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79.Web社会分析基盤ソフトウェアの研究開発(新規)【達成目標10-2-2】

※ 情報基盤戦略活用プログラムの中で実施

平成21年度要求額:1,040百万円の内数
  (平成20年度予算額:‐百万円)
  事業開始年度:平成21年度
  事業達成年度:平成24年度
 中間評価実施年度:平成23年度

主管課(課長名)

  • 研究振興局情報課(舟橋 徹)

関係課(課長名)

事業の概要等

1.事業目的

  膨大なWeb情報を、大学や研究機関等における社会学、言語学等の社会研究や、企業におけるマーケティングを始めとする様々なビジネス戦略に活用するために必要なWeb情報の分析技術及びクローリング技術の研究開発を行う。

2.事業に至る経緯・今までの実績

  ユネスコ第32回総会(2003年)において「デジタル遺産の保存に関する憲章(Charter on the Preservation of the Digital Heritage)」が採択された。「憲章」は、インターネット情報を含め、現代社会において重要な電子情報の保存が保証されていない状況にかんがみ、各国政府において、問題意識の喚起と保存のための取組が必要であることを宣言している。
  また近年、我が国において、ブログやソーシャルネットワークサービス(SNS)の利用者が急増するとともに、ブロードバンドの普及に伴い動画投稿サイト(Youtubeやニコニコ動画等)の利用が劇的な伸びを見せるなど、CGM(Consumer Generated Media)と呼ばれる個人発の情報発信の発達が著しい。CGMには膨大な人々の知識、経験、評価、意識が反映されていることから、Web情報のアーカイブ基盤の構築と先進的な解析技術の研究開発を行うことにより、社会問題の原因追跡、製品に対する反響の効率的な分析や、意識調査など、多様な価値の創出につなげられると期待される。
  これまでに文部科学省では、e-Society基盤ソフトウェアの総合開発(平成15年度~平成19年度)において、テキスト情報を対象としたウェブアーカイブ基盤、サイバーコミュニティ抽出技術、ウェブテキスト解析技術等の技術を開発してきた。その成果を利用することにより、より効率的な研究開発が可能である。

3.事業概要

  情報量の増大と提供形態の多様化が急速に進むWeb情報を基に、大学や研究機関等における科学技術・学術研究の基盤及び企業におけるマーケティング等の経済活動の基盤等となるアーカイブ基盤を実現するため、本事業では、「e-Society基盤ソフトウェアの総合開発(平成15~19年度)」で開発したWeb情報の収集・分析技術の対象であったテキスト情報だけでなく、近年劇的な伸びを見せている画像・映像コンテンツも対象として効率よくWeb上の情報の収集を行うためのクローリング技術と、蓄積したWeb情報をより柔軟かつ高精度に分析するための技術の研究開発を行うとともに、必要なWeb情報の収集も併せて実施する。
  また、本事業の成果と併せて「革新的実行原理に基づく超高性能データベース基盤ソフトウェアの開発」の成果である超高性能データベース基盤ソフトウェアを活用することにより、Web情報の分析に用いるデータベースの高速化・高性能化が図られ、より大きな効果が得られるものと期待される。
  なお、これらの技術の研究開発に当たっては、より実用的な技術としていくため、研究開発の段階からWeb情報アーカイブ基盤の構築に前向きな企業や研究機関等による運営委員会を設置し、それら企業等のニーズを技術の研究開発に反映させるとともに、将来のアーカイブ基盤の構築や運用等の方向性についての検討を行う。
  これにより形成されるWeb情報のアーカイブ基盤については、今後の社会研究等の学術基盤や経済活動の基盤として重要なものとなる。

 本施策の体制図 

図:本施策の体制図

表:年次計画

年次計画

4.指標と目標

目標

  Web情報の分析技術及びWeb情報のクローリング技術の開発を計画通り実現する

指標

  社会学、言語学、経営学、マーケティング等の分野に対し実利用可能なソフトウェアの本数

事業の事前評価結果

A.19年度実績評価結果との関係

  平成19年度で終了した「e-Society基盤ソフトウェアの総合開発」については、全研究開発課題において、当初目標は達成しており、成果を上げた。
  なお、「e-Society基盤ソフトウェアの総合開発」で実施した課題のうち、引き続き研究開発すべき事業については、施策として進めていくべきであるとしている。

B.必要性の観点

1.事業の必要性

  実世界の様々な事象が網羅的かつ即時的にWeb上の情報として反映され、貴重な文化資産として形成されつつあることから、それらのWeb情報の収集・分析による高度利用は学術、文化及び社会活動等において非常に有益である。これまで文部科学省ではテキスト情報を対象とした収集・分析技術の研究開発を実施したが、近年CGMや画像、動画等の情報が急増していることから、それらも対象とする技術が早急に求められる。
  本事業によりそれを実現し、大学や研究機関等における社会学や言語学等の研究に活用することで、社会科学分野の学術的発展に大きく寄与すると期待される。また、広く一般の意見が反映されるCGM等のWeb情報の分析を企業におけるマーケティング分析等に活用することで、産業面でも新たな機会の創出が期待できる。これらの効果をいち早く我が国が享受できるようにするために、諸外国に先駆けて本事業を実施すべきである。

2.行政・国の関与の必要性(官民、国と地方の役割分担等)

  本事業は大学や研究機関等における社会学や言語学等の社会科学分野を始めとした幅広い分野の研究に活用可能なWeb情報の分析技術を開発するものである。民間ではそのような学術研究の基盤となる技術の開発は期待できないことから、国として実施する必要がある。なおマーケティング等、Web情報の収集・分析技術は経済活動における活用も期待されることから、そのための機能の開発については研究開発体制に参画する民間企業等が応分の費用負担を行うものとする。

3.関連施策との関係

1.主な関連施策

  ○e-Society基盤ソフトウェアの総合開発「先進的なWeb解析技術」(文部科学省)
  変化し続けるWeb空間の情報を基に、社会知の高効率な利用を可能とするWebアーカイブの構築技術を行うとともに、Web情報の分析技術(サイバーコミュニティの抽出技術及びテキスト情報の解析による社会意識等の分析技術)の開発を民間企業と共同で実施。
  (事業開始年度:平成15年度、事業終了年度:平成19年度)

  ○革新的実行原理に基づく超高性能データベース基盤ソフトウェアの開発(文部科学省)
  国民の安心・安全を支える社会基盤の確保や、多様な新規産業の創出などを可能とするために重要な超巨大データの戦略的活用を実現するために不可欠である、超高性能データベースの基盤ソフトウェアを開発する。
  (事業開始年度:平成19年度)

2.関連施策との関係(役割分担・連携状況)

  本事業は「e-Society基盤ソフトウェアの総合開発」における「先進的なWeb解析技術」の開発の成果である、インターネット情報のクローリング技術、及び分析技術(サイバーコミュニティの抽出技術及びテキスト情報の解析による社会意識等の分析技術)を利用することにより、より効率的な研究開発ができるものと考えている。
  また、本事業の成果に併せて、平成19年度より実施している「革新的実行原理に基づく超高性能データベース基盤ソフトウェアの開発」の成果である超高性能データベース基盤ソフトウェアを活用すると、Web情報の分析に用いるデータベースの高速化・高性能化が図られることから、より効果的になるものと考えている。

4.関係する施政方針演説、審議会の答申等

・「知的財産推進計画2008」(平成20年6月18日知的財産戦略本部決定)

  記載事項(抜粋)

  第1章 知的財産の創造

  1.基礎研究分野の創造力を強化する

  (2)内外リソースの積極活用のための環境を整備する

  1.研究開発における情報利用の円滑化に係る法的課題を解決する

  ネット等を活用して膨大な情報を収集・解析することにより高度情報化社会の基盤的技術となる画像・音声・言語・ウェブ解析技術等の研究開発が促進されること等を踏まえ、これらの科学技術によるイノベーションの創出に関連する範囲での著作物の複製や翻訳等を行うことができるよう2008年度中に法的措置を講ずる。

  第4章 コンテンツをいかした文化創造国家づくり

  1.デジタル・ネット時代に対応したコンテンツ大国を実現する

  1.デジタル・ネット環境をいかした新しいビジネスへの挑戦を促進する

  (2)新しいビジネス展開に関わる法的課題を解決する

  2.ネット検索サービス等に係る法的問題を解決する
  次世代をリードする情報の検索・解析・信憑性検証技術の開発・国際標準化による先進的な事業の出現を促進するとともに、ネット検索サービスが円滑に展開されるよう2008年度中に法的措置を講ずる。

  4.研究開発における情報利用の円滑化に係る法的課題を解決する(再掲)

・「デジタル・アーカイブの推進に向けた申入れ」(平成20年3月12日自由民主党 政務調査会デジタル・アーカイブ小委員会公表)

  記載事項(抜粋)

  二 提言項目

  (四)国家戦略としての取り組み強化

  ●世界最先端のデジタル・アーカイブ技術への対応

  • 国は、世界最先端のウェブ・アーカイブ技術がわが国において開発されるよう、インターネット上の情報の収集・保存・分類・整理・検索等に関する大学、研究機関の技術開発プロジェクトを促進すること。また、収集したインターネット情報の社会人文学研究等への応用手法の開発プロジェクトを促進すること。

C.有効性の観点

1.目標の達成見込み

  本事業の目標であるWeb情報の分析ソフトウェア及びクローリングソフトウェアの開発を実施するにあたり、テキスト情報に限定しているとはいえ、平成19年度まで実施していた「e-Society基盤ソフトウェア」において、Web上の話題の変遷を追跡可能なWeb構造時系列解析技術や、更新頻度に応じた可変周期大規模Web情報収集技術を開発した実績を有している機関もあることから、本事業の目的達成の可能性は高い。

2.上位目標のために必要な効果が得られるか

  (達成目標10‐2‐2:情報科学技術を用いて科学技術・学術研究の基盤を構築する。)

  本事業を実施し、膨大なWeb情報を分析するためのソフトウェア及び効率よく収集するためのソフトウェアを開発し、大学や研究機関等における研究に活用することで、幅広い分野の科学技術・学術研究の基盤構築に資する。

D.効率性の観点

1.インプット

  本事業の予算規模は1,040百万円の内数である。

  (内訳)

  • 諸謝金 160千円の内数
  • 職員旅費 470千円の内数
  • 委員等旅費 341千円の内数
  • 庁費 255千円の内数
  • 科学技術試験研究委託費 1,038,744千円の内数

2.アウトプット

  本事業においては、膨大なWeb情報を分析するためのソフトウェア及び効率よくクローリングするためのソフトウェアが開発される。そのソフトウェアを多くの企業や研究者に利用してもらい、利用した感想や改善点をフィードバックすることにより、事業終了年度までには実利用可能なソフトウェアを開発する。

3.事業スキームの効率性

  本事業を実施するにあたり、研究開発段階から、Web情報アーカイブ基盤の構築に前向きな研究機関等による運営委員会を設置し、1技術の研究開発に反映させるべき各研究開発機関のニーズや、2将来のアーカイブ基盤の構築や運用等の方向性について検討し、研究開発に反映する。
  このような体制の下、本事業を推進することにより、ソフトウェアの開発を効率的に行うとともに、多様な分野への利活用が可能となり事業の効果をより広く及ぼすことで効率性が高まることが期待される。

4.代替手段との比較

  本事業の実施にあたっては、関連する複数の機関において、どのような技術シーズが育ちつつあるかを見極め、それらシーズを最大限活用することにより、効率的・効果的な計画の実施を図る。
  また、本事業は大学や研究機関等における社会学や言語学等の社会科学分野を始めとした幅広い分野の研究に活用可能なWeb情報の分析技術を開発するものである。民間ではそのような学術研究の基盤と技術の開発は期待できないことから、国として実施する必要がある。

E.公平性の観点

  本事業は、公募を行い提案について専門家による審査を経て研究開発体制を決定する予定であり、公平性は担保できると判断する。

F.優先性の観点

  「知的財産推進計画2008(平成20年6月18日知的財産戦略本部決定)」において、次世代をリードする情報の検索・解析・信憑性検証技術の開発・国際標準化による先進的な事業の出現を促進するとともに、ネット検索サービスが円滑に展開されるよう2008年度中に法的措置を講ずるとされており、また、イノベーションの創出に関連する研究開発については、権利者の利益を不当に害さない場合において、必要な範囲での著作物の複製や翻訳等を行うことができるよう2008年度中に法的措置を講ずるとされている。これら法的措置が講ぜられることにより我が国においてWeb情報の活用の機会が増大することから、大学や研究機関等が社会学や言語学等の社会研究の分野やビジネスの分野において活用可能な分析技術を早期に実現する必要がある。
  また、本事業で開発するWeb情報の分析技術は海外では実現されておらず、海外に先駆け分析技術を開発し、新たな産業創出の機会を提供することは国際競争力の強化・維持につなげるために重要であり、本事業を早急に実施すべきである。

G.総括評価と反映方針

  以上をもって判断をした結果、本事業は来年度以降実施すべきである。

指摘事項と対応方針

指摘事項

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

  評価結果は妥当。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --