ここからサイトの主なメニューです

文化財の修理に係る税制(新設)【達成目標12-2-2】

(対象税目:所得税)

主管課(課長名)

  • 文化庁文化財部伝統文化課(有松 育子)、文化庁文化財部参事官(建造物担当)(大和 智)

関係課(課長名)

制度の概要等

1.制度目的

  本税制改正により、文化財所有者が自ら行う修理を促進し、文化財の保護の充実を図る。

2.制度概要

  重要文化財(建造物)を所有する個人が重要文化財の修理を行った場合には、修理に要した費用の一定割合を税額控除する。

3.指標と目標

指標

個人が所有する重要文化財(建造物)の修理割合

  (19年度個人所有の重要文化財国庫補助事業数16件、所有者自主修理数(推定)48件(注))

  (注)

  • アンケートによる自主修理実施数(19年度):34件
  • アンケート回答数:161件、20年7月現在の個人所有指定件数227件
    • 34÷161×227=47.9
  • (16+48)÷227=28.2

目標

  貴重な国民共有の財産である重要文化財建造物について、所有者の個人負担を軽減することにより、当該建造物の適切な保存・維持のために必要な修理を促進し、重要文化財としての価値を損なうことなく後世に継承していくことを目的とする

効果の把握方法

  税制改正の結果、修理の割合がどの程度増大したか等について確認する。

制度の事前評価結果

A.19年度実績評価結果との関係

  特になし

B.必要性の観点

1.要望の必要性

  我が国の多くの重要文化財建造物は木や紙など脆弱な材料を用いて作られているものが常に風雨に曝されていることから、その価値を大きく減ずることのないように適切な周期で大規模な修理(維持修理は平均30年周期、解体・半解体修理は平均150年周期)を行うとともに、当該建造物の価値を維持していくために必要な小規模な修理を定期的に行っている。
  大規模な修理については、必要に応じて国庫から補助を行っているが、その費用が多額であるため、個人の所有者にとっては自己負担分が重荷となっている。また、国庫補助の対象とならない小規模な修理については、その費用の全額が所有者の負担となる。
  このような状況を踏まえ、国民共有の財産である重要文化財建造物を適切に保存・維持していくためには、所有者の修理費用の自己負担を軽減するための税制上の優遇措置が必要である。また、文化財保護法において、文化財の保護は国や地方公共団体の任務であるとともに、所有者の責務とされており、国や地方公共団体による補助に加えて、税制措置によって所有者自らの取組を後押しすることが必要である。

2.関連施策との関係

  重要文化財(建造物)保存修理 [平成20年度予算額 6,121百万円]
  (うち個人への補助 [19年度実績 359百万円])

3.関係する施政方針演説、審議会の答申等

・「経済財政改革の基本方針2008」(平成20年6月27日閣議決定)

  第5章 安心できる社会保障制度、質の高い国民生活の構築

  2.未来を切り拓く教育

  日本文化の海外への戦略的発信や文化財の保存・活用、子どもの文化芸術体験など文化芸術を振興するため、総合的な施策を推進する。

C.有効性の観点

1.減税見込み

  • 国庫補助事業
    • 19年度個人所有の重要文化財事業数16件×個人負担平均約120万円=1,920万円
  • 所有者自主修理
    • 修理が行われた数(推定)48件×修理費用の平均約50万円=2,400万円
    • 計 4,320万円
      • 減税見込額(10パーセントの税額控除の場合)4,320万円×0.1=432万円

2.上位目標のために必要な効果が得られるか

  所有者が個人である重要文化財建造物について、所有者の個人負担を軽減することにより、修理が促進され、継続的な修理・保存措置を繰り返し、文化財としての価値を損なうことなく後世に継承されるものと考える。

D.効率性の観点(代替手段との比較)

  現在、主に大規模な修理について、国庫補助により支援を行っており、国庫補助事業は文化財の保護のため不可欠なものである。
  他方、国庫補助事業では、予算上の制約から、文化財修理の全てには対応できるものではなく、所有者の自主的な修理が促進される必要がある。また、国庫補助による支援を待つことなく、所有者自ら継続的に行われるべき修理を実施することが必要である。
  継続的な修理・保存措置が、所有者自らによって行われることによって、国庫補助事業による大規模修理事業の周期を長期化させ、事業費を抑制し、結果として、公費負担を抑制することにつながるものと考えられる。

E.公平性の観点

  本要望は、一部の者を対象に、その所有物の修理費について適用されるものではあるが、重要文化財は国民共通の貴重な財産であり、所有者はその維持のための費用を負担し、文化財保護法上の種々の規制を受けていることから、公平性は担保できると判断する。

F.優先性の観点

  文化財を後世に伝えるため、国や地方公共団体だけではなく、その所有者の取組を支援する税制の充実が必要である。

G.総括評価と反映方針

  以上の評価の結果、重要文化財建造物に係る税制優遇措置の創設は、必要性、有効性、効率性等の観点からも適切であると判断したため、本要望に至った。

指摘事項と対応方針

指摘事項

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

  評価結果は妥当。

2.政策評価に関する有識者委員からの指摘・意見等

  効果の把握手法としては、修理件数ではなく、分母に当たる修理すべき件数、スピード、優先順位の決定を記載すべき。

指摘に対する対応方針

  「政策評価に関する有識者会議」の有識者によるコメントを踏まえ、効果の把握方法を修理件数ではなく、修理の割合に変更することとする。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --