平成21年度要求額:2,496百万円
(平成20年度予算額:‐百万円)
事業開始年度:平成21年度
事業達成年度:平成22年度
創設から2年目の「認定こども園」制度は、保護者や施設関係者から高い評価を受けつつも、認定数が当初見込みを下回っており、制度が十分活用されているとは言い難い。このため、幼稚園・保育所の枠組みを超えた総合的な財政支援を新たに行うことにより、認定こども園制度の推進を図る。
近年の急速な少子化の進行や家庭・地域を取り巻く環境の変化に伴い、多様化するニーズに柔軟かつ適切に対応するため、教育・保育を一体的に提供し、地域における子育て支援を実施する施設を認定する「認定こども園」制度が平成18年10月から開始された。
平成20年3月に行った認定こども園に関する実態調査では、認定こども園を利用している保護者の8割近く、施設の9割以上が認定こども園制度を評価しているとの回答であり、具体的に評価している点としては、「就労の有無にかかわらない利用・受入れ」、「子育て支援活動の充実」、「教育活動の充実」等が挙げられている。
一方、施設や地方公共団体からは運用上の課題も指摘されている。施設から行政が取り組むべき課題として回答が一番多かったのは、「文部科学省と厚生労働省の連携強化」(41.5パーセント)であり、次いで「財務状況の改善」(38.5パーセント)となっている。都道府県及び市町村が考える国が取り組むべき課題としては、どちらも「財政的支援が十分でない」との回答が一番多かった。
当該実態調査等を踏まえ、文部科学省及び厚生労働省において両省局長級の検討会を立ち上げ、本年7月に改善方策を取りまとめたところであり、認定こども園制度が一層積極的に活用されるよう引き続き取り組む。
○「認定こども園」の認定状況
平成19年度 | 平成20年度 | |
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認定こども園の認定件数(各年4月1日現在) | 94 | 229 |
認定こども園が設置されている都道府県数(各年4月1日現在) | 30 | 40 |
○認定こども園を利用している保護者及び認定こども園へのアンケート調査結果(平成20年6月12日)
保護者のうち「評価している」「どちらかと言えば評価」と回答した割合 | 約75% |
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保護者のうち認定こども園を今後も「推進していくべき」と回答した割合 | 約87% |
認定こども園のうち認定を受けた感想として「良かった」「どちらかといえば良かった」との回答割合 | 約92% |
(出典)文部科学省調べ
幼稚園・保育所の枠組みを超えた総合的な財政支援を新たに行うことにより、国として認定こども園制度の推進を図る。
段階的移行も含め幼保連携型への移行を促進するために必要な施設整備費等を支援
認定こども園の認定件数が2,000件以上となることを目指す。
各都道府県の認定状況を調査し、把握する。
達成目標2‐10‐1の実績評価において、施設や保護者の評価は高いものの、認定こども園の認定件数は当初の申請見込件数にかんがみるとまだ遠く、「今後の課題及び政策への反映方針」においても「認定こども園制度が一層積極的に活用されるよう取り組むことが必要」と記述されており、本事業を行うことにより認定こども園制度の普及促進を図ることが必要。
平成18年10月に開始した認定こども園制度は、保護者や施設から高い評価を受けている一方、施設や地方公共団体から、「財政的支援」や「文部科学省と厚生労働省の連携強化」が運用上の課題として指摘されている。これらの課題の解決のために、本事業を通して、幼稚園・保育所の枠組みを超えた総合的な支援を行う必要がある。
平成18年に認定こども園制度が開始されて以来、各地域において順次設置されているものの、本年4月に229件にとどまっており、また、都道府県によって認定件数に差がつきつつあるなど必ずしも全国的な展開が進んでいない。
平成20年3月に実施した実態調査においても、施設から、行政が取り組むべき課題として「文部科学省と厚生労働省の連携強化」や「財務状況の改善」が挙げられているとともに、都道府県及び市町村から、国が取り組むべき課題として「財政的支援」との回答が最も多かった。(都道府県:85.1パーセント、市町村:74.0パーセント)
本事業を行うことにより、文部科学省・厚生労働省が連携して、幼稚園・保育所の枠組みを超えた総合的な支援を行うことができ、認定こども園の普及を図ることができる。
特になし
1.経済成長戦略
1 全員参加経済戦略
1.新雇用戦略
第3章 今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策
(3)基本的方向ごとの施策
基本的方向2 個性を尊重しつつ能力を伸ばし、個人として、社会の一員として生きる基盤を育てる
5.幼児期における教育を推進する
◇認定こども園の活用など幼児教育を受けられる機会の提供の推進
国民の多様なニーズに応えるため、認定こども園については、利用者のニーズや施設の認定申請の希望状況を踏まえつつ、今回の計画期間中のできる限り早期に認定件数が2,000件以上になることを目指し、制度の普及啓発や幼保連携型認定こども園への円滑な移行に向けた運用改善を行うとともに、認定こども園の制度改革に取り組む。(略)
※ (4)特に重点的に取り組むべき事項にも、同様の表現が記載。
3 未来を担う「子どもたち」を守り育てる社会
1.保育サービス等の子育てを支える社会的基盤の整備等
≪1 新待機児童ゼロ作戦の推進(1) ‐認定こども園の抜本的改革≫
【21年度における当面の対応(概算要求予定)】
〔「こども交付金」の創設等〕≪厚生労働省、文部科学省≫
認定こども園の認定件数は、平成20年4月1日現在で229件であるが、平成19年4月1日現在での調査によると、申請見込件数としては約2,000件とのことであった。平成20年3月に実施した実態調査では、保護者や施設において認定こども園制度が高く評価されている一方、施設や地方公共団体からは運用上の課題も指摘されており、特に、国に対して「財政的支援」を求める声は大きい。本事業の実施により認定件数2,000件以上を達成することが見込まれる。
近年の急速な少子化の進行や家庭・地域を取り巻く環境の変化に伴い、多様化するニーズに柔軟かつ適切に対応するため認定こども園制度が創設された。平成20年3月に実施した実態調査では、保護者の8割近くが認定こども園制度を評価しており、具体的には、「保育時間が柔軟に選べること」、「就労の有無にかかわらない施設利用」、「教育活動の充実」等が挙げられている。また、認定こども園の認定を受けた施設の9割以上が認定を受けたことを良かったと評価しており、認定を受けた理由について「子育て支援活動の充実」、「就労の有無にかかわらない受入れ」、「教育活動の充実」等が挙げられている。
本事業の実施により、認定こども園制度の活用が促進されることで、より一層、保護者や地域の多様な教育・保育ニーズに応えることができると考えられる。
本事業の予算規模は2,496百万円である。
(内訳)
本事業により、認定こども園に対し、幼稚園・保育所の枠組みを超えた総合的な支援を行うことができ、「新待機児童ゼロ作戦」の集中重点期間(平成20~22年度)における認定こども園の緊急整備を図ることができることを考えると、本事業は効果的であると考える。
本事業の予算規模(2,496百万円)に対して、アウトプットとして、施設や地方公共団体が認定こども園制度の運用上の課題として挙げている「財政的支援」や「文部科学省と厚生労働省の連携強化」について、両省による、幼稚園・保育所の枠組みを超えた総合的な財政支援を行うことができ、認定こども園制度の一層積極的な活用が促進されることを見込むと、本事業のインプットとアウトプットの関係は効果的と判断する。
本事業は国の事業として行うが、地方公共団体の事業として実施することとした場合には、地方によっては、財政的負担を理由に本事業を実施できないところもあり、認定こども園の普及が進まないことが懸念されるため、国の事業として行うことが適当と判断する。
本事業は、認定こども園への移行に必要な財政支援を行い、全国的な認定こども園の設置促進を行うものであり、公平性は担保できると判断する。
認定こども園制度は、近年の急速な少子化の進行や家庭・地域を取り巻く環境の変化に伴い、多様化するニーズに柔軟かつ適切に対応するため、平成18年に創設された制度であり、保護者や施設からも高い評価を受けている。一方、制度創設から1年が経過した現在、認定件数はまだ全国で229件であり、施設や地方公共団体から「財政的支援」を求める声も大きい。認定こども園制度の普及促進のため、本事業は優先して取り組む必要があると考える。
21年度概算要求に反映する。
評価結果は妥当。
大臣官房政策課評価室
-- 登録:平成21年以前 --