科学技術システムの改革や研究開発の効果的・効率的推進に向けた取組を率先して進め、優れた研究成果の創出や活用を促進する。
目標達成年度:平成22年度(基準年度:平成18年度)
科学技術・学術政策局政策課(中岡 司)
科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官(推進調整担当)(岡谷 重雄)、同調査調整課競争的資金調整室長(大塚 健一)、同計画官(柿田 恭良)、大臣官房政策課(坪井 裕)
科学技術システムの改革や研究開発の効果的・効率的推進に向けた取組を率先して進め、優れた研究成果の創出や活用を促進する。このため、優れたシステム改革の取り組み等に対する支援のほか、研究費の過度の集中等の排除や不正使用等への厳格な対処、評価システムの改革等を進めることとし、以下の4つの達成目標を設定して取り組む。
総合科学技術会議の方針に沿って、先例となることが期待される優れた取組等を支援することにより、科学技術システムの改革等に取り組む。このため、以下の指標によって判断することとする。
・判断基準7-4-1:総合科学技術会議の方針に沿って、先例となることが期待される優れた取組等を支援することによる、科学技術システムの改革等の進捗状況
研究費の過度の集中等の排除や不正使用等への厳格な対処を進め、研究費の有効活用を図る。このため、以下の2つの指標によって判断することとする。
・判断基準7-4-2イ:府省共通研究開発管理システム(e-Rad)の運営の改善度合い
・判断基準7-4-2ロ:研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインに基づく、研究機関における公的研究費の管理・監査体制整備の度合い
現状の課題や将来の行政ニーズ等を的確に捉えるための調査・研究を行うとともに、評価システムの改革を進めることにより、科学技術システムの改革や研究開発の効果的・効率的推進に資する。このため、以下の3つの指標によって判断することとする。
・判断基準7-4-3イ:政策の企画・立案・推進等への調査結果の貢献度合い
・判断基準7-4-3ロ:科学技術行政における現状課題や将来ニーズ等の把握への貢献度合い
・判断基準7-4-3ハ:評価システムの改革の進捗状況
高いレベルの研究者を中核とした研究拠点の形成を目指す構想に集中的な支援を行い、システム改革等の導入などを促すことにより、世界第一線の研究者が集まってくるような、優れた研究環境と高い研究水準を誇る「目に見える拠点」の形成を目指す。このため、以下の指標によって判断することとする。
・判断基準7-4-4:世界第一線の研究者が集まってくるような、優れた研究環境と高い研究水準を誇る「目に見える拠点」の形成の進捗状況
全体評価 A
全ての達成目標において、評価結果から、科学技術システムの改革や研究開発の効果的・効率的推進に向けた取組が図られるとともに、優れた研究成果の創出や活用が促進されていると考えられる。
判断基準 |
総合科学技術会議の方針に沿って、先例となることが期待される優れた取組等を支援することによる、科学技術システムの改革等の進捗状況 |
---|---|
S=大幅に進展した。 A=着実に進展した。 B=十分には発展しなかった。 C=発展しなかった。 |
科学技術振興調整費では、平成18年度より科学技術システム改革の一環として女性研究者が研究と出産・育児等の両立や、その能力を十分に発揮しつつ研究活動を行える仕組みを構築するモデルとなる優れた取組を支援するプログラムを実施しているところであり、女性研究者数、構成比については、平成18年度以降年々増加している。また平成20年度においては、平成19年度(54件)を上回る60件の新規課題を採択し、当該機関においてシステム改革等に向けた取組に着手した。加えて、平成20年度に、18年度に開始した課題の中間評価及び19年度に終了した課題の事後評価(計82課題)を実施したところ、A評価(所期の計画以上の取組が行われている)が8課題、B評価(所期の計画と同等の取組が行われている)が55課題と多くの課題について、所期の計画と同等以上の課題運営が行われていると評価された。
以上を総合的に判断し「着実に進展:A」とした。
(指標)
年度 | 18 | 19 | 20 |
---|---|---|---|
女性研究者数(100人) | 1,029 | 1,085 | 1,149 |
女性研究者の構成比(%) | 11.9 | 12.4 | 13.0 |
(参考指標)
・支援件数
年度 | 18 | 19 | 20 | |
---|---|---|---|---|
1.科学技術振興調整費 | 採択件数 | 49 | 54 | 60 |
目標採択件数 | 79 | 55 | 55 | |
申請件数 | 348 | 277 | 240 | |
合計支援件数 | 49 | 103 | 163 |
・中間評価
A評価 | B評価 | C評価 | D評価 | 総数 | |
---|---|---|---|---|---|
若手研究者の自立的研究環境整備促進 | 2 | 5 | 2 | - | 9 |
地域再生人材創出拠点の形成 | - | 9 | 1 | - | 10 |
重要課題解決型研究等の推進 | - | 5 | 1 | - | 6 |
アジア科学技術協力の戦略的推進(機動的国際交流) | - | 1 | - | - | 1 |
合計 | 2 | 20 | 4 | 0 | 26 |
・事後評価
A評価 | B評価 | C評価 | D評価 | 総数 | |
---|---|---|---|---|---|
戦略的研究拠点育成 | 2 | - | 1 | - | 3 |
振興分野人材養成 | 2 | 7 | 3 | - | 12 |
産学官共同研究の効果的な推進 | - | 11 | 1 | - | 12 |
若手任期付研究員支援 | - | 1 | 2 | - | 3 |
重要課題解決型研究等の推進 | 1 | 7 | 3 | 2 | 13 |
科学技術連携施策群の効果的効率的な推進 | - | 8 | 3 | - | 11 |
重要政策課題への機動的対応の推進(緊急研究) | 1 | 1 | - | - | 2 |
合計 | 6 | 35 | 13 | 2 | 56 |
A:所期の計画以上の取組が行われている
B:所期の計画と同等の取組が行われている
C:所期の計画以下の取組であるが、一部で当初計画と同等又はそれ以上の取組もみられる
D:総じて所期の計画以下の取組である
(指標に用いたデータ・資料等)
・文部科学省調べ、科学技術研究調査報告(総務省統計局)
(参考指標の設定根拠)
科学技術振興調整費では、第3期科学技術基本計画への移行を踏まえ、総合科学技術会議の方針に基づき、科学技術システム改革への取組を支援しているところである。システム改革の推進にあたっては、モデル的な取組を支援・増加し、広く普及することが重要であり、実績評価の目的である、年度毎の施策の効果を測定・評価し、施策の不断の見直しや改善を図るという観点から、「科学技術振興調整費」による支援件数と当該年度において実施したプログラムでの中間評価、事後評価の結果を参考指標として示すこととした。
判断基準イ | 府省共通研究開発管理システム(e-Rad)の運営を進める。 |
---|---|
S=府省共通研究開発管理システム(e-Rad)の運営を通じ、研究開発管理業務の効率的実施が大幅に改善している。 A=府省共通研究開発管理システム(e-Rad)の運営を通じ、研究開発管理業務の効率的実施が着実に改善している。 B=府省共通研究開発管理システム(e-Rad)の運営を通じ、研究開発管理業務の効率的実施が十分に改善していない。 C=府省共通研究開発管理システム(e-Rad)の運営を通じ、研究開発管理業務の効率的実施が改善していない。 |
判断基準ロ | 研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインに基づき、研究機関における公的研究費の管理・監査体制の整備を進める。 |
---|---|
S=研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインに基づき、研究機関における公的研 究費の管理・監査体制の整備が大幅に進展している。 A=研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインに基づき、研究機関における公的研 究費の管理・監査体制の整備が着実に進捗している。 B=研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインに基づき、研究機関における公的研 究費の管理・監査体制の整備が十分に進捗している。 C=研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインに基づき、研究機関における公的研 究費の管理・監査体制の整備が大幅に進展している。 |
平成20年度において、府省共通研究開発管理システム(e-Rad)の運営を通じた研究開発管理業務の改善については、研究開発管理業務の効率的実施に資する府省共通研究開発管理システム(e-Rad)に登録をしている研究者数が462,069人となるなど、着実に進捗している。また、研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインに基づいた研究機関の管理・監査体制の整備については、ガイドラインに基づく不正防止計画を策定した機関数が255機関から508機関に増加するなど、着実に研究機関の管理・監査体制の整備がなされている状況にあると考えられるため、着実に進捗している。
(指標・参考指標)
年度 | 平成16年度 | 平成17年度 | 平成18年度 | 平成19年度 | 平成20年度 |
---|---|---|---|---|---|
府省共通研究開発管理システム(e-Rad)に登録している研究者数 | − | − | − | − | 462,069 |
ガイドラインに基づく不正防止計画を策定した機関数 | − | − | − | 255 | 508 |
判断基準イ | 政策の企画・立案・推進等※への調査結果の貢献度合い |
---|---|
調査結果が政策の企画・立案・推進等に、 A=指標Aのように貢献した(活用された) B=指標Bのように貢献した(活用された)。 C=貢献していない(活用されなかった)。 ※ 政策の企画・立案・推進等: 科学技術に関する基本的な政策の企画及び立案並びに推進、科学技術に関する研究及び開発に関する計画の作成及び推進及び資源の総合的利用 指標A: ・審議会、委員会、検討会等における検討に活用された ・概算要求に反映された ・調査結果に基づき、制度や指標等の改定/改訂が行われた ・上記以外の方法により、調査結果が政策の企画・立案・推進等に活用された 指標B: ・シンポジウム等で報告書等が配付された ・調査結果が科学技術政策に関連する他機関等に提供された ・上記以外の方法により、直接的ではないものの、調査結果が政策の企画・立案・推進等に貢献した 注)指標A・B両方に該当する場合はAとする。 |
判断基準ロ | 科学技術行政における現状課題や将来ニーズ等の把握への貢献度合い |
---|---|
指標1:調査結果が行政当局の政策の企画・立案・推進等に、 a=貢献した(基準のように活用された) b=貢献していない(基準のように活用されなかった)。 基準: ・行政当局の審議会、委員会、検討会等における検討に活用された ・概算要求に反映された ・上記以外の方法により、調査結果が行政当局における政策の企画・立案・推進等に貢献した 指標2: 報告書発行及び講演会等開催が、行政当局の政策の企画・立案・推進等に、 s=大幅に貢献した。 <1>報告書発行数が30冊以上、かつ、講演会等開催数が40回以上 a=貢献した。 以下の1.〜3.のいずれかに該当し、かつ、Sに該当しない 1.報告書発行数が30冊以上、かつ、講演会等開催数が30回以上 2.報告書発行数が25冊以上、かつ、講演会等開催数が35回以上 3.報告書発行数が20冊以上、かつ、講演会等開催数が40回以上 b=貢献したものの、一部について改善が必要なものもある。 1.報告書発行数が25冊以上、かつ、講演会等開催数が25回以上 2.報告書発行数が20冊以上、かつ、講演会等開催数が30回以上 3.報告書発行数が15冊以上、かつ、講演会等開催数が35回以上 c=貢献していない。 s,a,bのいずれにも該当しない 判断基準(指標1及び指標2から総合的に判断) S=大幅に貢献した:指標1がa及び指標2がsの場合 A=貢献した:指標1がa及び指標2がaの場合 B=ある程度貢献したものの、一部について改善の必要なものもある:判断基準S、A、Cのいずれにも該当しない場合 C=貢献していない:指標1がb及び指標2がcの場合 |
判断基準ハ | 評価システムの改革の進捗状況 |
---|---|
S=評価システムの改革が大幅に進捗した。 1.支援策が拡充され、支援策の満足度が90%以上、かつ 2.すべての指標が前年度と同程度以上 A=評価システムの改革が進捗した。 1.支援策が拡充され、支援策の満足度が70%以上、かつ 2.複数の指標が前年度と同程度以上B=評価システムの改革は進捗しているものの、一部については停滞が見られる。 1.支援策が拡充され、支援策の満足度が60%以上、かつ 2.1つ以上の指標が前年度と同程度以上 C=評価システムの改革が進捗していない。 S、A、Bのいずれにも該当しない |
判断基準イについては、平成19年度に実施したア「自然資源の統合的管理に関する調査」、イ「デジタルミュージアム実現のための調査・検討」、ウ「イノベーションの創出のための数学研究の振興に関する調査」の3課題の調査結果について評価したところ、アの調査結果は、科学技術・学術審議会資源調査分科会における次期テーマの検討に供されるとともに、その結果が20年度分野横断調査事業の調査設計に反映された(A)。イの調査結果でまとめられた研究開発構想等に基づき、平成20年度に概算要求を行い、平成21年度予算に反映し、実際の研究に着手することができた(A)。ウの調査結果は、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が行う戦略的創造研究推進事業の戦略目標「社会的ニーズの高い課題の解決へ向けた数学/数理科学研究によるブレークスルーの探索(幅広い科学技術の研究分野との協働を軸として)」において、平成20年度のCRESTを開始するに当たっての事業設計に活用された。また、報告書は数学会等のシンポジウムやセミナーにおいて配付され、議論に供された。なお、本調査結果は平成21年度に設置された「数学・数理科学と他分野の連携・協力の推進に関する勉強会」における議論に活用されるなど、引き続き、数学に関する政策検討に当たっての基礎的資料として活用されている(A)。これらの結果から、想定どおり順調に進捗していると判断。
なお、平成20年度は、「新たな健康の維持増進に関わる食品成分等に対するニーズ調査」、「科学技術関係人材の現状及び需要に関する調査」、「科学技術の理解増進活動に係る実態調査(科学コミュニケーターの現状調査)」及び「大学等におけるフルタイム換算データに関する調査」の4課題の調査を行った。
判断基準ロについては、平成20年度科学技術振興調整費による第3期科学技術基本計画フォローアップに係る調査研究を科学技術政策研究所が内閣府総合科学技術会議より付託されたことで、当該調査研究関係の報告書が20冊程度発行されたため、全体として、例年に比して多数の報告書が発行された。また、これらの成果は総合科学技術会議基本政策推進専門調査会や文部科学省科学技術・学術審議会総会、基本計画特別委員会等におけるに会議資料に引用され、また、内閣府や文部科学省の科学技術政策当局の日常的な政策論議にも活用されることで、科学技術行政において多大な貢献をした。
判断基準ハについては、第3期科学技術基本計画に示された「評価手法の開発・改良」及び「評価人材の養成」等の評価システム改革を推進するため、研究開発評価研修、研究開発評価ワークショップ及び研究開発評価シンポジウム並びに研究開発評価活動に関する意見交換等の支援策を昨年度に引き続き実施するとともに、平成20年度は、北陸地域の国公私立大学・短期大学・工業高等専門学校を対象とした研究評価活動に関する意見交換(研究開発評価ミニシンポジウム)を開催した。研究開発評価研修については、参加者の満足度が86.3%から74.8%へと低下したが、これは、平成20年度はこれまでの活動の総括を行ったことから発表内容に評価の具体事例が少なく概論寄りであったこと、また、1件当たりの発表時間が短いために詳細な内容に触れられなかったこと等によると考えられる。今後は、具体的な課題解決に向けた取り組み事例についての詳細な議論等を行い、参加者の満足度が一層向上するような企画・立案を試みる必要がある。一方で、研究開発評価ワークショップ及び研究開発評価シンポジウムへの参加者の満足度は大幅に向上し、全体平均としての満足度は77.2%となったため、q想定どおり順調に進捗していると判断した。
(指標・参考指標)
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | |
---|---|---|---|---|---|
1.報告書の発行数(冊) | 47 | 32 | 31 | 33 | 57 |
2.講演会等の開催数 | 47 | 48 | 37 | 36 | 43 |
3.研究開発評価研修等への参加者数(人) | 334 | 700 | 617 | 352 | 364 |
4.研究開発評価研修への参加者の満足度(%) | - | 79.3 | 70.7 | 86.3 | 74.8 |
5.研究開発評価ワークショップへの参加者の満足度(%) | - | - | 77.8 | 68.0 | 80.0 |
6.研究開発評価シンポジウムへの参加者の満足度(%) | - | 66.6 | 75.3 | 75.4 | 86.2 |
7.研究開発評価ミニシンポジウムへの参加者の満足度(%) | - | - | - | - | 71.1 |
8.評価活動の実態を把握するために行ったヒアリングの機関数(機関) | 13 | 15 | 19 | 15 | 9 |
判断基準 | 世界第一線の研究者が集まってくるような、優れた研究環境と高い研究水準を誇る「目に見える拠点」の形成の進捗状況 |
---|---|
S=計画以上に進捗している。 A=計画どおりに進捗している。 B=計画より若干遅れている。 C=計画より大幅に遅れている。 |
高いレベルの研究者を中核とした世界トップレベルの研究拠点形成を目指す構想に対して集中的な支援を行い、システム改革の導入等の自主的な取組を促すことにより、世界から第一線の研究者が集まる、優れた研究環境と高い研究水準を誇る「目に見える拠点」の形成を目指し、「世界トップレベル研究拠点(WPI)プログラム」を平成19年度より開始し、5拠点を採択するとともに、フォローアップの体制を整備した。
また、採択された5拠点において、拠点組織の整備、拠点長、事務部門長の任命、ホスト機関内規則等の改正など体制整備を行うとともに、主任研究者をはじめとする研究者の任命、採用などを着実に進めている。
「目に見える拠点」とするためには、研究水準が高く、ある程度の規模を有する中核が物理的に集結していることが求められ、本プログラムでは、研究者、研究支援員、事務スタッフを含めた総勢が200人程度あるいはそれ以上となること、また、研究者のうち常に3割程度以上は外国人研究者とする等の構想を掲げている。平成20年度実績において、1拠点あたり平均164名、外国人研究者の割合は38%となっている。
以上のことを総合的に勘案して「計画通りに進捗している」と判断した。
(指標・参考指標)
・拠点を形成する研究者等(5拠点の総計)
平成19年度実績 | 平成20年度実績 | |
---|---|---|
研究者 (うち外国人研究者数,%) |
302 (96;32%) |
578 (218;38%) |
主任研究者 (うち外国人研究者数,%) |
103 (25;24%) |
116 (28;24%) |
その他研究者 (うち外国人研究者数,%) |
199 (71;36%) |
462 (190;41%) |
研究支援者数 | 46 | 139 |
事務スタッフ | 78 | 102 |
合計 | 426 | 819 |
・新たな施設の整備計画
4拠点で30,070平方メートル(うち改修900平方メートル)の新たな施設整備を計画
・国際的な研究集会の開催
5拠点で12回開催され、総出席者数は1,920人(平成20年度)
・競争的研究資金等の確保
5拠点の総確保額は、8,723百万円
【必要性の観点】
第3期基本計画の期間(平成18年度から22年度)における効果的な研究開発投資の拡充と抜本的な科学技術システム改革の実行は、我が国経済が長期的な発展を続ける上で不可欠である。
【有効性の観点】
第3期科学技術基本計画のフォローアップに係る調査研究を行うことで、内閣府総合科学技術会議の基本政策推進専門調査会における同フォローアップ等へのデータの提供に貢献した。また、科学技術政策研究所の独自の調査データも同フォローアップにおいて多数引用され、高い評価を受けた。また、文部科学省内においても、科学技術・学術審議会の委員会で科学技術政策研究所のデータが引用され、議論の材料となった。これらのことを通じ、関係各府省においても、さらなる科学技術政策の振興及び個別の関連施策の推進が一層促されることが期待される。
科学技術振興調整費によって先例となることが期待される優れた取組等への支援を充実させるとともに、研究費配分における研究費の過度の集中等の排除や、研究費の不正使用等への厳格な対処により資金の効率化が図られている。また、「世界トップレベル研究拠点プログラム」で選定した拠点で行われる取組が先導的なモデルとなり、各研究機関に普及することが期待される。
【効率性の観点】
(事業インプット)
・科学技術システム改革に必要な経費 7,653百万円(平成20年度予算額)
・科学技術振興調整に必要な経費 33,800百万円(平成20年度予算額)
・科学技術基本政策の基礎的な調査研究等に必要な経費 363百万円(平成20年度予算額)
(事業アウトプット)
本事業の実施により、1.科学技術振興調整費による先例となることが期待される優れた取組等の支援、2.研究費の申請の電子化による事務の効率化・利便性の向上、研究費の重複・集中の排除、3.科学技術行政における現状課題や将来ニーズ等の把握、研究開発評価システムの改革、4.高い研究水準と優れた研究環境を備えた「世界トップレベル研究拠点プログラム」の取組を先導的モデルとした各研究機関への普及、といった効果が見込まれる。
(事業アウトカム)
科学技術システム改革や研究開発の効果的・効率的推進に向けた取組を実施することにより、我が国の優れた研究成果の創出や活用の促進等に大きく貢献することが期待される。
以上より、事業の波及効果も認められ、効率性の観点から妥当である。
【予算要求への反映】
これまでの取組を引き続き推進
【機構定員要求への反映】
定員要求に反映
【具体的な反映内容について】
本年度までの調査研究結果を踏まえ、現下の喫緊の政策課題に対応するため、マネージメント能力を備えた高度研究開発リーダー育成に関する調査研究のために必要な上席研究官1名及び基礎研究における研究環境と研究アウトプットの相関に関する調査研究のために必要な主任研究官を1名を増員要求しているところ。
※【22年度の予算要求への考え方】には、実績を踏まえ、より効率化に努める内容についても記入している。
【事業概要等】 | 【20年度の実績】 | 【22年度予算要求への考え方】 |
---|---|---|
科学技術振興調整費(開始:平成18年度 終了:平成22年度 20年度予算額:33,800百万円) | ||
総合科学技術会議の方針に沿って文部科学省が運用を行う、政策誘導型の競争的資金として活用されるものである。 | 新規公募・審査を実施し、60件の課題を新規採択し、18年度、19年度分を含め合計163件の支援を実施した。 | 「先端融合領域イノベーションの創出拠点の形成」における再審査後の継続課題の増額、「女性研究者養成システム改革加速」の採択枠の拡大及び社会システム改革を含めたイノベーションの創出のための新規施策を実施するため、拡充する。 |
研究費の適正な執行に係る指導等を強化するための体制整備(開始:平成18年度 終了:平成22年度 20年度予算額:22百万円) | ||
「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」に基づいて、研究費の適正な執行に係る指導等を強化するための体制整備を推進する。 | ・ガイドラインに基づく実施状況報告書の提出 ・ガイドラインに基づく現地調査 ・有識者からなる「研究機関における公的研究費の管理・監査の検討会」の設置 |
研究費の有効活用のため、研究費の不正使用等への厳格な対処が必要という観点から、引き続き本事業を実施することが必要。 |
府省共通研究開発管理システムの構築・運営(開始:平成18年度 終了:平成22年度 20年度予算額:408百万円) | ||
研究開発管理に係る書類をオンライン電子化し、応募受付、審査、採択、成果報告等の各府省や配分期間及び研究者における一連の研究開発管理業務を総合的に支援するとともに、研究者への研究開発経費の不合理な重複や過度の集中を排除し、適切な研究費の配分を支援する府省共通研究開発管理システムの構築・運営を行う。 | 府省共通研究開発管理システムの開発を推進し、平成20年1月より運用を開始した。 | 研究費の有効活用のため、研究費配分における無駄の徹底排除が必要という観点から、引き続き本事業を実施することが必要。 |
科学技術・学術に関する分野横断的な政策の企画立案のための調査(開始:平成18年度 終了:平成22年度 20年度予算額:58百万円)19年度予算額:45百万円 | ||
「科学技術に関する基本的な政策の企画及び立案並びに推進」、「科学技術に関する研究及び開発に関する計画の推進」及び「資源の総合的利用に関すること」等の調査を機動的に実施。 | 平成19年度は「自然資源の統合的管理に関する調査」、「デジタルミュージアム実現のための調査・検討」及び「イノベーションの創出のための数学研究の振興に関する調査」の3課題について調査を実施し、それぞれの調査結果は、平成20年度における政策の企画・立案・推進等に活用された。 なお、平成20年度は「新たな健康の維持増進に関わる食品成分等に対するニーズ調査」、「科学技術関係人材の現状及び需要に関する調査」、「科学技術の理解増進活動に係る実態調査(科学コミュニケーターの現状調査)」及び「大学等におけるフルタイム換算データに関する調査」の4課題について調査を行った。 |
科学技術基本計画に基づく政策の企画立案のために必要な課題やニーズ等を的確に捉えるため、また、次期科学技術基本計画策定に資するという観点から、本事業を実施することが必要。 |
科学技術政策研究所における科学技術基本政策の基礎的な調査研究等(開始:平成18年度 終了:平成22年度 20年度予算額:363百万円) | ||
第3期科学技術基本計画に基づくシステム改革のための科学技術政策の企画・立案に資する基礎的な調査・研究等を推進。 | 第3期科学技術基本計画のフォローアップに資するため、内閣府総合科学技術会議の付託を受け「第3期科学技術基本計画のフォローアップに係る調査研究」のとりまとめを実施(振興調整費で措置)。また、同計画期間での日本の科学技術の状況の変化を調査した「科学技術の状況に係る総合的意識調査(定点調査)」などを実施し、それらの成果をもとに、計56冊の報告書を作成・公表した。 | 第4期科学技術基本計画策定に向けた議論等に資するデータ、分析を提供し、行政当局の政策論議に最大限活用いただくために、引き続き本調査研究を実施することが必要。 |
専門的知見に基づく研究開発評価環境の整備(開始:平成18年度 終了:平成22年度 20年度予算額:50百万円) | ||
文部科学省、他省庁、研究開発機関及び大学の職員や研究者を対象に、国内の有識者による研究開発評価に関する研修及び評価システムの改革に有益な情報を共有するための研究開発評価シンポジウム等を実施。また、研究開発の特性に応じた評価方法等の開発等を実施。 | ・研究開発評価研修を計5回実施(うち3回は、海外から有識者を招へいし、実施)し、延べ229人が受講した。 ・研究開発評価ワークショップを実施し、15人が参加した。 ・研究開発評価シンポジウムを実施し、77人が参加した。 ・研究開発評価ミニシンポジウムを実施し、43人が参加した。 ・「研究開発評価のグローバル化の推進及び研究開発評価のデータベースの構築・運用・活用に関する調査・分析」を実施した。 |
第3期科学技術基本計画に示された「評価手法の開発・改良」及び「評価人材の養成」等の評価システム改革を推進するため、本事業を実施することが必要。 |
国の研究開発の評価の総合的推進(開始:平成18年度 終了:平成22年度 20年度予算額:3百万円) | ||
「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」(平成17年9月6日文部科学大臣決定)の啓蒙・普及活動及び研究開発評価システム改革の支援を行う上で、独立行政法人及び大学等の最新状況の把握及び課題の抽出のため、ヒアリング調査を実施。 | 9機関に対してヒアリング調査を実施するとともに、各機関の評価担当者等と意見交換を実施した。 | 第3期科学技術基本計画に示された「評価手法の開発・改良」及び「評価人材の養成」等の評価システム改革を推進するため、本事業を実施することが必要。 |
世界トップレベル研究拠点プログラム(開始:平成19年度 終了:−年度 20年度予算額:7,109百万円) | ||
第一線の研究者が是非そこで研究したいとして世界から集まってくるような、優れた研究環境と高い研究水準を誇る「目に見える拠点」の形成を目指す。 | 平成19年度に採択した5拠点を引き続き支援するとともに、フォローアップ体制の整備を行った。 | 既採択の5拠点の取組は計画通りに進捗している。我が国の国際競争力を高めるために、世界から第一線の研究者が集まるグローバルな研究環境を整備した拠点を更に増やしていくことが必要であるため、世界トップレベル研究拠点を拡充する。 |
(参考)関連する独立行政法人の事業(なお、当該事業の評価は文部科学省独立行政法人評価委員会において行われている。評価結果については、独法評価書を参照のこと)
独法名 | 20年度予算額 | 事業概要 | 備考(その他関係する政策評価の番号) |
---|---|---|---|
− | − | − | − |
○21年度に開始された事業の概要、予定指標(※これらは20年度実績評価の結果に関係するものではない)
【事業概要等】 | 【目標・設定予定の指標】 | 【22年度予算要求への考え方】 |
---|---|---|
デジタル・ミュージアムの実現に向けた研究開発の推進(終了:平成21年度 21年度予算額:101百万円) | ||
産学官の研究機関及び博物館等による研究開発チームを形成し、五感インターフェイス技術等の先進的技術を基に、文化等を五感でインタラクティブに鑑賞・体験するシステムの研究開発を実施するための、フィージビリティスタディを行う。 | 【目標】 デジタル・ミュージアムの概要設計を行い、システム構成、スペック(機能等)、開発すべき要素技術、コンテンツ内容、研究開発ロードマップ等を明らかにする。 【設定予定の指標】 ・概要設計の完成度 |
21年度に公募を行ったところ採択予定件数を大幅に上回る応募があり、本分野の研究開発に対する関心の高さが伺える。21年度の結果を踏まえて22年度から本格的に研究開発を実施するための予算を、新規に要求する予定。 |
大臣官房政策課評価室
-- 登録:平成21年以前 --