施策目標10‐5 原子力分野の研究・開発・利用の推進

 長期的なエネルギーの安定供給、原子力を利用する先端科学技術の発展、国民生活の質の向上に向けて、原子力の多様な可能性を最大限引き出す研究開発成果を得る。

施策期間

 目標達成年度:平成23年度(基準年度:平成19年度)

主管課(課長名)

 研究開発局原子力計画課(田口康)

関係局課(課長名)

 研究振興局基礎基盤研究課量子放射線研究推進室(林孝浩)、同研究振興戦略官(渡辺正実)、
 研究開発局開発企画課立地地域対策室(池川和彦)、同原子力研究開発課(板倉康洋)、同研究開発戦略官(千原由幸)、同原子力計画課放射性廃棄物企画室(川口悦生)

施策の全体像

 供給安定性に優れ、エネルギーセキュリティーの強化に資するとともに、発電過程で二酸化炭素を排出することがなく、地球温暖化対策の面でも優れた特性を有する原子力について、「原子力政策大綱」(平成17年10月11日 原子力委員会決定、同年10月14日 尊重閣議決定)や「エネルギー基本計画」(平成19年3月9日 閣議決定)等に基づき、研究開発を進める。また、知的フロンティアの開拓と新産業創出等に貢献する量子ビームテクノロジー等の先端的な原子力科学技術の発展とその利用による国民生活の質の向上を目指す。以上の目標を実現するために、以下の3つの達成目標を設定し、原子力分野の研究・開発・利用の推進に取り組む。

○達成目標10-5-1

 エネルギーの長期的安定供給を実現するため、供給安定性や環境適合性に優れた原子力の特性を技術的に高める高速増殖炉サイクル技術や、核融合技術の研究開発等を進める。評価に際しては、各プロジェクトの進捗状況を指標に設定し判断することとする。

  • 判断基準10-5-1 イ:高速増殖炉サイクル技術の進捗状況
  • 判断基準10-5-1 ロ:うち、高速増殖原計炉「もんじゅ」の進捗状況
  • 判断基準10-5-1 ハ:原子力システム研究開発事業の進捗状況
  • 判断基準10-5-1 ニ:ITER計画等の進捗状況

○達成目標10-5-2

 国民生活の質の向上および産業の発展のため、量子ビームテクノロジー等について、科学技術・学術分野から各種産業にいたる幅広い分野での利活用の促進を図る。評価に際しては、各プロジェクトの進捗状況を指標に設定し判断することとする。

  • 判断基準10-5-2 イ:大強度陽子加速器施設(J-PARC)の整備・利用の進捗状況
  • 判断基準10-5-2 ロ:重粒子線がん治療研究の進捗状況

○達成目標10-5-3

 原子力にかかる人材の育成・確保、国際協力の推進、電源立地対策としての財政上の措置などを通じ、原子力分野の研究・開発・利用の基盤整備を図る。評価に際しては、各プロジェクトの進捗状況を指標に設定し判断することとする。

  • 判断基準10-5-3 イ:原子力分野の人材育成の進捗状況
  • 判断基準10-5-3 ロ:原子力分野の国際協力の進捗状況
  • 判断基準10-5‐3 ハ:電源立地対策の進捗状況

達成状況と評価

全体評価 A

 それぞれの達成目標に設定した判断基準は概ねS、もしくはAの評価となっている。施策は順調に進捗しており、目標は想定通り達成されたといえる。

  • 判断基準10-5-1イ〜ニ(イA,ロB,ハA,ニA)
判断基準イ 高速増殖炉サイクル技術
S=想定した以上に順調に進捗している
A=概ね順調に進捗している
B=進捗にやや遅れが見られる
C=想定したとおりには進捗していない
判断基準ロ うち、高速増殖原型炉「もんじゅ」
S=想定した以上に順調に進捗している
A=概ね順調に進捗している
B=進捗にやや遅れが見られる
C=想定したとおりには進捗していない
判断基準ハ 原子力システム研究開発事業の推進
S=想定した以上に順調に進捗している
A=概ね順調に進捗している
B=進捗にやや遅れが見られる
C=想定したとおりには進捗していない
判断基準二 ITER計画等の推進
S=想定した以上に順調に進捗している
A=概ね順調に進捗している
B=進捗にやや遅れが見られる
C=想定したとおりには進捗していない

 本達成目標は、判断基準イ、ロ、ニについては独立行政法人日本原子力研究開発機構が、判断基準ハについては文部科学省が主体となって実施している施策である。判断基準には、独法評価委員会における関連業務の業績に関する評価結果も参考とした。以下、達成状況を示す。

 高速増殖炉サイクル技術については、実用化に向けて、採用する革新技術の研究開発を着実に進めており、独立行政法人日本原子力研究開発機構において、設計研究成果及びその技術的根拠となるデータが概ね計画通りに取得されるなど、全体としては順調に進捗している。高速増殖原型炉「もんじゅ」については、プラント確認試験が引き続き行われたが(141項目中133項目を終了(平成21年3月末現在))、平成20年9月に確認された屋外排気ダクトの腐食孔への対応等のため、運転再開時期を延期し、早期運転再開に向けた準備が進められており、一部進捗にやや遅れが見られる状況である。
 原子力システム研究開発事業については、競争的資金制度の活用により、革新的な原子力システムの実現に係わる研究開発を実施。「特別推進分野」については高速増殖炉サイクルの実用化に向け、有望な革新的原子力システム候補に係わる枢要技術の研究開発が着実に進捗。また、共通基盤技術の創出を目指し研究開発を実施する「基盤研究分野」についても、これまでに得られた優れた成果が革新的技術として「特別推進分野」の研究開発課題に直接反映されるなど順調に進捗している。
 ITER計画等の核融合技術については、平成19年6月に幅広いアプローチ協定が、平成19年10月にITER協定が発効し、実施体制が整備され、国際的に合意されたスケジュールに基づき、機器の調達活動等が進められており、順調に進捗している。

(指標・参考指標)

  16 17 18 19 20
(参考)
原子力システム研究開発事業採択課題成果の特許出願件数(上段)及び成果利用件数(下段)
※出願日及び成果利用期間の属する年度で集計

1
1
3
23
9
122
5
130

○ 判断基準10-5-2イ、ロ(イA、ロS)

判断基準イ 大強度陽子加速器施設(J-PARC)
S=想定した以上に順調に進捗している
A=概ね順調に進捗している
B=進捗にやや遅れが見られる
C=想定したとおりには進捗していない。
判断基準ロ 重粒子線がん治療研究
S=想定した以上に順調に進捗している
A=概ね順調に進捗している
B=進捗にやや遅れが見られる
C=想定したとおりには進捗していない
(参考 中期計画(平成18年度〜平成22年度)において「年間治療患者数を500名」を基準として設定しており、各年度の年間治療患者数を参考にしつつ判断を行う)

 本達成目標は、判断基準イについては独立行政法人日本原子力研究開発機構と大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構が、また、判断基準ロについては独立行政法人放射線医学総合研究所が主体となって実施している施策である。判断基準には、独法評価委員会における関連業務の評価結果も参考とした。以下、達成状況を示す。

 大強度陽子加速器施設(J-PARC)については、平成20年度末までに予定していた実験施設の建設が完了し、平成20年12月には物質・生命科学実験施設、平成21年2月には原子核・素粒子実験施設の利用が開始された。また、大強度陽子加速器中間評価報告書(平成19年6月)等において実施が求められているリニアックビーム増強にも着手するなど、概ね順調に進捗している。
 重粒子線がん治療研究については、独立行政法人放射線医学総合研究所において平成20年度に中期計画での目標(500名)を大幅に上回る684名の患者に対して治療が行われるとともに、先進医療症例数も495名(前年比19名増)と伸びているなど想定した以上に進捗している。

(指標・参考指標)

  16 17 18 19 20
1.重粒子線がん治療の治療患者数(人) 396 437 549 641 684
(参考)
中性子実験装置の利用申請日数(日)
6,710 7,021 6,843 7,328 7,000

○ 判断基準10-5-3イ〜ハ(イA、ロA、ハA)

判断基準イ 原子力分野の人材育成
S=想定した以上に順調に進捗している
A=概ね順調に進捗している
B=進捗にやや遅れが見られる
C=想定したとおりには進捗していない
判断基準ロ 原子力分野の国際協力
S=想定した以上に順調に進捗している
A=概ね順調に進捗している
B=進捗にやや遅れが見られる
C=想定したとおりには進捗していない
判断基準ハ 電源立地対策
S=想定した以上に順調に進捗している
A=概ね順調に進捗している
B=進捗にやや遅れが見られる
C=想定したとおりには進捗していない

 原子力分野の人材育成については、将来の原子力分野の担い手となる優秀な原子力人材を育成・確保するため、平成19年度より経済産業省との連携の下「原子力人材育成プログラム」を実施し、各大学・高専における優れた原子力分野の人材育成取組に対する支援を行っており、平成20年度においても23件を採択するなど順調に進捗している。また、独立行政法人日本原子力研究開発機構においては、原子力・エネルギー技術者への講習の実施や、大学との連携大学院制度を活用した教育が行われた。
 また、原子力分野の国際協力については、第4世代原子力システムに関する国際フォーラム(GIF)や国際原子力エネルギーパートナーシップ(GNEP)等の先進国との協力に参画するとともに、アジア原子力協力フォーラム(FNCA)を中心とした協力事業や、国際原子力機関(IAEA)等の国際機関への資金的・人的貢献等を実施した。
 電源立地対策については、立地地域との共生の観点から、各立地自治体等からの申請に基づき補助金・交付金の交付等を行った。また、「原子力・エネルギーに関する教育支援事業交付金」等を活用し、初等中等教育段階からの理解促進を図った。

(指標・参考指標)

  16 17 18 19 20
1.原子力人材育成プログラムの採択件数(件) 21 23
(参考1)
独立行政法人日本原子力研究開発機構(旧日本原子力研究所及び核燃料サイクル開発機構)との連携大学院制度を取り入れている大学の専攻数
21 21 22 24 24
(参考2)
独立行政法人放射線医学総合研究所との連携大学院制度を取り入れている大学の専攻数
8 9 12 16 19
(参考3)
原子力・エネルギーに関する教育支援事業交付金交付自治体数
21 22 34 40 39

必要性・有効性・効率性分析

【必要性の観点】
 原子力は、供給安定性に優れ、エネルギーセキュリティーの確立に資する他、発電過程で二酸化炭素を排出することがなく、地球温暖化対策の面でも優れた特性を有する等、地球環境保全に優れたエネルギー源である。また、先端的な原子力科学技術の推進は、知的フロンティアの開拓と新産業創出等に貢献し、国民の生活の向上に資するものである。その研究開発については、安全確保を大前提として、国民の理解を得つつ推進することが必要である。

【有効性の観点】
 原子力分野における研究開発の推進に際しては、長期的なエネルギー安定供給を確保するため、高速増殖炉サイクル技術等の研究開発課題の推進のみならず、国際協力で拓く核融合エネルギーに関する研究開発、また、基礎研究から産業応用に至るまで様々な分野に波及効果が期待できるJ-PARC等の先進的な原子力科学研究など、幅広い分野での研究開発を推進している。さらに、それらの研究開発の基盤をなす基礎基盤研究開発や人材育成、電源立地対策、国際協力の推進等に取り組むことにより、原子力の多様な可能性を最大限引き出す原子力分野の研究・開発・利用が推進できると判断した。

【効率性の観点】
(事業インプット)

  • 独立行政法人日本原子力研究開発機構における高速増殖炉サイクル実用化研究開発 8,200百万円(平成20年度予算額)
  • 独立行政法人日本原子力研究開発機構における高速増殖原型炉「もんじゅ」の研究開発 18,054百万円(平成20年度予算額)
  • 原子力システム研究開発事業 5,926百万円(平成20年度予算額)
  • ITER計画等の推進 8,952百万円(平成20年度予算額)
  • 独立行政法人日本原子力研究開発機構における高レベル放射性廃棄物処分技術研究開発 8,718百万円(平成20年度予算額)
  • 独立行政法人日本原子力研究開発機構、大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構における大強度陽子加速器施設 19,044百万円(平成20年度予算額)
  • 独立行政法人放射線医学総合研究所における重粒子線がん治療研究 5,797百万円(平成20年度予算額)
  • 原子力人材育成プログラム 216百万円(平成20年度予算額)
  • 原子力・エネルギーに関する教育支援事業交付金 474百万円(平成20年度予算額)
  • 電源立地地域対策交付金 7,464百万円(平成20年度予算額)

(事業アウトプット)
 本事業の実施により、1.核燃料サイクルに関する研究開発、2.核融合技術に関する研究開発、3.先進的な原子力科学研究などが進展するという効果が見込まれる。

(事業アウトカム)
 本事業の実施により、エネルギーの安定供給、低炭素社会の実現、国民福祉の向上、他の研究開発分野の発展などに貢献することが期待される。

施策への反映(フォローアップ)

【予算要求への反映】
 これまでの取組を引き続き推進

【機構定員要求への反映】
 機構定員要求に反映

【具体的な反映内容について】
 高速増殖炉サイクル技術について、高速増殖炉サイクル技術の実用化に向け、独立行政法人日本原子力研究開発機構や中核企業のもとで研究開発を引き続き計画的・集中的に進めていくとともに、高速増殖原型炉「もんじゅ」については、新たに発生した屋外排気ダクトの補修工事等を完了させるなど、早期運転再開に向けた準備を着実に進める。また、ITER計画について、ITER機構への人員派遣を継続するとともに、ITER機構との調達取り決めに基づき我が国が分担する機器の調達を着実に進めていく。また、幅広いアプローチ活動では、引き続きサイト整備を進めるとともに3つのプロジェクトにおいて我が国が分担する各種機器の設計・製作を進め、幅広いアプローチ活動を着実に推進していく。
 量子ビームテクノロジーについては、今後とも着実に整備を進めるとともに、各種ビーム利用に先立って、施設の利用促進等に向け、産業界や研究者コミュニティが共同利用しやすい仕組みの構築に取り組む。特に、J-PARC中性子線施設については、「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律」の改正を行い、特定先端大型研究施設として位置付け、共用ビームラインの建設等、多様な研究者等による共用を促進するための取組を実施する。また、先進的・革新的な量子ビームに係る基盤的要素技術の開発を推進する。また、重粒子線がん治療研究について、難治がんの克服に向けた臨床研究や重粒子線がん治療のさらなる高度化を目指した次世代照射システムの研究開発を行うとともに、専門人材の育成等、普及のための取組みを推進する。
 原子力分野の人材育成については、引き続き「原子力人材育成プログラム」を実施するとともに、産学官が原子力分野の人材育成課題等について協議する原子力人材育成関係者協議会に参画し、今後の原子力分野の人材育成施策への反映等を目指す。原子力分野の国際協力については、GIFやGNEP等の国際枠組みによる国際協力を進め、原子力技術の研究開発を推進する。また、引き続き、電源立地対策としての財政上の措置を講じるとともに、初等中等教育段階からの原子力・エネルギー教育の支援について、内容の見直しを図りつつさらなる充実を図る。

 我が国が有する保障措置の豊富な知見や経験を不拡散のための積極的な国際貢献の観点から捉え直し、原子力分野の国際協力業務と国際約束に基づく保障措置業務を一体的に実施する体制整備を行うことにより、原子力分野におけるより効果的な国際協力の推進とともに、核不拡散・平和利用に関する政策の企画立案能力を強化するため、国際協力・保障措置課(仮称)を要求。
 研究開発分野における国際原子力協力戦略の整備、原子力協力協定の拡大に伴う国際協力の充実、国際的な核不拡散体制の強化に対応した施策の充実のため、原子力国際協力室長(仮称)1名と国際協力係長1名を要求。
 「低炭素社会づくり研究開発戦略」(平成21年8月文部科学大臣決定)を早急にかつ効果的・効率的に実践していくために必要な体制強化のため、環境エネルギー課(仮称)を要求。

関連した行政活動(主なもの)

○「研究計画・評価分科会原子力分野の研究開発に関する委員会」の実施(平成20年8月21日)
 文部科学省における原子力の研究開発の進捗状況等を報告、委員から御意見をいただくとともに、平成21年度概算要求における重点課題等の評価を行った。

○ITER計画の推進(平成21年3月末時点)
 ITER協定が平成19年10月に発効。我が国からはこれまでITER機構へ23名(内定者を含む)の人員を派遣。我が国のITER分担機器のうち、超伝導コイルについて、他極に先駆け、調達取決めを締結(平成20年11月)し、製作を実施。

○幅広いアプローチ活動の推進(平成21年3月末時点)
 幅広いアプローチ協定が平成20年6月に発効。平成21年3月に青森県六カ所サイトの管理研究棟が完成し、その他の建屋についても現在建設中。我が国が分担する機器のうち、IFMIF/EVEDAのリチウムループやサテライトトカマク計画の本体機器等の製作を実施。

○「J-PARCの利用方策の在り方に関する懇談会」の実施(平成20年4〜7月)
 大強度陽子加速器(J-PARC)の中性子線施設の本格的な運転段階において、当該施設が産業界も含めて多くの研究者・技術者に最大限利用されるための方策について検討するため、研究振興局長の下に懇談会を設置し、7月に報告書をとりまとめた。

○「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律」の改正
 J-PARC中性子線施設の共用を促進するため、同施設を特定先端大型研究施設として位置付ける等の改正案を平成21年2月に第171回通常国会に提出。

○第15回「原子力の日」ポスターコンクールの実施(募集期間:平成20年6月〜9月、表彰:10月)
 「原子力の日」(10月26日)を記念し、ポスターコンクールを実施。全国からポスターを募集し、受賞作品を「原子力の日」前後の期間に展示した。

○研究施設等廃棄物の処分の実施に向けた体制整備(平成21年3月末時点)
 平成20年6月に「独立行政法人日本原子力研究開発機構法」を改正し、研究施設等から発生する低レベル放射性廃棄物(研究施設等廃棄物)の処分について、独立行政法人日本原子力研究開発機構を実施主体として明確に位置づけた。平成20年12月には、国として定める「埋設処分業務の実施に関する基本方針」(文部科学大臣・経済産業大臣決定)を決定した。

