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34.学校マネジメント支援に関する調査研究事業(拡充)【達成目標2-7-4】

平成21年度要求額:42百万円
  (平成20年度予算額:10百万円)
  事業開始年度:平成20年度
 事業達成年度:平成22年度

主管課(課長名)

  • 初等中等教育局初等中等教育企画課(常盤 豊)

関係課(課長名)

事業の概要等

1.事業目的

  教員が児童生徒に向き合う時間を拡充するとともに、心身ともに健康な状態を維持し児童生徒の指導に当たること、また学校において、校長のリーダーシップの下、組織的・機動的な学校運営が行われることで、より質の高い教育を提供し、もって全国的な教育水準の向上を図る。

2.事業に至る経緯・今までの実績

  教員勤務実態調査(平成18年度文部科学省実施)によると、1日当たりの教諭の残業時間は平均で約2時間、1ヶ月当たり平均34時間の残業時間となっており、事務・報告書の作成や会議・打合せなどにかかる勤務時間が長く、かつ、負担に感じている。
  また保護者等からの様々な要求が学校になされており、その対応に教員が苦慮しているといったことも指摘されている。
  さらには、精神疾患による病気休職者が増加しており、平成18年度には過去最高(4,675人、病気休職者のうち精神疾患によるものの割合は61.1パーセント)となっている。
  こうした中、中央教育審議会の答申「今後の教員給与の在り方について」(平成19年3月29日)において、校務の見直し、ICT環境の整備、事務量の軽減及び事務体制の強化など教員の勤務負担軽減のための方策が提言された。
  また、第166回国会において、学校教育法の一部が改正されたが、その国会審議及び附帯決議において、教員の子どもと向き合う時間を増やすなど教育の充実を図ることが求められた。
  さらには、「教育再生会議第2次報告」(平成19年6月1日)において、教員が子どもの教育にしっかり取り組めるよう、学校事務の共同実施体制の整備、事務の外部委託等の推進について提言され、「骨太の方針2007」(平成19年6月19日)においてもこうした内容が閣議決定されたこと等を踏まえ、この喫緊の課題に取り組むため、都道府県・指定都市教育委員会を対象に実践的な調査研究を行うものである。

1 学校事務の外部委託

  • 学校事務について専門的ノウハウを持つ民間企業等へのアウトソーシングの方法等に関する調査研究

2 校務分掌の適正化

  • 業務量の平準化及び教員の事務の効率化を図るための小中学校事務の共同実施に関する調査研究
  • 教員の業務量調査や教職員の意識調査、それらを踏まえた校務の効率化に関する調査研究
  • 学校への文書等の統合等に向けた方策等に関する調査研究
  • 教職員の業務負担の平準化などの校務分掌の適正化に関する調査研究
  • 調査や発信文書の精選、校務分掌や会議の在り方等に関する調査研究
  • 新たな職の設置に向けた効率的な学校運営体制のあり方等に関する調査研究
  • 会議・校務分掌の在り方、調査照会等の見直しに関する調査研究

3 保護者等への対応

  • 弁護士や医師等で構成する学校問題解決支援チームを中心とした保護者等への対応に関する調査研究
  • 保護者等からの多種多様な要望等の実態調査及びその結果を踏まえた対応マニュアルの策定に関する調査研究
  • 臨床心理士や医師、教員OB、弁護士等で組織する学校サポートチームを中心とした学校への様々な要望等への対応に関する調査研究

4 教員のメンタルヘルス対策

  • 新規採用教員の悩みの早期発見や精神性疾患の防止策等の人事管理に関する調査研究
  • メンタルヘルスと過重労働との相関関係の分析及び効果的なメンタルヘルス対策に関する調査研究

3.事業概要

  教員が児童生徒に向き合う時間を確保するとともに、心身ともに健康な状態で、児童生徒の指導にあたるため、また、学校において、校長のリーダーシップの下、組織的・機動的な学校運営が行われるために、1学校事務の外部委託、2校務分掌の適正化、3保護者等への対応、4教員のメンタルヘルス対策といった分野を柱として学校マネジメント支援に関する調査研究を行う。また、委託した調査研究の成果について普及などを図るため、連絡協議会を開催する。
  具体的には、応募のあった都道府県及び指定都市教育委員会の研究課題を審査会にて審査の上、事業を委託し、委託を受けた教育委員会が課題に対処するために必要となる調査等を実施することや、教育委員会が学校を指定し、その指定校において課題解決に向けた試験的な取組が行われる。
  学校マネジメント支援は、今後の学校運営の在り方に直結する重要課題であり、教育振興基本計画や経済財政改革の基本方針2008において、政府として来年度から本課題に取り組むことが決定されていること、また、本課題の解決には、各地域における課題の背景をそれぞれ考慮して取り組む必要があることから、平成21年度においては、委託した多くの教育委員会において調査研究を実施し、達成年度である平成22年度にはさらに普及させていくことを予定している。

スキーム図

4.指標と目標

指標

  校務の効率化や適正化の変化の内容、職場環境の改善内容、教員の勤務の負担感の軽減の程度

目標

  委託した教育委員会における教員の勤務負担軽減

効果の把握方法

  本事業の効果は、調査研究を委託した教育委員会から提出される事業報告書から把握する。

事業の事前評価結果

A.19年度実績評価結果との関係

  特になし

B.必要性の観点

1.事業の必要性

  教育は人なりと言われるように、教育の質の向上は教員にかかっている。教員が子どもと向き合う時間を確保し、質の高い授業や生徒指導等を行うこと、また心身ともに健康な状態で子どもの指導にあたることができるようにするためには、学校マネジメント支援を図ることは喫緊の重要課題である。
  このことは、経済財政改革の基本方針2008や教育振興基本計画において明記され、政府がこれからすぐに取り組むべき事項として、閣議決定されたことからも明らかである。
  また、総理の下に設置された教育再生会議第3次報告においても、各種調査や提出書類の簡素化・軽減、校内会議の削減・合理化等を図ること、学校問題解決支援チームを全ての教育委員会に設置することが提言され、その後まとめられた最終報告(「社会総がかりで教育再生を」)において、直ちに実施に取りかかるべき事項としてフォローアップすることとされている。
  このように学校マネジメント支援の取組を全国に広めていくことは必要であり、現在の委託数では不十分であるため、全国に普及させていくためにも拡充は必要である。

2.行政・国の関与の必要性(官民、国と地方の役割分担等)

  学校マネジメント支援については、平成18年に行われた教員勤務実態調査や毎年行われる病気休職者数の調査結果などを踏まえ、全国において取り組むべき課題となっている。
  また、こうした課題の解決には、各地域における課題の背景をそれぞれ考慮した上でその方策を研究・開発しなければならない。そして、こうした課題の解決には、校務の分担の適正化や職場環境の改善、保護者や外部の方々への対応、さらには学校運営の在り方といった幅の広い分野に渡り、実践を積み重ねなければならない。
  こうしたことから、国が調査研究を実施することにより、多くの実例を集積し、本課題を解決するための施策を他の地方公共団体に普及啓発し、全国的な教育水準の向上を図る必要がある。

3.関連施策との関係

  特になし

4.関係する施政方針演説、審議会の答申等

「教育振興基本計画」(抄)(平成20年7月1日閣議決定)

  第3章 今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策

  (3)基本的方向ごとの施策

  基本的方向2 個性を尊重しつつ能力を伸ばし、個人として、社会の一員として生きる基盤を育てる

  3.教員の資質の向上を図るとともに,一人一人の子どもに教員が向き合う環境をつくる
  教員は,子どもたちの心身の発達にかかわり,その人格形成に大きな影響を与える存在であり,その資質・能力を絶えず向上させるため,適切な処遇や教員の養成・研修の充実,厳格な人事管理を促す必要がある。教員が,授業等により一人一人の子どもに向き合う環境をつくるため,教職員配置の適正化や外部人材の活用,教育現場のICT化,事務の外部化等に総合的に取り組む。

  【施策】

  ◇教員が子ども一人一人に向き合う環境づくり
  教員が子ども一人一人に向き合う環境づくりの観点から,教職員配置の適正化を行うとともに,スクールカウンセラー,特別支援教育支援員,部活動の外部指導者等の学校の専門的・支援的スタッフや退職教員・経験豊かな社会人等の外部人材の積極的な活用を図る。その際,教員に広く一般社会から教育に熱意と能力・適性を備えた人材の導入の促進を目指し,社会人採用のための特別免許状制度等の活用等を促す。また,学校と地域との連携体制を構築し,地域住民が事務等について学校を支援する「学校支援地域本部」などの取組を促す。あわせて,調査の見直し,教育現場のICT化,事務の簡素化・外部化,学校事務の共同実施などに取り組む。

  4.教育委員会の機能を強化するとともに、学校の組織運営体制を確立する

  【施策】

  ◇新しい職の設置等による学校の運営組織の改善
  各学校において、改正学校教育法により新設された副校長、主幹教諭等職の活用も図りつつ、校長のリーダーシップの下、例えば、校長裁量経費や教員の公募制の導入、校長の在職期間の長期化等、優れた民間人の校長等への登用等、組織的・機動的な学校運営が行われるよう、各教育委員会等の取組を促す。教育委員会において、管理職の登用を含め、人事管理を厳格に行い、公正かつ適正な管理運営体制を確立するよう促す。
  あわせて、学校が、地域との連携を深めながら、人材や時間を有効に活用し、子どもたちにきめの細かい指導を行うことができるよう、また、外部の専門家等の協力も得て保護者や地域の多様な要望により適切に対応することができるよう、学校の組織運営体制の改善に向けた各教育委員会・学校の取組を促す。

  (4)特に重点的に取り組むべき事項

  ◎ 教員が子ども一人一人に向き合う環境づくり

  ○ 教員の子どもと向き合う環境づくり
  教職員配置の適正化を行うとともに,退職教員や経験豊かな社会人などの外部人材の積極的な活用,「学校支援地域本部」などの地域住民による学校支援の取組,調査の見直し,教育現場のICT化,事務の簡素化・外部化などの取組を支援する。

「経済財政改革の基本方針2008について」(抄)(平成20年6月27日閣議決定)

  2.未来を切り拓く教育

  教育基本法の理念の実現に向け、新たに策定する「教育振興基本計画」に基づき、我が国の未来を切り拓く教育を推進する。その際、新学習指導要領の円滑な実施、特別支援教育・徳育の推進、体験活動の機会の提供、教員が一人一人の子どもに向き合う環境作り、学校のICT化や事務負担の軽減、教育的観点からの学校の適正配置、定数の適正化、学校支援地域本部、高等教育の教育研究の強化、競争的資金の拡充など、新たな時代に対応した教育上の諸施策に積極的に取り組む。

C.有効性の観点

1.目標の達成見込み

  本事業は、1事務の外部委託、2校務分掌の適正化、3保護者等への対応、4教職員のメンタルヘルス対策などを通じて、学校マネジメントを支援し、教員が児童生徒に向き合う時間を確保するとともに、心身ともに健康で、児童生徒の指導に当たること、また組織的・機動的な学校運営が行われることで、より質の高い教育を提供し、全国的な教育水準の向上を図ることを目的としている。
  学校マネジメント支援という課題は、全国的な課題であり、全ての都道府県・指定都市教育委員会において教員の勤務負担軽減に資すると考えられる取組などを実施し、これまで以上に教員が児童生徒に向き合う時間を確保することを目標としており、平成21年度からは本事業の委託先を増やし、全ての都道府県・指定都市教育委員会を対象とすることにより、未だ教員の勤務負担軽減に対応できていない地域に対しても本課題に着手させることが見込まれる。
  また、校務の効率化や適正化の変化の内容、職場環境の改善内容、教員の勤務の負担感の軽減の程度を把握することにより、総合的に教員の勤務負担軽減に関する実例を収集し、各地域にフィードバックすることができる。

2.上位目標のために必要な効果が得られるか

  平成21年度から本事業の委託先を増やし、全ての都道府県・指定都市教育委員会を対象とすることにより、未だ教員の勤務負担軽減に対応できていない地域に対しても本課題に着手させ、全国に渡って校務の効率化や適正化、職場環境の改善などにより、教員の勤務負担を軽減することにより、教員が児童生徒に向き合う時間を確保し、また、心身ともに健康な状態で生徒の指導にあたることで、質の高い授業や生徒指導を行うことができるようになり、ひいては上位目標である2‐7「魅力ある優れた教員の育成・確保」を達成することができる。

D.効率性の観点

1.インプット

  本事業の平成21年度の予算規模(要求額)は42百万円である。

  (内訳)

  • 各都道府県・指定都市教委への委託費(41百万円)
  • 連絡協議会開催経費(0.6百万円)
  • 調査実施経費(0.4百万円)

2.アウトプット

  本事業の実施により、全ての都道府県・指定都市教育委員会において、学校マネジメント支援についての実践的な取組が実施される。具体的には、勤務実態の調査、専門家チームの設置、調査の削減等の業務の見直し、校務の分担の見直しなどが行われる。また、次のステップとして、こうした取組を踏まえて、マニュアルの作成、チーム設置の普及、業務の削減・効率化、適正な校務分掌が実現されることが見込まれる。
  また、国としてはこうした取組についての事例を多く集積し、連絡協議会を開催する。
  平成21年度においては、委託した多くの教育委員会において調査研究を実施し、達成年度である平成22年度にはさらに普及させていくことを予定している。

3.事業スキームの効率性

  本事業の予算規模(42百万円)に対して、アウトプットとして、全ての都道府県・指定都市において、学校マネジメント支援に関する実践的な調査研究事業が行われること、幅の広い実例を収集できること、またそれをフィードバックすることにより、全国に効果的かつ効率的にその成果を波及することが期待できるため、本事業は効果的であると判断する。

4.代替手段との比較

  本事業は国の委託事業により行うが、地方自治体の事業として実施することとした場合には、特色ある効果的な取組を広く全国に周知し、多様な取組を実施する波及効果を期待している本事業における十分な効果が期待できない。
  また、国が主催して連絡協議会を開催することにより、調査研究事業の成果を各地域に紹介することができ、全国的な広がりも期待できる。

E.公平性の観点

  本事業は、学校や教育委員会における業務に関するものであり、その実施主体は、これら学校や教育委員会である。このため、本事業の対象は、都道府県・指定都市教育委員会としているところである。
  また、都道府県・指定都市教育委員会を対象に、これらが要望する事業計画案について提出させ、専門家で構成される委員会において審査した上で、国が当該事業計画の適否や費用負担の配分等について決定し、調査研究を委託する。
  こうしたことから、本事業の実施について公平性は担保できると判断する。

F.優先性の観点

  教育は人なりと言われるように、教育の質の向上は教員にかかっている。
  しかし、学校マネジメント支援は、平成18年に行われた教員勤務実態調査や毎年行われる病気休職者数の調査結果などを踏まえ、全国において解決すべき共通の重要課題となっている。
  このことは、経済財政改革の基本方針2008や教育振興基本計画において明記され、政府がこれからすぐに取り組むべき事項として、閣議決定されたことからも明らかである。
  こうしたことから、教員が子どもと向き合う時間を確保し、質の高い授業や生徒指導等を行い、また心身ともに健康な状態で子どもの指導にあたり、さらには、組織的・機動的な学校運営が行われるようにするため、本事業は、最優先すべき政策である。

G.総括評価と反映方針

  平成19年度機構定員要求の結果、平成20年10月から校務改善専門官が新たに配置されることとなっている。

指摘事項と対応方針

指摘事項

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

  評価結果は妥当。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --