施策目標9‐1 学術研究の振興

 研究者の自由な発想に基づく学術研究について、新しい知を生み続ける重厚な知的蓄積を形成することを目指し、萌芽段階からの多様な研究や時流に流されない普遍的な知の探求を長期的視点の下で振興する。

施策期間

 目標達成年度:平成22年度(基準年度:平成18年度)

主管課(課長名)

 研究振興局振興企画課学術企画室(石崎 宏明)

関係局課(課長名)

 研究振興局学術機関課(勝野 頼彦)
 研究振興局学術研究助成課(山口 敏)

施策の全体像

 学術は、人文・社会科学から自然科学まで全ての学問分野に及ぶ知的創造活動であり、人間の知的好奇心と自由な発想を源泉として展開されるものである。そして、大学を中心として行われる学術研究は、1.新しい法則や原理の発見、2.方法論の確立、3.新しい知識や技術の体系化とその応用、4.先端的な学問領域の開拓、5.これまで人類が蓄積してきた精神文化の継承、など、文明の基盤を形成している。
 学術研究の成果は、人類の知的共有財産として、それ自体優れた文化的価値を有すると同時に、更なる発展・複合化によって技術面から国民生活を豊かにするなど、社会経済の発展にも大きく貢献している。また、教育と研究を一体として推進している大学等においては、学術研究の発展が現代社会で求められる多様で高度な教育を実現するために不可欠となっている。
 このように学術研究は、社会・国家の存続・発展の基盤となるものであり、その振興は国の重要な責務である。また、未知なるものの探求、すなわち知のフロンティアの開拓は、一国の枠を超えて人類全体への貢献が期待されるものであり、国際社会でしかるべき役割を果たす観点からも、国が中心となってその振興に努めるべきものである。
 そして、国が学術研究を振興するにあたっては、ある特定の一分野のみではなく、様々な分野の多様な研究を様々な方法により総合的に推進する必要がある。具体的には、大学・大学共同利用機関等における基盤的な経費の確保により、自由な研究が保証されるとともに、学術研究に関する競争的資金の充実により、より創造的で質の高い研究成果が期待され、両者が充実し、優れた研究が創出されることが、学術研究の振興にとって不可欠である。また、人文学及び社会学の分野について、人文学及び社会科学の知見を活用し、現代的な課題の解決のための一助となることが期待されるなど、人文学及び社会科学分野への期待が高まっている。

以上より、以下の達成目標を設定して取り組む。 

○達成目標9-1-1

 大学・大学共同利用機関等における独創的・先端的基礎研究について一定の資源を確保し、全国の大学研究者等による共同利用・共同研究体制等により推進する。その達成状況については、以下の判断基準を用いて判断することとする。
 なお、基礎研究の特性上、一定の資源を確保する結果もたらされる政策効果を具体的に把握する統一的・横断的な指標を設定することは難しい。そのため、一定の資源を確保すること及び一定の資源を確保することによる基礎研究の推進状況等を評価判断基準及び指標としている。
 ・判断基準9-1-1イ:大学・大学共同利用機関等における独創的・先端的基礎研究について一定の資源の確保
 ・判断基準9-1-1ロ:特別教育研究経費(学術研究)による研究事業の進捗状況
 ・判断基準9-1-1ハ:国立大学に設置されている附置研究所及び全国共同利用型研究施設における共同利用・共同研究拠点制度への対応状況

○達成目標9-1-2

 学術研究に関する競争的資金(科学研究費補助金)について、人文・社会科学から自然科学までのあらゆる研究分野への幅広い助成を行うとともに、制度改革を着実に進めることにより、優れた研究成果の創出に寄与する。その達成状況については、以下の判断基準を用いて判断することとする。
 ・判断基準9-1-2イ:学術研究に関する競争的資金(科学研究費補助金)の制度改革の進捗状況
 ・判断基準9-1-2ロ:研究成果の発表状況

○達成目標9-1-3

 人文・社会科学分野の振興を図るため、社会のニーズに基づく現代的な課題に対応した総合的・融合的な研究を振興し、優れた成果を創出するとともに、人文・社会科学における共同利用・共同研究拠点の整備を図る。その達成状況については、以下の判断基準を用いて判断することとする。
 ・判断基準9-1-3イ:「政策や社会の要請に対応した人文・社会科学研究推進事業」において、外部有識者より平成20年度に中間評価を受けた課題における評価結果
 ・判断基準9-1-3ロ:「人文学及び社会科学における共同研究拠点の整備の推進事業」において、整備されている共同利用・共同研究拠点数の合計

達成状況と評価

全体評価 A

○ 判断基準9-1-1イ〜ハ(イA、ロA、ハS)

判断基準イ 大学・大学共同利用機関等における独創的・先端的基礎研究について一定の資源を確保する。
S=大学・大学共同利用機関等における独創的・先端的基礎研究関連予算(競争的資金は含まない)が大幅に拡充された(対前年度比110%以上)。
A=大学・大学共同利用機関等における独創的・先端的基礎研究関連予算(競争的資金は含まない)が着実に確保された(対前年度比95%以上〜110%未満)。
B=大学・大学共同利用機関等における独創的・先端的基礎研究関連予算(競争的資金は含まない)が十分に確保されなかった(対前年度比90%以上〜95%未満)。
C=大学・大学共同利用機関等における独創的・先端的基礎研究関連予算(競争的資金は含まない)が大幅に減少(対前年度比90%未満)。
判断基準ロ 特別教育研究経費(学術研究)による研究事業の進捗状況
S=実施計画以上の成果が得られている(4段階評価の平均値が3.5以上)。
A=実施計画どおり進展している(4段階評価の平均値が2.5以上3.5未満)。
B=実施計画どおり進展していない(4段階評価の平均値が1.5以上2.5未満)。
C=実施計画を実施していない(4段階評価の平均値が1.0以上1.5未満)。
判断基準ハ 国立大学に設置されている附置研究所及び全国共同利用型研究施設における共同利用・共同研究拠点制度への対応状況
S=対応が想定以上に実施されている(国立大学に設置されている附置研究所及び全国共同利用型研究施設の合計数の95%以上)。
A=対応が概ね実施されている(国立大学に設置されている附置研究所及び全国共同利用型研究施設の合計数の80%以上〜95%未満)。
B=対応が充分とは言えない(国立大学に設置されている附置研究所及び全国共同利用型研究施設の合計数の50%以上〜80%未満)。
C=対応が不十分である(国立大学に設置されている附置研究所及び全国共同利用型研究施設の合計数の50%未満)。
  • 大学・大学共同利用機関等における独創的・先端的基礎研究関連予算(競争的資金は含まない)は、平成20年度において対前年度比99.1%であり、着実に確保されている。また、全国の大学研究者等による共同利用・共同研究体制等により、当該研究が推進されており、目標を達成していると言える。

(参考指標)

  16 17 18 19 20
1.予算額(単位:百万円)          
大学・大学共同利用機関等における独創的・先端的基礎研究の推進 114,256 120,711 121,522 119,812 118,677
(対前年度99.1%)
国立大学における共同研究・多様な学術研究の推進 14,569 15,024 15,203 15,501 16,771
大学共同利用機関における独創的・先端的基礎研究の推進 90,400 92,883 93,673 92,876 92,662
共同利用を推進するための大型設備の整備 9,286 12,803 12,646 11,434 9,244
2.学術研究の進捗状況          
特別教育研究経費(学術研究)による研究事業の進捗状況(特別教育研究経費進捗状況報告書において、事業毎に4段階評価) 3.3 3.3 3.3 ※平成20年実績は未集計のため、平成19年度実績と同等と判断。
3.共同利用・共同研究拠点制度への対応状況          
 国立大学に設置されている附置研究所及び全国共同利用型研究施設の合計数 82 83 86 87 88
うち、共同利用・共同研究拠点制度への申請数 - - - - 85
(合計数の96.6%)

※「1.予算額」には、国立大学法人及び大学共同利用機関法人に配分された学術研究に係る国立大学法人運営費交付金及び国立大学法人施設整備費補助金を計上している。
※「2.学術研究の進捗状況」について、特別教育研究経費とは、新たな教育研究ニーズに対し、各国立大学等の個性や特色に応じた意欲的な取組を重点的に支援するもの。
※ 共同利用・共同研究拠点制度・・・個々の大学の枠を越えて、大学の研究設備や大量の資料・データ等を全国の研究者が利用したり、共同研究を行う共同利用・共同研究システムは、我が国の学術研究の発展にこれまで大きく貢献。国公私立大学を通じてこのシステムを推進するため、平成20年7月に文部科学大臣による共同利用・共同研究拠点の認定制度を設けた。

○ 判断基準9-1-2(イS、ロA)

判断基準イ 学術研究に関する競争的資金(科学研究費補助金)の制度改革の進捗状況
S=大きく進んだ
A=進んだ
B=ある程度進んだ
C=進んだとは言えない
判断基準ロ 研究成果の発表状況
S=前年度と比較して大きく増加した
A=前年度と比較してある程度増加した
B=前年度と比較してほとんど増減がなかった
C=前年度と比較して減少した
  •  科学研究費補助金においては、平成20年度、新興・融合分野や異分野連携を推進する研究種目として「新学術領域研究」を新設するとともに、「若手研究(B)」・「若手研究(スタートアップ)」に間接経費30%を措置するなど、対前年度比19億円増となる1,932億円を措置し、あらゆる学術研究分野への幅広い助成を行った。
     また、費目間流用の可能な範囲について直接経費の30%以下から50%未満への引き上げを行ったり、使途制限のない経費と科学研究費補助金との合算使用を可能にするなど、研究費の弾力的な使用を可能とした。さらに、審査・評価システムの改善として、研究期間の最終年度の前年度に「研究進捗評価」を実施するとともに、その評価結果を次の審査に活かす仕組みを導入するなど、制度改革を着実に実施した。
     平成21年度概算要求における総合科学技術会議の見解においては、「多くの競争的資金の中でも、特に先導的かつ積極的に制度改革に取り組んでおり、最も優れたシステムとなっている。」とされており、他の競争的資金と比較しても、制度改革が大きく進んだと言える。
     科学研究費補助金により支援する学術研究は、未知の領域など真理の探究を目的とするものであり、研究分野・内容によっては成果がすぐに現れないものもあるが、数多くの優れた研究成果が創出されており、その件数は着実に増加している。

(参考指標)

  16 17 18 19 20
学術研究に関する競争的資金予算額(科学研究費補助金)(百万円) 183,000 188,000 189,500 191,300 193,200
  16 17 18 19 20
科学研究費補助金の採択件数(件) 49,179 52,120 54,609 56,358 56,582
  14 15 16 17 18
研究成果として報告のあった研究論文数(件) 137,801 140,884 149,086 154,853 160,011
  14 15 16 17 18
研究成果として報告のあった図書数(件) 8,839 9,089 9,556 11,030 11,846
  14 15 16 17 18
研究成果として報告のあった産業財産権数(件) 1,267 1,369 1,596 2,244 2,264

○判断基準9-1-3イ、ロ(イA、ロS)

判断基準イ 「政策や社会の要請に対応した人文・社会科学研究推進事業」において、外部有識者より平成20年度に中間評価を受けた課題における評価結果(A評価…3、B評価…2、C評価…1、D評価…0と換算し、その合計を課題数で割る。)
S=2.4以上
A=1.6以上2.4未満
B=0.8以上1.6未満
C=0.8未満
判断基準ロ 「人文学及び社会科学における共同研究拠点の整備の推進事業」において整備されている共同利用・共同研究拠点数の合計
S=大幅に増加(5拠点以上)
A=増加(1拠点以上5拠点未満)
B=同程度
C=減少
  • 「政策や社会の要請に対応した人文・社会科学研究推進事業」において、外部有識者より平成20年度に中間評価を実施した5課題については、すべてB評価(研究計画を一部見直しの上、研究を継続する)を受けた。
  • 「人文学及び社会科学における共同研究拠点の整備の推進事業」において、平成20年度に外部有識者による「拠点採択委員会」を開催し、5拠点を採択し、共同利用・共同研究拠点として整備を図っており、目標は達成していると判断した。なお、平成20年度は事業初年度であるため、整備を行った拠点数のみが指標となっているが、今後、拠点ごとに中間評価、事後評価等を行うことにより、事業の趣旨に沿った形で研究が進められているかなどについても評価を行っていく予定である。

(参考指標)

    16 17 18 19 20
「政策や社会の要請に対応した人文・社会科学研究推進事業」における中間評価の結果 評価実施課題数 1 5
評価結果 A…1
B…0
C…0
D…0
A…0
B…5
C…0
D…0

※A…研究を継続する。 B…研究計画を一部見直しの上、研究を継続する。
C…研究計画の大幅な見直しをした上で、研究を継続する。 D…研究を終了する。

  16 17 18 19 20
「政策や社会の要請に対応した人文・社会科学研究推進事業」実施課題数 6課題 10課題(新規4課題) 14課題(新規4課題)
  16 17 18 19 20
「人文学及び社会科学における共同研究拠点の整備の推進事業」において整備されている共同利用・共同研究拠点数 5

必要性・有効性・効率性分析

【必要性の観点】
 学術研究は、人文・社会科学、自然科学からその複合・融合分野にまで及ぶあらゆる学問分野を対象とする、個々の研究者の自由な発想と知的好奇心・探究心に根ざした知的創造活動であり、それ自体人々の知的好奇心・探究心を満たし、優れた知的・文化的価値を有する。学術研究により、経済・社会の力強い発展の源泉となる重厚な知的ストックが構築され、その発展は知による安全保障や、大学等における高度な教育、優れた人材育成の上で不可欠であり、社会・国家・人類の存続・発展の基盤となるものである。

【有効性の観点】
 学術研究は、幅広い分野の多様な研究を総合的に推進することが必要であり、そのためには、大学・大学共同利用機関等における独創的・先端的基礎研究について一定の資源を確保し、大学研究者等による共同利用・共同研究体制等により推進することや科学研究費補助金による支援、人文・社会科学分野の振興を行い、世界最高水準の研究成果の創出や我が国全体の社会・経済や文化の発展など人類の知的ストックの構築等につなげることが重要であり、それが学術研究の振興のために有効である。

【効率性の観点】
(事業インプット)
 学術研究の振興に必要な経費 193,922百万円 (平成20年度予算額)
 科学研究費補助 193,200百万円
 人文・社会科学の振興 601百万円 等
 日本学士院会員年金の支給等に必要な経費 449百万円 (平成20年度予算額)
(事業アウトプット)
 達成目標に掲げられている諸施策等の実施により、大学・大学共同利用機関等における独創的・先端的基礎研究について一定の資源の確保、人文・社会科学から自然科学までのあらゆる分野における学術研究の推進、様々な社会的課題の解決のための社会提言等につながる研究成果の創出、人文・社会科学における共同利用・共同研究拠点の整備といった効果が見込まれる。
(事業アウトカム)
 上記のような諸施策を着実に実施していくことが、学術の振興につながる。

施策への反映(フォローアップ)

【予算要求への反映】
 これまでの取組を引き続き推進

【機構定員要求への反映】
 特になし

【具体的な反映内容について】

○達成目標9-1-1

 評価結果及び第3期科学技術基本計画の主旨を踏まえ、引き続き大学・大学共同利用機関等における独創的・先端的基礎研究について一定の資源を確保し、全国の大学研究者等による共同利用・共同研究体制等により推進する。なお、基礎研究の推進に当たっては、一定の資源を確保することにより、大学・大学共同利用機関における研究基盤を整備し、安定的・継続的に支援することが重要である。

○達成目標9-1-2

 第3期科学技術基本計画や、「競争的資金の拡充と制度改革の推進について」(平成19年6月14日 総合科学技術会議基本政策推進専門調査会)、科学技術・学術審議会学術分科会研究費部会の提言等を踏まえ、引き続き、科学研究費補助金の拡充や制度改革に取り組む。

○達成目標9-1-3

 科学技術・学術審議会学術分科会の報告等を踏まえ、引き続き人文学・社会科学分野の振興を図る。

関連した行政活動(主なもの)

  • 「学術研究の推進体制に関する審議のまとめ−国公私立大学等を通じた共同利用・共同研究の推進−(報告)」
    (平成20年5月27日 科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会)を踏まえ、学校教育法施行規則を改正し、文部科学大臣による共同利用・共同研究拠点の認定制度を創設した。
  • 学校教育法施行規則の一部を改正する省令及び共同利用・共同研究拠点の認定等に関する規程の施行について(通知)(平成20年7月31日20文科振第801号)の発出をした。
  • 共同利用・共同研究拠点に関する説明会を実施した。(平成20年11月28日)
  • 平成21年度の認定に係る各大学からの事前相談を実施した。(平成20年10月15日〜平成20年12月25日)
  • 国公私立大学等を通じた共同利用・共同研究拠点の具体的な整備について検討するため、科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会の下に「共同利用・共同研究拠点に関する作業部会」を設置した。
  • 科学技術・学術審議会学術分科会研究費部会において、平成20年度に向けた科学研究費補助金の制度改善方策について審議し、平成19年8月10日に「科学研究費補助金において当面講ずべき施策の方向性について」(研究費部会「審議のまとめ(その1)」)を取りまとめた。
  • 科学技術・学術審議会学術分科会学術研究推進部会人文学及び社会科学の振興に関する委員会(平成19年5月〜平成21年1月)を開催した。
  • 「人文学及び社会科学の振興について〜「対話」と「実証」を通じた文明基盤形成への道〜(報告)」(平成21年1月20日 学術分科会)を取りまとめた。

