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102.地域日本語教育体制整備事業(新規)【達成目標12-4-6】

平成21年度要求額:69百万円
  (平成20年度予算額:‐百万円)
  事業開始年度:平成21年度
  事業達成年度:平成23年度

主管課(課長名)

  • 文化庁文化部国語課(匂坂 克久)

関係課(課長名)

事業の概要等

1.事業目的

  都道府県・市町村等において日本語教育コーディネート業務を実施するなど,地域における日本語教育の体制整備を通じて,地域における日本語教育の活性化を図る。

2.事業に至る経緯・今までの実績

  近年,日系人をはじめとして我が国に在住する外国人は増加し,かつ,多様化しており,彼らが日常生活を送る上で必要な日本語を習得するためには,多様な日本語教育が必要となっている。
  文化庁においては,これまで,「地域日本語教育支援事業」等の委託事業により,地域のボランティア団体等による日本語教室の設置・運営等を支援し,また,その中の優良事例を広く普及することにより,地域における日本語教室の振興を図ってきた。
  これを受け,地域においては,それらの優良事例を参考としつつ,各地で日本語教室の設置・運営が行われているところであるが,その数は,外国人集住都市を抱える都道府県で最も外国人登録者数の多い愛知県においても登録外国人3千人に1教室程度の設置状況にとどまっている。
  また,地域に日本語教室が開設されていても,仕事を持つ多くの日系人等が利用できる土日や平日夜間の開設は比較的少なく,ボランティアにとって都合のよい平日の昼間に開設される場合が比較的多いといった,受給のミスマッチが生じている。
  一方,日本語教育のプログラムの企画立案,及び会場の確保や講師の手配等の教室運営といったコーディネート業務は,地域の日本語教育の担い手であるボランティアにとっては過度の負担となっている。
  そのような状況の中で,文化審議会国語分科会に設置された日本語教育小委員会の審議においては,在住外国人に対する日本語教育の体制整備の必要性,とりわけ,地域の日本語教育を担うコーディネート機能を有した機関及び人材の配置・養成の必要性が指摘されている。

3.事業概要

(1)都道府県日本語教育担当者研修

  都道府県の日本語教育担当者を対象に,地域における日本語教育の推進を目的とした研修を,国が直接実施する。

(2)コーディネート業務委託

  以下の業務を,国が都道府県に委託して実施する。

  1. 地域(都道府県内)の日本語教育に関するニーズ調査の実施
  2. 地域(都道府県内)で活用する日本語教材の作成
  3. 域内の市町村の日本語教育担当者(地域日本語教育コーディネーター)を対象とした研修の実施
  4. 域内の市町村の日本語教育担当者が集う連絡会議の開催
  5. 域内の市町村における日本語教室設置・運営等の日本語教育事業に対する助言・相談

スキーム図

4.指標と目標

指標

  国内における日本語教室数及び日本語学習者数の変化

目標

  平成19年度11月1日現在の国内における日本語教室の数は,1,801教室で,日本語学習者数は,163,670人である。達成年度までに日本語教室数について対平成19年比9パーセント以上の増加,日本語学習者数について対平成19年比18パーセント以上の増加を目指す。目標値は,過去5年間の日本語教室及び学習者数の増加率を上回るように設定した。

効果の把握手法

  毎年度実施している「日本語教育実態調査」により把握する。

事業の事前評価結果

A.19年度実績評価結果との関係

  特になし

B.必要性の観点

1.事業の必要性

  これまで地域における日本語教育は主にボランティアによって支えられてきたが,学習者の増加と多様化にともなって,学習者のニーズに十分にはこたえられなくなった。近年,外国人人材の活用は,我が国において欠くことのできないものとなっており,彼らを地域社会の一員としてとらえた施策の必要性が高まっている。そのため,彼ら及び彼らの家族が安心して暮らせるように地域における日本語教育に対する支援が必要である。

2.行政・国の関与の必要性

  現在,地域における日本語教育は,主にボランティアによる自発的な活動によって実施されている。しかし,日本語教育のプログラムの企画立案,及び会場の確保や講師の手配等の教室運営といったコーディネート業務は,地域の日本語教育の担い手であるボランティアにとっては過度の負担となっており,自治体がその役割を果たすことが期待されている。しかし,都道府県・市町村にはそのノウハウがなく,国が率先してそのモデルを示す必要がある。
  文化審議会国語分科会に設置された日本語教育小委員会においても,地域における日本語教育の推進のために国が担うべき役割として「国は,生活者としての外国人に対する日本語教育が円滑に遂行されるように,適切な財政支援を行うなど地域における日本語教育の体制の整備を支援する必要がある」(平成20年7月31日国語分科会への報告)と指摘している。

3.関連施策との関係

1.主な関連施策 施策目標12‐4‐6

○ 「日本語教育研究協議会」
  国内における日本語を学習する外国人の増加及び定住化に対応するため,日本語教育を充実するという達成目的を果たすべく,日本語教育に関するシンポジウム及び報告会等を集中して開催する日本語教育研究協議会を開催している。

○ 「『生活者としての外国人』のための日本語教育事業」
  外国人住民が地域社会で孤立することなく生活していくためには,一定の日本語能力が不可欠であるという観点から,「生活者としての外国人」のための日本語教育事業を実施している。

2.関連施策との関係(役割分担・連携状況)

○ 「日本語教育研究協議会」(文化庁国語課)
  本事業の成果等について,この場を活用して報告し,関係者との間で広く情報の共有化を図る予定。

○ 「『生活者としての外国人』のための日本語教育事業」(文化庁国語課)
  本事業における研修を受講した市町村日本語教育担当者等が,「生活者としての外国人」のための日本語教育事業における教室設置運営等を積極的活用し,地域における日本語教育の推進に貢献することが期待される。

4.関係する施政方針演説、審議会の答申等

・「地域における日本語教育の体制整備について ‐国語分科会日本語教育小委員会における審議経過‐」(平成20年7月31日 文化審議会国語分科会への報告)

  記載事項(抜粋)

  (3)地域における日本語教育で必要とされる期間及び人材とその役割
  都道府県及び市町村においては,日本語教育のコーディネート機能を自治体等の本来の業務として位置付け,それに要する人材をできる限り常勤職員として配置することが重要である。

・「国語分科会日本語教育小委員会における審議について ‐今後検討すべき日本語教育の課題‐」(平成20年2月1日 文化審議会への報告)

  記載事項(抜粋)

  3 今後検討すべき課題

  2 体制の整備

  (2)地域における体制整備
  日本語教育の枠組みが実効性を有したものとなるように,日本語教育の拠点を形成し,関係者・関係機関が果たすべき役割を明確にすることが必要である。

・「長期戦略指針「イノベーション25」」(平成19年6月1日 閣議決定)

  記載事項(抜粋)

  第5章 「イノベーション立国」に向けた政策ロードマップ

  2)次世代投資の充実と強化

  生活者としての外国人に対する支援

  生活者としての外国人が社会の一員として日本人と同様の公共サービスを享受し生活できる環境を整備する観点から,以下のような外国人に対する支援を着実に推進する。

  -日本語教育の充実等外国人が暮らしやすい地域社会づくり。

・「アジア・ゲートウェイ構想」(平成19年5月16日 アジア・ゲートウェイ戦略会議決定)

  記載事項(抜粋)

  2.重点7分野

  (2)国際人材受入・育成戦略

  ○生活者としての外国人に対する支援の拡充

  • 日本語教育の拡充、外国人児童生徒の教育の充実などを実施。
・「生活者としての外国人」に関する総合的対応策(平成18年12月25日外国人労働者関係省庁連絡会議取りまとめ)

  記載事項(抜粋)

  1.外国人が暮らしやすい地域社会づくり日本語教育の充実、外国語による情報・サービスの提供、住宅への入居支援等を推進する。

  【対策】

  (1)日本語教育の充実

C.有効性の観点

1.目標の達成見込み

  地域の日本語教室は,学習者の通える時間と場所に開設できていなかったり,学習者の期待する質と内容で指導が行えていなかったりする。実際,日本語教育のプログラムの企画立案,及び会場の確保や講師の手配等といったコーディネート業務は,地域の日本語教育の担い手であるボランティアにとっては過度の負担となっている。以上のような役割をボランティアにかわって,行政機関または国際交流協会等の機関および人材が業務として担うことで,設定した目標(教室数,学習者数の増加)は達成することができると見込まれる。

2.上位目標のために必要な効果が得られるか

  国内における日本語を学習する外国人の増加及び定住化に対応するため,日本語教育を充実するという達成目標を果たすべく,都道府県・市町村において日本語教育コーディネート業務を実施し,学習者のニーズに沿った地域における日本語教室の増加を目指す。

D.効率性の観点

1.インプット

  本事業の予算規模は69百万円である。

  (内訳)

  • 諸謝金 6百万円
  • 委員等旅費 3百万円
  • 職員旅費 1百万円
  • 庁費 1百万円
  • 委託費 58百万円

2.アウトプット

  今年度は,緊急性の高い外国人集住都市を抱える7県を対象に実施する。その後,外国人登録者数が10万人を超える6県と,その都道府県内にある政令指定都市8市を主な対象として順次モデル事業を展開し,その成果を普及する。

3.事業スキームの効率性

  本事業の予算規模(69百万円)に対して,アウトプットとして,都道府県に本事業を委託することを通し,1.全国で都道府県を中心とした日本語教育拠点作りが行われる,2.既存のリソースが有効に活用されるようになることを見込まれ,本事業のインプットとアウトプットの関係は適切であると判断する。

4.代替手段との比較

  本事業は国の委託事業により行うが,仮に地方自治体の事業として実施した場合には,参考にできる基準・能力もなく,効果的に事業を展開するのは困難である。また,仮に効果的な事業を実施できたとしてもその成果を広く全国に周知し,他の地域への波及効果を期待することができない。

E.公平性の観点

  本事業は,喫緊性の高い,外国人集住都市等在住する外国人が多い地域を中心に募集し,専門家による審査を経て委託先を決定する予定であり,公平性は担保できると判断する。

F.優先性の観点

  日本で生活するすべての人にとって,社会生活を営むのにまず必要になるのは日本語である。日本語が分からなければ,公共のサービスを受けることができないばかりでなく,日本人市民との軋轢の原因になるなど,地域社会に不安を与えてしまいかねない。既に200万人を超える外国人市民を抱える我が国において,日本語教育の体制を整備することは何よりも優先すべき課題である。

G.総括評価と反映方針

  今回のヒアリングにおける指摘を踏まえ,日本語教室設置運営については,既存の関連施策を活用し,本事業の中では実施しないこととし,その旨を21年度概算要求に反映することとする。
  また,地域の日本語教育の体制整備に係る事務体制を強化するため,定員を要求することとする。

指摘事項と対応方針

指摘事項

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

  評価結果は妥当。ただし、行政・国の関与の必要性や関連施策との関係について十分検討すべき。

指摘に対する対応方針

  指摘を踏まえ、対応済み。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --