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55.社会人力育成のための学生支援プログラム(拡充)【達成目標4-1-1】

平成21年度要求額:3,541百万円
  (平成20年度予算額:1,620百万円)
  事業開始年度:平成19年度
  事業達成年度:平成24年度

主管課(課長名)

  • 高等教育局学生支援課(下間 康行)

関係課(課長名)

  • 高等教育局大学振興課(義本 博司)

事業の概要等

1.事業目的

  学生にコミュニケーション能力、自己管理力、チームワークなどを身に付けさせるような各大学・短期大学・高等専門学校(以下「大学等」という。)における取組を支援することで、学生の社会人力育成を図る。

2.事業に至る経緯・今までの実績

  近年の進学率の上昇、国際化の進展(外国からの留学生の増加)、教育内容の多様化や高度化等の学生を取り巻く環境の大きな変化、資質・能力・知識の異なる多様な学生の増加、少子化、ニート・フリーターなどの様々な社会的課題、社会構造の変化による複雑な人間関係などから、大学等における学生支援においても、従来の取組に比してより一層の工夫・充実が求められており、このような中で、学生の人間力を高め人間性豊かな社会人を育成するため、大学等における学生支援機能の充実を図るべく、平成19年度に「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」を創設し、平成19年度においては、各大学等から272件の申請があり70件を選定、平成20年度においては、230件の申請があり23件を選定したところである。
  加えて、いわゆる大学全入時代における資質・能力の異なる多様な学生に対し、学生が身につけるべき社会人としての基盤となる資質・能力を各大学で養うことは極めて重要な課題となっていることから、平成21年度においては、各大学等における学生支援機能の充実に資する取組の更なる充実を図る。

3.事業概要

  平成21年度においては、1.教職員の意識改革と活用に関する取組(教員に対する研修の実施、事務職員の専門性の強化など)、2.学生を活用した取組(学生の資質を高めることを目的にした学生生活全般における指導・相談、学内における業務への学生の活用など)、3.学生相談に関する取組(授業から遠ざかっている学生に対し積極的に指導する取組、学生の学籍管理、生活指導に関する取組、学生相談機関と学内外の諸機関との連携強化など)、4.就職指導に関する取組(低学年から職場体験をさせて学習の動機付けを強化する取組、キャリア形成支援など)、5.正課外の活動に関する取組(学生の人間的成長を促すための課外活動に関する取組、優秀な学生に対する表彰制度や報奨制度に関する取組など)についての取組を支援する。(大学に対しては4年以内、短期大学・高等専門学校に対しては2年以内の期間で財政支援を行う。)
 事業概念図

4.指標と目標

指標

  • 学生の社会人力育成を図る取組の展開状況

参考指標

  • 目的意識の明確化によるニート・フリーター化の防止、不本意な休学の減少、心の問題を抱えている学生の減少など。

目標

  • 競争的環境の下、大学等で学生が身につけるべき社会人としての基盤となる資質・能力(コミュニケーション能力、自己管理力、チームワークなど)を身に付けさせるための取組が展開され、学生の社会人力育成が図られることを目標とする。

効果の把握方法

  • 選定を行った取組を対象に、取組の財政支援期間終了後に状況調査を行い、各取組の進捗状況や得られた成果(例えば、教員へのアンケートによる学生の社会性についての能力評価など。)を把握する。あわせて各種調査の結果等も勘案して、本事業の効果を把握する。

事業の事前評価結果

A.19年度実績評価結果との関係

  達成目標4‐1‐1「今後の課題及び政策への反映方針」において、「更なる充実に向けた検討を行い、今後も引き続き事業を実施する。また、教育の質を高めるための取組について、各大学に自主的な取組を促すとともに、大学教育の新たな展開に対応する各大学の取組を引き続き支援する」とされており、本事業の継続・拡充は必要である。
  平成19年度から、「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」を実施しているところであるが、中央教育審議会において、「学士力」等の「学習成果」は、課外活動を含めて培うものとされていることから、平成21年度においては実施すべき内容を厳選し、教育課程外の支援の質の向上に努め、かつ、達成目標を明確にした効果的な優れた取組を支援することとし、名称を変更した。

B.必要性の観点

1.事業の必要性

  少子化による人口減少を迎える日本が持続的発展を続けるためには、大学が学士課程教育を通じ教養を備えた専門的な人材を育成することも大切であるが、それ以上に、いわゆる大学全入時代において、資質・能力の異なる多様な学生が増加しており、大学で学生が身につけるべき社会人としての基盤となる資質・能力を各大学で養うことは極めて重要な課題となっている。このため、各大学等における学生支援機能充実に資するようなプログラムを重点的に支援するとともに、これらの取組の情報を社会に提供することで、我が国の高等教育全体の更なる活性化を図る必要がある。

2.行政・国の関与の必要性(官民、国と地方の役割分担等)

  これまで学生支援に重点的に取り組んできた大学は数少なく、ノウハウの蓄積が不十分である上に、各大学が行うべき学生支援の内容は多岐にわたっているため、個々の大学の取組に任せてしまうと学生支援が円滑に推進できないおそれがあることから、国を中心とする学生支援業務を推進する体制作りが必要不可欠である。

3.関連施策との関係

1 主な関連施策 達成目標4‐1‐1

  ○学士力確保と教育力向上プログラム(高等教育局大学振興課)
  (平成21年度要求額9,551百万円、事業開始年度:平成21年度、事業達成年度:平成25年度)
  「質の高い大学教育推進プログラム」を見直し再編し、中央教育審議会で指摘された学士力の確保や教育力向上のための各大学の取組を促し、達成目標を明確にした効果的な優れた実践を支援する。

2 関連施策との関係

  本事業と同様に、大学・短期大学・高等専門学校を対象とした事業として、「学士力確保と教育力向上プログラム」を実施することとしている。両者の対象は、正課と正課外で主とするものが異なるものの、大学の個性・特色を活かした教育改革の取組を一層促進し、人材育成機能の強化を図るという共有の目標達成に寄与するものである。

4.関係する施政方針演説、審議会の答申等

学士課程教育の構築に向けて(審議のまとめ)(平成20年3月25日 中央教育審議会大学分科会制度・教育部会)

  第2章 改革の基本方向 ‐競争と協同、多様性と標準性の調和を‐

  (1)大学の取組‐社会からの信頼に応え、国際通用性を備えた学士課程教育の構築を‐

  1 幅広い学び等を保証し、「21世紀型市民」に相応しい「学習成果」の達成を
  (略)学士課程教育の在り方の基本的な要件として、国際的にもほぼ共有されているものは、学びの幅広さや深さである。「21世紀型市民」に相応しい資質・能力を育成する上で、いかにしてこれを保証していくべきか、各分野の特質や当該大学の個性や特色を踏まえつつ、各大学がそれぞれに解を見出していかなければならない。その際、幅広い学び等は、一般教育や共通教育、専門教育といった科目区分の如何によらず、学生の自主的活動や学生支援活動をも含め、それらを統合する理念として、学士課程の教育活動全体を通じて追求されるべきものである。

  (2)国による支援・取組‐大学の自主性・自律性を尊重した多角的支援の飛躍的充実を‐

  2 学士課程教育の優れた実践に対する重点的な財政支援の拡充を
   競争的な環境の中で、国公私立大学の優れた教育の取組を重点的に支援するとともに、その成果を広く情報提供することにより、我が国全体としての大学改革を推進していくことを目的とするGP事業は、大学の多様な機能や社会のニーズ等に対応して、年々そのメニューを増やし、支援額も拡充してきている。(略)学士課程教育に対する社会からの期待はますます高度化、多様化しており、教育課程外の支援を含めて、その質の向上に努める大学に対する支援を、今後、より一層拡充することにより、大学教育改革の取組をさらに加速させていく必要がある。

  第3章 改革の具体的な方策

  第2節 教育内容・方法等

  (1)教育課程の編成・実施

  (教育課程の体系性)
  (略)各大学は、個性・特色ある方針に基づいて、基礎教育や共通教育、専門基礎教育、専門教育などの適切な区分を設けて、教育課程を編成・実施することが期待されている。「学士力」等の「学習成果」は、これら特定の区分の科目のみではなく、課外活動を含め、あらゆる教育活動の中で、修業年限全体を通じて達成し、培うものとして考えていく必要がある。

教育振興基本計画(平成20年7月1日 閣議決定)

  第3章 今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策

  (3)基本的方向ごとの施策

  基本的方向3 教養と専門性を備えた知性豊かな人間を養成し、社会の発展を支える

  1 社会の信頼に応える学士課程教育等を実現する

  【施策】

  ◇社会からの信頼に応え、求められる学習成果を確実に達成する学士課程教育等の質の向上
  学士課程で身に付ける学習成果(「学士力」)の達成等を目指し、(略)各大学等における教育改善の取組を推進するため、教員の教育力向上のための拠点形成とネットワーク化を推進するなど、個別の大学等の枠を超えた質保証の体制や基盤の強化を支援する。

  ◇共通に身に付ける学習成果の明確化と分野別教育の質の向上
  学生が教育分野にかかわらず共通に身に付ける学習成果について、国際的通用性の確保にも留意しつつ、明確化に取り組むとともに、分野別の教育の質の向上・保証を行うため、学習成果や到達目標の設定などの取組を促す。

  5 大学教育の質の向上・保証を推進する

  【施策】

  ◇共通に身に付ける学習成果の明確化と分野別教育の質の向上(再掲)

C.有効性の観点

1.目標の達成見込み

  平成19年度から実施の「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」については、事業を完了した例が存在せず、具体的な数字等に表すことはできない。
  しかし、学生が置かれている現状は、下に示すような状況にあり、目的意識の明確化によるニート・フリーター化の防止、不本意な休学の減少、心の問題を抱えている学生の減少などに向け、本事業を国公私立を通じた競争的な環境の下で展開することで、より効果的に改善されていくものと考えられる。

  • 休学者数 平成14年度 22,244人 → 平成19年度 23,061人(1.04倍)
  • 自殺者数(大学生) 平成14年度 327人 → 平成19年度 461人(1.41倍)
  • 早期離職の割合 平成11年3月卒 34.3パーセント → 平成16年3月卒 36.6パーセント

2.上位目標のために必要な効果が得られるか

  本事業の実施により、学生が身に付けるべき社会人としての基盤となる資質・能力を養うための各大学の優れた取組が展開される。選定された取組については、他大学等の大学改革の促進に資するとともに、広く社会に情報提供を行うことを義務づけており、取組の成果及び効果を他大学等に波及させ、大学全体の活性化を図ることが期待される。
  したがって、本事業の実施は、達成目標4‐1‐1にある「大学における教育内容・方法等の改善・充実を図り、各大学の個性・特色を踏まえた人材の育成機能を強化する」ことに結びつくものと考えられる。

D.効率性の観点

1.インプット

  本事業の予算規模は3,541百万円である。

  (内訳)

  • 21年度新規選定取組に対する支援 2,125百万円
  • 過年度選定取組に対する継続支援 1,326百万円
  • 審査等経費 90百万円

2.アウトプット

  本事業においては、平成19年度に70件、20年度に23件、21年度に125件程度の優れた取組を選定し財政支援を行うとともに、Webサイトでの公開、各地域での意見交換会等により、優れた取組の内容や成果を広く社会へ情報提供することとしている。

3.事業スキームの効率性

  本事業の予算規模(3,541百万円)に対して、アウトプットとして国公私立を通じて選定し、財政支援を行うことにより、競争的環境の醸成や資源配分の効率化が図られるとともに、選定大学における教育力の向上はもとより、高等教育全体の活性化を促進することができることを見込むと、本事業のインプットとアウトプットの関係は効果的と判断する。

4.代替手段との比較

  大学に対する支援については、個性・特色の明確化を図ろうとする各機関に適切な支援が行えるよう、基盤的経費助成と競争的資金配分を有効に組み合わせることにより、きめ細やかなファンディング・システムを構築する必要がある。
  本事業は、国公私立を通じた競争原理に基づき大学教育の質の向上に向けた優れた取組を支援することで、大学間の競争的な環境を醸成し、質の高い大学教育が推進されることが期待できる。
  本事業を個々の大学の取組に任せて実施することとした場合、これまで学生支援に重点的に取り組んできた大学は数少なく、ノウハウの蓄積が不十分である上に、各大学が行うべき学生支援の内容は多岐にわたっているため、学生支援が円滑に推進できない。

E.公平性の観点

  本事業は、国公私立の設置形態にかかわらず、また、大学、短期大学、高等専門学校のすべての高等教育機関を対象とするものであり、公平性は担保できる。また、事業の選定に当たっては、有識者等で構成される委員会において、公正に審査及び評価を実施するとともに、文部科学省以外の第三者機関に実施を委託しており、より公平性が高められているものと考える。

F.優先性の観点

  教育課程外の支援を含めて、学士課程の質の向上に努める大学に対する支援を今後、より一層拡充することにより、大学教育改革の取組をさらに加速させていくことについては、中央教育審議会の審議のまとめ等においても指摘されており、国が優先的かつ重点的に実施すべき施策である。

G.総括評価と反映方針

  21年度概算要求に反映する。

指摘事項と対応方針

指摘事項

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

  評価結果は妥当。ただし、政策効果を測るより妥当な指標を検討する。

指摘に対する対応方針

  指摘を踏まえて、本事業で選定を行った取組を対象に、取組の財政支援期間終了後に状況調査を行い、学生の社会性の向上を図る取組の展開状況を把握することとしており、対応済み。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --