政策目標12  文化による心豊かな社会の実現

概要

 優れた芸術文化の振興を図るとともに、我が国固有の伝統文化を継承・発展させることにより、文化による心豊かな社会を実現する。このため4の施策によってその目的の達成を目指す。

主管課(課長名)

 文化庁長官官房政策課(大木 高仁)

20年度の施策状況と評価

 総合評価 S

○芸術文化の振興(施策12‐1)S

  • 優れた文化芸術への支援、新進芸術家の人材育成、子どもの文化芸術普及活動、地域における文化芸術活動の推進等を通じて、我が国の芸術文化活動水準の向上を図るために、国民全体が芸術文化活動に参加できる環境整備を行った。
  • 3つの判断基準のうち2つの基準がS、1つの基準がAとなっており、全体として想定した以上に順調に進展していると判断できる。

○文化財の保存と活用の充実(施策12‐2)A

  • 貴重な国民的財産である文化財を適切に保存し、次世代へ継承するとともに、積極的な公開・活用を通じて、広く国民が文化財に親しみ、その価値への理解を深めるようにするために、文化財のうち重要なものの指定等を積極的に行うとともに、文化財の保存、活用のために補助等による支援を行った。
  • 4つの判断基準のうち1つの基準がS、3つの基準がAとなっており、全体として順調に進展していると判断できる。

○日本文化の発信及び国際文化交流の推進(施策12‐3)S

  • 日本文化の発信及び国際文化交流の取組みを推進するため、文化芸術振興に関しては、文化交流使事業、国際芸術交流支援事業及び芸術団体による海外公演等を行い、海外の文化遺産の保護に関しては、国際シンポジウムの開催や「文化遺産国際協力コンソーシアム」を活用した国際貢献事業等を実施した。
  • 2つの判断基準のうち、1つの基準がS、1つの基準がAとなっており、全体として想定した以上に順調に進展していると判断できる。

○文化芸術振興のための基盤の充実(施策12‐4)A

  • 高度化・多様化する国民の文化への関心に応えるとともに、文化活動を支える基盤を充実するため、文化ボランティア活動の環境整備や文化に関する情報提供の充実、著作権制度の普及・啓発や著作物の適切な保護と円滑な流通の促進、国民に対する国語の普及・啓発や外国人に対する日本語教育の充実に向けた取組や、宗教法人法に基づく認証事務の実施及び研修会の開催等を行った。
  • 7つの判断基準のうち6つの基準がA、1つの基準がSとなっており、全体として順調に進展していると判断できる。

21年度以降の政策への反映方針

12‐1芸術文化の振興

 芸術団体への支援については、独立行政法人日本芸術文化振興会の新たな中期目標・中期計画を踏まえ、日本芸術文化振興会の実施する舞台芸術振興事業と文化庁の「芸術創造活動重点支援事業」とを統合し、執行機関を日本芸術文化振興会に一元化することにより、支援体制の一層の効率化と戦略化を図り、より効果的・効率的な支援の実施に引き続き取り組む。国内外で高い評価を得ているメディア芸術の発信・交流及び人材育成のための事務体制の強化のため、メディア芸術発信・育成担当の専門官1名、メディア芸術交流係長1名、メディア芸術交流係員1名を定員要求する。
 また、次代の芸術界を担う創造性豊かな人材を育成するため、「新進芸術家海外研修制度」及び「芸術団体人材育成支援事業」については、引き続き効果的な実施に努める。
 地域における文化活動の活性化については、子どもたちや地域の住民が、本物の舞台芸術や伝統文化に触れる機会の拡充を図る。

12‐2文化財の保存及び活用の充実

 文化財の指定については、引き続き、社会の変化のなかで急速に失われつつある近代の分野のものの指定等を積極的に行うことにより、文化財の保護対象の裾野を広げることを目指す。
 文化財の保存・継承については、引き続き、地方公共団体が実施する公有化事業へ補助等を行い、史跡等の適切な保存、管理、整備及び公開を促進する。また、古墳壁画の保存対策についても、引き続き、適切な保存及び活用に努める。
 文化財の公開・活用については、引き続き、重要文化財等公開促進事業等の支援を行うことで、適切な文化財の公開を行い、国民の文化に対する理解と関心を高める。
 文化財に携わる人材の確保と資質の向上については、引き続き、専門家に対する研修や都道府県及び市町村の文化財行政に携わる者を対象とする講習会を行う。その際、研修内容などの定着についてのアンケートの実施などについて検討を行う。また、「日本の文化遺産保存活用等活性化事業」等により、専門機関等との適切な連携協力の促進などの課題の検討を行う。
 これら文化財の保存及び活用の充実を図るため、新たに6名の定員要求を行う。

12‐3日本文化の発信及び国際文化交流の推進

 文化芸術振興に関して、文化交流使事業については、文化人・芸術家等への支援の充実を図りながら事業を継続し、国際芸術交流支援事業については、政府間協定等に基づく二国間交流事業として実施される国際フェスティバル等特に海外発信効果の高いものについて重点支援する等施策を戦略的に進める。
 また、海外の文化遺産の保護に関しては、要請に応じた国際協力を実施し、事業の継続によって実績を累積していくことが重要であり、複数の機関が連携することによって、効果的な国際協力の実施が可能となるため、引き続き各機関との連携の強化等を図っていく。

12‐4文化芸術振興のための基盤の充実

 文化ボランティアの自立的・継続的な活動を推進するための環境整備については、平成20年度から開始した「文化ボランティア支援拠点形成事業」により、22年度も文化ボランティア・コーディネーター養成を引き続き支援する。
 著作権等の保護及び利用については、調査研究や海賊版対策を引き続き実施するとともに、著作物等の流通促進に関わる新制度の創設の対応に必要な定員として、デジタルコンテンツ流通専門官等3名の要求を行う。また、著作権普及教材の開発に引き続き努める。
 国民に対する国語の普及・啓発については、国語問題研究協議会へ参加しやすい環境を整えたり、内容の充実を進めることで、引き続き参加者数の増加及び参加者の満足度を高めるように努めていく。また、国内における日本語を学習する外国人の増加及び定住化への対応については、日本語教育実施機関・施設数等について僅かながら減少しているため、日本語教育のより一層の充実を図るべく「生活者としての外国人」のための日本語教育事業の予算額の増額を検討中である。また、これら国語施策及び日本教育施策の推進を図るため、専門官(言語施策連携推進担当)1名の定員要求を行う。
 宗教法人の適正な管理運営の推進については、宗教法人法に基づく認証事務を着実に実施していくとともに、引き続き、研修会の開催等を通し、宗教法人制度の適正な運用の徹底を図っていく。

関連する政府等の方針(主なもの)

  • 骨太08:12‐1、12‐2、12‐3(第5章 P2625行目~27行目)、12‐4(第5章 P2625行目~27行目、成長戦略実行プログラム(別紙) P3439行目)
  • 教育振興基本計画:12‐1(第3章 P2227行目~30行目)
  • 文化芸術基本方針(第2次):12‐1、12‐2、12‐3、12‐4
  • 知的財産推進計画2008:12‐4(第2章 P501行目~P5428行目,P574行目~P6112行目)
  • 経済成長戦略(平成20年6月10日):12‐4(戦略実行プログラム(別紙) P134行目)
  • イノベーション25:12‐4(第5章 P293行目~9行目)
  • アジア・ゲートウェイ構想:12‐4(2.重点7分野 P2825行目~26行目)
  • 「生活者としての外国人」に関する総合的対応策:12‐4(1.開国人が暮らしやすい地域社会づくり P224行目~P38行目)
  • 定住外国人支援に関する対策の推進について:12‐4(1.教育対策 P21行目~25行目)
  • 未来開拓戦略(Jリカバリープラン):12‐4(3.魅力発揮 P4830行目~31行目)
  • 犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008‐「世界一安全な国、日本」の復活を目指して‐:12‐4(3多文化共生を可能とする社会基盤の整備 P257行目~17行目)

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大臣官房政策課評価室

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