○原賠法改正に向けた検討(平成21年3月末時点)
 「原子力損害の賠償に関する法律及び原子力損害賠償補償契約に関する法律」の一部改正へ向け、研究開発局内で「原子力損害賠償制度の在り方に関する検討会」を開催し、原子力損害賠償制度の見直しのための検討を実施、法律及び政令改正の基本的内容を示す第1次報告書を平成20年12月にとりまとめた。当該報告書の内容を受け、改正案を平成21年2月に第171回通常国会に提出した。

備考

 特になし

具体的な達成手段

 ※【22年度の予算要求への考え方】には、実績を踏まえ、より効率化に努める内容についても記入している。

【事業概要等】 【20年度の実績】 【22年度予算要求への考え方】
ITER計画等の推進(開始:平成18年度 終了:− 20年度予算額:8,952百万円)
核融合エネルギーの実現のための重要なステップであるITER計画及び幅広いアプローチ活動を推進する。 ITER協定及び幅広いアプローチ協定に基づき、国際的に合意したスケジュールで事業を推進。ITER機構への人員等の派遣や両活動において我が国が分担する物納機器の調達を進めるなど、両活動とも順調に進捗している。 ITER協定及び幅広いアプローチ協定に基づき、国際的に合意したスケジュールに従い事業を継続
原子力人材育成プログラム(開始:平成19年度 終了:− 20年度予算額:216百万円)
経済産業省と連携し、大学や高専における優れた原子力分野の人材育成取組に対して支援を行う。 平成20年度に、20大学・9高専における45課題(うち文科省分12大学・8高専における23課題)の人材育成取組を採択し、新たに支援を行った。 原子力人材育成の観点から引き続き本事業を継続することが必要
原子力・エネルギーに関する教育支援事業交付金(開始:平成14年度 終了:− 20年度予算額:474百万円)
全国の各都道府県が学習指導要領の趣旨に沿って主体的に実施する原子力やエネルギーに関する教育に対し、財政上の支援を講ずる。 交付都道府県において、副教材の作成・購入、教員の研修、施設見学等が行われた。 原子力・エネルギーに関する理解増進の観点から引き続き事業を継続することが必要
国際協力の推進(開始:− 終了:− 20年度予算額:−)
GIFやGNEP、FNCA等の国際枠組みによる国際協力を進め、原子力技術の研究開発を推進する。 GIF、GNEP、FNCA等の政策的会合に当省からも積極的に参加し、我が国原子力技術の研究開発の推進に反映させたほか、諸外国に対して我が国の開発方針が取り入れられるよう取り組んだ。 原子力平和利用の拡大へ向け、我が国に期待される役割を果たすためにも本事業を継続することが必要
電源立地地域対策交付金(開始:平成15年度 終了:− 20年度予算額:7,464百万円)
各立地自治体に対し、発電の用に供する施設の設置及び運転の円滑化に資するため等の事業に対し、財政上の措置を講ずる。 交付先地方自治体において、公共用施設の整備事業、福祉対策事業、地域活性化事業等が行われた。 立地地域との共生の観点から引き続き継続することが必要

(参考)関連する独立行政法人の事業(なお、当該事業の評価は文部科学省独立行政法人評価委員会において行われている。評価結果については、独法評価書を参照のこと) 

独法名 20年度予算額 事業概要 備考(その他関係する政策評価の番号)
日本原子力研究開発機構 206,031百万円
(うち国庫支出189,728百万円)
・エネルギーの安定供給と地球環境問題の同時解決を目指した原子力システムの研究開発(高速増殖炉サイクル技術の確立に向けた研究開発、高レベル放射性廃棄物の処理・処分技術に関する研究開発、核融合エネルギーを取り出す技術システムの研究開発等)
・量子ビームの利用のための研究開発
・原子力の研究、開発及び利用の安全の確保と核不拡散に関する政策に貢献するための活動
・自らの原子力施設の廃止措置及び放射性廃棄物の処理・処分に係る技術開発
・原子力の研究、開発及び利用に係る共通的科学技術基盤の高度化
・産学官との連携の強化と社会からの要請に対応するための活動
 
放射線医学総合研究所 15,361百万円
(うち国庫支出13,215百万円)
・重粒子線がん治療研究
・放射線治療に資する放射線生体影響研究
・分子イメージング研究
・放射線安全研究
・緊急被ばく医療研究 等
施策目標10-1

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --