20.道徳教育用教材費補助(新規)【達成目標2-2-1】

平成21年度要求額:4,118百万円
  (平成20年度予算額:‐百万円)
  事業開始年度:平成21年度
  事業達成年度:平成25年度

主管課(課長名)

  • 初等中等教育局教育課程課(高橋 道和)

関係課(課長名)

事業の概要等

1.事業目的

  学習指導要領の趣旨を踏まえた適切な教材が教科書に準じたものとして十分に活用されることにより、全国の小中学校において、しっかりとした道徳教育がなされ、もって児童生徒の豊かな心の育成を図ることを目的とする。

2.事業に至る経緯・今までの実績

  本年3月に改訂された小・中学校の新学習指導要領においては、道徳教育について、1児童生徒が感動を覚える教材の活用、2児童生徒の発達の段階を踏まえた指導の重点の明確化、3道徳教育推進教師を中心とした指導体制の充実などの見直しが行われたところである。
  この新学習指導要領に基づく道徳教育は平成21年4月から実施することとしているが、特に道徳の教材については、先般策定した教育振興基本計画において、道徳の教材について、「学習指導要領の趣旨を踏まえた適切な教材が教科書に準じたものとして十分に活用されるように、国庫補助制度等の有効な方策を検討する」とされたところ。

3.事業概要

  国公私立の小中学校が道徳教育用の教材(副読本)の購入等を行う場合に、当該学校の設置者に対し、国が購入等に要する経費を補助金として交付する制度。補助の要件としては、当該教材が学習指導要領に準拠しているかどうか、道徳の時間で計画的に使用することとなっているかなどを付すことを想定している。
  本補助制度により整備された教材は平成22年度から使用される予定である。

4.指標と目標

  国庫補助を受けたすべての小・中学校において、年間を通じて道徳教育用の教材(副読本)を用いた「道徳の時間」の指導が行われるようにする。

事業の事前評価結果

A.19年度実績評価結果との関係

  特になし

B.必要性の観点

1.事業の必要性

  昨年、教育再生会議より、「徳育を「新たな枠組み」により教科化し、授業内容、教材を充実し、授業時間を確保して、年間を通じて計画的に指導する」との提言がなされた。
  このように「道徳の時間」の指導が不十分といった道徳教育の課題をいかに改善するかは喫緊の課題である。
  また、先般策定した教育振興基本計画において、道徳の教材について、「学習指導要領の趣旨を踏まえた適切な教材が教科書に準じたものとして十分に活用されるように、国庫補助制度等の有効な方策を検討する」とされたように、道徳教育の充実のためには、実際の指導に大きな役割を果たす教材の充実が極めて重要である。
  教育振興基本計画を踏まえ、本国庫補助制度を創設することで、各学校において、教科と同様に「道徳の時間」に用いる主たる教材が整備されることとなる。このことにより、学習指導要領の趣旨を踏まえた適切な道徳教育がなされることとなると考えており、本制度の創設は、道徳教育の改善・充実を図る上で必要不可欠なものであると考えている。

2.行政・国の関与の必要性(官民、国と地方の役割分担等)

  先般策定した教育振興基本計画において、道徳の教材について、「学習指導要領の趣旨を踏まえた適切な教材が教科書に準じたものとして十分に活用されるように、国庫補助制度等の有効な方策を検討する」とされたところである。
  本国庫補助制度を創設することで、各学校において、教科と同様に「道徳の時間」に用いる主たる教材が整備されることとなる。このことにより、学習指導要領の趣旨を踏まえた適切な道徳教育がなされることとなると考えており、本制度の創設は、道徳教育の改善・充実を図る上で必要不可欠なものであると考えている。

3.関連施策との関係

  関連する施策としては、国が作成した「心のノート」を配付する「「心のノート」活用推進事業」がある。「道徳教育用教材費補助」事業は、各学校で道徳の時間で使用されている副読本(読み物資料)に対して補助を行うものであるのに対し、「心のノート」は、道徳の時間に限らず各教科、特別活動、総合的な学習の時間など、学校の教育活動全体を通じて気付いたことや調べたことなどをメモし、その記述を常に振り返りながら、道徳性を深めることをねらいとする「書き込み型」の教材であり、読み物を中心として構成される「副読本」とは性格を異にする。
  これらの教材が全国の小・中学校で整備されることにより、例えば、道徳の時間における「副読本」を読んで気付いたことなどを「心のノート」に書き込むことにより、児童生徒の道徳性をより一層、深めることが可能になるなど、両者相俟った道徳教育の充実が期待される。

4.関係する施政方針演説、審議会の答申等

【教育振興基本計画(平成20年7月1日閣議決定)】

  ◇道徳教育の推進
  
子どもたちの豊かな情操や規範意識、公共の精神などをはぐくむ観点から、道徳教育の充実に向けて、道徳教育推進教師を中心とした全校的な指導体制の下での指導計画づくりなどを促進するとともに、指導方法・指導体制等に関する研究や教材の作成などに総合的に取り組む。特に、教材については、学習指導要領の趣旨を踏まえた適切な教材が教科書に準じたものとして十分に活用されるよう、国庫補助制度等の有効な方策を検討する。

C.有効性の観点

1.目標の達成見込み

  本国庫補助制度を創設することで、各学校において、教科と同様に「道徳の時間」に用いる主たる教材が整備されることとなる。このことにより、学習指導要領の趣旨を踏まえた適切な道徳教育が着実になされることとなると考えている。また、平成25年度には道徳教育推進状況調査(おおむね5年毎に実施)を実施し、道徳教育の推進状況を把握する予定であり、その中でも相当程度の成果が得られるものと考えている。

2.上位目標のために必要な効果が得られるか

  本事業は道徳の時間で使用する教材の充実を図るものであり、道徳教育の充実に直結するものと考えている。

D.効率性の観点

1.インプット

  • 教材審査委員会 7,080千円
  • 道徳教育用教材費補助 4,110,645千円

2.アウトプット

  本事業により道徳用教材(副読本)を入手する児童生徒数見込み

   平成22年度:約1,065万人

3.事業スキームの効率性

  道徳教育用教材費補助に要する経費は、児童生徒が「道徳の時間」に用いる教材の購入に要する経費であり、インプットと同等のアウトプットが見込まれると考えている。

4.代替手段との比較

  数学や理科といった教科と同様に、道徳を教科と位置づけることによって検定済教科書を無償で供与する仕組が代替手段の一つの候補として考えられるが、道徳で指導する倫理規範など個人の内面や多様な価値観に関わる内容が、国が一律の基準に基づいて行う教科書検定になじむかについては、慎重な検討が必要であり、現時点では本事業の代替手段はないと考える。

E.公平性の観点

  本事業は、各教育委員会等からの申請に基づき、補助要件を満たす道徳用教材に対して補助金を交付しようとするものであり、政策効果や費用負担は公平に分配されるものと考えている。

F.優先性の観点

  道徳の教材については、先般閣議決定した教育振興基本計画において、「学習指導要領の趣旨を踏まえた適切な教材が教科書に準じたものとして十分に活用されるように、国庫補助制度等の有効な方策を検討する」とされたところであり、政府として取り組むべき最重要課題の一つであると判断している。

G.総括評価と反映方針

  21年度概算要求に反映する。

指摘事項と対応方針

指摘事項

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

  評価結果は妥当。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --