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3.地域協働による家庭教育支援活性化促進事業(新規) 【達成目標1‐4‐1,1‐4‐3】

平成22年度要求額:259百万円
(平成21年度予算額:‐ 百万円)
事業開始年度:平成22年度
事業達成年度:平成22年度

主管課(課長名)

 生涯学習政策局男女共同参画学習課(高口 努)

関係課(課長名)

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事業の概要等

1.事業目的   

 地域の様々な人々の関わりにより、地域で支え合う家庭教育支援の推進を図るため、国と地域との役割分担を明確にし、以下の考え方により家庭教育支援施策の展開を図ることを目的とする。

  • 国として、地域協働による支援の効果的手法の開発や困難な課題に関する調査研究を行い、成果の検証を行う。
  • 国として、先進的な地域の取組事例や企業等の優良事例等を情報発信し、地域における取組の活性化・充実を図る。
  • 各地方自治体等の主体的な取組に対し、補助事業により一定の財政支援を行い、取組の促進を図る。

2.事業に至る経緯・今までの実績 

 都市化、核家族化及び地域における地縁的なつながりの希薄化等、子育てに関する環境の変化により、親が身近な人から子育てや家庭教育について学ぶ機会が減少するとともに孤立化等が生じている。また、男女共同参画やワークライフバランスの観点等から、企業を通じた働く親への家庭教育支援の必要性も高まっている。これらの問題は、社会構造の変化に起因するところが多いため、個々の家庭の問題とするのではなく、社会全体として子育て家庭を支援する必要がある。
 こうした中、文部科学省においては、「地域における家庭教育支援基盤形成事業」、「訪問型家庭教育相談体制充実事業」などの展開により、「家庭教育支援チーム」の設置により、身近な地域におけるきめ細かな家庭教育支援のための効果的な手法開発を行ってきた。平成21年度においては、「訪問型家庭教育支援チーム」を設置し、家庭や企業を訪問して積極的かつきめ細かな相談支援を行うための手法開発を実施している。
 なお、平成21年度からは、「学校・家庭・地域の連携協力事業」により、「家庭教育支援チーム」の定着を図るとともに、持続可能な支援を行うための地域人材の養成や多くの親が集まる様々な機会を活用しての学習機会の提供等、地方公共団体の主体的な取組への支援も行っている。

3.事業概要  

 すべての親が安心して家庭教育を行うことが出来るよう、地域の人々の協働により、困難を抱える家庭や孤立しがちな家庭など、様々な家庭の状況に応じた支援に必要な施策を行い、地域で支え合う家庭教育支援の推進を図る。
 具体的には、以下の施策を実施する。

1.困難を抱える家庭への家庭教育支援のあり方についての調査研究
 子育て環境に困難を抱える家庭においては、親の自尊心の低下や時間的・精神的ゆとりの不足等から子どもに十分対応できない状況や、不安定な家庭環境がもたらす子どもへの影響、地域におけるサポートの不足等が指摘されている。このような家庭が、孤立化せず、安心して子育てや家庭教育を行っていくための地域支援のあり方について検討し、支援のためのガイドライン等を作成する。

2.訪問型家庭教育相談体制充実事業
 親の状況や子の発達段階によって抱える問題や悩みは様々であることから、家庭の状況に応じて開発する支援手法を分類・体系化し、地域の人材を中心とする「訪問型家庭教育支援チーム」が状況に応じて必要な関係機関等と連携して、家庭や企業を訪問し適切な情報提供や相談対応を行うなどの、効果的な支援手法を確立するとともに、地域における持続的な支援のための有効性の検証を図る。

3.全国家庭教育支援研究協議会の開催
 社会構造や雇用環境の変化等による家庭の教育力の低下に対し、社会全体で家庭教育を支援する必要性についての認識を深めるため、地域、学校、行政、NPO、企業等による研究協議会を開催し、地域や企業等が実践する効果的な取組事例の情報発信等により全国的な啓発を行う。

全国家庭教育支援研究協議会の開催

4.指標と目標

【指標】

○困難を抱える家庭への家庭教育支援のあり方に関するガイドライン作成の進捗状況
○親の状況や子の発達段階に応じて必要な関係機関と連携した支援手法の開発を行った地域数
○(地域の実情を踏まえた取組の多様性を確保しつつ)手法開発の成果をモデルとした家庭教育支援の取組を実施する地域数
○関連領域、関連機関からの家庭教育支援研究協議会への参画状況

