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家庭の教育費負担の軽減(特定扶養控除の拡充等)(拡充)【達成目標1-1-3】

(対象税目:所得税、住民税)

主管課(課長名)

  • 生涯学習政策局政策課(栗山 雅秀)

関係課(課長名)

  • 高等教育局学生支援課(下間 康行)

制度の概要等

1.制度目的

  家庭の教育費負担の軽減に係る税制上の措置を講じることにより、国民が、その経済的事情を心配することなく、安心して子どもに適切な教育を受けさせることができる環境を整備する。

2.制度概要

  国民が、その経済的事情を心配することなく、安心して子どもに適切な教育を受けさせることができる環境を整備するため、現行の特定扶養控除制度について、高等学校及び大学の授業料の額を勘案した上乗せ措置(計9万円(所得税6万円、住民税3万円)を所得控除)を講じ、家計の負担が大きい高校生及び大学生に係る教育費負担を軽減する。
  なお、税制の抜本改革において、扶養控除制度の見直しが行われる際には、現行の特定扶養控除制度よりも家庭の教育負担が一層軽減されるよう、税制上の配慮を行う。

3.指標と目標

  家庭の教育費負担の軽減に係る税制上の措置を講じることにより、国民が、その経済的事情を心配することなく、安心して子どもに適切な教育を受けさせることができる環境を整備する。

指標

  内閣府「社会意識に関する世論調査」において、子育ての辛さの内容として、「子どもの将来の教育にお金がかかること」を挙げた者の割合(パーセント)

調査実施時期 平成16年1月 平成17年2月 平成18年12月 平成19年1月 平成20年2月
割合 39.1% 39.2% 39.8% 42.4% 45.8%

年度目標

  平成22年に実施される内閣府「社会意識に関する世論調査」において、子育ての辛さの内容として、「子どもの将来の教育にお金がかかること」を挙げた者の割合を、現在(20年2月調査)の45.8パーセント未満とする。

効果の把握手法

  内閣府「社会意識に関する世論調査」を活用する。

制度の事前評価結果

A.19年度実績評価結果との関係

  施策目標1‐2「生涯を通じた学習機会の拡大:高度で体系的かつ継続的な学習機会を提供する高等教育機関等において、学習者の多様なニーズに対応し、生涯を通じた幅広い学習機会を提供する」を達成するためには、先ず、国民が、その経済的事情を心配することなく、安心して子どもに適切な教育を受けさせることができる環境を整備することが必要不可欠であることから、その政策手段として、家庭の教育費負担の軽減に係る税制上の措置を要望する。

B.必要性の観点

1.要望の必要性

  我が国の教育費の私費負担割合は諸外国と比較して高く、また、内閣府の調査によると、子育ての辛さの内容として「子どもの将来の教育にお金がかかること」を挙げた者の割合が、全体の4割を超え、全10項目中第1位となっており、また、その割合が一貫して増加傾向(16年:39.1パーセントから17年:39.2パーセントから18年:39.8パーセントから19年:42.4パーセントから20年:45.8パーセント)にあるなど、教育費に対する国民の負担感が非常に大きいことが明らかになっている。
  現行の扶養控除やその上乗せ措置である特定扶養控除は、これまで、教育費を含めた経済的負担の軽減に一定の役割を果たしてきたが、上述の状況を踏まえれば、特に教育費の負担が重い16歳以上23歳未満の特定扶養親族(高校生・大学生相当)を扶養する家庭については、その経済的負担をより一層軽減することが必要不可欠である。

2.関連施策との関係

  家庭の教育費負担を軽減するための予算措置として、奨学金事業や私学助成等所要の施策を講じているところである(詳細は以下のとおり)。
  しかしながら、現時点においても、子どもの将来の教育にお金がかかることについて不安を抱く国民が多いことを踏まえ、これらの予算措置に加え、家庭の教育費負担の軽減に係る税制上の措置を講じることにより、教育費の負担が重い年齢の子どもを扶養する家庭を重点的に支援する。

【独立行政法人日本学生支援機構奨学金事業[平成20年度事業費総額]9,305億円(高等学校等奨学金事業交付金分(約291億円)含む。)】

  教育の機会均等の観点から、意欲と能力のある学生等が家庭の経済状況によって修学の機会が奪われないよう、独立行政法人日本学生支援機構において奨学金事業を実施している。

【私立高等学校等の授業料の減免[平成20年度予算額]6.4億円】

  私立高等学校等が、家計急変や生活保護を理由として授業料減免を行い、都道府県が学校に対し減免額の一部を補助した場合、国が都道府県の補助額の一部(1/2以内)を補助している。

【私立大学の授業料等の減免[平成20年度予算額]20億円】

  私立大学等経常費補助金(特別補助)において、私立大学が、経済的に修学困難な学生に対し、授業料減免措置等を行う場合に、その2分の1以内を補助する「授業料減免事業等支援経費」を措置している。

【国立大学の授業料等の減免[平成17年度免除実施額]242億円】

  国立大学等の授業料その他の費用に関する省令において、経済的理由等により、授業料などの納付が困難な者に対する免除等経済的負担軽減のための措置を図る旨の規定がされており、すべての国立大学が授業料等の減免制度を設けている。また、運営費交付金の算定に当たっては、授業料等免除についても考慮している。

3.関係する施政方針演説、審議会の答申等

・「教育振興基本計画」(平成20年7月1日閣議決定)

  記載事項(抜粋)

  「家計の負担が大きい高校生・大学生の教育費負担の軽減等のため、税制上の措置の活用を促す」

・「社会保障の機能強化のための緊急対策‐5つの安心プラン‐」(平成20年7月29日)

  記載事項(抜粋)

  「3 未来を担う「子どもたち」を守り育てる社会」
  家計の負担が大きい高校生・大学生の教育費負担の軽減等のため、税制上の措置を検討

C.有効性の観点

1.減税見込み

  約490億円(所得税:330億円、住民税:160億円)

  (積算の考え方)

  • 高校と大学の授業料は、平均で46万円。
  • 一方、現行の特定扶養親族は、学校の授業料など教育費等の負担が重い年齢層であることが考慮され、一般の扶養親族よりも控除額が上乗せされているが、その上乗せの控除額は1人当たり計37万円(所得税で25万円、住民税で12万円が上乗せで控除)にとどまっている。
  • このため、この上乗せの控除額(37万円)を、高校と大学の授業料を勘案して9万円増額し、高校と大学の授業料の平均額と同額の46万円に引き上げる。
  • 上記「9万円」について、所得税と住民税の特定扶養控除の上乗せ控除額(所得税25万円:住民税12万円)に基づき比例配分すると、それぞれ「所得税:6万円」、「住民税:3万円」となる。
  • 「所得税:6万円」、「住民税:3万円」に、それぞれ特定扶養親族数(5,482,216人)と税率(10パーセント)を乗じ、減税見込み額を算出。
    • <所得税>6万円×5,482,216人×10パーセント=32,893百万円
    • <住民税>3万円×5,482,216人×10パーセント=16,447百万円

(特定扶養親族数は「平成18年民間給与実態統計調査及び申告所得税標本調査」より)

2.上位目標のために必要な効果が得られるか

  内閣府「少子化社会対策に関する子育て女性の意識調査」(平成17年3月)によれば、「扶養控除は子育て支援として役立つと思うか」との設問に対し、75.4パーセントの者が「とても役立つと思う、又は役立つと思う」と回答している。
  本要望は、所得税及び住民税について、扶養控除の上乗せ措置である特定扶養控除について、高校及び大学の授業料の額を勘案し、さらに控除額の上乗せを図るものであることから、教育費に対する国民の負担感の軽減に資するものと考えられる。

D.効率性の観点(代替手段との比較)

  授業料の減免措置や独立行政法人日本学生支援機構が実施する奨学金事業は、希望する学生に対して教育の機会均等の観点から措置されるものであり、これらの施策が全ての教育費を負担している家庭に対して教育費の負担感を軽減する直接的な効果をもたらしているとは言えない。上述したとおり、子育ての辛さの内容として「子どもの将来の教育にお金がかかること」を挙げた者の割合が、全体の4割を超えるなど、教育費に係る国民の負担感が非常に大きいという現状を踏まえれば、効果がより多くの家庭に波及する施策の実施が求められるところである。
  以上より、実質的に家庭の教育費負担を軽減するとともに、大多数の国民が抱いている教育費に対する負担感を軽減する観点から、特定扶養親族(高校生・大学生相当)を扶養する家庭について、高校及び大学の授業料の額を勘案し、所得税について6万円、住民税について3万円を所得控除する本要望は効率的であり妥当であると判断する。
  なお、児童手当制度は、小学校修了前の児童を養育している保護者に対し、月額5,000~10,000円を支給するものであり、特に教育費負担の重い16歳以上23歳未満の特定扶養親族を扶養する家庭の教育費負担を軽減することにはならない。

(参考)特定扶養親族数=5,482,216人(出典:平成18年民間給与実態統計調査及び申告所得税標本調査)

E.公平性の観点

  本要望は、全ての家庭において、経済的事情を心配することなく、その子どもに対し、適切な教育を受けさせることのできる環境の整備を目的として、特に教育費負担の重い16歳以上23歳未満(高校生・大学生相当)の子どもを扶養する家庭について所得税及び住民税の控除額を引き上げることにより、家庭の教育費負担を軽減するものである。
  このように、本要望は、国民一般のうち教育費負担の重い世帯を幅広くその対象とするものであることから、税の公平性の観点からも妥当であると判断する。

F.優先性の観点

  高等学校等への進学率が97.7パーセント、高等教育機関への進学率が76.3パーセントとなっている一方、教育費に対する国民の負担感は非常に大きなものとなっていることが、各種世論調査等によって示されているところである。
  また、我が国の平成19年の合計特殊出生率は1.34と、世界的に見ても低い水準となっており、我が国の長期的な発展のためには出生率の回復が必要不可欠であるが、国立社会保障・人口問題研究所「第13回出生動向基本調査」(平成18年6月)によれば、理想子ども数よりも予定子ども数が少ない理由として、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」(65.9パーセント)が第1位として挙げられているところである。
  このように、国民が、その経済的事情を心配することなく、安心して子どもに適切な教育を受けさせることができる環境を整備することは、少子化対策の観点からも重要であることから、家庭の教育費負担の軽減に係る税制上の措置を講じることは政策的優先度が極めて高く、緊急に取り組むべき施策であると判断した。

G.総括評価と反映方針

  以上の評価の結果、家庭の教育費負担の軽減に係る税制上の措置を講じることは、必要性、有効性、効率性等の観点からも適切であると判断したため、本要望に至った。

指摘事項と対応方針

指摘事項

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

  評価結果は妥当。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --