平成20年5月に成立した宇宙基本法を踏まえ、国民生活の向上、産業の振興、人類社会の発展、国際協力等に資する宇宙分野の研究開発を推進するとともに、航空科学技術に係る先端的・基盤的研究を行う。
目標達成年度:平成24年度(基準年度:平成15年度)
研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)(松尾 浩道)
研究開発局宇宙開発利用課(佐野 太)、同宇宙利用推進室(阿蘇 隆之)
国民生活の向上、産業の振興、人類社会の発展、国際協力等に資する宇宙分野の研究開発を推進するとともに、航空科学技術に係る先端的・基盤的研究を行うために、平成20年5月に成立した宇宙基本法の第13条国民生活の向上等に資する人工衛星の利用、第15条人工衛星等の自立的な打上げ等、第18条先端的な宇宙開発利用等の推進、第19条国際協力の推進等、第22条教育及び学習の振興等を考慮し、以下の6つの達成目標を設定して取り組む。
地球観測、災害監視、測位等の利用ニーズを踏まえた衛星システムの開発・運用を行い、宇宙開発の成果を国民・社会に還元する。この効果を図るため、以下の指標を設定し判断することとする。
我が国として、必要な人工衛星等を必要な時に独自に打ち上げるために必要な「自律的な宇宙輸送システム」の確立に向け、基幹輸送系の維持、多様な輸送手段の確保、更なる信頼性の向上、及び将来輸送系に必要な技術基盤の確立を行う。この効果を図るため、以下の指標を設定し判断することとする。
科学衛星を開発・運用し、宇宙天文学や宇宙探査の分野で学術的に意義の大きな成果を挙げ、宇宙科学の分野での世界的な研究拠点となる。この効果を図るため、以下の指標を設定し判断することとする。
国際宇宙ステーション計画等の国際協力に参加し、国際約束を果たすと共に、有人宇宙技術や宇宙環境の利用技術の獲得を図る。また、アジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)等を通じて国際協力・交流を行う。この効果を図るため、以下の指標を設定し判断することとする。
宇宙・航空分野の研究・開発・利用の推進の意義やその成果について国民・社会からの理解を更に深める。この効果を図るため、以下の指標を設定し判断することとする。
社会からの要請に応える研究開発を行うとともに、次世代を切り開く先進技術を開発することにより、航空科学技術を我が国の社会基盤を支える技術とする。この効果を図るため、以下の指標を設定し判断することとする。
全体評価 A
施策目標10-6の下の各達成目標については、下記のとおり概ね順調に進捗している。
判断基準 | 地球観測、災害監視、測位等の利用ニーズを踏まえた衛星システムの開発・運用の進捗状況 |
---|---|
S=当初計画以上に進捗している。 A=当初計画どおりに進捗している。 B=当初計画からやや遅れが見られる。 C=当初計画から大幅に遅れが見られる。 |
本達成目標は宇宙開発委員会が評価等を行い、JAXAにおいて実施している施策に関するものである。判断基準においては、独法評価委員会における関連業務の実績に関する評価結果も参考とした。また、当初計画は、平成20年4月9日に宇宙開発委員会に報告されたJAXAの中期計画に基づいている。以下達成状況を示す。
既に打ち上げた人工衛星等の運用及び将来打上げ予定の人工衛星等の開発が概ね計画どおり行われた。
地球観測・災害監視分野については、「全球地球観測システム(GEOSS)」10年実施計画への我が国の貢献として重要な地球観測衛星の研究開発及び運用を着実に行った。温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」は、平成21年1月に打ち上げられ、二酸化炭素等の全球濃度分布の観測に向け、初期機能確認を行った。また、陸域観測技術衛星「だいち」は、国内外へのデータ提供を行い、災害状況把握や植生の把握等に貢献した。そのほかにも、利用ニーズを踏まえつつ、地球環境や災害状況の把握に資する衛星の研究開発を推進した。同時に、従来の衛星利用者の求める更なるニーズの把握等を通じて、データ利用方法の可能性や利用者の裾野の拡大のために、地球観測衛星の観測頻度の飛躍的向上が必要であることが明らかになった。
通信・測位分野の衛星開発については、技術試験衛星Ⅷ型「きく8号」(ETS−Ⅷ)は、桜島火山爆発総合防災訓練における通信実験など自治体防災訓練における実証実験や移動体通信実験、測位実験等の基本実験等が行われた。
超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)については、北京オリンピック会場に小型地球局を実験用に設置し、ハイビジョン伝送等を実施する実験や非常災害時の被災地と災害対策本部等との情報伝達における衛星通信による高精細映像等の伝送の有効性を実証する非常用通信伝送実験等の基本実験等が行われた。
準天頂衛星初号機については、概ね計画どおり、衛星搭載機器の製作を完了し、衛星システム全体のインテグレーションを開始した。
特許出願数、成果の外部発表も前年と同程度の数を得ることができた。
(指標)
18 | 19 | 20 | |
---|---|---|---|
JAXAが開発し打ち上げた衛星(科学衛星を除く) | 技術試験衛星Ⅷ型(ETS−Ⅷ「きく8号」 | 超高速インターネット衛星(WINDS)「きずな」 | 温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)「いぶき」 |
特許等の出願数(※科学衛星と利用衛星の合計値)(出願日基準の値) | 134 | 120 | 121 |
成果の外部発表 査読付き論文数 (※科学衛星と利用衛星の合計値) | 472 | 404 | 465 |
(参考指標)
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の中期目標を達成するための計画(中期計画)(平成15年10月1日〜平成20年3月31日)に基づく評価
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の業務の実績に関する評価 | 18 | 19 |
---|---|---|
防災・危機管理 | A | S |
資源管理 | A | A |
温室効果ガス把握への貢献 | A | A |
水循環変動把握への貢献 | A | S |
気候変動予測への貢献 | A | A |
移動体通信 | A | A |
固定通信 | A | A |
光衛星間通信 | A | A |
測位 | A | A |
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の中期目標を達成するための計画(中期計画)(平成20年4月1日〜平成25年3月31日)に基づく評価
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の業務の実績に関する評価 | 20 |
---|---|
地球観測プログラム | A |
災害監視・通信プログラム | S |
衛星測位プログラム | A |
衛星の利用促進 | A |
判断基準イ | 我が国の基幹ロケットであるH−ⅡAロケットについて、初期運用段階(20機程度)における平均的な打上げ成功率80%を大きく越える打上げ成功率90%に向けた達成状況。 |
---|---|
S=これまでの打上げ成功率90%以上 A=これまでの打上げ成功率80%以上90%未満 B=これまでの打上げ成功率70%以上80%未満 C=これまでの打上げ成功率70%未満 |
判断基準ロ | 基幹輸送系の維持、多様な輸送手段の確保、更なる信頼性の向上、及び将来輸送系に必要な技術基盤の確立の進捗状況 |
---|---|
S=当初計画以上に進捗している。 A=当初計画どおりに進捗している。 B=当初計画からやや遅れが見られる。 C=当初計画から大幅に遅れが見られる。 |
本達成目標は宇宙開発委員会が評価等を行い、JAXAにおいて実施している施策に関するものである。判断基準においては、独法評価委員会における関連業務の実績に関する評価結果も参考とした。また、当初計画は、平成20年4月9日に宇宙開発委員会に報告されたJAXAの中期計画に基づいている。以下達成状況を示す。
ロケットの打上げについては、平成20年度の当初計画どおり、我が国の基幹ロケットであるH−ⅡAロケット1機の打上げに成功した。これにより、H−ⅡAロケットについては、これまで15機の打上げを行い、うち14機の打上げに成功し、連続9回の打上げの成功と成功率約93.3%を達成した。この打上げの成功を通じ、基幹輸送系の維持及び更なる信頼性の向上に向けて前進した。なお、目標となる成功率90%については、H−ⅡAロケット10号機の打上げの成功をもって達成されている。
また、国際宇宙ステーションへの物資補給等を目的としたH−ⅡBロケット(H−ⅡAロケット能力向上型)については、直径5.2m推進薬タンクの実機大タンク認定試験(圧力、荷重等)を完了するとともに、我が国で初めての大型液体ロケットエンジンLE−7Aを2基クラスタした形態での厚肉タンクステージ燃焼試験(BFT)を実施し、エンジン2基の起動・停止特性や定常性能を確認するなど、概ね計画どおり、平成21年度の試験機打上げに向けて開発を進めた。
GXロケットについては、平成20年12月の宇宙開発戦略本部決定に従い、平成21年夏頃までの本格的開発着手に関する判断に向け、第二段に搭載する液化天然ガス(LNG)推進系の技術的な見通しを得るために必要な作業を進めた。
(指標)
18 | 19 | 20 | |
---|---|---|---|
H−ⅡAロケット打上げ成功回数 ()内は打上げ回数 | 3(3) | 2(2) | 1(1) |
(参考指標)
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の中期目標を達成するための計画(中期計画)(平成15年10月1日〜平成20年3月31日)に基づく評価
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の業務の実績に関する評価 | 18 | 19 |
---|---|---|
H−ⅡAロケット | S | A |
M−Vロケット | A | A |
H−ⅡBロケット | A | A |
LNG推進系 | A | A |
将来輸送系 | A | A |
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の中期目標を達成するための計画(中期計画)(平成20年4月1日〜平成25年3月31日)に基づく評価
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の業務の実績に関する評価 | 20 |
---|---|
基幹ロケットの維持・発展 | A |
LNG推進系 | B |
固体ロケットシステムの維持・発展 | A |
判断基準 | 科学衛星の開発、運用の進捗状況 |
---|---|
S=当初計画以上に進捗している。 A=当初計画どおりに進捗している。 B=当初計画からやや遅れが見られる。 C=当初計画から大幅に遅れが見られる。 |
本達成目標は宇宙開発委員会が評価等を行い、JAXAにおいて実施している施策に関するものである。判断基準においては、独法評価委員会における関連業務の実績に関する評価結果も参考とした。また、当初計画は、平成20年4月9日に宇宙開発委員会に報告されたJAXAの中期計画に基づいている。以下達成状況を示す。
宇宙科学の分野においては、既に打ち上げた人工衛星等の運用及び将来打上げ予定の人工衛星等の開発が概ね計画どおり行われた。
月周回衛星「かぐや」は定常運用を終了し、平成20年11月から後期運用に入り研究開発目標を達成した。数多くの科学的成果をあげ、米科学誌「サイエンス」において表紙を飾るとともに、従来よりも詳細で南北極も入った月の地形図の作成や、ハイビジョンカメラ(HDTV)による「満地球の出」撮影など輝かしい功績をあげた。
太陽観測衛星「ひので」は、搭載した3つの観測機器を用いて、太陽表面から彩層・コロナまでを同時に観測し、数多くの科学的成果を挙げ、太陽大気構造と磁気活動などの宇宙プラズマ物理学の基本的諸問題を解明するための数多くの成果を挙げた。
赤外線天文衛星「あかり」は、従来の3倍近い数の天体の情報を含む全天サーベイ観測に基づいた赤外線天文カタログの初版が完成するなど数多くの成果をあげた。
小惑星探査機「はやぶさ」は、世界初の小惑星へのタッチダウンを成功させるなど数多くの科学的成果を挙げ、惑星標本を地球へ回収するために必要な、電気推進、自律航法などの工学新技術を駆使し、平成22年6月の地球帰還に向けて鋭意運用中である。
磁気圏観測衛星「あけぼの」は本年度、打上げ20周年を迎えた。太陽活動の周期である11年を大幅に超える長期観測により、オーロラ粒子加速メカニズムについて普遍的結論を導くことに成功するなど数多くの成果をあげた。
以上のように、運用中の科学衛星においては、学術的に意義の大きな成果を挙げ、高く評価された。
また、開発中の科学衛星については、第25号科学衛星(ASTRO-G)は宇宙開発委員会において、開発への移行が妥当であるとの評価を得た。第26号科学衛星(ASTRO-H)は宇宙開発委員会において、開発研究への移行が妥当であるとの評価を得た。
特許出願数、成果の外部発表も前年と同程度の数を得ることができた。
(指標)
18 | 19 | 20 | |
---|---|---|---|
JAXAが開発し打ち上げた科学衛星 | 第22号科学衛星「ひので」(太陽観測衛星) | 月周回衛星「かぐや」 | - |
特許等の出願数(※科学衛星と利用衛星の合計値)(出願日基準の値) | 134 | 120 | 121 |
成果の外部発表 査読付き論文数 (※科学衛星と利用衛星の合計値) | 472 | 404 | 465 |
(参考指標)
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の中期目標を達成するための計画(中期計画)(平成15年10月1日〜平成20年3月31日)に基づく評価
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の業務の実績に関する評価 | 18 | 19 |
---|---|---|
ジオテイル | A | A |
あけぼの | A | A |
はやぶさ | S | A |
ASTRO−F(あかり) | A | S |
LUNAR−A | C | C |
SELENE | A | S |
ASTRO−EⅡ(すざく) | A | S |
SOLAR−B | S | S |
金星探査機 | A | A |
ベピコロンボ | A | A |
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の中期目標を達成するための計画(中期計画)(平成20年4月1日〜平成25年3月31日)に基づく評価
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の業務の実績に関する評価 | 20 |
---|---|
宇宙科学研究プロジェクト | A |
判断基準イ | 国際的な協調を踏まえた、「きぼう」及びHTVの開発、運用の進捗状況 |
---|---|
S=当初計画以上に進捗している。 A=当初計画通りに進捗している。 B=当初計画からやや遅れが見られる。 C=当初計画から大幅に遅れが見られる。 |
判断基準ロ | APRSAF等の国際会議における活動状況。 |
---|---|
S=昨年以上に国際会議を通じて国際協力・交流を行った。 A=昨年と同様程度に国際会議を通じて国際協力・交流を行った。 B=昨年より国際会議を通じて国際協力・交流を行えなかった。 C=昨年より国際会議を通じてまったく国際協力・交流を行えなかった。 |
本達成目標は宇宙開発委員会が評価等を行い、文部科学省及びJAXAにおいて実施している施策に関するものである。判断基準においては、独法評価委員会における関連業務の実績に関する評価結果も参考とした。また、当初計画は、平成20年4月9日に宇宙開発委員会に報告されたJAXAの中期計画に基づいている。以下達成状況を示す。
日本実験棟「きぼう」の開発・運用・利用及び宇宙ステーション補給機(HTV)の開発については概ね計画通りに行われた。
国際宇宙ステーション(ISS)計画において我が国が開発している日本実験棟「きぼう」の船内保管室、船内実験室の打上げ及びISSへの取付けが完了し、船内での実験等が開始された。「きぼう」の船外実験装置については、米国への輸送を完了し、打上げ準備作業を行った。
また、平成21年3月から若田光一宇宙飛行士が国際宇宙ステーションに長期滞在(約3か月間)を開始し、骨粗鬆症治療薬の効果を確かめる実験など、地上の生活への成果の応用が期待される分野での科学実験をはじめとして、「きぼう」を利用した様々な活動を行った。
また、我が国が主催するアジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)において、宇宙利用技術のアジア太平洋地域における普及啓発のための活動など、国際協力・交流を行った。
(指標)
施策名 | 研究開発項目 |
---|---|
日本実験棟「きぼう」の開発・運用 | ・生命維持技術 ・システム維持機能技術 ・有人運用管制技術 ・搭乗員関連技術 |
宇宙ステーション補給機(HTV) | ・無人補給技術 ・宇宙輸送技術の発展 |
施策名 | 主な活動 |
---|---|
アジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF) | ・センチネルアジアプロジェクトの推進 ・SAFEプロジェクトの推進 ・STAR計画の推進 |
注)
センチネルアジアプロジェクト:アジア太平洋域の災害管理に資するため、衛星画像を中心とした災害関連情報を共有する活動
SAFEプロジェクト:地球観測衛星等を用いて、地球温暖化に伴う環境変動やその影響の監視を行う活動
STAR計画:小型の技術試験衛星の共同開発を通じた人材育成等を行う活動
(参考指標)
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の中期目標を達成するための計画(中期計画)(平成15年10月1日〜平成20年3月31日)に基づく評価
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の業務の実績に関する評価 | 18 | 19 |
---|---|---|
宇宙ステーション補給機(HTV) | A | A |
国際宇宙ステーション計画 | A | A |
JEMの開発 | A | A |
初期運用準備 | A | S |
民間活力の導入 | B | A |
JEM搭載実験装置の開発 | A | A |
宇宙環境利用の促進 | A | A |
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の中期目標を達成するための計画(中期計画)(平成20年4月1日〜平成25年3月31日)に基づく評価
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の業務の実績に関する評価 | 20 |
---|---|
日本実験棟(JEM)の運用・利用 | S |
宇宙ステーション補給機(HTV)の開発・運用 | A |
国際協力 | A |
判断基準 | 広報・普及活動の状況とその動員数 |
---|---|
S=宇宙・航空分野の研究・開発・利用の推進の意義やその成果について国民・社会の理解を深めるための広報・普及活動を十分に実施することができ、動員数等も大きく増加した。 A=宇宙・航空分野の研究・開発・利用の推進の意義やその成果について国民・社会の理解を深めるための広報・普及活動を十分に実施することができ、期待通りの動員数等を得ることができた。 B=宇宙・航空分野の研究・開発・利用の推進の意義やその成果について国民・社会の理解を深めるための広報・普及活動を十分に実施することができなかった。 C=宇宙・航空分野の研究・開発・利用の推進の意義やその成果について国民・社会の理解を深めるための広報・普及活動が不十分であった。 |
本達成目標は宇宙開発委員会が評価等を行い、JAXAにおいて実施している施策に関するものである。判断基準においては、独法評価委員会における関連業務の実績に関する評価結果も参考とした。また、当初計画は、平成20年4月9日に宇宙開発委員会に報告されたJAXAの中期計画に基づいている。以下達成状況を示す。
宇宙・航空分野の広報・普及活動を展開し、その結果、前年度と同程度の期待通りの動員数等を得ることができ、国民・社会からの理解の増進に貢献した。
(指標)
JAXAの広報・普及活動の状況
18 | 19 | 20 | |
---|---|---|---|
1.タウンミーティング開催件数 | 8 | 10 | 11 |
2.授業支援校 | 27 | 42 | 50 |
3.講師派遣件数 | 393 | 480 | 584 |
4.コズミックカレッジ開催件数 | 26 | 62 | 103 |
JAXAの広報・普及活動に対する反響状況
18 | 19 | 20 | |
---|---|---|---|
1.ホームページアクセス数※ | 646万アクセス | 631万アクセス | 662万アクセス |
2.施設公開における動員数 | 49,142人 | 49,991人 | 42,721人 |
3.タウンミーティング動員数 | 784人 | 761人 | 1,361人 |
4.コズミックカレッジ動員数 | 1907人 | 5409人 | 5,342人 |
※ 中期計画において月間アクセス数で400万件以上の達成が求められているため、各年度におけるアクセス最低月のアクセス数のデータを記載した。
(参考指標)
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の中期目標を達成するための計画(中期計画)(平成15年10月1日〜平成20年3月31日)に基づく評価
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の業務の実績に関する評価 | 18 | 19 |
---|---|---|
成果の発表、研究・技術報告、速報 | A | A |
広報、教育 | A | A |
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の中期目標を達成するための計画(中期計画)(平成20年4月1日〜平成25年3月31日)に基づく評価
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の業務の実績に関する評価 | 20 |
---|---|
情報開示・広報・普及 | A |
判断基準 | 国産小型旅客機及び環境適合型エンジンの開発に貢献する技術開発の進捗状況 |
---|---|
S=独立行政法人宇宙航空研究開発機構が民間企業との共同研究等を通じて、業界等が求める技術開発の成果を得るとともに、開発中の機体・エンジンに適用可能なさらなる革新的な技術を開発するなど、当初の計画以上に進捗している。 A=独立行政法人宇宙航空研究開発機構が民間企業との共同研究等を通じて、業界等が求める技術開発の成果を得るなど、当初の計画どおり進捗している。 B=独立行政法人宇宙航空研究開発機構と民間企業との共同研究等において、大部分の研究項目では成果が得られたが、一部、業界等の要求どおりの成果が得られていない項目があるなど、当初の計画に比べてやや遅れが見られる。 C=独立行政法人宇宙航空研究開発機構と民間企業との共同研究等において、業界等からの要求どおりの成果が得られなかった項目が目立つなど、当初の計画に比べ大きな遅れが見られる。 |
本達成目標は科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会航空科学技術委員会が評価等を行い、JAXAにおいて実施している施策に関するものである。判断基準においては、独法評価委員会における関連業務の実績に関する評価結果も参考とした。また、当初計画は、平成20年4月21日に航空科学技術委員会に報告されたJAXAの中期計画に基づいている。以下達成状況を示す。
航空科学技術分野においては、民間企業・大学機関等との連携により、国産旅客機やエンジンの低燃費化・低騒音化に資する先端技術等の研究開発を推進するとともに、必要な試験設備の整備を行った。
国産旅客機の開発に関しては、これまで培ってきた先端技術の実証試験等を開始した。
事業名 | 研究開発項目 |
---|---|
国産旅客機高性能化技術の研究開発 | ・空力設計高度化技術 ・構造衝撃評価技術 ・機体騒音低減化技術 ・低コスト複合材構造技術 ・空力弾性評価 ・操縦システム技術 |
クリーンエンジン高性能化技術の研究開発 | ・騒音低減技術 ・CO2排出削減技術・システム制御技術 ・エンジン試験設備の整備・NOx排出低減技術 |
(参考指標)
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の中期目標を達成するための計画(中期計画)(平成15年10月1日〜平成20年3月31日)に基づく評価
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の業務の実績に関する評価 | 18 | 19 |
---|---|---|
国産旅客機高性能化技術の研究開発 | A | S |
クリーンエンジン技術の研究開発 | A | A |
運航安全技術の研究開発 | A | S |
環境保全・航空利用技術の研究開発 | A | A |
事故調査等への協力 | A | A |
先行的基盤技術の研究開発 | A | A |
次世代航空技術の研究開発 | S | A |
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の中期目標を達成するための計画(中期計画)(平成20年4月1日〜平成25年3月31日)に基づく評価
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の業務の実績に関する評価 | 20 |
---|---|
航空科学技術 | A |
【必要性の観点】
地球観測・災害監視の分野の人工衛星の研究開発は、地上観測網、気球、船舶、ブイ等による現場観測では困難な、広域にわたる観測を行うことを可能とするものであり、また、測位分野においては、開発リスクの低減のための事前実証を行うことにより、宇宙の産業利用の推進にも資するものであり必要である。
我が国にとって必要な人工衛星等を必要な時に確実に打ち上げることのできる信頼性の高いロケットを保有することは、我が国の総合的な安全保障に資するとともに、国際社会における自立性を維持するために必要である。
宇宙科学研究の推進は、新たな文明の創造や文化の展開をも促す可能性を秘めたものであり、人類の知的好奇心の探求に資するものであり必要である。
国際宇宙ステーションの推進は、宇宙先進国としての国際的な地位の維持・向上や、我が国単独では習得が困難な有人宇宙技術や宇宙環境の利用技術の獲得等のため、我が国にとって重要な意義があり必要である。
宇宙・航空分野の広報・普及活動については、宇宙開発を担う人材の確保にも資するとともに、新たな宇宙開発のニーズの開拓にも資するものであり必要である。
航空科学技術分野においては、公的な研究機関として、社会に対し研究成果を提供し、また、大規模施設の供用を行っており、これらの活動は、我が国の航空科学技術の発展に資するものである。
【有効性の観点】
人工衛星については、既に打ち上げた人工衛星の運用を継続し、「いぶき」の打上げ及び初期機能確認を予定どおり行うとともに、将来打上げ予定の人工衛星等の研究開発が概ね計画どおり行われた。特に「だいち」は、国内外からの要請に基づき災害時に緊急観測等を行い、防災関係機関にデータを提供するなど、宇宙開発利用の成果を国民・社会に還元し、有効であった。
輸送系技術については、H−ⅡAロケットの打上げについて、H−ⅡA15号機の打上げに成功し、9機連続成功、成功率約93%を達成するとともに、基幹輸送系の維持、多様な輸送手段の確保、更なる信頼性の向上、及び将来輸送系に必要な技術基盤の確立に向けた研究開発が概ね計画どおり実施されたことは、産業基盤の強化と経済発展に有効であった。
また、宇宙科学の分野においても、月周回衛星「かぐや」、赤外線天文衛星「あかり」等が学術的に意義の大きな成果を挙げ、人類の知的好奇心の探求に有効であった。特に「かぐや」については、「満地球の出」などのハイビジョン映像により、国民の科学への関心を高めた。
国際宇宙ステーション計画については、「きぼう」の開発・運用・利用及びHTVの開発が概ね計画通りに進捗するなど、「宇宙基地協力協定」などの国際約束に基づく義務を着実に履行すると共に、我が国の有人宇宙技術の蓄積が進んでおり、有効に実施されている。
また、宇宙・航空分野の広報・普及活動も前年度を上回る規模で実施され、国民・社会からの理解の増進に貢献した。
さらに、航空科学技術分野においては、産学官連携の下、民間企業や大学機関等との共同研究、受託研究や設備供用を通じて、研究成果や設備が社会で利活用されており、有効に実施されている。
【効率性の観点】
(事業インプット)
・地球観測衛星開発費補助金 34,355百万円(平成20年度予算額)
・国際宇宙ステーション開発費補助金 16,536百万円(平成20年度予算額)
・JAXA運営費交付金 130,227百万円(平成20年度予算額)
(事業アウトプット)
本施策目標の実施により、宇宙・航空分野の研究・開発・利用を積極的に推進するといった効果が見込まれる。
(事業アウトカム)
宇宙・航空分野の研究・開発・利用を積極的に推進することにより、宇宙基本法の理念である国民生活の向上、産業の振興、人類社会の発展等を目指すことができる。
【予算要求への反映】
これまでの取組を引き続き推進
【機構定員要求への反映】
特になし
【具体的な反映内容について】
地球観測・災害監視分野については、引き続き、地球観測衛星の運用及びデータ提供を継続する。特に、「いぶき」については、地球温暖化対策の一層の推進に貢献することを目指し、一般へのデータ提供を開始する。そのほか、多様な利用ニーズに対応した地球観測衛星の研究開発を行うとともに、準リアルタイムでの地球観測を可能とする最先端の衛星の研究開発により宇宙利用の裾野の拡大を推進する。
また、測位・通信分野についても、引き続き既に打ち上げた人工衛星等の運用及び将来打上げ予定の人工衛星等の開発を進める。
基幹輸送系の維持及び更なる信頼性の向上に向けて、H−ⅡAロケットの成功率を更に高めるため、引き続き信頼性向上プログラムを実施する。基幹輸送系の発展や多様な輸送手段の確保に資するH−ⅡBロケットについては、平成21年度に試験機を打ち上げる。
また、今後拡大が予想される多様な衛星需要に合わせ、最適なロケットで効率的に対応することが必要である。このため、中型ロケットであるGXロケットについて、宇宙開発戦略本部において行われる本格的開発着手に関する判断を踏まえ進めるとともに、固体ロケットについて、これまでの技術的蓄積をいかして、小型衛星需要に機動的かつ効率的に対応するための手段の確保の一環として推進する。
宇宙天文学や宇宙探査の分野においては、今後も、宇宙天文学や宇宙探査の分野で学術的に意義の大きな成果を挙げ、宇宙科学の分野での世界的な研究拠点となることを目指し、開発を行う。また、現在運用中の衛星についても、観測データを世界中の科学者や関係機関に公開するなど学術研究の進展に貢献し、世界的な研究拠点となることを目指す。
国際宇宙ステーション計画については、「きぼう」において、引き続き社会のニーズに対応した成果の創出を目指した実験等の利用を継続するとともに、平成21年度、船外実験装置の取付けにより「きぼう」が完成する予定であることから、船外での科学実験など「きぼう」の更なる多様な利用を開始する。
HTVについては、国際約束に基づくISSへの補給義務を果たすため、着実に開発を実施する。(平成21年度に技術実証機打上げ予定。)
引き続き、宇宙・航空分野の研究・開発・利用の推進に関する国民・社会からの理解を更に深めるため、宇宙・航空分野に対して、これまで関心が低かった国民から興味をもってもらうための活動、及び既に関心が高い国民に更に深い情報を提供し、理解を深める活動を展開する。
航空科学技術分野については、国産小型旅客機及び環境適合型エンジンの開発について、業界側の取組みと連携して適切に対応しているところであり、今後も同プロジェクトを産学官連携の下で推進していく方針である。
○宇宙開発委員会
平成20年度は、平成20年第13回から第46回まで、及び平成21年第1回から第8回までの42回開催した。
○宇宙開発委員会 推進部会
平成20年度は5回開催した。
○宇宙開発委員会 安全部会
平成20年度は4回開催した。
○科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 航空科学技術委員会
平成20年度は4回開催した。
○独立行政法人評価委員会 科学技術・学術分科会 宇宙航空研究開発機構部会
平成20年度は4回開催した。
特になし
本施策目標は主に独立行政法人宇宙航空研究開発機構で行っており、その中で補助金による事業は以下のとおり。
※【22年度の予算要求への考え方】には、実績を踏まえ、より効率化に努める内容についても記入している。
【事業概要等】 | 【20年度の実績】 | 【22年度予算要求への考え方】 |
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国際宇宙ステーション開発(開始:平成15年度 終了:平成24年度 20年度予算額:16,536百万円) | ||
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の業務を効率的にかつ円滑に遂行することを目的とし、同機構の業務を遂行するために必要な国際宇宙ステーション計画に関する研究開発事業に要する経費について補助する。 | 国際宇宙ステーション(ISS)計画において我が国が開発している日本実験棟「きぼう」の船内保管室、船内実験室の打上げ及びISSへの取付けが完了し、船内での実験等が開始された。「きぼう」の船外実験装置については、米国への輸送を完了し、打上げ準備作業を行った。 また、平成21年3月から若田光一宇宙飛行士が国際宇宙ステーションに長期滞在(約3か月間)を開始し、骨粗鬆症治療薬の効果を確かめる実験など、地上の生活への成果の応用が期待される分野での科学実験をはじめとして、「きぼう」を利用した様々な活動を行った。 |
継続 (完成した「きぼう」の活用を通じた多様な成果を得ていく観点から引き続き本事業を実施することが必要) |
地球観測衛星の開発(開始:平成17年度 終了:平成24年度 20年度予算額:34,355百万円) | ||
人工衛星により得られるデータを用いて地球温暖化など地球規模の様々な問題への対応に資することを目的として、第2回地球観測サミットにおける「地球観測に関する10年実施計画へ向けた「枠組み」及び同計画」への日本の貢献を着実に実施していくために必要な人工衛星及び地上設備の研究開発等に要する経費について補助する。 | 全球地球観測システム(GEOSS)」10年実施計画への我が国の貢献として重要な地球観測衛星の研究開発及び運用を着実に行った。温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」は、平成21年1月に打ち上げられ、二酸化炭素等の全球濃度分布の観測に向け、初期機能確認を行った。そのほかにも、利用ニーズを踏まえつつ、地球環境の把握に資する衛星の研究開発を推進した。同時に、従来の衛星利用者の求める更なるニーズの把握等を通じて、データ利用方法の可能性や利用者の裾野の拡大のために、地球観測衛星の観測頻度の飛躍的向上が必要であることが明らかになった。 | 継続 (「いぶき」をはじめとする衛星データの有効利用の観点から引き続き本事業を実施することが必要) |
(参考)関連する独立行政法人の事業(なお、当該事業の評価は文部科学省独立行政法人評価委員会において行われている。評価結果については、独法評価書を参照のこと)
独法名 | 20年度予算額 (百万円) | 事業概要 | 備考(その他関係する政策評価の番号) |
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宇宙航空研究開発機構 | 130,227 | ・大学との共同等による宇宙科学に関する学術研究、宇宙科学技術に関する基礎研究及び宇宙に関する基盤的研究開発 ・人工衛星等の開発、打上げ、追跡及び運用 ・航空科学技術に関する基礎研究及び航空に関する基盤的研究開発 等 |
大臣官房政策課評価室
-- 登録:平成21年以前 --