ここからサイトの主なメニューです

50.学士力確保と教育力向上プログラム(拡充)【達成目標4-1-1】

平成21年度要求額:9,551百万円
  (平成20年度予算額:8,582百万円)
  事業開始年度:平成21年度
  事業達成年度:平成25年度

主管課(課長名)

  • 高等教育局大学振興課(義本 博司)

関係課(課長名)

事業の概要等

1.事業目的

  中央教育審議会の「学士課程教育の構築に向けて」の審議で指摘された学士力の確保や教育力向上のための各大学等の実践を促し、達成目標を明確にした効果的な優れた取組を選定し、広く社会に情報提供するとともに、重点的な財政支援を行うことにより、我が国全体としての高等教育の質保証、国際競争力の強化に資する。

2.事業に至る経緯・今までの実績

  大学教育改革を一層推進し、知識基盤社会を担う、優れた人材を養成するためには、国公私立大学を通じた競争原理に基づいて、特色ある優れた教育の取組を支援していくことが極めて重要である。
  また、中央教育審議会大学分科会においては「学士課程教育」の構築に向けた改革方策について審議され、その中では教育研究目的の明確化や教育方法、高大連携、教職員の職能開発など、教育の質の向上に向けた不断の教育改革が必要不可欠であり、これらに対するきめの細かい支援が必要であると指摘されている。
  平成15年度に「特色ある大学教育支援プログラム」を、16年度に「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」を開始し、国公私立を通じた競争的環境の下で大学の個性化・特色化を推進し、各大学の優れた取組を広く共有するとともに、我が国の大学の教育改革に向けた意識改革を促進するなど一定の成果を挙げてきたところであるが、平成20年度からは、これまでの実績を踏まえ、上記の2事業を発展的に統合し、社会の信頼に応える大学教育の実現の観点から、特に「高等教育の質の向上」に向けた優れた取組に対する支援を、教育設備の整備も含めよりきめ細やかに行うことにより、更なる大学教育改革の推進を図るべく、「質の高い大学教育推進プログラム」を創設した。
  平成20年度においては、当該事業に対し各大学等から939件の申請があったところであり、各大学等における教育の質保証の取組を一層支援するためにも、21年度において事業の再編を図る。

3.事業概要

  大学、短期大学、高等専門学校において、特に学士力の確保など主体的な教育の質保証に向けた優れた取組を支援する。
  公募の対象としては、新入生の補完教育、成績評価の厳格化、教職員の職能開発など教育の質保証のための取組を対象とする。
  選定にあたっては、有識者・専門家等で構成される選定委員会において公正に審査を行い、200件程度の取組を選定する予定である。選定された取組については、広く社会に情報提供を行うとともに、2年から3年の期間で財政支援を行う。

事業概念図

4.指標と目標

指標

  • 教育の質保証に向けた優れた取組の展開状況
  • FD(ファカルティ・ディベロップメント)やGPA(厳格な成績評価)等の大学改革の取組を進める大学数

目標

  競争的環境の下、高等教育の活性化に向けた各大学の優れた取組が展開され、教育力の向上が図られることを目標とする。

効果の把握手法

  選定された取組はそれぞれ達成目標を定め、各取組の目標の達成状況を把握する。また、取組の財政支援期間終了後に状況調査を行い、各取組の進捗状況や得られた成果を把握する。あわせて各種調査の結果等も勘案して、本事業の効果を把握する。

事業の事前評価結果

A.19年度実績評価結果との関係

  達成目標4‐1‐1「今後の課題及び政策への反映方針」において、「大学教育改革の進捗状況を踏まえつつ、一層の社会的ニーズを踏まえるなど必要な見直しを行い、引き続き、継続的に事業を実施することが重要である」、「様々な機会を捉えて、各大学の自主的な取組を促すとともに、大学教育の新たな展開に対応する各大学の取組を支援」、「平成20年度以降も、FD(ファカルティ・ディベロップメント)やGPA(厳格な成績評価)をはじめとする大学において教育の質を高めるための取組の導入の促進を図りつつ、大学教育の新たな展開も視野に入れた高等教育行政施策を行うこと」、「平成21年度概算要求においては、各種事業の内容等を見直しつつ、引き続き関連予算の充実に努める」とされており、本事業の実施は不可欠である。

B.必要性の観点

1.事業の必要性

  これまでの「特色ある大学教育支援プログラム」及び「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」により、国公私立を通じた競争的環境の下で大学の個性化・特色化を推進するとともに、各大学の優れた取組を広く共有することで、我が国の大学教育改革に向けた意識改革を促進してきたところである。
  大学等が、知識基盤社会を担う優れた人材を養成し、高度化・多様化する社会からの期待に応えていけるよう、各大学等が教育の質の向上に向けた取組を推進し、人材育成機能の強化を図る必要がある。また、社会の信頼に応える高等教育の実現のために、大学設置基準等を改正し、人材養成目的の明確化やFDの実施等について新たに規定したところであり、各大学等において積極的に対応する必要がある。そこで、各大学等が行う教育の質の向上に向けた様々な優れた取組を積極的に支援するとともに、これらの取組の情報を社会に提供することで、我が国の高等教育全体の更なる活性化を図る必要がある。

2.行政・国の関与の必要性(官民、国と地方の役割分担等)

  各大学においては、特色・個性化が求められる一方で、大学教育の実質化や質の向上を早急に図ることが重要とされており、それらの先導的な取組に対して大学を所轄する国として積極的に支援していくことにより、競争的な環境を醸成し、各大学等が切磋琢磨する中で、個性・特色を生かした教育研究の実質的な展開を促進させることが必要不可欠である。
  仮に、本事業を地方自治体の事業として実施することとした場合、地方自治体の財政状況や取組姿勢によって地域格差が生じるおそれがある。

3.関連施策との関係

1.主な関連施策 達成目標4‐1‐1

  ○社会人力育成のための学生支援プログラム(高等教育局学生支援課)
   大学が、学生に自立した市民として生活できる能力を身に付けさせて社会の構成員として育んでいくことができるよう、学生にコミュニケーション能力や自己管理力などの能力を身に付けさせるような各大学の取組を支援する。(平成21年度要求額3,541百万円、事業開始年度:平成19年度、事業達成年度:平成24年度)

2.関連施策との関係

  本事業と同様に大学、短期大学、高等専門学校を対象とした事業として、「社会人力育成のための学生支援プログラム」を実施しているが、両者は支援の対象となる取組が異なるものの、大学の個性・特色を活かした教育改革の取組を一層促進し、人材育成機能の強化を図るという共通の目標達成に寄与するものである。

4.関係する施政方針演説、審議会の答申等

社会総がかりで教育再生を‐第二次報告‐(平成19年6月1日 教育再生会議)

  3.地域、世界に貢献する大学・大学院の再生

  <今すぐ取り組むべき5つの改革>

  提言1 大学教育の質の保証

  ■教育の質の保証

  • 国は、大学が行う次のような教育の質の保証のための取組を強力に支援する。
    • 卒業認定を厳格にするGPA(grade point average)制度の導入など、単位・進級・卒業認定厳格化の取組の強化
    • 社会や経済の動向を踏まえたカリキュラム改革や、学生の認知と学習スタイルの多様性に応じた教育の実施
    • 最新の研究成果を踏まえた教科書・教材や、多様なメディアを活用した自学自習用教材の開発、公開
    • 関係団体や大学が行うコア・カリキュラムや標準教材の開発
    • 大学間の連携により他大学の優れた講義を学生が受講できるようにする等多様で柔軟な履修形態
    • 外部評価の推進(多元的評価の推進、評価体制・手法の確立、情報公開の徹底)
    • 専攻分野以外の分野の授業科目を体系的に履修させるダブルメジャーの推進
    • ボランティア活動体験の大学教育への導入
社会総がかりで教育再生を‐第三次報告‐(平成19年12月25日 教育再生会議)

  3.大学・大学院の抜本的な改革‐世界トップレベルの大学・大学院を作る‐

  (1)大学・大学院教育の充実と、成績評価の厳格化により、卒業者の質を担保する

  学部教育については、専攻分野に拘わらず、教養教育を重視する。社会人として求められる汎用的な基礎能力の修得を図るため、学生参加型授業や課題解決型授業などを推進する。
  このため、国は、GP等を活用して各大学が切磋琢磨する環境作りを行う。また、効果的な教育プログラムの分析や、汎用的な基礎能力の到達度を測る仕組みの構築を促す。

経済財政改革の基本方針2007(平成19年6月19日 閣議決定)

  第1章 成長力の強化

  1.成長力加速プログラム

  3 成長可能性拡大戦略‐イノベーション等

  【具体的手段】

  (2)大学・大学院改革

  以下の改革を含め、「教育再生会議第二次報告」に基づき、重点的に取り組む。

  1.教育の質の保証

  • 大学(大学院を含む。以下同じ)が行う卒業認定厳格化、外務評価の推進、ボランティア活動体験の導入などカリキュラム改革等を強力に支援するための措置を平成20年度から講ずる。
学士課程教育の構築に向けて(審議のまとめ)(平成20年3月25日 中央教育審議会大学分科会制度・教育部会)

  第2章 改革の基本方向

  (2)国による支援・取組‐大学の自主性・自律性を尊重した多角的支援の飛躍的充実を‐

  2.学士課程教育の優れた実践に対する重点的な財政支援の拡充を
  …一方で、学士課程教育に対する社会からの期待はますます高度化、多様化しており、教育課程外の支援を含めて、その質の向上に努める大学に対する支援を、今後、より一層拡充することにより、大学教育改革の取組をさらに加速させていく必要がある。

  第3章 改革の具体的な方策

  第2節 教育内容・方法等

  (1)教育課程の編成・実施

  <改革の方策>

  • 個性や特色のある教育課程に関する優れた実践に対し、積極的に支援するとともに、そのための体制を整備する。

  (2)教育方法

  <改革の方策>

  • 各種の財政支援に当たって、単位制度の実質化に向けた取組など、質保証の在り方を勘案する。
  • 少人数指導の推進や情報通信技術(ICT)の活用などに必要な施設・設備の整備を含め、教育方法の改善に向けた優れた実践を支援する。

  (3)成績評価

  <改革の方策>

  • 徹底した「出口管理」、成績評価の厳格化について先導的に取り組んでいる大学に対して支援を行う。

  第3節 高等学校との接続

  (1)入学者選抜

  <改革の方策>

  • 明確な入学者受入れ方針の下、高等学校との接続や連携の面で、優れた教育実践を行っている大学に対して支援を行う。

  (2)初年次における教育上の配慮、高大連携

  <改革の方策>

  • 初年次教育や高大連携などに関する優れた実践に対して支援する。
  • 補習教育の充実のため、eラーニング型のシステム開発、大学間の連携による教材開発を支援する。

  第4節 教職員の職能開発

  <改革の方策>

  • FDの理論や実践の基盤となる関連学問分野の知見を生かしつつ、大学教員の養成やFDのプログラム、教材等の開発を支援する。
  • 優れたFD・SD活動等を行う大学に対して支援するとともに、それらの取組に関する情報提供を行う。
教育振興基本計画(平成20年7月1日 閣議決定)

  第3章 今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策

  (3)基本的方向ごとの施策

  基本的方向3 教養と専門性を備えた知性豊かな人間を養成し,社会の発展を支える

  1.社会の信頼に応える学士課程教育等を実現する

  【施策】

  ◇社会からの信頼に応え,求められる学習成果を確実に達成する学士課程教育等の質の向上
  学士課程で身に付ける学習成果(「学士力」)の達成等を目指し,各大学等において教育内容・方法の改善を進めるとともに,卒業認定も含めた厳格な成績評価システムを導入するよう支援する。さらに,教育環境の改善・充実を図り,すべての大学等において教員の教育力の向上のための取組が実質化されるよう,教員の教育業績の評価,学生による授業評価の結果を改善へ反映させる組織的取組等を促すとともに,優れた取組を行っている大学等を支援する。

  (4)特に重点的に取り組むべき事項

  ◎大学等の教育力の強化と質保証

  ○社会からの信頼に応え,求められる学習成果を確実に達成する学士課程教育等の実現
  学士課程で身に付ける学習成果(「学士力」)の達成等を目指し,各大学等において教育内容・方法の改善を進めるとともに,厳格な成績評価システムを導入するよう優れた取組を支援する。また,教員の教育力の向上のための実効ある取組を全大学等で展開していくよう優れた取組を支援する。

C.有効性の観点

1.目標の達成見込み

  本事業の実施により、各大学における大学教育改革の取組が一層積極的に行われると見込まれる。
  平成15年度からの「特色ある大学教育支援プログラム」、平成16年度からの「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」への申請数は毎年多く、また、学長や選定取組者を対象としたアンケート調査では約9割以上がこれらの事業が大学改革に役立っていると回答するなど、本事業の定着及び他大学を含めた社会への普及・啓蒙は一定程度達成したと考える。
  また、平成18年度において、教員の教育力の向上のための取組(ファカルティ・ディベロップメント)を行う大学は628校(前年度比53校)、厳格な成績評価(GPA)を行う大学は294校(前年度比46校)、学生による授業評価結果を授業改善に反映させる組織的取組を行う大学は377校(前年度比42校)と、それぞれ増加している。
  このように大学改革への意識の高まりが醸成されていることから、本事業を国公私立を通じた競争的な環境の下で展開することで、より効果的に大学改革が促進され、社会からの信頼に応え、求められる学習成果を確実に達成する学士課程教育の質の向上が図られるものと考える。

2.上位目標のために必要な効果が得られるか

  本事業の実施により、各大学において人材養成目的を踏まえた教育課程や教育方法の優れた取組が更に充実・展開される。また、選定された取組については、他大学等の教育改革の促進に資するとともに、広く社会に情報提供を行うことを義務づけており、取組の成果及び効果を他大学等に波及させ、大学全体の活性化を図ることが期待される。
  したがって、本事業の実施は達成目標4‐1‐1にある、大学における教育内容・方法等の改善・充実や各大学の個性・特色を踏まえた人材の育成機能の強化に結びつくものと考えられる。

D.効率性の観点

1.インプット

  本事業の予算規模は9,551百万円である。
  うち、

  • 過年度選定取組に対する継続支援 4,951百万円
  • 21年度新規選定取組に対する支援 4,400百万円

2.アウトプット

  本事業においては、21年度に200件程度(目標)の優れた取組を選定し財政支援を行うとともに、Webサイトでの公開等により、優れた取組の内容や成果を広く社会へ提供することとしている。

3.事業スキームの効率性

  国公私立を通じ、大学教育の優れた取組を選定し、財政支援を行うことにより、競争的環境の醸成や資源配分の効率化が図られるとともに、選定大学における改革促進はもとより高等教育全体の活性化を促進することができることを見込むと、本事業のインプットとアウトプットの関係は効果的と判断する。

4.代替手段との比較

  大学に対する支援については、個性・特色の明確化を図ろうとする各機関に適切な支援が行えるよう、基盤的経費助成と競争的資源配分を有効に組み合わせることにより、きめ細やかなファンディング・システムを構築する必要がある。
  仮に、本事業を地方自治体の事業として実施することとした場合、地方自治体の財政状況や取組姿勢によって地域格差が生じるおそれがある。
  本事業は、国として、国公私立を通じた競争原理に基づき大学教育の質の向上に向けた優れた取組を支援することで、大学間の競争的な環境を醸成し、質の高い大学教育が推進されることが期待できる。

E.公平性の観点

  本事業は、国立・公立・私立大学の設置形態の別に関わらず、また、大学、短期大学、高等専門学校の全ての高等教育機関を対象とするものであり、公平性は担保できると判断する。また、事業の選定に当たっては、有識者・専門家等で構成される選定委員会において、公正に審査及び評価を実施するとともに、文部科学省以外の第三者機関に実施を委託しており、より公平性が高められているものと考える。

F.優先性の観点

  「教育再生会議第2次報告」、「同第3次報告」、「経済財政改革の基本方針2007」、「教育振興基本計画について」など、政府諸会議からの多くの提言等において本事業の推進や必要性が指摘されているところであり、国が優先的かつ重点的に実施すべき施策である。

G.総括評価と反映方針

  評価等も踏まえつつ、引き続き事業の充実を図る。

指摘事項と対応方針

【指摘事項】

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

  評価結果は妥当。

2.外部評価、第三者評価等を行った場合のその概要等

  外部評価、第三者評価等の実施については、今後検討を行う。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --