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6.地域における家庭教育支援基盤形成事業(拡充)【達成目標1-4-1】

平成21年度要求額:1,441百万円
  (平成20年度予算額:1,153百万円)
  事業開始年度:平成20年度
  事業達成年度:平成22年度
 中間評価実施年度:平成21年度

主管課(課長名)

  • 生涯学習政策局男女共同参画学習課(高口 努)

関係課(課長名)

事業の概要等

1.事業目的

  家庭の教育力の向上を図るため、身近な地域において子育てサポーターリーダー等で構成する「家庭教育支援チーム」を設置し、子育てに無関心な親や不安や悩みを持つ孤立しがちな親など、多様な状況の子育て中の保護者に対するきめ細かな家庭教育支援の効果的な手法を模索・開発を行うことなどを通じて、家庭教育支援基盤の形成を図るモデル事業を実施し、その成果の全国的な普及を行う。

2.事業に至る経緯・今までの実績

  都市化、核家族化及び地域における地縁的なつながりの希薄化等により、家庭の教育力の低下が指摘される中、文部科学省においては「家庭教育支援総合推進事業」などの展開により、学習機会の提供や人材養成を行ってきた。また、地方自治体や子育て団体等が主体となってさまざまな家庭教育・子育て支援のための取組を行い、それぞれで効果を上げてきたところである。
  こうした中、改正教育基本法第10条に家庭教育支援が規定されたことや、教育振興基本計画等において家庭教育支援の重要性が盛り込まれるなど、社会全体での家庭教育支援の必要性がさらに高まっている。
  このため、地域におけるこれまでの取組を活性化させ、すべての親へのきめ細かな家庭教育支援の充実を図っていく必要がある。

3.事業概要

  小学校区程度を活動範囲とする、子育てサポーターリーダーを中心に子育てサポーター、保健師、臨床心理士、民生委員等で構成する「家庭教育支援チーム」を設置し、子育てに無関心な親や不安や悩みを持つ孤立しがちな親など、多様な状況の子育て中の保護者に対する、情報や学習機会の提供、相談対応などに係るきめ細かな家庭教育支援の効果的な手法の模索・開発等を行うとともに、基盤形成の進捗状況,効果的な手法等を普及する地域レベル(都道府県域等)の情報交換会を行う。
  また,本事業を契機として地域の単独経費により基盤形成を進める地域等を含め、平成22年度までに全市町村数の半数程度において家庭教育支援基盤形成が行われることを目指す。

1(支援基盤の形成)

  小学校区程度を活動範囲とする、子育てサポーターリーダーを中心に、子育てサポーター、保健師、臨床心理士、民生委員等で構成する「家庭教育支援チーム」を設置し、家庭教育に関する情報提供や相談対応、学習機会のコーディネート等を実施する。
  なお、平成21年度においては、家庭教育支援チームの構成員に、新たにメンター(助言者)を6名追加配置し、その充実を図る。

2(学習機会の提供)

  小学校入学時の説明会や就学時健診等、多くの親が集まる機会を活用し、家庭教育支援のための学習機会を提供する。

3(人材養成)

  これまで養成してきた「子育てサポーター」について、その資質の向上を図り、地域における家庭教育支援の中核人材とするため「子育てサポーターリーダー」を養成する。

4(調査研究)

  地域SNSの利用を前提としたITを活用する手法の開発を図る。

スキーム図

4.指標と目標

指標

  • 家庭教育支援チームを中心とした身近な地域における家庭教育支援基盤形成、又は同様な取組が行われている市区町村数の増加
  • 家庭教育に関する学習講座等受講後の満足度(80パーセントが満足)

目標

  • 平成20年度の成果を基準に、指標の達成を目指す。
  • ※ 平成20年度の事業計画では全国332市区町村において531チームがモデルづくりに取り組むこととなっている。

効果の把握手法

  事業の成果報告等により把握する。

事業の事前評価結果

A.19年度実績評価結果との関係

  特になし

B.必要性の観点

1.事業の必要性

  都市化、核家族化及び地域における地縁的なつながりの希薄化等により、家庭の教育力の低下が指摘されているが、子どもも社会の構成員の一人であり、将来の我が国を支える存在であることから、国においても家庭教育の支援を行う責任と役割がある。
  また、改正教育基本法第10条に家庭教育に関する規定が新たに設けられ、国等について保護者に対する学習の機会及び情報の提供などの家庭教育支援のために必要な施策を講ずるよう規定された。
  そして、同法を受けて閣議決定された教育振興基本計画においても、国が行う重点施策として、子育てに関する情報の提供など家庭の教育力の向上に向けた総合的な取組を推進し、身近な地域においてきめ細かな家庭教育支援が実施されるよう促すことが盛り込まれた。子育てに無関心な親や不安や悩みを持つ孤立しがちな親、子育てに関心は高いが学ぶ余裕のない親、父親などが、身近な地域で子育て等に関する学習や相談対応などきめ細かな家庭教育支援を得るための基盤の形成が課題となっている。
  このため、各地域においてきめ細かな家庭教育支援を行う体制整備が十分なされていない状況であることを踏まえ、国が率先して本事業を実施することにより、様々な状況にある子育て中の親などに対するきめ細かな家庭教育支援の効果的な手法を模索・開発する。また、その成果の全国的な普及を図ることにより、身近な地域における家庭教育支援基盤の形成を促進することは、国において取り組む必要がある。
  また、平成21年度においては、子育てを終えた中高齢者等をメンター(助言者)として新たに配置し、気軽な交流による相談対応の充実を図ることとする。事業達成年度後の取組の定着率を向上させる上でも、地域の多くの方々の参画を得ておくことが必要である。

2.行政・国の関与の必要性(官民、国と地方の役割分担等)

  本事業は、地域に設置された家庭教育支援を推進する協議会等に委託することとしている。また、こうした協議会等は、教育委員会等の行政と密接に連携した団体であることとしている。これは、様々な経緯から家庭の教育力の低下が指摘される中、身近な地域で家庭教育支援を行う基盤形成を促進するに当たり、その喫緊性から、行政・国が地域の実情に応じて有効なモデル開発を支援し、その普及を行うことにより、将来的に民間等の努力により継続されるための初期投資を行う必要があるためである。さらに、こうした取組の定着を図るには、都道府県域、市町村域でモデル形成を図ることが効果的であり、そのためには全国の状況を把握しながら、類似人口規模等の条件の他地域の効果的な取組を適切に普及するなど、国が主導して基盤形成の取組を促進することが必要である。

3.関連施策との関係

1.主な関連施策 施策目標1‐4

○子どもの生活習慣づくり支援事業(生涯学習政策局男女共同参画学習課)

  家庭における食事や睡眠など、基本的生活習慣の乱れに起因した子どもたちをめぐる問題は、個々の家庭の問題として見過ごすのではなく、社会全体の問題として地域一丸となって取り組むことが必要である。
  このため、平成20年度までの3年間実施した「子どもの生活リズム向上プロジェクト」における先進的な実践活動等についての調査研究成果をもとに、子どもの基本的生活習慣の定着を図る普及モデルの検証を行う。

○家庭教育手帳の作成(生涯学習政策局男女共同参画学習課)

  家庭の教育力の低下が指摘される中、一人ひとりの親が家庭を見つめ直し、それぞれ自信を持って子育てに取り組んでいく契機となるよう、家庭教育に関するヒント集(家庭教育手帳)を作成し、全国の教育委員会等に提供して、乳幼児や小学生等を持つ各家庭への配付や家庭教育に関する学習機会等での活用促進を図る。

2.関連施策との関係(役割分担・連携状況)

  本事業が家庭教育支援チームを中心として身近な地域におけるきめ細かな家庭教育支援のための基盤形成を総合的に進める事業であり、子どもの生活習慣づくり支援事業は、家庭教育支援のための重点分野への対応のため、過去の構築モデルを実践・検証すること、家庭教育手帳の作成は、家庭教育の重要性等の普及啓発のため、各家庭への配付も含めた活用促進を図ること、といった独立した目的をもつ事業でありながら、家庭教育支援チームの活動等の中で子どもの生活習慣づくり支援をテーマにした学校や福祉関係者等の連携促進や、家庭教育手帳を活用した学習講座の提供等、効果的に連携しながら、いずれも地域において行われている家庭教育支援事業の活性化による一層の充実を図るために実施されるものである。

4.関係する施政方針演説、審議会の答申等

教育再生会議「社会総がかりで教育再生を・第二次報告」(平成19年6月1日)

  提言3 親の学びと子育てを応援する社会へ
  国、地方自治体は、父親の子育て参加への支援、訪問型の家庭教育支援や育児相談など、保護者を支援する施策を充実する。また、PTAの会合、家庭教育学級や妊婦健診、子供の健診等保護者の多く集まる機会を活用した親の学び、子育て講座、親子が学び遊べる場を拡充する。

中央教育審議会「新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策について‐知の循環型社会の構築を目指して‐(答申)」(平成20年2月19日)

  <第1部 今後の生涯学習の振興方策について>

  4.具体的方策

  (2)社会全体の教育力の向上‐学校・家庭・地域が連携するための仕組みづくり‐

  (身近な地域における家庭教育支援基盤の形成等)
   これまでの家庭教育支援の取組として、家庭教育に関する理解を深める場や機会を保護者等に対して提供することを中心とした支援策が行われてきた。今後は、子育てに無関心な保護者や子育てに不安や悩みを持つ孤立しがちな保護者、子育てに関心は高いが学ぶ余裕のない保護者等に対しても十分な支援を行うことが必要である。このため、このような保護者も含めた様々な保護者に対するきめ細かな家庭教育支援を積極的に進めていくことが課題であり、地域コミュニティや企業を含む社会全体で家庭教育を支えていくためのよりよい環境を醸成していくことが重要である。

  (家庭教育を支援する人材の養成)
   地縁的なつながりの減少等により、地域や社会全体で親子の学びや育ちを支える環境が崩れてきているとの指摘もある。家庭教育支援を行うに当たっては、上述のとおり地域社会や企業を含む社会全体で家庭教育を支えることが必要であり、地域において関係機関との連携や保護者同士をつなぐこと等を担う人材が求められている。このため、家庭教育の支援のための取組に携わる子育てサポーターや子育て経験者等を対象として講習を行い、地域における支援活動全般の企画・運営や子育てサポーター等の資質向上を担う人材(子育てサポーターリーダー等)を養成する必要がある。

教育振興基本計画(平成20年7月1日閣議決定)

  第3章 今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策

  (3)基本的方向ごとの施策

  2 家庭の教育力の向上を図る
  【施策】子育てに関する学習機会の提供など家庭の教育力の向上に向けた総合的な取組の推進
  それぞれの家庭が置かれている状況やニーズを踏まえ、かつ、家庭教育の自主性を尊重しつつ、子育てに関する学習機会や情報の提供、相談や専門的人材の養成などの家庭教育に関する総合的な取組を関係機関が連携して行えるよう促す。こうした取組の成果をすべての市町村に周知し、共有すること等を通じ、広く全国の市町村で、地域の子育て経験者や保健師、民生委員などの専門家が連携し、チームを編成して支援するなど、身近な地域におけるきめ細かな家庭教育支援が実施されるよう促す。

C.有効性の観点

1.目標の達成見込み

  平成19年度まで文部科学省が実施した「家庭教育支援総合推進事業」においては、約1,000市町村が家庭教育支援のための学習機会の提供や人材養成等を行ってきており、また、本事業では、平成20年度において約300の市町村が家庭教育支援チームを設置し、これまで行ってきた家庭教育・子育て支援のための取組の連携促進による活性化を図ろうとしていることから、本事業の成果の普及により達成年度までに目標値を達成できると考える。

2.上位目標のために必要な効果が得られるか

  地域における家庭教育支援の中核となる「家庭教育支援チーム」を設置することにより、域内において取り組まれている学習機会の連携促進など、総合的な調整が可能となり、すべての親に対するきめ細かな家庭教育支援が行われ、家庭の教育力の向上につながる。

D.効率性の観点

1.インプット

  • 地域における家庭教育支援基盤形成事業 1,441百万円
(内訳)
  • 諸謝金 490千円
  • 職員旅費 449千円
  • 委員等旅費 703千円
  • 庁費 7,082千円
  • 生涯学習振興事業委託費 1,432,198千円

2.アウトプット

家庭教育支援チームを中心とした身近な地域における家庭教育支援基盤形成、又は同様な取組が行われている市区町村数

  → 平成20年度 約300市町村 平成21年度 約600市町村 平成22年度 約900市町村

家庭教育に関する学習講座等受講後の満足度

  → 平成20年度 80パーセント 平成21年度 80パーセント 平成22年度 80パーセント

3.事業スキームの効率性

  本事業では、家庭教育支援チームの活動状況などについて、委託先である「地域家庭教育推進協議会」が他の地域において発表・意見交換会等を行い、活動内容の改善や、他の地域へのモデル普及のためのPRを行うこととしており、個別の取組のみの観点ではなく、モデルの普及という総合的な観点から、効率的に事業目的が達成されるスキームとなっている。

4.代替手段との比較

  代替手段としては、家庭教育支援のための学習機会の提供などの様々な取組について、家庭教育支援チームの調整による連携ではなく、単独の取組として行われる場合が想定されるが、その場合と比較して、本事業では機会や開催場所の連携などによる講座参加者等の増が図られるなど、より効率的である。

E.公平性の観点

  子育てに悩み等を持つ親への学習機会の提供や地域における家庭教育支援を担う人材の養成・体制の確立は、文部科学省が委託して行うものであり、開発されたモデルについて、実施後は全国に情報提供・普及啓発を行うことで全国展開を図るため、十分な公平性がある。

F.優先性の観点

  上述のとおり、本事業の実施から家庭教育支援チームが各取組主体の連携促進のための調整役を務めることにより、既存の取組の活性化を図るものであることから、他の取組よりも優先して実施すべきものである。

G.総括評価と反映方針

  事前評価により、達成目標等の明確化を図り、21年度の概算要求に反映した。

指摘事項と対応方針

指摘事項

1.事業に対する総合所見(官房にて記載)

  評価結果は妥当。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --