に関しては、拠点長、PI(主任研究者)を人選し、かつ施設整備計画と連動した拠点構想を作成できるように、十分な検討時間を確保する。

2.RAの活用による世界トップレベル研究拠点の研究機能の充実

 世界トップレベル研究拠点の機能を充実するため、各拠点が関連分野の大学院等と連携することにより、世界トップレベル研究拠点に学生をRAとして受け入れる。これにより、連携の相乗効果を生み出し、研究拠点の機能の向上を図る。

2.RAの活用による世界トップレベル研究拠点の研究機能の充実

4.指標と目標

【指標】

○中間評価事前アンケート(外国人研究者が世界トップレベル研究拠点に来ることを希望するか否か問う)

【参考指標】

○拠点に所属する研究者、研究支援員、事務スタッフ等を含めた総数(「目に見える拠点」とするためには、ある程度の規模を有する中核が物理的に集結していることが求められる)
○世界トップレベルの研究者(主任研究者)数
○研究者のうち外国人研究者の占める割合
○国際学会での招待講演実績
○国際賞の実績
○論文被引用の状況

【目標】

○世界の第一線の研究者が結集する、優れた研究環境と高い研究水準を誇る「目に見える拠点」を形成
○「外国人が日本の拠点に集まり、日本であげた業績によりノーベル賞を受賞する」といった状況を実現し、世界トップレベル研究拠点が我が国のソフトパワーの源となることを目指す。

【効果の把握指標】

○毎年度の各拠点の進捗状況調査(現地調査、進捗状況報告書の検討)

事業の事前評価結果

A.20年度実績評価結果との関係  

 達成目標7‐4‐4「達成状況と評価」において、「採択された5拠点において、拠点組織の整備、拠点長、事務部門長の任命、ホスト機関内規則等の改正など体制整備を行うとともに、主任研究者をはじめとする研究者の任命、採用などを着実に進めている。「目に見える拠点」とするためには、研究水準が高く、ある程度の規模を有する中核が物理的に集結していることが求められ、本プログラムでは、研究者、研究支援員、事務スタッフを含めた総勢が200人程度あるいはそれ以上となること、また研究者のうち常に3割程度以上は外国人研究者とする等の構想を掲げている。平成20年度実績において、1拠点あたり平均164名、外国人研究者の割合は38%となっている。」とあり本事業は着実に進んでいるところである。従って今後とも、科学技術システム改革の先導として、拠点の行っている取組が先導的なモデルとなり、普及することが重要であることから、本事業を強化・拡充しシステム改革を加速することが必要である。

B.必要性の観点

1.事業の必要性

 「第3期科学技術基本計画」、「イノベーション創出総合戦略」などにおいて、我が国の科学技術水準を向上させ、将来の発展の原動力であるイノベーションを連続的に起こしていくためには、その出発点である我が国の基礎研究機能を格段に高め、国際競争力を強化することが求められており、そのためには、「世界トップレベルの研究拠点づくり」が必要とされている。「世界トップレベルの研究拠点づくり」を具体化する一つの施策として、世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)を平成19年度から実施してきたところである。
 世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)は毎年、外国人を含めた外部有識者によるプログラム委員会、PD・POからなるフォローアップ会合を行っている。フォローアップでは、各拠点とも当初計画どおり着実に進行し成果を得ていることが確認され、世界水準の研究環境と研究水準を達成しつつあるが、引き続き、「第3期科学技術基本計画フォローアップ」においても指摘されているように、グローバル化の流れに乗り遅れないような国際戦略の一環として、優れた頭脳を引きつける場としての世界トップレベル研究拠点の強化及び拡充をすすめていく必要性がある。

2.行政・国の関与の必要性

 我が国のおかれた地理的環境、言語の問題等を考えると、世界トップレベルの研究拠点を作り上げていくことは決して容易なことではない。これまでの様々な施策により我が国の科学技術の水準は着実に向上してきているが、将来の発展の原動力であるイノベーションを連続的に起こしていくためには、「世界トップレベル研究拠点づくり」を強力かつ早急に進める必要がある。しかし、このような研究拠点づくりは10年以上という大学等の中期目標期間を超えた努力が必要であるため、国が明確かつ確実なインセンティブを設定し、大学等研究機関に対し、集中的な支援を行い、確実に拠点を形成させる必要がある。

3.関連施策との関係

 世界トップレベル研究拠点プログラムは、拠点形成のための基盤的経費を支援しており、研究資金については、他の競争的資金を確保することとなっている。

4.関係する施政方針演説、審議会の答申等

 骨太09 第2章 P7 9行目、平成22年度の科学技術に関する予算等の資源配分の方針1. P2 34行目、第3期科学技術基本計画フォローアップ3. P36 28~35行目、P38 4~8行目、麻生内閣総理大臣施政方針演説(平成21年1月28日第171回国会)、イノベ25 第5章 P28  28~31行目、P29 1~2行目、科学技術基本計画(第3期)第3章 P26 5~7行目、文部科学大臣指示書(平成21年9月18日)3.(参考)民主党政策集INDEX2009 P25

