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101.建造物防災施設等(一般)(拡充)【達成目標12-2-2】

平成21年度要求額:798百万円
  (平成20年度予算額:572百万円)
  事業開始年度:平成21年度
  事業達成年度:平成25年度

主管課(課長名)

  • 文化庁文化財部参事官(建造物担当)(大和 智)

関係課(課長名)

事業の概要等

1.事業目的

  重要文化財(建造物)は、そのほとんどが木造であり、火災等の災害から守るための設備の整備は必須である。これらの事業の実施にあたり、文化財保護法第35条に基づいて補助金を交付し、防災面等からの保存管理の万全を図る。

2.事業に至る経緯・今までの実績

  昭和25年度から国庫補助事業として、国宝・重要文化財(建造物)の管理を行うため、継続して実施してきた事業である。建造物の火災の感知、初期消火及び消防機関の消火活動に資するための防災設備(自動火災報知設備、消火設備、避雷設備等)及び防犯設備を設置する。
  これまで、延べ2,500件を超える事業を行い、防災、防犯対策を講じてきた。

建造物防災施設等(一般)の推移

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
防災施設事業の設置(竣工) 36件 31件 42件 28件 39件
予算額 486百万円 486百万円 486百万円 486百万円 486百万円

  ※ 総合防災施設設置率:64パーセント(平成20年3月末現在)

3.事業概要

  重要文化財(建造物)については火災等の災害から守るために防災施設の設置事業を行っているが、新たに指定された建造物に消防法上、防災施設の設置義務が生じ、新規設置を進める必要がある。
  既存設備の老朽化に伴う更新は急務である。平成20年度に設置後30年を経過し、老朽化している設備が多数ある。特に、昭和末までに設置された消火設備においては、石綿管、鋳鉄管等、地震時に脆弱な配管材料が多く用いられており、設備の耐震改修の必要がある。
  近年の文化財関連の侵入・盗難事件の頻発に鑑み、防犯施設についても積極的な対応が求められている。
  重要文化財(建造物)の防災施設(自動火災報知設備、消火設備、避雷設備、防犯施設等)の新設・更新を行う。
  平成21年度においては、設置件数を増加し総合防災施設(自動火災報知設備プラス消火設備プラス避雷設備)の設置率を上げるとともに、老朽化した設備の更新10箇年計画により改修の迅速化を図る。

  補助金の額:補助対象経費の50パーセント

スキーム図

4.指標と目標

指標

  • 重要文化財(建造物)の防災設備の設置割合

目標

  • 防災設備の設置率 総合防災70パーセント、老朽施設の改修率50パーセントを目指す。

効果の把握手法

  • 事業完了後に補助事業者から報告される実績報告書により把握する。

事業の事前評価結果

A.19年度実績評価結果との関係

  達成目標12‐2‐2「今後の課題及び政策への反映方針」において、「地方公共団体が実施する公有化事業へ補助等を行うことで、史跡等の適切な保存、管理、整備及び公開を推進する」と記述されており、本事業の拡充は不可欠である。

B.必要性の観点

1.事業の必要性

  東南海・南海地震が発生する可能性が高いと予測されているなか、近畿圏を中心とした地域において文化財建造物の防災対策の必要性が一段と高まっている。平成19年3月に能登半島地震、平成20年6月に岩手宮城内陸地震があり、危険度が低いといわれていた地域においても大地震が発生しており、全国的な耐震、防災対策の必要性が生じた。

2.行政・国の関与の必要性(官民、国と地方の役割分担等)

  国宝・重要文化財は、我が国の歴史、文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり、国はこれを適切に保護し次世代へ継承していく必要がある。本事業は、国庫補助事業として行うもので、文化財保護法第35条において、「重要文化財の管理又は修理につき多額の経費を要し、重要文化財の所有者又は管理団体がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、政府は、その経費の一部に充てさせるため、重要文化財の所有者又は管理団体に対し補助金を交付することができる。」としている。

3.関連施策との関係

1.主な関連施策 施策目標12‐2

○建造物保存修理等(文化庁文化財部参事官(建造物担当))
  文化財建造物の修理は、建物を部材単位に解体し、補修後また組立直す解体修理等の根本修理と屋根葺替、部分修理、塗装などの維持修理に分類できる。建物の破損状況に応じて適切な修理を実施する。
  また、伝統的建造物群の保存修理は、耐震性能向上のための補強と定期的に実施する必要がある伝統的建造物の修理、歴史的風致の維持・向上のための伝統的建造物以外の建造物の修景を進める。
  (平成21年度要求額 6,632百万円、 事業開始年度:建造物保存修理:明治30年(現在の国庫補助事業としては昭和25年度)、伝統的建造物群の保存修理:昭和51年度、 事業達成年度:平成24年度)

2.関連施策との関係(役割分担・連携状況)

  本事業と同様に文化財建造物を対象とした事業として、「建造物保存修理等」を国庫補助事業として実施しているが、両者は文化財建造物の修理事業と防災施設の設置工事と対象事業が異なるが、文化財建造物を適切に維持・管理することなどについては、互いに連携することで文化財の次世代への継承・発展に寄与する。

4.関係する施政方針演説、審議会の答申等

「文化芸術の振興に関する基本的な方針(第2次基本方針)」平成19年2月9日 閣議決定(文化審議会答申)

  「第2 文化芸術の振興に関する基本的施策」

  「2.文化財等の保存及び活用」(抜粋)
  「・有形の文化財について,その種別や特性に応じて計画的に保存・修復を進める。また,地域の多様な文化財を包括的に保存するための施設等の整備,建造物の安全性の向上,防火・防犯・震災対策,伝統的建造物群保存地区をはじめ文化財集中地域等における総合的な防災対策の検討など,防災対策の充実を図る。その際,科学的な調査研究の成果を生かした取組を推進する。」

C.有効性の観点

1.目標の達成見込み

  本事業は、目標が達成された後も絶えることなく継続して行うことが必要である。
  しかし、当面の達成年度である平成25年度には、対応の迅速化を図ることにより、目標である防災設備の設置率(総合防災70パーセント、老朽施設の改修率50パーセント)を達成することが見込まれる。

2.上位目標のために必要な効果が得られるか

  文化財は、火災等によりいったん滅失毀損すれば、再び回復することが不可能なかけがえのない国民全体の財産であり、適切な管理を図るため普段からの努力が求められている。防火、防犯対策は重要である。
  本事業の実施により、防災施設の計画的な設置がされ、達成目標12‐2‐2にある文化財建造物の防災対策の促進、ひいては文化財を保存し、国民の文化的向上に資するという成果に結びつくものと考えられる。

D.効率性の観点

1.インプット

  本事業の予算規模は798百万円である。

  (内訳)

  • 国宝重要文化財等保存整備費補助金
    • 防災施設等(一般) 798百万円

2.アウトプット

  平成21年度までに設置後30年を経過し、老朽化している防災設備は、延べ1,300件存在する。これらの更新を10箇年計画とすると、この間に更新時期を迎える設備を合わせて、平成31年度までに改修すべき防災設備は、延べ2,000件となり、対応を迅速化する必要がある。

3.事業スキームの効率性

  本事業の予算規模(798百万円)に対して、アウトプットとして、重要文化財の防災設備の設置・改修が促進され、インプットとアウトプットの関係は適切と判断する。

4.代替手段との比較

  代替手段はない。
  本事業は国の補助事業により行うが、地方自治体の事業として実施することとした場合には、文化財の特殊性からして多大な経費のかかり、防災対策の促進が図れない。

E.公平性の観点

  本事業は、全都道府県からの要望を踏まえ、緊急性を考慮し交付先を決定しており、公平性は担保できていると判断する。

F.優先性の観点

  中央防災会議において大地震による多数の重要文化財(建造物)の被災の可能性とともに、大規模災害に対しては、文化遺産の耐震化、周辺市街地の延焼防止対策等総合的に防災対策を講じることが必要であると指摘された。

G.総括評価と反映方針

  21年度概算要求に反映する。

指摘事項と対応方針

指摘事項

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

  評価結果は妥当。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --