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99.国宝重要文化財等買上げ(拡充)【達成目標12-2-2】

平成21年度要求額:2,649百万円
  (平成20年度予算額:1,587百万円)
  事業開始年度:‐年度
  事業達成年度:‐年度

主管課(課長名)

  • 文化庁文化財部美術学芸課(小山 竜司)

関係課(課長名)

事業の概要等

1.事業目的

  国宝・重要文化財及びこれらに準ずる文化財(以下「国宝・重要文化財等」という。)の国内外での散逸を防ぐとともに、劣化やき損のおそれのある文化財を護るため、保存管理の措置を講ずる必要のあるものを緊急に国が買取り、適切な保存管理の実施と併せて展覧会への公開活用を図ることを目的とする。

2.事業に至る経緯・今までの実績

  動産である国宝・重要文化財等は、転売されることによる散逸や、所有者が専門的知見を有していないことによって適切な保存管理がなされず劣化やき損を伴う可能性を常にはらんでおり、文化財保護法(昭和25年法律第214号)制定後から国による国宝・重要文化財等の買上げを実施している。
  昨今、文化財の所有者の破産に伴い、文化財が処分されるケースが増加している。また、個人所有者によって海外のオークションに我が国の文化財が出品されるなど、投機的な売買が生じているところであり、貴重な文化財の散逸の危険性が高まっている。

過去5年間の国宝・重要文化財等の買上げ実績と額

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
件数 30 9 10 24 18
うち国宝 0 2 1 0 0
うち重文 14 2 5 2 6
うち重美 2 3 1 0 3
うち未指定 14 2 3 22 9
購入額 2,017,663 1,502,000 1,492,250 1,163,500 1,519,250

3.事業概要

  国宝・重要文化財等の買上げとは、文化財保護法第46条の規定により、重要文化財を有償で譲り渡そうとする場合、所有者が譲渡の相手方、予定対価の額、その他省令で定める事項を記載した書面をもって、文化庁長官に国に対する売渡しの申出をすることになっている。国が文化財保護の観点から国で買取り保存を図る必要があると認めた場合、申出者に対し買い取る旨の通知をしなければならない(買い取らない場合は買い取らない旨の通知をする)。この場合、申請書に記載された予定対価の額に相当する代金で買わなければならない。実際に当該規定に基づいて買取を行った事例はほとんどない。

  また、文化財保護法第46条の規定によらず国に対し直接売渡しの申出がなされる場合がある。実際にはこの場合がほとんどである。

  この場合、文化庁内の調査官の調査を経て、「国宝・重要文化財等買取要領」(昭和46年4月1日文化庁長官裁定)に基づき、物件ごとに、学識経験者の中から5人以上の「買取協議員」を委嘱して当該文化財等の買取についての意見を聞き、また、物件ごとに、5人以上の「評価員」を委嘱して、その評価(価格)を決める。

  買取協議会及び評価会は、公正を期すため、買い取ろうとする物件について利害関係のない者を選び、また、当該物件の所有者名や売渡申込価格等に関する情報は明らかにしていない。

  文化庁長官は、所有者からの売渡申し出価格又は評価員による評価の結果を基礎として買取価格を決定する。通常は、申し出価格又は評価価格の低い方を買取価格として決める。重要文化財の買取の場合は、文化審議会への諮問・答申を行う。

  文化庁が買い取った文化財を公開するため、平成15年度から「新たな国民のたから」展を実施している。また、国立博物館等、公立博物館等にも無償貸出を行い、公開活用に努めている。

  なお、平成21年度以降、文化庁が買取った国宝・重要文化財等の概要及び写真を文化庁ホームページで公開する予定である。

国宝・重要文化財等買上手続の流れ

図 国宝・重要文化財等買上手続の流れ

4.指標と目標

指標

  • 国として買い取る必要のある国宝・重要文化財等の買取残件数
  • 国として買い取る必要のある国宝・重要文化財等の買取件数(指定区分別)

参考指標

  • なし

目標

  • 国宝・重要文化財等の散逸を防ぎ、適切に保存を図る。

効果の把握方法

  文化財保護法の諸手続による把握、古美術品輸出監査証明による把握など

事業の事前評価結果

A.19年度実績評価結果との関係

  適切な文化財の保存活用を図るため、国の買取予算を拡充して、文化財の国内外での散逸を防ぐことが重要である。

B.必要性の観点

1.事業の必要性

  近年の社会情勢、経済情勢による長引く不況等の理由から、所有者が国宝・重要文化財等を転売したり、複数の員数で構成されている1件の国宝・重要文化財等を分割して個別に手放すことによる国内外での散逸等が懸念されていることや、文化財が脆弱な材質でつくられているにも関わらず、所有者による適切な保存管理が行われていないため、劣化やき損を招く危険性が高い状況のものがある。
  このことから、国において保存管理の措置を講ずる必要がある文化財を緊急に買上げ、適切な保存管理の実施と併せて展覧会への公開活用にも資するものである。

2.行政・国の関与の必要性(官民、国と地方の役割分担等)

  地方公共団体では文化財の保存活用に係る予算が年々減少しており、買取が困難になってきている。また、国立博物館では独自の収集方針に基づいて文化財の買取を行っているため、国が行う事業とは性格が異なる。このようなことから、国が責任をもって国宝・重要文化財等を適切に保存管理する必要がある。

3.関連施策との関係

1.主な関連施策 施策目標12‐2

○個人所有者の国等への重要文化財等への譲渡所得課税の非課税措置
  個人がその有する文化財を国(独立行政法人国立文化財機構、独立行政法人国立美術館、独立行政法人国立科学博物館を含む。)又は地方公共団体に譲渡した場合の譲渡所得については、所得税が課税されないこととされている(租税特別措置法第40条の2第1項)。

○国有文化財保存修理(文化庁文化財部美術学芸課)
  国宝・重要文化財等買上げ事業により国有化された文化財のうち、損傷が著しく、特に緊急性のあるものについて順次修理を行っている。

○新たな国民のたから「‐文化庁購入文化財展‐」(文化庁文化財部美術学芸課)
  国民に文化財の鑑賞の機会を提供するため、文化庁が新たに購入した国宝・重要文化財等の公開・活用を図っている。

2.関連施策との関係

  国宝・重要文化財等買上げ事業において国が買い取った文化財のうち、損傷が著しく緊急性の高いものについては、国有文化財保存修理事業において適切に保存管理を図るとともに、国民の鑑賞機会の充実を図るため「新たな国民のたから(‐文化庁購入文化財展‐)」を開催するなど積極的に公開・活用を図っている。
  また、個人が国等に対して重要文化財等を譲渡した場合の譲渡所得課税については、非課税措置がとられており、買上げ事業を補完するものとして機能している。

4.関係する施政方針演説、審議会の答申等

○「文化芸術の振興に関する基本的な方針(第2次基本方針)」(平成19年2月9日閣議決定)

  6)文化財の保存及び活用の充実
  文化財は,長い歴史の中で生まれ,はぐくまれ,今日まで守り伝えられてきた国民の貴重な財産であり,我が国の歴史,伝統,文化等の理解のために欠くことができないものであると同時に,社会の発展の基礎を成すものである。近年の急激な社会構造の変化の中で,実効性のある保存及び活用の充実を図っていくことが重要である。
  このため,国や地方公共団体による文化財の保存及び活用の充実とともに地域社会が文化財を国民共通の財産として親しみ,守っていく機運の醸成が必要である。

C.有効性の観点

1.目標の達成見込み

  適切な買取を行い、文化財の保存活用に努め、貴重な文化財の散逸防止に努める。

2.上位目標のために必要な効果が得られるか

  適切な買取を行うことで、貴重な文化財の散逸防止に繋がるものと考える。

D.効率性の観点

1.インプット

  本事業の予算規模は2,766百万円(国宝重要文化財等買上費)である。

2.アウトプット

  国において買い上げた上で保存管理を行う必要がある候補物件は、現在、44件あり総額はおよそ90億円にのぼる。貴重な国民的財産である国宝・重要文化財等を確実に次世代に継承するために、購入に要する経費を増額し早急に買上を行う。44件を過去の購入実績から計算すると、約27億円となる。

3.事業スキームの効率性

  本事業の予算規模に対して、散逸のおそれのある文化財を比較し、過去の適正な購入実績から検討する本事業のインプットとアウトプットの関係は適切である。

4.代替手段との比較

  国以外では、地方公共団体等があるが、年々予算規模が減少しており、国以外で買取による十分な効果は期待できない。

E.公平性の観点

  国が購入することで公平性が担保される。

F.優先性の観点

  文化財所有者の破産に伴う財産処分などが原因で、緊急に買い取ることが必要な文化財が多くなってきており、本事業は優先すべき政策と考える。

G.総括評価と反映方針

  散逸等のおそれのある貴重な文化財の保存活用を図るため、21年度概算要求に反映する。

指摘事項と対応方針

指摘事項

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

  評価結果は妥当。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --