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14.実践型研究リーダー養成事業(新規) 【達成目標7-1-3】

平成22年度要求額:200百万円
(平成21年度予算額: -百万円)
事業開始年度:平成22年度
事業達成年度:平成26年度 

主管課(課長名)

 科学技術・学術政策局基盤政策課(川端 和明)

関係局課(課長名)

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事業の概要等

1.事業目的   

 我が国のイノベーション創出力を向上するため、博士課程学生について、研究開発チームの力を最大限に引き出す牽引力あるリーダーとして養成する。

2.事業に至る経緯・今までの実績 

 欧米等では、高度な専門性と幅広い知識を有する博士人材が、産業界におけるイノベーション創出の中核的人材として活躍しており、我が国においても、今後は、産業界と学術界との協働・共創がますます必要となる。
 このような協働・共創を円滑に進めるには、産・学にまたがる知識体系の全体を俯瞰でき、異分野の知識を融合して、チーム力を最大限に引き出せる人材が不可欠であり、高度な専門的能力・知識を有するのみならず、マネジメント能力や交渉力、コミュニケーション力等に優れる卓越したリーダーの存在が欠かせない。
 このような人材は、産業界だけ又は学術界だけで養成できるものではなく、産学が密接に連携して養成に取り組む必要がある。このため、学生のみが企業で実習を行うインターンシップではなく、今後は、大学教員等も実際の産業界の課題解決に参画し、実社会で活躍できるリーダーを養成する意識を持って教育研究を進めていくことが肝要。
 なお、今までの実績として、平成20年度より、国内外の多様な場でイノベーション創出の中核となる人材を養成するため、大学等が企業等と協働して若手研究人材養成システムを構築することを支援する科学技術振興調整費「イノベーション創出若手研究人材養成」を実施している。平成20年度に10大学、平成21年度に7大学を採択し、各大学において、企業等と協働した取組を開始している。

3.事業概要  

 大学等が、企業等と連携して、研究開発のリーダーに求められる素養・能力を伸ばす学習・実習内容を体系化する。具体的には、養成する人材像の明確化、それに対応した指導指針・事前学習・企業実習・事後学習それぞれの内容、実習課題の設定等を行う。大学等において事前学習を行った後、企業実習を行う。なお、企業実習は、1.コーディネーター教員(民間出身の特任教授等)の配置、2.企業等からの課題案提示(大学教員と企業等が課題の設定を協議)、3.設定課題に対し、専攻・研究室をまたぐ複合チームを複数編成、4.企業等と大学教員・コーディネーター教員・学生等が協議して、設定課題から、実習テーマを具体かつ詳細に決定、5.リーダーとサブリーダーの選出(チーム間及びチーム内の取り纏め役)、6.チーム内の役割分担の明確化、7.企業等からの実習成果に対する評価の順に実施する。さらに、企業実習後には研究開発に基盤をおいた起業シミュレーションなどの事後学習を行う。
 なお、平成22年度は、公募により8大学等を選定し、文部科学省から各大学等への委託によって実施する。

3.事業概要

4.指標と目標  

 採択された大学等において、リーダーに求められる素養・能力を身に付けた若手研究者を養成し、産業界等に輩出することにより、若手研究者の一層の活躍と研究活動の活性化が図られることを目標とする。
 本施策の進捗については、以下のような指標を用い、過去との比較、施策対象者と非対象者との比較等を行いながら総合的に判断する。
【指標・参考指標(例)】
 事業の進捗状況を把握するための指標には、以下のような指標が考えられる。
○産業界と協働したリーダー養成に取り組む大学等の数
○大学等の取組に協力してリーダーを養成する企業等の数  等
 また、本事業は5年間の委託事業であるため、委託期間終了時に各大学等において以下の指標に関するデータを集計し、施策の効果を検証することが考えられる。
○リーダーとしての素養・能力を身に付け、産業界で活躍する人材の人数(本事業を経て産業界へ就職した学生の人数)
○採択機関の該当部局について、事業実施前後における博士課程学生の産業界等への就職状況の変化
○本事業による養成者を採用した企業等に対するアンケート調査による評価 等

事業の事前評価結果

A.20年度実績評価結果との関係  

 施策目標7‐1「施策への反映(フォローアップ)」において、「平成22年度においては、若手・女性・外国人研究者の活躍を促進する」こととしており、本事業はこのうちの若手研究者の活躍の促進に該当する。

B.必要性の観点  

1.事業の必要性  

 平成19年度の「民間企業の研究活動に関する調査報告」(文部科学省)によると、学士号取得者、修士号取得者、博士課程修了者及びポストドクターの採用にあたり重視する能力・資質のうち、「進行管理能力(リーダーシップまたは研究プロジェクトの進行管理の能力)」を「重視する」と回答した民間企業の割合は、学士号取得者では23.7%、修士号取得者では37.8%、博士課程修了者では50.4%、ポストドクターでは55.2%である。このことから、産業界において、博士号取得者及びポストドクターは、学士号取得者及び修士号取得者よりも「進行管理能力」を求められていることがわかる。また、企業からは技術をマネジメントする人材及び技術を俯瞰できる目利き人材、戦略を立案できる人材の不足が懸念されているとともに、国内外の研究者からも我が国の人材についてリーダーシップ不足が指摘されている(「民間企業の研究開発動向に関する実態調査」社団法人研究産業協会 平成20年3月、「第3期科学技術基本計画のフォローアップに係る調査研究 内外研究者へのインタビュー調査」文部科学省 科学技術政策研究所 平成21年3月)。一方で、企業からは、博士課程修了者の採用を増やす要件として、博士課程修了者の人間力の向上(コミュニケーション力、協働で仕事をする力、リーダーシップ等)があげられている(「産学における人材の活用及び交流・流動化に関する調査研究」株式会社日本総合研究所 平成21年3月)。
 また、社会の多様な分野に、リーダーに求められる素養・能力を備えた博士号取得者等の科学技術関係人材を輩出することにより、上位目標である、科学技術関係人材の質と量の確保を実現が促進される。特に、若手研究者の質の確保の一環として、リーダーに求められる素養・能力の伸長に特化した本施策を実施することにより若手研究者の質の確保が一層促進されることが見込まれる。

2.行政・国の関与の必要性  

 本施策と同じ取組について、国からの委託ではなく大学等の自主的な実施を待つ場合、企業等との連携体制の確立など、各大学等が事業立ち上げを行う際の負担が大きく、財政面に余裕のある少数の大学等を除いては、取組への着手自体が困難であることが見込まれる。
 また、本施策においては大学教員等も実践的な課題演習に参加することを盛り込んでいるが、教授等の権限が強い大学において教員の参画を得て本施策を推進していくためには、学長の強いリーダーシップが不可欠である。国から大学等への委託事業として学長をトップとする推進体制を確保することで、本施策の確実な推進を図ることが可能となる。
 なお、委託開始後は、各大学等と産業界の創意工夫による取組の推進が期待されており、文部科学省は適宜進捗状況の把握・助言を行うものとする。

3.関連施策との関係  

1.主な関連施策

○科学技術振興調整費「イノベーション創出若手人材養成」(科学技術・学術政策局基盤政策課・戦略官付(推進調整担当))
 大学等において、イノベーション創出の中核となる若手研究者等が、狭い学問分野の専門能力だけでなく、国内外の多様な場で創造的な成果を生み出す能力を身につける研究人材養成システムを構築する取組を支援(原則5年間)。

2.関連施策との関係(役割分担・連携状況)

 平成20年度より、狭い学問分野の専門能力だけでなく、国内外の多様な場で創造的な成果を生み出す能力を身につけたイノベーション創出の中核となる科学技術関係のポストドクター等若手研究者を養成するため、大学等が企業等と協働して若手研究人材養成システムを構築することを支援する科学技術振興調整費「イノベーション創出若手研究人材養成」を実施している。平成20年度に10大学、平成21年度に7大学を採択し、各大学において、企業等と協働した取組を開始している。
 科学技術振興調整費「イノベーション創出若手研究人材養成」においては、博士課程学生等若手研究者が国内外の企業・研究機関等での挑戦的な研究開発等を実践する長期間(3ヶ月以上)の「実践プログラム(インターンシップ)」を、企業等と密接な連携・協働体制の下で作成・実施することとしている。一方、「実践型研究リーダー養成事業」においては、若手研究者のみが単独で参画するインターンシップではなく、大学教員・学生がチームを組み、企業等が提示する実践的な課題演習に取り組むことにより、研究開発チームのリーダーとしての素養・能力を身に付けることを目指しており、両事業は養成する人材像及び事業内容において異なっている。

4.関係する施政方針演説、審議会の答申等  

 第3期基本計画 第3章 p.20~21  14~1行目、基礎科学力強化に向けた提言 p.3 30~32行目、p.6 22~25行目

C.有効性の観点

1.目標の達成見込み  

 リーダーとしての素養・能力を身に付け、産業界で活躍する人材の数(本事業を経て産業界へ就職した学生の人数)の増加等については、委託機関の選定段階で応募機関の計画を精査し、実効性の見込まれる計画を採択すること及び文部科学省による進捗状況の確認により、達成できるものと見込まれる。

2.上位目標のために必要な効果が得られるか 

 先述の平成19年度「民間企業の研究活動に関する調査報告」(文部科学省 平成21年1月)や、「民間企業の研究開発動向に関する実態調査」(社団法人研究産業協会 平成20年3月)、「第3期科学技術基本計画のフォローアップに係る調査研究 内外研究者へのインタビュー調査」(文部科学省 科学技術政策研究所 平成21年3月)、「産学における人材の活用及び交流・流動化に関する調査研究」(株式会社日本総合研究所 平成21年3月)のデータから、産業界は若手研究人材にリーダーの資質を求めていることが読み取れる。本事業により、民間企業の研究活動の現場に求められる人材を輩出することが可能となり、達成目標7‐1‐3にある「研究活動の活性化」の達成に寄与することが見込まれる。

D.効率性の観点

1.インプット  

 本事業は、企業等と連携して研究開発のリーダーに求められる素養・能力を伸ばすプログラムを体系化する大学・公的研究機関への委託費として195百万円(24,421千円×8大学等)、また、委託機関の選定・評価等のための有識者からなる委員会運営などに係る経費として5百万円を予定している。
(概算要求額200百万円、諸謝金1,382千円、職員旅費1,055千円、外国旅費847千円、委員等旅費848千円、庁費500千円、科学技術人材養成等委託費195,368千円)

2.アウトプット  

 本事業の実施により、平成22年度には8大学等を採択し、各大学等においてリーダーに求められる素養・能力(下記に例示)を持った人材を養成するための優れた取組事例が得られることが見込まれる。

(例)
○リーダーシップ論・組織マネジメント
○科学技術倫理・リスクマネジメント
○知的財産実務
○コミュニケーション 等

 また、各大学等におけるホームページの開設等の広報活動により、優れた取組が全国的に普及することが期待できる。
 アウトプット指標としては、例えば、以下のような指標が考えられる。

  • 採択機関の該当部局について、事業実施前後における博士課程学生の産業界等への就職状況の変化
  • 本事業による養成者を採用した企業等に対するアンケート調査による評価 等

3.事業スキームの効率性 

 本事業は国の委託事業として実施するが、委託機関の選定にあたって全国の大学等を対象に公募を実施し、優れた事業計画を提案した大学等を選定し重点的に資金を配分することにより、最小限のコストで求める効果を得ることができる。

4.代替手段との比較  

 大学等の基盤的経費による実施を期待する場合、事業を実施するか否かの判断は個々の大学等の裁量にゆだねられるため、事業実施の確実性がなくなるとともに、個別の大学等の内部で取組が完結してしまい、事業成果が広く社会に情報提供されず全国的な普及がなされない可能性があり、委託による実施ほどの効果が得られなくなることが見込まれる。

E.公平性の観点  

 本事業の委託機関は、全国の大学等を対象とした公募により選定するため、公平性は担保されると判断される。

F.優先性の観点  

  前述のとおり、本事業は調査データ及び各種提言等においてその必要性が認められており、また、若手研究者の質の確保及び活躍の促進に直接資することが見込まれるため、他の事業に優先して実施されることが妥当であると考えられる。

G.総括評価と反映方針

 当該評価結果を踏まえ、平成22年度概算要求を行う。

H.審議会や外部有識者の会合等を利用した中間評価の実施予定

5年間の委託期間修了後、外部有識者による事後評価を実施予定。

指摘事項と対応方針

【指摘事項】

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

 特になし

2.外部評価、第三者評価等を行った場合のその概要

 特になし

3.政策評価に関する有識者委員からの指摘・意見等

 特になし

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成22年02月 --