C.有効性の観点

1.目標の達成見込み

 本事業は世界から第一線の研究者が集まる、優れた研究環境と高い研究水準を誇る「目に見える拠点」の形成を目指している。また、具体的な参考指標に関しては、1.研究者、研究支援員、事務スタッフ等も含めた総勢が200名程度あるいはそれ以上2.研究者のうち3割は外国人3.世界トップレベルの研究者(主任研究者)10~20名程度あるいはそれ以上4.国際学会での招待講演実績、国際賞の実績、論文被引用の状況としている。20年度の実績では1.1拠点あたり平均164名2.1拠点あたり平均38%3.1拠点あたり平均23名4.素粒子・宇宙物理分野の代表的国際会議PASCOS2009での招待講演、クラフォード賞受賞、フルボルト賞受賞、素粒子・宇宙物理分野での論文被引用が世界第1位と第2位の主任研究者、マテリアルサイエンス分野の論文被引用で世界4位の機関となっており、進捗状況は順調である。今後、さらに本事業が進展していくことにより、我が国が優秀な人材の世界的な流動の「環」の中に位置づけられ、内外の研究人材が自然に蓄積されるような世界トップレベルの研究拠点がつくられていく見込みがある。

2.上位目標のために必要な効果が得られるか

 本事業は、世界トップレベルの研究拠点を構築するため、以下のようなシステム改革を推進するものである。

  • 拠点長によるトップダウンマネジメントが可能な組織制度(教員選考、プロジェクトの決定等重要事項について拠点長のトップマネジメントにより実施可能)
  • 学内の通常の給与基準と異なる能力に見合う給与システムの導入(年俸制)
  • 英語の公用語化
  • 外国人研究者のための生活情報・子弟の学校教育情報の提供(生活支援)
  • 事務手続き等の全てのドキュメントのバイリンガル化
  • ポスドクの国際的公募
  • 外国人研究者が健康保険へ加入する際の手続き支援(共済のしおりの英訳等)
  • 海外の大学とのジョイントアポイントメント

 本事業は科学技術システム改革の先導となるものであることから、上位目標である「施策目標7‐4 科学技術システム改革の先導」に資する効果が得られる。

D.効率性の観点

1.インプット

 本事業の予算規模は9,312百万円である。

 (内訳)

  • 国際研究拠点形成促進事業費補助金 平均1,400百万円×5拠点(既採択)
     平均700百万円×3拠点(拡充、6月分)
     13百万円×5拠点(既採択、RA活用分(各拠点10名))
     7百万円×3拠点(拡充、6ヶ月分、RA活用分(各拠点10名))
  • 科学技術総合研究委託費 122百万円
  • その他の内局 3百万円

2.アウトプット

 世界の第一線の研究者が結集する優れた研究環境と高い研究水準を誇る「目に見える拠点」が8拠点形成される。
 さらに、RAを活用することで教育機関等との連携が図れる。

3.事業スキームの効率性 

 本事業の予算規模(9,312百万円)に対し、アウトプットとして、世界トップレベル研究拠点を8拠点、集中的に支援し、さらに教育機関と連携しRAの受入れを実施する。これらにより、我が国の研究機関も優秀な人材の世界的な流動の「環」の中に位置づけられ、優秀な人材が蓄積されるようになるとともに、国内の基礎研究機能が格段に高まり、イノベーションの種が連続的に創出されることにより、我が国の国際競争力が高まることが見込まれ、本事業のインプットとアウトプットの関係は効果的と判断する。

4.代替手段との比較  

 「第3期科学技術基本計画」等において、国際競争力を強化するために「世界トップレベル研究拠点づくり」が必要であるとされており、本事業は、我が国の政策である「世界トップレベル研究拠点づくり」を具体化する唯一のプログラムである。本政策を進めるにあたっては、我が国のおかれた地理的環境、言語の問題等を考えると、世界トップレベルの研究拠点を作り上げていくことは決して容易なことではない。これまでの様々な施策により我が国の科学技術の水準は着実に向上してきているが、イノベーションの源の潤沢化のためには、「世界トップレベル研究拠点づくり」を強力かつ早急に進める必要がある。このような研究拠点づくりは10年以上という大学等の中期目標期間を超えた努力が必要であるため、大学等の自助努力で実施することは困難であり、国が明確かつ確実なインセンティブを設定し、大学等研究機関に対し、集中的な支援を行う必要がある。

E.公平性の観点  

 本事業は、文部科学省外に設置された世界トップレベル研究拠点プログラム委員会(委員長:井村裕夫 財団法人先端医療振興財団理事)により審査されるが、本委員会の構成員は大学、独立行政法人、民間企業、性別、年齢構成のバランスを考慮して選定されており、厳しい要件で利害関係者の排除を行うとともに、外国人も審査員に含めて審査を行うこととしており、公平性は担保されている。

F.優先性の観点  

 「第3期科学技術基本計画フォローアップ」において世界トップレベル研究拠点プログラムの強化・拡充の必要性が指摘されている。我が国の科学技術水準を向上させ、将来の発展の原動力であるイノベーションを連続的に起こしていくためには、その出発点である我が国の基礎研究機能を格段に高め、国際競争力を強化する必要がある。さらに、国境を越えたオープンイノベーションが活発化する中、優秀な研究者を獲得できるようなグローバルな研究環境を整備した拠点を日本につくることが求められる。そのためには、「世界トップレベル研究拠点プログラム」を優先して重点的に推進すべきである。

G.総括評価と反映方針

 当該評価結果を踏まえ、平成22年度概算要求に反映。

H.審議会や外部有識者の会合等を利用した中間評価の実施予定

 平成23年度に世界トップレベル研究拠点プログラム委員会による中間評価を実施予定。

指摘事項と対応方針

【指摘事項】

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

 特になし

2.外部評価、第三者評価等を行った場合のその概要

 特になし

3.政策評価に関する有識者委員からの指摘・意見等

 特になし

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成22年02月 --