【目標】

○困難を抱える家庭への支援のあり方について、実態調査を踏まえたガイドラインの骨子案をまとめる。
○委託先の各地域で、親の状況や子の発達段階に応じて必要な関係機関と連携した効果的な支援手法を開発し、その有効性について検証がなされる。
○(地域の実情を踏まえた取組の多様性を確保しつつ)平成21年度の委託をモデルとした家庭教育支援チーム設置地域数(平成21年度の委託によるモデル事業実施地域数以上)
○・関連領域として、学校教育担当、福祉担当、街づくり担当等からの参画
  ・関連機関として、学校、保健・福祉機関、NPO、各種団体、企業等からの参画

【効果の把握手法】

 本事業の効果は、国レベルの検証委員会において、開発した手法の有効性の検証を行うとともに、各道府県・政令指定都市教育委員会に対し、これまでの平成20年度地域における家庭教育支援基盤形成事業並びに平成21年度からの訪問型家庭教育相談体制充実事業をモデルとし、地域の様々な人材がチームを編成するなど連携して家庭教育支援を行う取組の実施状況等を調査し、効果や課題等を検証する。
 また、全国2箇所で実施する家庭教育支援研究協議会への関連領域や関連機関からの参画状況、連携状況等を調査し、効果や課題等を検証する。

事業の事前評価結果

A.20年度実績評価結果との関係  

 平成20年度実績評価においては、「身近な地域における家庭教育支援を推進するため、「家庭教育支援チーム」の定着、持続可能な支援を行うための地域人材の養成、家庭教育に関する情報のより効果的な提供等、地域における主体的な取組の支援を更に推進していくとともに、家庭教育や子育てに無関心な親や孤立しがちな親、仕事で学習機会への参加が出来ない親なども含めた支援として、積極的かつきめ細かな家庭教育支援の充実を図るため、効果的な手法開発や調査研究を行うことが必要である。」とされており、本事業の実施が必要となる。

B.必要性の観点  

1.事業の必要性  

 都市化、核家族化、地域における地縁的つながりの希薄化などの社会構造上の影響や、少子化対策、児童虐待防止といった喫緊の課題への対応として、社会全体での家庭教育支援の推進を図ることが必要であるが、多くの自治体において、家庭教育に無関心な親や仕事で忙しい親など支援が行き届きにくい親への対応が課題となっており、国として、地域の様々な人の関わりにより、こうした親などに対し、様々な家庭の状況に応じた支援や、発達段階・現代的課題に応じた支援のための課題の整理及び効果的な手法の開発を行う必要がある。また、併せて地域や学校、福祉関係機関、企業等の連携による一体となった取組の推進や中核的な人材の質の向上を図るための取組、先進的な取組事例等の情報発信を行い、地域における取組の活性化充実を図ることが必要。

2.行政・国の関与の必要性

 家庭教育支援に対する国や地方公共団体の責務としては、教育基本法第10条第2項において、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めることとされており、また、教育振興基本計画(平成20年7月閣議決定)においては、国が行う重点施策として、身近な地域におけるきめ細かな家庭教育支援の取組が実施されるよう促すことが盛り込まれており、行政として必要な施策を実施する必要がある。特に従来の待ち受け型の学習講座等では支援の行き届きにくい親に対する支援は多くの自治体で課題となっているが、9割の自治体で未実施であり、効果的な支援手法が確立しておらず、先進性、効率性の観点から、国としてその開発及び検証、成果の提供により自治体の課題解決を図る必要がある。

3.関連施策との関係

1.主な関連施策

○ 学校・家庭・地域の連携協力事業
 「学校・家庭・地域の連携協力事業」の1メニューである「家庭教育支援基盤形成事業」において、「家庭教育支援チーム」の定着を図るとともに、持続可能な支援を行うための地域人材の養成や多くの親が集まる様々な機会を活用しての学習機会の提供等、地方公共団体の主体的な取り組みへの支援を行っている。

2.関連施策との関係

 「地域協働による家庭教育支援活性化促進事業」において行う、困難を抱える家庭への支援のあり方に関する調査研究や、仕事などで学習機会への参加が出来ない親や孤立しがちな親などを訪問しての支援手法の開発等の成果を、「家庭教育支援基盤形成事業」により普及するとともに、「家庭教育支援チーム」の定着を図り、地域人材の養成や学習機会の効果的な提供などの地方公共団体の主体的な取り組みを支援し、地域全体で家庭教育支援に取り組む体制づくりを推進する。

4.関係する施政方針演説、審議会の答申等

  • 教育再生会議第2次報告 2.. 提言3 P7
  • 「新しい時代を切り開く生涯学習の振興方策について」(平成20年2月19日中央教育審議会答申)
    第1部 P12 20行目〜P13 4行目、P24 9行目〜P25 10行目
  • 教育振興基本計画 第3章 P17 13〜30行目
  • 第173回国会における鳩山内閣総理大臣所信表明演説

(地域の「絆」)
 ここ十年余り、日本の地域は急速に疲弊しつつあります。経済的な意味での疲弊や格差の拡大だけでなく、これまで日本の社会を支えてきた地域の「絆」が、今やずたずたに切り裂かれつつあるのです。しかし、昔を懐かしんでいるだけでは地域社会を再生することはできません。
 かつての「誰もが誰もを知っている」という地縁・血縁型の地域共同体は、もはや失われつつあります。そこで、次に私たちが目指すべきは、単純に昔ながらの共同体に戻るのではない、新しい共同体のあり方です。スポーツや芸術文化活動、子育て、介護などのボランティア活動、…(略)…でのつながりなどを活用して、「誰かが誰かを知っている」という信頼の市民ネットワークを編みなおすことです。…(略)…それぞれの価値を共有することでつながっていく、新しい「絆」をつくりたいと考えています
 幸い、現在、全国各地で、子育て、介護、教育、街づくりなど、自分たちに身近な問題をまずは自分たちの手で解決してみようという動きが、市民やNPOなどを中心に広がっています。子育ての不安を抱えて孤独になりがちな親たちを応援するために、地域で親子教室を開催し、本音で話せる「居場所」を提供している方々もいらっしゃいます。また、こうした活動を通じて支えられた親たちの中には、逆に、支援する側として活動に参加し、自らの経験を活かした新たな「出番」を見いだす方々もいらっしゃいます。
(「新しい公共」)
 …(略)…
 私が目指したいのは、人と人が支え合い、役に立ち合う「新しい公共」の概念です。「新しい公共」とは、人を支えるという役割を、「官」と言われる人たちだけが担うのではなく、教育や子育て、街づくり、防犯や防災、医療や福祉などに地域でかかわっておられる方々一人ひとりにも参加していただき、それを社会全体として応援しようという新しい価値観です。
 …(略)…市民やNPOの活動を側面から支援していくことこそが、二十一世紀の政治の役割だと私は考えています。

C.有効性の観点

1.目標の達成見込み

 「訪問型家庭教育相談体制充実事業」において、効果的な支援手法の開発を行うとともに、「家庭教育支援基盤形成事業」(学校・家庭・地域の連携協力事業の1メニュー)により、その成果の普及・定着を図り、地域人材の養成や学習機会の効果的な提供などの地方公共団体の主体的な取り組みを支援し、地域全体で家庭教育支援に取り組む体制づくりを推進することとしており、目標の達成が見込まれる。

2.上位目標のために必要な効果が得られるか 

本事業は、

  • 国として、地域協働による支援の効果的手法の開発や困難な課題に関する調査研究を行い、成果の検証を行う。
  • 国として、先進的な地域の取組事例や企業等の優良事例等を情報発信し、地域における取組の活性化・充実を図る。
  • 各地方自治体等の主体的な取組に対し、補助事業により一定の財政支援を行い、取組の促進を図る。

ことを目的としており、目標1‐4‐1「身近な地域における家庭教育支援の効果的手法の開発を行い相談体制等の充実を図るとともに、その普及・定着を図る。」及び目標1‐4‐3「家庭教育支援のあり方等に関する調査研究、全国的な普及・啓発を行い、家庭教育支援の推進を図る。」の達成に結びつくものである。

D.効率性の観点

1.インプット  

 本事業の予算規模は259百万円である。
(内訳)

  • 困難を抱える家庭への家庭教育支援のあり方についての調査研究 30百万円
  • 訪問型家庭教育相談体制充実事業  193百万円(94地域)
  • 全国家庭教育支援研究協議会の開催 36百万円( 7地域)

2.アウトプット  

 すべての教育の出発点としての家庭教育を、社会全体で支え合うことにより、家庭が、子どもの基本的な生活習慣や自尊心、基本的な倫理観、自立心や職業観など子どもたちが人生を自ら切り開いていく上で大切な力を養う大きな役割を担うものであることが再認識されるとともに、規範意識の低下や生活習慣の乱れなどの防止・向上が図られる。
 また、少子化、児童虐待など社会の要請が高い分野において、住民の学習活動を通じたその成果や意欲を適切に活かすという観点から、地域人材を養成・活用することで、

  1. 家庭教育を個々の家庭の問題でなく地域共通の問題として捉え、社会全体で子育て家庭を支援していく気運を醸成される。
  2. 地域の絆や連帯感が育まれる。
  3. 地域の教育力の向上が図られる。

などのことから、すべての親が自信を持って安心して子どもを産み育てる環境づくり(少子化対策)や児童虐待リスクの低下、家庭崩壊のセーフティネットの構築にも貢献しうる。
 また、親の状況や就学期から青年期といった子の発達段階に応じて、必要な関係機関等と連携した効果的な支援手法が確立され、今後各地域が様々な家庭の状況に応じた支援を行う際に効果的に活用することにより、困難な状況にある家庭も含めたすべての家庭に対し、地域の人々の関わりによる孤立化や問題の未然防止、必要に応じて専門機関等のサポートに繋げる地域体制が築かれ、安心して家庭教育を行える地域社会の実現が図られる。

3.事業スキームの効率性 

 本事業において、困難な課題に関する調査研究や、効果的支援手法の開発としての訪問型家庭教育相談体制充実事業の48地域への委託、全国家庭教育支援研究協議会の2地域での開催を通し、アウトプットとして、1.家庭教育を個々の家庭の問題でなく地域共通の問題として捉え、社会全体で子育て家庭を支援していく気運の醸成、2.地域の絆や連帯感の育成、3.地域の教育力の向上などが見込まれることから、身近な地域で家庭を支える人材の養成や社会全体での支援体制の整備が図られ、孤立しがちな親なども含むすべての親への様々な家庭の状況に応じた持続的な支援に資することを考えると、本事業のインプットとアウトプットの関係は効果的と判断する。

4.代替手段との比較  

本事業は、国として、地域との役割分担を明確にした上で、

  • 効果的な支援手法の開発や困難な課題に関する調査研究を行い、成果の検証を行う。
  • 先進的な地域の取組事例や企業等の優良事例等を情報発信し、地域における取組の活性化・充実を図る。

といった観点から行うものである。こうした調査研究や優良事例の普及といった事業は、国の役割として実施する必要があり、仮に地方自治体の事業として実施することとした場合、効果的な手法開発や成果の検証、先進的な取組事例等の普及が十分に図られず、社会全体での家庭教育支援体制の整備に期待ができない。

E.公平性の観点  

 本事業のうち、調査研究については、文部科学省に様々な領域の有識者からなる研究会を設置して行う予定であり、委託事業については、各都道府県・政令指定都市に対して公募し、有識者からなる選定委員会における審査を経て委託先を決定する予定である。また、研究協議会の開催については、全国2ブロックでの開催を予定していることから、公平性は担保できると判断する。

F.優先性の観点  

 都市化、核家族化及び地域における地縁的つながりの希薄化、また、悩みや問題を抱える親や孤立しがちな親の増加等により、家庭の教育力の低下が指摘されるなか、教育安心社会の実現に向け、教育費負担等の経済的支援と合わせて、社会全体で家庭教育支援に取り組む必要性が急務となっている。更に、少子化対策や増加する児童虐待への対応やといった喫緊の課題への対応として、すべての親が自信を持って安心して子どもを産み育てる環境づくりや児童虐待リスクの低下、家庭崩壊のセーフティネットの構築にも貢献しうる本事業は優先して取り組むべき政策と考えられる。

G.総括評価と反映方針

 平成22年度より新たに目標達成年度を平成24年度として、国と地域との役割分担をより明確にし、国として、効果的支援手法の開発や困難な課題に関する調査研究の実施、先進的な地域の取組事例等の普及啓発等を行うことにより、地域における取組の活性化・充実を図ることとする。
 具体的には、調査研究及び「訪問型家庭教育相談体制充実事業」における成果については、全国家庭教育支援研究協議会において取り上げ、関係機関の連携の推進や中核的な人材の資質向上に役立てるとともに、効果的な事例等について情報発信を行い、地域における取組の活性化充実を図る。
 また、将来的には、身近な地域における家庭教育支援を広く実施することとして平成21年度より実施している「家庭教育支援基盤形成事業」(※学校・家庭・地域連携協力推進事業の一部)において、地方自治体の主体的な取組として普及・定着促進が図られるよう、一定の財政支援を行う。

H.審議会や外部有識者の会合等を利用した中間評価の実施予定

 特になし

指摘事項と対応方針

【指摘事項】

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

 「4.指標と目標」の「開発された支援手法の有効性について効果的な検証がなされているか」について、実績評価の段階ではより具体的な指標で判断することを検討すること。

2.外部評価、第三者評価等を行った場合のその概要

 特になし

3.政策評価に関する有識者委員からの指摘・意見等

 特になし

【指摘に対する対応方針】

 今後、指摘の指標については検討する。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成22年02月 --