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施策目標10‐8 安全・安心な社会の構築に資する科学技術の推進

 豊かで安全・安心で快適な社会を実現するための研究開発等を行い、これらの成果を社会に還元する。

施策期間

 目標達成年度:平成22年度(基準年度:平成17年度)

主管課(課長名)

 科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当)安全・安心科学技術企画室(竹内 英)

関係局課(課長名)

 科学技術・学術政策局政策課資源室(内畠 聖寿)、放射線規制室(中矢隆夫)、研究開発局地震・防災研究課(鈴木 良典)、防災科学技術推進室(南山 力生)

施策の全体像

 豊かで安全・安心で快適な社会を実現するための研究開発等を行い、これらの成果を社会に還元するため、我が国では、内閣府の「安全に資する科学技術推進戦略」(平成18年6月)及び文部科学省の「安全・安心科学技術に関する研究開発の推進方策」(平成18年7月)において、危機事態(大規模自然災害、重大事故、新興・再興感染症、食品安全問題、テロリズム、情報セキュリティ、各種犯罪、その他)別の推進方策が示されている。本施策では他の政策目標との重複を除き、そのうち、「大規模自然災害」「テロリズム」及び「その他」について、以下の3つの達成目標を設定して取り組む。

○達成目標10-8-1

 地震及び火山に関する調査研究や、災害発生時の被害軽減を目指した防災科学技術に関する研究開発を推進し、自然災害に強い安全・安心な社会の構築に向けた科学技術基盤を確立する。この達成目標が達成されたかについては、下位事業の進捗状況で判断することとする。

  • 判断基準10-8-1:「自然災害に強い安全・安心な社会の構築に向けた科学技術基盤確立」のために実施した各研究課題(全7研究課題)の進捗状況

○達成目標10-8-2

 安心・安全に係る課題の解決に向け、文部科学省の持つ多様な科学技術的知見の現場における活用を図るための基盤を構築する。課題解決に向けた具体的な取り組みの進捗状況により、この成果を測る。

  • 判断基準10-8-2:ニーズに立脚したテーマについて、現場ユーザーと連携しつつ、研究開発等を進め、成果を社会に実装する取り組みの進捗状況。

○達成目標10-8-3

 放射性同位元素等に係る事故・トラブル及び放射線障害の発生を防止し、放射性同位元素等を防護する。この防護は、事業者の取組と国の規制機関の取組の結果、初めて安全性・信頼性が確保され、確立されるので、判断基準の設定は困難ではあるものの、規制の最終的な目的に直結する放射線障害または防護上の問題が発生した件数を設定する。

  • 判断基準10-8-3:一般公衆の放射線障害の発生件数と放射性同位元素に係る防護を破る盗取又は妨害破壊行為が発生した件数の合計件数

達成状況と評価

全体評価 A

 達成目標10-8-1と達成目標10-8-2はA、達成目標10-8-3についてはB評価のため、全体評価をAと判断する。

○判断基準10-8-1(A)

判断基準 各研究課題(全7研究課題)の進捗状況の平均から判断する。
S=3.4以上
A=2.6以上3.4未満
B=1.8以上2.6未満
C=1.8未満

 「自然災害に強い安全・安心な社会の構築に向けた科学技術基盤確立」のために平成20年度に実施した研究課題7件(「東南海・南海地震等海溝型地震に関する調査研究」、「首都直下地震防災・減災特別プロジェクト」、「ひずみ集中帯の重点的調査観測・研究」、「東海・東南海・南海地震の連動性評価研究プロジェクト」、「地震調査研究推進」、「地震・津波観測監視システム」、「防災教育支援推進プログラム」)のうち、「想定した以上に順調に進捗」は0件、「想定通り順調に進捗」は6件、「概ね順調に進捗しているが、一部については進捗にやや遅れが見られる」は1件、「想定した通りには進捗していない」は0件であった。
 各研究課題の進捗状況を数値化し、想定した以上に順調に進捗している場合を「4点」、想定通り順調に進捗している場合を「3点」、概ね順調に進捗しているが、一部については進捗にやや遅れが見られる場合を「2点」、想定した通りには進捗していない場合を「1点」としたところ、全7課題の平均値が約2.9点であったため、判断基準に基づき、「A」と判断した。(各研究課題の当初計画及び進捗の判断理由については、「具体的な達成手段」の欄に記載。)

○判断基準10-8-2(A)

判断基準 ニーズに立脚したテーマについて、現場ユーザーと連携しつつ、研究開発等を進め、成果を社会に実装する取り組みの進捗状況。
S=ニーズに立脚したテーマについて、現場ユーザーと連携しつつ、研究開発等を進めた結果、成果が社会に実装した。
A=ニーズに立脚したテーマについて、現場ユーザーと連携した研究開発等が順調に進捗している。
B=ニーズに立脚したテーマが設定されているが、現場ユーザーと連携した研究開発等が進んでいない。
C=ニーズに立脚したテーマが設定されていない。

 テロ対策について、研究開発の推進と関連研究者等のネットワーク構築を目的とした「安全・安心科学技術プロジェクト」を平成19年度から開始している。さらに、平成20年度から、地域社会の安全・安心の確保に係る研究開発(災害時の情報システム)を開始した。本事業では、科学技術の社会への実装による安全・安心確保のため、3年間で試作品の製作や実証試験を行うことを目標としている。平成20年度は各研究プロジェクトにおいて、例えばウォークスルー型爆発物検知システムの試作品をイベント会場で実証試験を行ったり、生物剤検知システムや手製爆発物検知システム(FS)について国土交通省の鉄道局及び航空局と装置の導入に向けて連携するなど、社会実装に向けた取り組みが順調に進捗している。
 国際的には、日米間で実施している「安全・安心科学技術協力イニシアティブ」の下で、バイオディフェンスやロボティクス技術に関するワークショップを開催し、協力が進展した。具体的には、平成20年度から日米の「ロボティクス技術」において研究交流のためのファンディングを新たに開始している。
 NBCテロに対する文部科学省の役割としては、文部科学省設置法に基づき、国民を放射線による障害から守ることを担っており、国民の安全確保に必要な放射線量の測定や退避・避難範囲の設定等に重要な働きをすることとなる。このため、上記対応に必要となる技術的ニーズの把握・抽出等について調査するべく、平成20年度から「総合核テロ対策技術調査」を開始している。
 加えて、文部科学省では、国民の健康で安心な生活に資するため、日本食品標準成分表を作成しているが、科学技術・学術審議会資源調査分科会の意見を踏まえ、ビオチン・ヨウ素・セレン・クロム及びモリブデンの成分分析技術の開発に資するため、「国民の健康な食生活に資する食品成分定量分析」事業を平成19年度より開始しているところである。平成20年度については、平成19年度の成果として提案された「コンポジット分析が可能な場合についてのサンプリング方法、定量方法等、より低コストの分析方法」の妥当性を確認することを目的として、197品目についてこれを実施し、その妥当性が科学技術・学術審議会資源調査分科会食品成分委員会委員によって確認された。
 各事業が順調に進捗しているため、「A」と判断した。

(参考指標)

  19 20
安全・安心科学技術プロジェクトの成果を社会に実装する取り組みの状況    
1.現場ユーザーとの連携のための会議回数(1課題あたり) 3.3回 6.0回
2.実証試験の実施回数(1課題あたり) 0.5回 0.8回

○判断基準10-8-3(B)

判断基準 一般公衆の放射線障害の発生件数と放射性同位元素に係る防護を破る盗取又は妨害破壊行為が発生した件数の合計件数
S=なし
A=0件
B=1件
C=2件以上

 文部科学省では、放射性同位元素等の使用等については、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(放射線障害防止法)に基づく安全規制を行っており、放射性同位元素の使用の許可・届出、使用事業所への立入検査、放射線取扱主任者への法定講習等を通じて、安全確保に努めている。
 特に、平成20年度は、放射性同位元素等の防護を強化するため、所持・受払いの情報等を登録し国内の放射線源の追跡調査を可能とする「放射線源登録管理システム」を平成21年度より導入すべく準備を進めた。これは、国際原子力機関(IAEA)が平成15年に策定した「放射線源の安全とセキュリティに関する行動規範」で求められている内容を実現するものである。
 参考指標である事故・トラブル等報告件数は7件、一般公衆の放射線障害の発生件数は0件、放射性同位元素等の盗取は1件であった。
 本達成目標について判断基準に当てはめると評価はBとなるため、評価結果を「B」と判断する。盗取が起きた主な原因としては、当事業者の鍵の管理等が適切でなかったと考えている。

(指標)

  16 17 18 19 20
一般公衆の放射線障害の発生件数 0 0 0 0 0
  16 17 18 19 20
1.放射性同位元素に係る防護を破る盗取件数 0 0 0 0 1
2.放射性同位元素に係る防護を破る妨害破壊行為件数 0 0 0 0 0

(参考指標)

  16 17 18 19 20
放射線障害防止法に基づく事故・トラブル等報告件数 6 4 6 10 7

必要性・有効性・効率性分析

【必要性の観点】
 国民の生命、財産等を守り、安全・安心な生活を実現することは国の責務である。自然災害発生による被害を最小限に抑えられるよう、地震及び火山に関する調査研究や、防災科学技術に関する研究開発を実施することが必要である。また、文部科学省の持つ科学技術的知見を安全・安心な社会の構築に活用するため、技術シーズをユーザーニーズにつなげるテロ対策等の具体的な課題を解決する研究開発を実施することが必要である。さらに、放射線障害を防止するよう、許可・認可施設に対しての適時・適切な指導をとることが必要である。

【有効性の観点】
 リアルタイム地震情報システムの研究成果が緊急地震速報に活用されたり、高精度、高分解能で降雨を観測することができるレーダを開発し、それが国交省河川局において河川流量の把握のために導入され、さらに、地震調査研究の成果が統合された高精度な地震動予測地図が完成するなど、防災科学技術に関する研究開発や、地震調査研究の成果が着実に社会へ還元されている。また、テロ対策等に資する技術についても、実証試験の実施やユーザー(公的機関及び保安事業者)との連携など、成果の社会還元へ向けた取り組みが進んでおり、今後、安全・安心で快適な社会の実現に資することが見込まれる。加えて、現場と一体となって、食品成分分析に関する技術開発を実施するとともに、関係省庁との連携を強化することにより、我が国のもつ食品成分分析に関する科学技術力を現場で有効に活用するための基盤が構築される。
 さらに、放射線障害を防止するために、最新の国際的な動向に注視し、IAEAの国際検討会等への参加、諸外国との情報交換及び放射線審議会での検討を行っており、有効に法令等に取り入れをしている。
 これらの政策が概ね順調に進捗しており、地震等の自然災害に対する防災力の向上、テロ等の人為災害への対応力の強化、放射線障害の防止等の成果により、安全・安心で快適な社会の実現に資することが見込まれる。

【効率性の観点】
(事業インプット)

  • 東南海・南海地震等海溝型地震に関する調査研究 168百万円
  • 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト 933百万円
  • ひずみ集中帯の重点的調査観測・研究 401百万円
  • 東海・東南海・南海地震の連動性評価研究プロジェクト 495百万円
  • 地震調査研究推進 609百万円
  • 地震調査研究推進本部の運営 837百万円
  • 地震・津波観測監視システム 1,406百万円
  • 防災教育支援推進プログラム 30百万円
  • 防災科学技術研究推進 2百万円
  • 安全・安心科学技術プロジェクト 625百万円
  • 国民の健康な食生活に資する食品成分定量分析 27百万円
  • 食品成分データベース整備の推進 14百万円
  • 放射線障害防止法に基づく安全規制の実施 35百万円
  • 最新の知見、国際的な基準、指針類の取り入れ 7百万円
  • 放射線障害防止総合管理システムの運用 22百万円
  • 放射線源登録管理システムの整備・運用 34百万円

(事業アウトプット)
 本事業の実施により、以下についての効果が得られた。

  • 首都圏における稠密な地震観測により、地下を高精度にイメージングできるデータが得られた。
  • 医療施設等を再現した実大実験を行うことにより、耐震性能や機能維持を確保するための指針の改定等に必要なデータが得られた。
  • 活断層及び海溝型地震の調査観測により、活断層及び海溝型地震の長期評価等を高度化(信頼度の向上を含む)するためのデータが得られた。
  • 地震・津波発生の早期検知が可能となる、地震計・津波計等を備えたリアルタイム海底ネットワークシステムの整備が進捗した(紀伊半島熊野灘沖)。
  • 防災教育支援事業を8地域で実施するとともに、防災教育推進フォーラムを2ヵ所で開催するなど、防災教育に関する取組が進捗した。
  • テロの未然防止への貢献が期待される危険物の探知装置の研究開発、地域社会の安全・安心確保に貢献が期待される災害時情報システムの研究開発が進捗した。
  • 食品成分分析技術の開発が進捗した。
  • 国民を放射線による障害から守るための放射線(能)モニタリング技術の調査が進捗した。
  • 放射線障害防止を達成することに貢献でき、放射線源登録管理システムを構築するための調査が実施できた。また、許認可においても、審査業務を円滑に実施するためのシステムの運用に関する進捗等の効果があった。

(事業アウトカム)
 上記アウトプットにより、自然災害やテロ等の脅威から国民の安全が確保されるとともに、食品成分分析技術の高度化及び国民への迅速な情報提供等が図られることにより国民の健康な食生活への貢献等の効果が見込まれ、さらに、放射線障害から国民の安全が確保されることで、安全・安心な社会の構築の大きく貢献する。

施策への反映(フォローアップ)

【予算要求への反映】
 これまでの取組を引き続き推進。

【機構定員要求への反映】
 定員要求に反映

【具体的な反映内容について】
 達成目標10-8-1について、特に7研究課題のうち、唯一進捗に遅れが見られた首都直下地震防災・減災プロジェクトについては、特に遅れの生じている地震観測網の整備を加速させるために必要な予算の確保に努めるなど、複雑なプレート構造の下で発生しうる首都直下地震の姿の詳細を明らかにするという目標の達成に向けた取り組みを積極的に推進する。その他の5課題についても、所期の成果が達成できるよう平成22年度についても引き続き着実に実施する。また、火山調査研究については、昨年7月の科学技術・学術審議会からの建議を踏まえ、火山噴火予測の高度化に向け、防災科学技術研究所を中心に火山観測の体制強化を行う。
 達成目標10-8-2について、「安全・安心科学技術プロジェクト」においては、ニーズの高い分野について積極的に拡充する必要がある。また、特にテロ対策技術等、市場が限られ、必要とされる技術情報の公開にも限度があるなど、民間参入のハードルが高い分野においては、公的機関を含めたユーザーサイドと研究開発側の連携を更に強化した新たな取り組みを開始する。
 達成目標10-8-3について、放射性同位元素が盗取される事件が発生したことから、許可届出使用者及び廃棄事業者に対して、放射性同位元素の保管庫入り口における鍵の二重化や責任者のみ鍵の使用が行われるような体制、保管庫への立ち入りと放射性同位元素の持ち出しにあたり複数者によるチェック体制及び在庫確認の徹底による異常の早期発見ができる体制を構築するよう指導し、放射性同位元素の防護の強化を図ったところであるが、引き続きその周知・徹底に努める。さらに、所持・受払い情報等を登録し国内の放射線源の追跡調査を可能とする「放射線源登録システム」を平成21年8月から行政指導により段階的に運用を開始、平成23年1月からの本格運用を行う予定。
 さらに、放射性同位元素の使用を廃止した後の廃止措置期間中も記帳の義務を課する等、より一層の放射性同位元素等の管理の徹底を図る。また、平成22年度は、自然放射性物質(NORM)のうち、一般消費財に関する一般公衆等の被ばくを適切に防護する観点から今後の規制のあり方について検討する必要があり、その調査のための予算要求を行う。
 定員要求については、現在、法令改正を行っている廃止措置に係る専門的な業務に関連し、法令改正後に増大する許可施設の廃止措置計画の確認及び検査等を行う廃止確認専門官の要求を行うこととする。

関連した行政活動(主なもの)

  • 平成20年7月に科学技術・学術審議会より、平成21年度からの5年計画である「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」が関係大臣に建議された。
  • 平成21年4月に地震調査研究推進本部において、今後10年程度の地震調査研究の基本となる「新たな地震調査研究の推進について—地震に関する観測、測量、調査及び研究の推進についての総合的かつ基本的な施策—」が策定された。
  • 平成20年4月9日に原子力安全監より通知「放射性同位元素等の管理の徹底について(再通知)」を発出。(許可届出使用者及び廃棄事業者に対して、放射性同位元素の保管庫入り口における鍵の二重化や責任者のみ鍵の使用が行われるような体制、保管庫への立ち入りと放射性同位元素の持ち出しにあたり複数者によるチェック体制及び在庫確認の徹底による異常の早期発見ができる体制を構築するよう指導)
  • 平成21年8月より、所持・受払い情報等を登録し国内の放射線源の追跡調査を可能とする「放射線源登録システム」を行政指導により段階的に運用を開始。

備考

 特になし

具体的な達成手段

 ※【22年度の予算要求への考え方】には、実績を踏まえ、より効率化に努める内容についても記入している。

【事業概要等】 【20年度の実績】 【22年度予算要求への考え方】
東南海・南海地震等海溝型地震に関する調査研究(開始:平成15年度 終了:平成20年度 20年度予算額:168百万円)
【20年度達成年度到来事業】
東南海・南海地震、日本海溝・千島海溝周辺で発生する地震を対象として、海底地殻構造調査研究及び海底地震観測研究等を実施する。 平成20年度の当初計画では、事業期間の最終年度として、想定震源域における微小地震分布を把握するための海底地震観測研究、過去の地震観測データの整理・分析、高機能地震計の開発及び成果の取りまとめを行い、当該地域の地震発生予測の高度化に寄与することを目的としていた。
平成20年度の実績としては、日本海溝・千島海溝周辺において、海底地震観測を行い、地震活動の時空間分布及び地震波速度構造が推定されるとともに、過去の地震観測データの整理・分析を行い、東南海・南海地震および日本海溝・千島海溝の海溝型地震を対象とした過去地震記録データベースシステムを開発した。また、高機能地震計の開発においても、ボアホール地震観測の高度化に資する結果が得られた。
【事業期間全体の総括】
事業期間を通して
・東南海・南海地震想定震源域の不整形構造の存在の確認
・フィリピン海プレートの固着状態の変化の発見等の知見が得られ、当該地域の地震発生予測の高度化に寄与した。以上のことから、「想定通り順調に進捗」と判断。
平成20年度に、当初の目的を達成したと判断されたため終了
首都直下地震防災・減災特別プロジェクト(開始:平成19年度 終了:平成23年度 20年度予算額:930百万円)
首都圏における稠密な調査観測を行い、複雑なプレート構造の下で発生しうる首都直下地震の姿(震源域、将来の発生可能性、揺れの強さ)の詳細を明らかにするとともに、耐震技術の向上や地震発生直後の迅速な震災把握等と有機的な連携を図り、地震による被害の大幅な軽減や効果的な救援活動に資することを目指す。 平成20年度の当初計画では、プレート構造調査において、プレート境界面の形状等を明らかにし、プレート構造を解明するために、合計200カ所の地震観測網を整備するとともに、医療施設等の性能評価等を行うためにE-ディフェンスにおいて実大実験を行い、性能評価等に必要なデータの取得を予定していた。
平成20年度の実績としては、前年度整備した46カ所の中感度地震計に加えて、新たに132カ所を追加し、合計178カ所の地震観測網からデータを収集し、解析を進めたが、観測点の設置数については、当初の計画より若干遅れている。
一方、耐震性評価・機能確保研究等については、災害時の重要拠点となる医療施設や情報通信の耐震性能や機能維持性能を確保するために、それらの施設を再現した実大実験をE−ディフェンスにおいて行い、地震対策指針や具体的な方策立案のためのデータを取得する等の成果が出た。
以上のことから、「概ね順調に進捗しているが、一部については進捗にやや遅れが見られる」と判断。
事業の一部に進捗の遅れが見られるものの、概ね順調に進捗しており、有効性が認められるため、引き続き本事業を継続する。
ひずみ集中帯の重点的調査観測・研究(開始:平成20年度 終了:平成24年度 20年度予算額:401百万円)
ひずみ集中帯の地震発生メカニズム等を解明するため、日本海東縁部等における海陸統合調査や、ひずみ速度が速い火山周辺地域での観測研究等を実施。 平成20年度の当初計画では、ひずみ集中帯周辺の陸域及び海域において観測装置を設置し、地震観測を開始するとともに、三条−弥彦沖において制御震源を用いた海陸統合調査を実施し、地震発生メカニズムの解明と活断層モデルの構築のためのデータ取得等を予定していた。
1年目の平成20年度の実績としては、新潟県を中心とするひずみ集中帯周辺の陸域に300台、海域に10台の機動的地震観測装置を設置し、地震観測を開始するとともに、弥彦沖から三条を経て越後山脈に至る63kmの区間で海陸統合地殻構造探査を実施した。また、草津白根山や桜島等の火山を含むひずみ速度の速い地域において、ひずみ集中機構解明のための機動的観測装置を設置し、調査観測等を開始した。
得られたデータは、高感度地震観測網Hi-netのデータと併せて処理されることにより、地下構造のイメージング及び地震活動状況の把握に寄与した。
以上のことから、「想定通り順調に進捗」と判断。
事業が順調に進捗しており、有効性が認められるため、引き続き本事業を継続する。
東海・東南海・南海地震の連動性評価研究プロジェクト(開始:平成20年度 終了:平成24年度 20年度予算額:495百万円)
東海・東南海・南海地震の連動性評価のため、想定震源域での海底地震観測や、シミュレーション研究、強震動・津波予測等を実施。 平成20年度の当初計画では、南海トラフの西端に位置する足摺岬から日向灘において地殻構造、地震活動の調査を行うとともに、南海トラフ域での地震による強震動、地殻変動、津波の発生を同時評価可能なシミュレーションコードの整備等を予定していた。
平成20年度の実績としては、足摺岬から日向灘において、自然地震観測、屈折法地震探査を行い、地殻構造や地震活動の特徴を把握するとともに、南海トラフ域での地震による強震動、地殻変動、津波の発生を同時に評価可能なシミュレーションコードを整備し、試計算等を行った。
また、想定被災地域の一部について、詳細地形・粗度データの整備を進め、津波遡上シミュレーションの試計算を行った。以上のことから、「想定通り順調に進捗」と判断。
事業が順調に進捗しており、有効性が認められるため、引き続き本事業を継続する。
地震調査研究推進(開始:平成7年度 終了:− 20年度予算額:609百万円)
地震調査研究推進本部の方針に基づき、強い揺れに見舞われる可能性が相対的に高いと判定された地域の特定の地震を対象とした重点的調査観測や、基盤的調査観測の基準(長さ、活動度等)を満たすことが新たに判明した断層帯に対する追加調査、これまでに実施した評価の信頼度が高いとはいえない断層帯に対する補完調査を実施する。 平成20年度の当初計画では、糸魚川−静岡構造線断層帯の重点的調査観測に加え、8つの活断層帯について追加・補完調査を実施するとともに、海域については長期的な地震発生時期及び地震規模の予測精度向上するため、宮城沖、根室沖の重点的調査観測を引き続き実施することを予定していた。
平成20年度の実績としては、糸魚川−静岡構造線断層帯、宮城県沖、根室沖において調査観測を実施した。糸魚川−静岡構造線断層帯の調査観測については、5年計画の4年目に当たり、各種調査結果が揃い始め、高精度な断層モデル構築に目途が立った。
また、海域の調査観測では、海底地震観測や津波堆積物調査により、長期評価の精度向上に資するデータが蓄積され、それを用いた解析が行われた。
追加・補完調査については、宮古島断層帯(沖縄県)、増毛山地東縁断層帯(北海道)等の8つの活断層帯において、トレンチ調査、ボーリング調査等を実施し、全ての断層帯において、位置、形態、活動履歴等、活断層評価の信頼性向上に結びつくデータが得られた。以上のことから、「想定通り順調に進捗」と判断。
事業が順調に進捗しており、有効性が認められるため、引き続き本事業を継続する。
地震・津波観測監視システム(開始:平成18年度 終了:平成21年度 20年度予算額:1,406百万円)
地震計・津波計等を備えた稠密なリアルタイム海底ネットワークシステムを構築するための技術開発を推進し、東南海地震の想定震源域である紀伊半島熊野灘沖に敷設する等により、高精度な海溝型地震予測モデルの構築や、地震・津波発生の早期検知等による迅速かつ的確な防災・減災対策への寄与を目指す。 平成20年度の当初計画では、海底ネットワークシステム全体の機能の評価及び基幹ケーブル、観測装置の試作・設計・製作等を予定していた。
平成20年度の実績としては、基幹ケーブルシステム、分岐装置、観測装置等の評価試験、一部製作を行うなど、海底ネットワークシステムの整備を進めるとともに、GPS−音響測距結合方式の海底地殻変動リアルタイム観測の実現を目指して、筒型ブイの小型化と連続試験観測を行うなど、次世代観測システムの開発を進めた。
以上のことから、「想定通り順調に進捗」と判断。
事業が順調に進捗しており、有効性が認められるため、引き続き本事業を継続する。
防災教育支援推進プログラム(開始:平成20年度 終了:平成24年度 20年度予算額:30百万円)
防災研究を実施する研究機関・大学等の研究者や、地方公共団体の防災担当者、学校の教職員等の連携による防災教育に関する取組を推進・高度化し、その成果を集約するとともに、全国への普及を図る「防災教育支援事業」や、国と地方公共団体の共催により、教育関係者、行政関係者、地域の防災リーダー等を対象にフォーラムを開催し、防災教育支援事業の紹介や、パネルディスカッション、研修等を開催する「防災教育推進フォーラム」を実施する。 平成20年度の当初計画では、防災教育支援事業の実施団体を公募し、事業を開始するとともに、関係機関と連携し、防災教育推進フォーラムを開催することを予定していた。
<防災教育支援事業>
20年度は計8団体を公募により選定し事業を実施している。この8団体は、2年間の1年目の成果として1.防災科学技術教育関連教材等の作成、2.学校の教職員等を対象とした研究カリキュラムの開発・実施、3.実践的な防災教育プログラムの開発・実施、について目標を達成している。
<防災教育推進フォーラム>
20年度は、大阪府と宮城県の2カ所で地方団体など関係機関と連携してフォーラムを開催した。
以上のことから、「想定通り順調に進捗」と判断。
事業が順調に進捗しており、有効性が認められるため、引き続き本事業を継続する。
安全・安心科学技術プロジェクト(開始:平成19年度 終了:− 20年度予算額:625百万円)
重要研究開発課題の研究開発(テロ対策等)を進めることにより、国家安全保障、国民生活の安心と安全確保への貢献を目指す。また、この取組を通じ、安全・安心に資する科学技術推進のための拠点の整備、関連研究者等のネットワークの構築を図る。 平成19年度採択の3課題(危険物探知)について引き続き研究を推進するとともに、平成19年度にFSとして実施した生物剤・化学剤の検知装置について、平成20年度より本格研究を開始した(2課題)。また、爆発物検知についてフィージビリティスタディを実施した(2課題)。さらに、地域社会の安全・安心に資する災害時の情報システムの研究開発を新たに開始(3課題)。加えて、安全・安心に関わる知・技術の共有化に資するため、関係機関間のネットワークの構築やワークショップの開催を行った。 事業が順調に進捗しているおり、有効性が認められるため、引き続き本事業を継続する。
国民の健康な食生活に資する食品成分定量分析(開始:平成19年度 終了:平成21年度 20年度予算額:27百万円)
「日本人の食事摂取基準」(平成16年10月25日、厚生労働省策定)に新たに推奨量等が定められたクロム、モリブデン、セレン、ヨウ素、ビオチンの5成分について、一部の主要食品の成分値を定量分析し、より低コストの分析方法等について提案。 5成分の含有量が比較的高いと思われる主要食品(600品目程度)のうち197品目について成分値を定量分析し、平成19年度に提案された、「コンポジットが可能な食品については、サンプリングは5ロットまで、コンポジットする点数は1ロット5点、分析試料の大きさは1点20〜40gまでが望ましい」との分析方法を実施した結果、その妥当性が確認された。 平成21年度に当初の目的を達成すると見込まれるため終了予定
総合核テロ対策技術調査(開始:平成20年度 終了:平成24年度 20年度予算額:9百万円)
万一の核テロ発生時に、国民を放射線による障害から守るという観点から、国内の防災関係機関における核テロに対する技術的ニーズの把握、必要とされる資源等について調査を行うことにより、核テロ対策技術の向上に資する。 平成20年度の当初計画では、核テロ時における緊急時モニタリング対応に関する国内の技術的ニーズや、必要とされる資機材の把握を予定していた。
平成20年度の実績としては、地方公共団体等の関係機関における、核テロ対応に係る技術的ニーズの抽出・整理を実施するとともに、核テロ対応の効果的なモニタリングを実施するために必要となる機器のうち、開発が必要な機器及びシステムについて検討し、提案が行われた。
以上のことから、「想定通り順調に進捗」と判断
事業が順調に進捗しており、有効性が認められるため、引き続き本事業を継続する。
放射線障害防止法に基づく安全規制の実施(開始:昭和33年度 終了:− 20年度予算額:35百万円)
放射線障害防止法に基づく以下の規制措置・各種許認可申請に係る審査・事業者に対する立入検査・登録機関による認証、検査、講習等の実施・法令違反に対する行政処分放射線障害防止法施行に必要なデータベース等の整備 [得られた効果]
放射性同位元素使用施設等の安全が確保され、一般公衆の放射線障害の発生が防止された。
[事務事業等による活動量]
・許認可届出等処理件数 11,842件
・立入検査実施回数 257回行政処分回数 1
[業務の効率化]
許認可の申請前には事業者との間で事前に申請書類のチェックを行っている他、申請届出内容の管理のための放射線障害防止総合管理システムを活用し、審査事務を効率化している。
このような取組の結果、1件あたりの処理に要した日数は、標準処理期間が90日で設定されているのに対し、平均約1〜2ヶ月程度となっている。
放射線障害防止法に基づく規制をする観点から、引き続き本事業を実施することが必要なため、継続する。
最新の知見、国際的な基準、指針類の取り入れ(開始:昭和55年度 終了:− 20年度予算額:6百万円)
IAEAの国際検討会等への参加・諸外国との情報交換・放射線審議会での検討 [得られた効果]
規制の合理化、高度化等により、安全の向上につながった。
国際的な最新の知見を得て規制に反映する観点から引き続き本事業を実施することが必要なため、継続する。
放射線障害防止総合管理システムの運用(開始:平成2年度 終了:− 20年度予算額:22百万円)
放射線障害防止法に基づく規制対象者のデータを運用する [得られた効果]
許認可の申請前には事業者との間で事前に申請書類のチェックを行っている他、申請届出内容の管理のための放射線障害防止総合管理システムの整備を行ったが、運用する中で時代の変化に即する改修のための検討が引き続き行われ審査事務の効率化につながった。
許認可の事務を円滑化かつ効率化をする観点から引き続き本事業を実施することが必要なため、継続する。
放射線源登録管理システムの整備・運用(開始:平成19年度 終了:平成24年度 20年度予算額:34百万円)
IAEAが定めた「放射線源の安全とセキュリティに関する行動規範」において求められている、放射線源の所在情報を登録し、国内の放射線源を追跡調査可能にする放射線源登録管理システムを整備・運用する。 [得られた効果]
放射線源登録管理システムの整備に向けて、平成19年度からシステムの開発に着手し、平成21年度中に運用を開始できるように整備して、運用をめざした。
放射線源の安全を確保する観点から引き続き本事業を実施することが必要なため、継続する。

(参考)関連する独立行政法人の事業(なお、当該事業の評価は文部科学省独立行政法人評価委員会において行われている。評価結果については、独法評価書を参照のこと)

独法名 20年度予算額 事業概要 備考(その他関係する政策評価の番号)
防災科学技術研究所 10,767,672千円 地震災害、火山災害、風水害、その他災害を対象とした防災科学技術に関する基礎研究、及び基盤的研究開発、それらに係る成果の普及及び活用の促進等

官房部局の所見

 今後とも、当該年度に各々のプロジェクトがどこまで進捗することが想定されていたのかについて、わかりやすく記述すること。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --