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12.TAを活用した学生実験実習の充実支援事業(新規) 【達成目標4‐1‐1】

平成22年度要求額:10,456百万円
(平成21年度予算額: ‐ 百万円)
事業開始年度:平成22年度
事業達成年度:平成26年度

主管課(課長名)

 高等教育局大学振興課(藤原 章夫)

関係課(課長名)

 ―

事業の概要等

1.事業目的   

 大学院生をTA(※)として雇用し、大学学部等の実験・実習、フィールドワークなど教育活動への参加を促進すること等により、大学の教育研究活動の高度化を図るとともに、優秀な大学院生に対する経済的支援の強化や教育能力の向上を図ることを目的とする。
 ※TA(ティーチング・アシスタント)・・・優秀な大学院生に対し、教育的配慮の下に、学部学生等に対する助言や実験・実習・演習等の教育補助業務を行わせ、大学院生に対する将来の大学教員候補としての教育訓練の機会を提供するとともに、これに対する手当の支給により、大学院生の処遇の改善の一助とすることを目的としたもの

2.事業に至る経緯・今までの実績 

 少子高齢化やグローバル化が加速する現代社会において、我が国が知識基盤社会として一層の発展を遂げていくためには、高等教育を充実し、幅広い素養と高い専門性を備えた優秀な学生を、社会に数多く輩出することが不可欠である。特に、ユニバーサル・アクセス(誰もがいつでも自らの選択により適切に学べる機会が用意された状態)段階にある、我が国の高等教育を充実するためには、大学の「質」を保証・向上するための改革取組を推進することが重要である。
 国においては、これまでも大学学部段階、大学院修士課程段階、博士課程段階等のそれぞれを対象として、大学教育改革のための優れた取組に対する支援を実施しているところであり、取組の推進により、大学のマネジメントの強化、大学改革の活性化、教員の意識改革等が着実に進んできている。その一方で、大学院博士課程への進学者数はここ数年減少傾向にあるなど、優れた学生が必ずしも大学院(特に博士課程)に進学していない状況が見られ、その要因として、大学院在学中の生活保障が少ないこと等が指摘されている。(TAについては、大学院生の約28%(修士35%、博士22%)、RA(※)については大学院生の約4%(修士0.1%、博士13%)が受給する状況にとどまっている。)
 このように、大学の教育研究活動の質の向上を図るとともに、優秀な学生に対する経済的支援を抜本的に強化し、優秀な学生が経済的な理由で大学院進学を断念することを無くすための取組を実施することが喫緊の課題となっていることから、中央教育審議会、科学技術・学術審議会、総合科学技術会議、教育安心社会の実現に関する懇談会、基礎科学力強化委員会等、様々な政府の審議会等で議論され、その報告・提言等に大学院生に対するTA・RAの拡充等による経済的支援の充実が重要施策の一つとして明記されているところである。
※RA(リサーチ・アシスタント)・・・大学等が行う研究プロジェクト等に、教育的配慮の下に、大学院生等を研究補助者として参画させ、研究遂行能力の育成、研究体制の充実を図るとともに、これに対する手当の支給により、大学院生の処遇の改善の一助とすることを目的としたもの

3.事業概要  

大学院(博士課程、修士課程、専門職学位課程)を設置する大学における、

  • TAとしての雇用を通じた、優秀な大学院生の実験・実習・フィールドワーク等の教育活動への参加促進
  • 学生の指導・監督にあたる教育支援者(教育活動のコーディネート、学生の教育管理、実験補助、実験用設備の保守・管理など)の充実
  • 教育活動の実施に必要となる教育設備の充実

等の優れた取組を実施する大学を100大学程度、当面5年間を目途として支援する。
 なお、大学の選定にあたっては、外部の専門家・有識者等から構成される選定委員会において、具体的な審査方法・基準等を定め、これを大学に事前に明示して公募することにより、公平・公正な審査を実施する。

3.事業概要 

4.指標と目標 

【指標】

○TAとして雇用される大学院生の人数
○TAとして雇用された学生の進路や意識変化等の状況 など

【参考指標】

○大学の教育研究活動の充実に向けた取組の実施状況(教育支援体制の充実など) など

【目標】

 全国の大学院生(約26万人)の1割を新たにTAとして雇用すること等により、大学の実験・実習、フィールドワーク等の教育活動の充実や、大学院生の将来の教員候補としての「教育」スキルの向上を図るとともに、経済的な理由で大学院進学を断念する優秀な学生を無くすことに寄与する。

【効果の把握方法】

 採択された大学には、事業期間中及び事業終了後の一定期間、大学院修了者の進路把握や、本事業効果の把握のための学生の追跡調査を必ず実施してもらうこととし、効果を把握する。
 また、文部科学省において「大学院教育振興施策要綱」(平成18年3月文部科学省)の検証作業を進めていく中で、全国の大学院における各種取組の実施状況等を把握する。

事業の事前評価結果

A.20年度実績評価結果との関係  

 達成目標4‐1‐1「施策への反映(フォローアップ)」において、「順調に進捗しているが、各種プログラムについて一層社会の負託に応えるものとすべく、更なる充実に向けた検討を行い、今後も引き続き事業を実施する。また、教育の質を高めるための取組について、各大学に自主的な取組を促すとともに、大学教育の新たな展開に対応する各大学の取組を引き続き支援する。」と記述されており、上述の「事業に至る経緯・今までの実績」の内容も含めると、本事業は必要であると言える。

B.必要性の観点  

1.事業の必要性  

 上述の「事業に至る経緯・今までの実績」で示した通り、大学の教育研究活動を充実するとともに、優秀な大学院生に対するTA・RAを抜本的に充実することが喫緊の課題となっている。そのような状況の中で、本事業は、大学が優秀な大学院生をTAとして数多く採用し、経済的支援を充実するのみならず、教育補助活動への参加を通じた学生の資質向上や、実験・実習など大学の教育活動の充実等を図るものであり、事業実施の必要性は極めて高いと言える。

2.行政・国の関与の必要性  

 本取組の実施主体は大学であるが、我が国全体が知識基盤社会として一層の発展を遂げていくために、優れた人材の輩出が必要であることから、国が大学教育の質の向上を図るための優れた取組に対して財政支援を行うこととしたものであり、本取組の実施により、各大学が切磋琢磨した環境の中で、その個性・特色を活かした教育研究が推進されることが期待できる。

3.関連施策との関係  

1.主な関連施策

○大学教育・学生支援推進事業(教育課程、成績評価基準など学部教育の改革支援事業)
 我が国の学士課程の質の向上・保証のため、学部教育の抜本的改革につながる取組を支援。

○組織的な大学院教育改革推進プログラム
 社会で幅広く活躍する深い専門知識と幅広い応用力を持つ人材を養成するため、明確な人材養成目的に沿った組織的・体系的なカリキュラムの構築や、コースワークの改善など、大学院教育の実質化を図るための取組を支援。

2.関連施策との関係(役割分担・連携状況)

 高等教育の質を確保・向上するための改革支援事業として、上記取組が挙げられるが、これらはいずれも各大学における、学部段階、修士課程段階、博士課程段階それぞれの人材養成目的に沿ったコースワークの改善等を中心とした優れた取組を支援するものである。これらの事業と、実験・実習等の教育体制の充実及び優秀な学生への経済的支援の充実等を目的とする本事業を組み合わせて実施することにより、大学・大学院が抱える課題の解決に対して、より多角的に寄与する。

4.関係する施政方針演説、審議会の答申等  

○第171回国会における麻生内閣総理大臣施政方針演説
○骨太の方針2009(平成21年6月閣議決定) 第3章安心社会の実現 P17 11~13行目
○教育振興基本計画(平成20年7月閣議決定)
○科学技術基本計画(平成18年3月閣議決定)
○平成22年度の科学技術に関する予算等の資源配分の方針(平成21年6月総合科学技術会議決定)
 2.最重要政策課題のための基盤的課題 P2 最終行
○中央教育審議会答申「新時代の大学院教育」(平成17年9月)
○中央教育審議会答申「学士課程教育の構築に向けて」(平成20年3月)
○中長期的な大学教育の在り方に関する第二次報告(平成21年8月中央教育審議会大学分科会決定予定)
○大学院部会における審議経過(平成21年7月中央教育審議会大学分科会大学院部会決定)
○これまでの審議のまとめ‐第三次報告‐(平成21年2月教育再生懇談会決定)
○教育安心社会の実現に関する懇談会報告(平成21年7月決定)
○基礎科学力強化に向けた提言(平成21年8月基礎科学力強化委員会決定)
○基礎科学力強化総合戦略(平成21年8月基礎科学力強化推進本部決定)
○知識基盤社会を牽引する人材の育成と活躍の促進に向けて‐人材委員会第四次提言‐(平成21年8月科学技術・学術審議会人材委員会決定予定)
○大学院教育振興施策要綱(平成18年3月文部科学省決定)

C.有効性の観点

1.目標の達成見込み 

 平成20年度に、文部科学省先導的大学改革推進委託事業を活用し、大学の学部学生及び修士課程学生に「博士課程進学の決断を阻害する要因」及び「博士課程が魅力的になるために必要な活動や仕組み」等について調査したところ、前者については「博士課程に進学するよりも企業で働くほうが魅力的であること」及び「在学中の生活水準が保障されていないこと」、後者については「学費・生活費に経済的支援」及び「博士課程に対応した就職支援の取組」がそれぞれ1位、2位の回答となった。
 一方、大学院部会において、平成18年3月に策定した大学院教育振興施策要綱の検証を進める中で、これまで、「組織的な大学院教育改革推進プログラム」等の大学教育改革のための支援事業の推進により、大学改革の活性化や教員の意識改革等、大学においてその事業効果が着実に見られているとの指摘がある。
 以上を踏まえると、本事業の実施により、上述した目標の達成は確実に見込まれると言える。

2.上位目標のために必要な効果が得られるか 

 本事業の目標が達成されることにより、達成目標4‐1‐1「大学における教育内容・方法等の改善・充実を図り、各大学の個性・特色を踏まえた人材の育成機能を強化する」ことに確実に結びつくものと考えられる。

D.効率性の観点

1.インプット  

 本事業の予算規模は10,456百万円である。
(内訳)

  • 大学改革推進等補助金 10,455,721千円

2.アウトプット  

 本事業の実施により、全国の大学院生の約1割(約2.6万人)に月額4.3万円程度の経済的支援が措置されるとともに、全国の100大学程度において、実験・実習等の教育活動の充実が図られる。

3.事業スキームの効率性 

 優秀な大学院生に対する経済的支援の充実という直接的な事業効果のみならず、TAとして雇用された学生については、「教育」スキルが向上し、将来、大学教員となる場合等においての基礎的素養が醸成されるとともに、取組が採択された大学においては、実験・実習等を中心とした大学の教育研究活動の抜本的充実が図られる。
 このことから、本事業の効率性は高いと判断できる。

4.代替手段との比較  

 全国の国公私立大学に対して、公正な審査を通じて財政支援を行うため、地方公共団体や民間団体の事業としては効率的に目的を達成することはできないと考えられる。

E.公平性の観点  

 本事業は、外部の専門家・有識者等からなる選定委員会により、具体的な審査方法・基準等を定め、これを大学に事前に明示して公募することにより、公平・公正な審査・評価を実施することとしている。

F.優先性の観点  

 本事業の目標である「大学の教育研究活動の充実強化」及び「優秀な大学院生に対する経済的支援の抜本的充実」については、平成21年度において、政府の様々な審議会等の報告・提言等で喫緊に対応すべき重要課題として掲げられているところであり、本事業実施の優先性は高い。

G.総括評価と反映方針

 平成22年度概算要求に反映する。

H.審議会や外部有識者の会合等を利用した中間評価の実施予定

 採択された取組については、3年目に中間評価を実施する予定。

指摘事項と対応方針

【指摘事項】

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

 特になし

2.外部評価、第三者評価等を行った場合のその概要

 特になし

3.政策評価に関する有識者委員からの指摘・意見等

 特になし

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成22年02月 --