備考

 特になし

具体的な達成手段

 ※【22年度の予算要求への考え方】には、実績を踏まえ、より効率化に努める内容についても記入している。

【事業概要等】 【20年度の実績】 【22年度予算要求への考え方】
大学・大学共同利用機関等における独創的・先端的基礎研究(開始:平成18年度 終了:平成22年度 20年度予算額:118,677百万円)
大学・大学共同利用機関等における独創的・先端的な基礎研究は、研究者の自由な発想に基づき、世界最高水準の研究成果の創出など人類の知的資産の拡充に貢献する重要なものであり、着実に推進できるよう基礎研究関連予算(競争的資金は含まない)の充実を図る。 「スーパーカミオカンデ」によるニュートリノ研究の推進、「Bファクトリー」による素粒子物理学研究の推進、「大型光学赤外線望遠鏡『すばる』」による天文学研究及び日本、米国及び欧州との国際協力により銀河や惑星などの形成過程を解明することを目的にするアルマ計画等の研究プロジェクトを着実に推進した。
〔進捗状況等〕
学術研究の進捗状況:3.3(4段階評価)
共同利用・共同研究拠点制度への対応状況:国立大学に設置されている附置研究所及び全国共同利用型研究施設のうち、96.6%が共同利用・共同研究拠点制度へ申請
継続
国立大学及び大学共同利用機関法人は、学術研究を行うことを業務の一つとしており(※)、大学・大学共同利用機関における独創的・先端的基礎研究の推進のためには、継続的な支援が必要である。(※)(教育基本法第7条、学校教育法第83条、国立大学法人法第22条、第29条等)また、第3期科学技術基本計画においても「教育研究の基盤を支える基盤的資金は確実に措置する」とされており、教育振興基本計画においても「大学等における教育研究の質を確保し、優れた教育研究が行われるよう基盤的経費を確実に措置する。」とされており、引き続き本事業を実施することが必要。
科学研究費補助金(開始:大正7年 終了:− 20年度予算額:193,200百万円)
人文・社会科学から自然科学までの全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を格段に発展させることを目的とし、ピア・レビュー(専門分野の近い複数の研究者による審査)を経て、豊かな社会発展の基盤となる独創的・先駆的な研究に対する助成を行う。 約13万7千件の応募に対し、約5万7千件の研究課題を採択し、人文・社会科学から自然科学までのあらゆる研究分野への幅広い助成を行った。 継続
科学研究費補助金は、学術研究を支援する我が国の代表的な競争的資金であるため、引き続き継続することが必要。
また、第3期科学技術基本計画において「研究者の研究費の選択の幅と自由度を拡大し、競争的な研究開発環境の形成に貢献する科学研究費補助金等の競争的資金は、引き続き拡充を目指す」とされており、「教育振興基本計画」においても「大学の教育研究の高度化に資する科学研究費補助金等の拡充を目指す」とされており、引き続き本事業を継続することが必要。
政策や社会の要請に対応した人文・社会科学研究推進事業(開始:平成18年度 終了:平成24年度 20年度予算額:250百万円)
政策や社会の要請に応じた人文・社会科学分野のプロジェクト研究(3〜5年)を、公募・委託により、大学等の研究ポテンシャルを積極的に活用して実施し、研究成果を社会へと発信する。 平成19年度までに採択された10課題については、一部の課題で研究計画の見直し等を行ったが、すべての課題で研究を継続している。
また、平成20年度に新たに4課題を採択し、研究を開始した。
継続
「教育振興基本計画」において「大学の教育研究の高度化に資する科学研究費補助金等の拡充を目指す」とされているとともに「人文学及び社会科学の振興について」において政策や社会の要請に応える研究の重要性が指摘されており、本事業を継続することが必要。
人文学及び社会科学における共同研究拠点の整備の推進事業(開始:平成20年度 終了:平成24年度 20年度予算額:351百万円)
人文学及び社会科学における特定の研究分野の研究組織を共同研究拠点として支援・整備することを私立大学等への公募・委託により実施する。 「拠点採択委員会」により採択された、「イスラーム地域研究機構(早稲田大学)」、「パネルデーター設計・解析センター(慶應義塾大学)」、「文化ファッション研究機構(文化女子大学)」、「JGSS研究センター(大阪商業大学)」、「ソシオネットワーク戦略研究機構(関西大学)」において、計画どおり共同利用・共同研究拠点の整備を行った。
拠点数合計:5拠点
継続
「教育振興基本計画」において「国公私を通じた共同利用・共同研究拠点の整備を支援する」とされているとともに、「人文学及び社会科学の振興について」において「国立大学、公立大学、私立大学を通じた共同研究の促進及び研究者ネットワークの構築、並びに学術資料等の共同利用促進など、研究体制や研究基盤整備を抜本的に強化することが必要である」とされており、本事業を継続することが必要。

(参考)関連する独立行政法人の事業(なお、当該事業の評価は文部科学省独立行政法人評価委員会において行われている。評価結果については、独法評価書を参照のこと) 

独法名 20年度予算額 事業概要 備考(その他関係する政策評価の番号)
日本学術振興会 129,705百万円(科学研究費補助金) 科学研究費補助金のうち、日本学術振興会が交付を担当する研究種目について、公募・審査・交付業務を行う。  
日本学術振興会 356百万円(人文・社会科学研究振興プロジェクト研究) 人文・社会科学の振興を図るため、現代社会における諸問題の解明と対応に向け、人文・社会科学を中心とした各分野の研究者が協働して、学際的・学融合的に取り組む課題設定型のプロジェクト研究を推進する。  

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --