平成21年度要求額:24,763百万円
(平成20年度予算額:19,212百万円)
事業開始年度:昭和47年度
事業達成年度:平成25年度
保護者の所得状況に応じて経済的負担を軽減するとともに、公・私立幼稚園間における保護者負担の格差の是正を図り、幼稚園への就園機会の確保を図る。
幼稚園就園奨励費補助においては、保護者負担の軽減措置の一環として、兄弟姉妹が幼稚園に同時就園している場合を条件に、第1子に対して第2子以降の園児の保護者負担が軽くなる優遇措置を講じてきた。
「幼稚園に同時就園」の場合は、第1子の保護者負担割合を[1.0]とした場合の第2子以降の保護者負担割合を、第2子[0.7]、第3子以降[0.2]としている。
また、「兄姉が小学校3年生までである園児」の場合は、第1子の保護者負担割合を[1.0]とした場合の第2子以降の保護者負担割合を、第2子[0.9]、第3子以降[0.8]としている。
これまで講じてきた多子軽減について、保育所における第2子以降の保護者負担軽減割合と同程度の第2子[0.5]、第3子以降[0.0]まで軽減する。
幼稚園就園率の上昇(幼稚園就園児わる3~5歳児マイナス保育所入所児)
(参考)
幼稚園就園奨励費補助金平均補助単価(私立幼稚園分)の引き上げ率
(参考)
公私立幼稚園間における保育料等の格差(公立保育料を1とした場合の私立の割合(倍率))
平成18年度 3.1 平成19年度 3.2
5年間で5パーセント以上の就園率の上昇
事業実施者から提出される事業実績報告から、事業実施者数や事業対象幼稚園児数を把握する。
達成目標2‐10‐4「今後の課題及び政策への反映方針」において、「骨太の方針 2008」及び「教育振興基本計画」においては、「幼児教育の将来の無償化について、歳入改革にあわせて財源、制度等の問題を総合的に検討しつつ、当面、就学前教育について保護者負担の軽減策を充実する。」ことが盛り込まれており、引き続き幼稚園就園奨励費補助金を活用し、公私間格差の是正に努めるとともに保護者負担の一層の軽減に努め、幼稚園への就園機会の確保を図る。」と記述されており、本事業の拡充は不可欠である。
保護者の所得状況に応じた経済的負担の軽減及び公私立幼稚園間の保護者負担の格差の是正を図り、幼稚園への就園機会の確保を図るものであり、本事業の拡充は不可欠である。
幼稚園に幼児を通園させている保護者の年齢は相対的に若いことから、その経済的負担は相当過重となっている。そのため、幼稚園児の入園料、保育料の一部又は全部を世帯の所得に応じて軽減し、その経済的負担の軽減及び公私立幼稚園間の保護者負担の格差の是正を図ることにより、幼児の幼稚園への就園を奨励するため、市町村が「就園奨励事業」を行うために必要な経費について、原則3分の1以内を国が補助してきている。
本事業は、法律上に実施規定があるものではなく、予算上の補助である。さらに、市町村が実施する「就園奨励事業」も法律上、実施義務があるものではない。
以上のことから、本事業が廃止あるいは縮小ということになれば、市町村が事業の縮小又は廃止とするおそれがあるので、国が引き続き実施する必要があると考えている。
※ 財政上の理由で「就園奨励事業」実施していない市町村数 28市町村(平成19年度)
特になし
第5章 安心できる社会保障制度、質の高い国民生活の構築
2.未来を切り拓く教育
幼児教育の将来の無償化について、歳入改革にあわせて財源、制度等の問題を総合的に検討しつつ、当面、就学前教育についての保護者負担の軽減策を充実するなど、幼児教育の振興を図る。
第2章 今後10年間を通じて目指すべき教育の姿
(2)目指すべき教育投資の方向
(略)特に、小学校就学前段階や高等教育段階では、家計負担を中心とした私費負担が大きい(略)
第3章 今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策
(3)基本的方向ごとの施策
基本的方向2 個性を尊重しつつ能力を伸ばし、個人として、社会の一員として生きる基盤を育てる
5.幼児期における教育を推進する
◇幼児教育の無償化の検討を含む保護者負担の軽減
幼児教育の将来の無償化について、歳入改革にあわせて財源、制度等の問題を総合的に検討しつつ、当面、小学校就学前教育についての保護者負担の軽減策を充実するなど、幼児教育の振興を図る。
3 未来を担う「子どもたち」を守り育てる社会
1.保育サービス等の子育てを支える社会的基盤の整備等
《4 兄弟姉妹のいる家庭等への支援》
【21年度における新規事業又は既存事業の充実を検討(概算要求予定)】
〔保育料等の軽減〕
平成19年度の幼稚園就園率は、18年度と比較し、2パーセント上昇の86.6パーセントであった。今後、多子軽減策の拡充により、目標である幼稚園就園率5年間で5パーセントの上昇率は達成することができると見込まれる。
本事業により、市町村が実施する「就園奨励事業」が充実し、保護者負担の軽減、公私立幼稚園間の格差是正が図られ、幼稚園への就園率が上昇し、幼児教育の機会の確保につながると期待できる。
このように、本事業の実施により、達成目標の2‐10‐4にある幼稚園への就園機会の充実に結びつくものと考えられる。
本事業の予算規模は24,763百万円である。
本事業により、市町村が実施する「就園奨励事業」が充実し、保護者負担の軽減、公私立幼稚園間の格差是正が図られ、幼児教育の機会の確保につながり、就学後の教育の充実につながるという波及効果を考えると本事業は効率的・効果的に実施されると判断する。
本事業の予算規模(24,763百万円)に対して、アウトプットとして、「就園奨励事業」を実施する市町村(約1,300)に対して補助することにより、1保護者負担の軽減、2公私立幼稚園間の保護者負担の格差の是正及び3幼稚園就園率の上昇が図られることを見込むと、本事業のインプットとアウトプットの関係は効果的と判断する。
本事業は国の事業として行うが、地方公共団体の事業として実施することとした場合には、地方によっては、財政的負担を理由に本事業を実施できないところもあり、幼稚園への就園機会の確保が懸念されるため、国の事業として行うことが適当と判断する。
本事業は、「就園奨励事業」を実施する市町村に対して、その事業の補助対象となる経費について、3分の1以内を補助するものであり、公平性は担保できると判断する。
幼稚園に園児を通園させている保護者の年齢は相対的に若いことから、その経済的負担は相当過度となっている。そのため、幼稚園への入園料、保育料の一部又は全部を世帯の所得に応じて軽減し、その経済的負担の軽減等を図ることにより、幼児の幼稚園への就園機会の確保を図るものであり、本事業は優先すべき政策であると考える。
「経済財政改革の基本方針(骨太の方針)2008」(平成20年6月閣議決定)には、「幼児教育の将来の無償化について、歳入改革にあわせて財源、制度等の問題を総合的に検討しつつ、当面、就学前教育についての保護者負担の軽減策を充実するなど、幼児教育の振興を図る。」とある。
また、「教育振興基本計画」(平成20年7月閣議決定)には、「特に、小学校就学前段階や高等教育段階では、家計負担を中心とした私費負担が大きい(略)」、「幼児教育の将来の無償化について、歳入改革にあわせて財源、制度等の問題を総合的に検討しつつ、当面、小学校就学前教育についての保護者負担の軽減策を充実するなど、幼児教育の振興を図る。」とある。
さらに、「社会保障の機能強化のための緊急対策‐5つの安心プラン‐」には、「幼稚園における、兄弟姉妹のいる家庭の保育料軽減措置の一層の拡大の検討」や「幼児教育の将来の無償化について、歳入改革とあわせて財源、制度等の問題を総合的に検討しつつ、当面、就学前教育についての保護者負担の軽減策を充実するなど、幼児教育の振興を図る。」とある。
上記閣議決定を達成するため、本事業は優先すべき政策と考えられる。
21年度概算要求に反映する。
評価結果は妥当。
大臣官房政策課評価室
-- 登録:平成21年以前 --