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施策目標10-5 原子力分野の研究・開発・利用の推進

(基準年度:18年度・達成年度:22年度)

  長期的なエネルギーの安定供給、原子力を利用する先端科学技術の発展、国民生活の質の向上に向けて、原子力の多様な可能性を最大限引き出す研究開発成果を得る。

主管課(課長名)

  • 研究開発局原子力計画課(山野 智寛)

関係課(課長名)

  • 研究振興局基礎基盤研究課量子放射線研究推進室(林 孝浩)、
  • 同研究振興戦略官(倉崎 高明)、
  • 研究開発局開発企画課立地地域対策室(櫻井 清人)、
  • 同原子力研究開発課(板倉 康洋)、
  • 同研究開発戦略官(千原 由幸)

評価の判断基準

  各達成目標の平均から判断(S=4、A=3、B=2、C=1として計算)。

  • S=3.4~4.0
  • A=2.6~3.3
  • B=1.8~2.5
  • C=1.0~1.7

平成19年度の状況と総合評価結果

達成目標10‐5‐1 A

  高速増殖炉(FBR)サイクル技術については、我が国における高速増殖炉の研究開発体制が整備されるとともに、高速増殖原型炉「もんじゅ」についても運転再開に向けて改造工事等を終えプラント確認試験を進めるなど、順調に進捗している。
  核融合技術については、平成19年6月に幅広いアプローチ協定が、平成19年10月にITER(イーター)協定が発効し、実施体制が整備されるとともに、機器の調達活動等が進められている。
  以上より、本目標は想定通り達成された。

達成目標10‐5‐2 A

  大強度陽子加速器については、リニアック、3GeV(ギガ電子ボルト)シンクロトロンの加速器及び物質・生命科学実験施設の建家が完成するなどの進捗が見られ、平成20年12月には供用を開始できる見込みとなっている。
  また、RIビームファクトリーについては、基幹実験設備の一つであるゼロ度スペクトロメータの整備を完了するなどの進捗が見られるとともに、6月には未知の新同位元素パラジウム125を世界で初めて発見するなどの成果も見られ、順調に進捗している。
  重粒子線がん治療研究については、平成19年度には中期計画での目標(500名)を大幅に上回る641名の患者に対して治療を行なうとともに、先進医療症例数も476名(前年比65名増)と大きく伸びているなど順調に進捗している。
  以上より、本目標は想定通り達成された。

達成目標10‐5‐3 A

  原子力分野の人材育成については、平成19年度より、経済産業省と連携して「原子力人材育成プログラム」を新たに創設し、各大学・高専における優れた原子力分野の人材育成取組に対する支援を行った。
  また、原子力分野の国際協力については、第4世代原子力システムに関する国際フォーラム(GIF)等により、国際協力を進めた。
  電源立地対策については、各立地自治体等からの申請に基づく補助金・交付金の交付等を行った。また、「原子力・エネルギーに関する教育支援事業交付金」等を活用し、初等中等教育段階からの理解促進を図った。
  以上より、本目標は想定通り達成された。

  評価結果:A

必要性・有効性・効率性分析

必要性の観点

  原子力は、供給安定性、地球環境保全に優れたエネルギー源であるとともに、知的フロンティアの開拓と新産業創出等に貢献し、また、国民の生活の向上に資するものである。その研究開発については、安全確保を大前提として、国民に分かりやすい形で情報が提供されるよう情報公開を行うとともに、国民との対話を重視するなど説明責任を果たしながら国民の理解を得つつ推進することが必要である。

有効性の観点

  原子力分野における研究開発の推進に際しては、長期的なエネルギー安定供給を確保するため高速増殖炉(FBR)サイクル技術等の研究開発課題の推進のみならず、長期的な観点からの核融合エネルギーに関する研究開発、また、基礎研究から産業応用に至るまで様々な分野に波及効果が期待できる大強度陽子加速器(J-PARC)計画等の先進的な原子力科学研究など、幅広い分野での研究開発を推進している。さらに、それらの研究開発の基盤をなす基礎基盤研究開発や人材育成、電源立地対策、国際協力の推進等に取り組むことにより、目指す効果が達成できると判断した。

効率性の観点

事業インプット

  • 原子力関係者の資質向上等に必要な経費 305百万円(平成19年度予算額)
  • 原子力分野の研究開発の推進に必要な経費 3,295百万円(平成19年度予算額)
  • 試験研究機関等の試験研究に必要な経費 1,019百万円(平成19年度予算額
  • 原子力の推進及び電源立地地域の振興に必要な経費 31,693百万円(平成19年度予算額)
  • 原子力分野の研究及び電力供給の安定化等に必要な経費 6,496百万円(平成19年度予算額)

事業アウトプット

  本事業の実施により、1核燃料サイクルに関する研究開発、2核融合技術に関する研究開発、3先進的な原子力科学研究などが進展するという効果が見込まれる。

事業アウトカム

  本事業の実施により、エネルギーの安定供給、脱炭素社会の実現、国民福祉の向上、他の研究開発分野の発展などに貢献することが期待される。

今後の課題及び政策への反映方針

予算要求への反映

  これまでの取組を引き続き推進

機構定員要求への反映

  定員要求へ反映

具体的な反映内容について

  達成目標10‐5‐1については、高速増殖炉(FBR)サイクル技術について、FBRサイクル技術の実用化に向け、独立行政法人日本原子力研究開発機構や中核企業のもとで研究開発を引き続き計画的・集中的に進めていくとともに、高速増殖原型炉「もんじゅ」について、プラント確認試験を着実に進め、平成20年度中の運転再開を目指す。また、ITER(イーター)計画について、ITER(イーター)機構への人員派遣を継続するとともに、ITER(イーター)機構との調達取り決めに基づき我が国が分担する機器の調達を着実に進めていく。また、幅広いアプローチ活動では、引き続きサイト整備を進めるとともに3つのプロジェクトにおいて我が国が分担する各種機器の設計・製作を進め、幅広いアプローチ活動を着実に推進していく。

  達成目標10‐5‐2については、大強度陽子加速器(J-PARC)やRIビームファクトリー(RIBF)について、今後とも着実に建設を進めるとともに、各種ビーム利用に先立って、施設の利用促進等に向け、産業界や研究者コミュニティが共同利用しやすい仕組みの構築に取り組み、また、先進的・革新的な量子ビームに係る基盤的要素技術の開発を推進する。また、重粒子線がん治療研究について、難治がんの克服に向けた臨床研究や重粒子線がん治療のさらなる高度化を目指した次世代照射システムの研究開発を行うとともに、専門人材の育成等、普及のための取組みを推進する。

  達成目標10‐5‐3については、引き続き「原子力人材育成プログラム」を実施するとともに、産学官が原子力分野の人材育成課題等について協議する原子力人材育成関係者協議会に参画し、今後の原子力分野の人材育成施策への反映等を目指す。原子力分野の国際協力については、GIFやGNEP等の国際枠組みによる国際協力を進め、原子力技術の研究開発を推進する。また、引き続き、電源立地対策としての財政上の措置を講じるとともに、初等中等教育段階からの原子力・エネルギー教育の支援について、内容の見直しを図りつつさらなる充実を図る。
  高速増殖炉の実用化に係る研究開発及び産業界との連携の体制を強化するため、新たに課長補佐(高連増殖炉実用化・産業連携担当)及び連携係長の設置について要求を行う。
  大強度陽子加速器(J-PARC)の本格稼働等を受け、中性子利用推進体制を強化するため、新たに中性子利用推進係長の設置について要求を行う。
  国際動向の変化を踏まえ、原子力に関する科学技術分野における人材育成・研究開発に関する国際的な連携協力等を総合的・戦略的に推進するため、新たに国際原子力専門官の設置について要求を行う。

関係する施政方針演説等内閣の重要施策(主なもの)

  • エネルギー基本計画(平成19年閣議決定)
  • 経済成長戦略大綱(平成18年経済財政諮問会議決定)
    • エネルギー安全保障の確立と地球温暖化問題の解決を一体的に図るため、「原子力政策大綱」(平成17年10月11日)を踏まえつつ、原子力の研究開発や利用を計画的かつ総合的に推進する。 等
  • 原子力政策大綱(平成17年原子力委員会決定)
  • 21世紀環境立国戦略(平成19年閣議決定)
    • 発電過程で二酸化炭素を排出しないというクリーンなエネルギー源である原子力発電を、安全の確保や核不拡散を大前提に、核燃料サイクルを含めて着実に推進するため、・・・高速増殖炉(FBR)サイクル技術や核融合技術などの技術開発・人材育成等を実施していく。 等
  • 革新的技術戦略(平成20年総合科学技術会議決定)
    • 国の存立に関わる最先端技術として国主導で取り組む国家基幹技術についても引き続き重点的に投資
      国家基幹技術:高速増殖炉(FBR)サイクル技術 等
  • 環境エネルギー技術革新計画(平成20年総合科学技術会議決定)
    • ・・・2030年前後に見込まれるリプレースに向けた次世代軽水炉や2050年よりも前の実用化を目指す高速増殖炉の開発、電力貯蔵等の開発・実証を進める。・・・化石燃料に依存しない大規模なエネルギー源である核融合や宇宙太陽光発電等の技術開発に長期的観点から取組む。 等

関連達成目標

  なし

達成目標10‐5‐1

  エネルギーの長期的安定供給を実現するため、供給安定性や環境適合性に優れた原子力の特性を技術的に高める高速増殖炉サイクル技術や、核融合技術の研究開発等を進める。

(基準年度:18年度・達成年度:22年度)

1.評価の判断基準

判断基準1 高速増殖炉(FBR)サイクル技術
  • S=想定した以上に順調に進捗している
  • A=概ね順調に進捗している
  • B=進捗にやや遅れが見られる
  • C=想定したとおりには進捗していない
判断基準2 ITER(イーター)計画の推進
  • S=想定した以上に順調に進捗している
  • A=概ね順調に進捗している
  • B=進捗にやや遅れが見られる
  • C=想定したとおりには進捗していない

2.平成19年度の状況

    高速増殖炉(FBR)サイクル技術については、「高速増殖炉サイクル技術の今後10年程度の間における研究開発に関する基本方針」(平成18年12月原子力委員会決定)等を踏まえ、これまでの調査研究段階から高速増殖炉サイクルの本格的な実証・実用化に向けた研究開発段階として、経済産業省と連携して「高速増殖炉サイクル実用化研究開発」を本格的に開始した。また、研究開発から実証・実用化段階への円滑な移行を図るために設置した五者協議会(文部科学省、経済産業省、電気事業者、メーカー、独立行政法人日本原子力研究開発機構により構成)は、「高速増殖炉の実証ステップとそれに至るまでの研究開発プロセスのあり方に関する中間論点整理」を4月に取りまとめ、原子力委員会に報告した。さらに、中核メーカー1社にFBR開発の責任と権限及びエンジニアリング機能を集中するという同協議会の方針を受け、4月に三菱重工業株式会社が中核企業に選定され、7月には三菱FBRシステムズ株式会社が高速増殖炉開発会社として事業を開始した。独立行政法人日本原子力研究開発機構、三菱重工業株式会社及び三菱FBRシステムズ株式会社は「高速増殖炉主概念の研究開発実施に関する基本協定」を締結し、我が国における高速増殖炉の研究開発体制が整備された。
  また、高速増殖原型炉「もんじゅ」については、運転再開に向けて改造工事等を終え、8月よりプラント全体の健全性を確認する「プラント確認試験」を進めるなど、2025年頃に実証炉を実現する等のFBR実証ステップおよび研究開発プロセス中での取組として順調に進捗している(プラント確認試験進捗状況:全141項目中77項目終了(平成19年度末))

  ITER(イーター)計画については、平成19年10月にITER(イーター)協定が発効しITER(イーター)機構が正式に発足した。独立行政法人日本原子力研究開発機構を同協定に基づく国内機関に指定し、ITER(イーター)機構への人員等の派遣や我が国が分担する物納機器の調達を進めた。また幅広いアプローチ(ITER(イーター)計画を補完・支援する日欧の研究開発プロジェクト)協定も平成19年6月に発効し、独立行政法人日本原子力研究開発機構が同協定に基づく実施機関に指定された。日欧の代表者から構成される運営委員会にて3つのプロジェクトの事業長を指名し、実施体制を整えたほか、青森県六ヶ所サイト整備などの活動を開始した。このようにITER(イーター)の建設および幅広いアプローチ活動の推進に向けた取組は順調に進捗している。

3.評価結果

  A

判断理由

  各判断基準に照らした結果、A、Aとなり、達成目標10‐5‐1は「想定どおり順調に進捗」と判断。

4.今後の課題及び政策への反映方針

    高速増殖炉(FBR)サイクル技術については、「高速増殖炉サイクルの研究開発方針について」や五者協議会等における検討を踏まえ、FBRサイクル技術の実用化に向け、独立行政法人日本原子力研究開発機構や中核企業のもとで研究開発を引き続き計画的、集中的に進めていく。また、高速増殖原型炉「もんじゅ」は、「発電プラントとしての信頼性実証」と「ナトリウム取扱技術の確立」という所期の目的を達成することを目指し、プラント確認試験を着実に進め、平成20年度中の運転再開を目指す。

  ITER(イーター)計画については、ITER(イーター)機構への人員派遣を継続するとともに、ITER(イーター)機構との調達取り決めに基づき我が国が分担する機器の調達を着実に進めていく。また、幅広いアプローチ活動では、引き続きサイト整備を進めるとともに3つのプロジェクトにおいて我が国が分担する各種機器の設計・製作を進め、幅広いアプローチ活動を着実に推進していく。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方

  「高速増殖炉サイクル実用化研究開発」
(6,500百万円) 独立行政法人日本原子力研究開発機構における高速増殖原型炉「もんじゅ」の研究開発
(19,100百万円)

高速増殖炉(FBR)サイクル技術を確立することにより、長期的なエネルギー安定供給を確保するため、FBRサイクル技術の実用化への概念を明確化し、FBRサイクルの適切な実用化像の構築とそこに至るまでの研究開発を実施する。
  また、高速増殖原型炉「もんじゅ」の運転再開に向け、改造工事等を進める。
五者協議会により「高速増殖炉の実証ステップとそれに至るまでの研究開発プロセスのあり方に関する中間論点整理」が取りまとめられ、「高速増殖炉サイクル実用化研究開発」が本格的に開始するとともに、FBR開発の中核企業が選定され、原子力機構・中核企業・FBR開発会社間で「高速増殖炉主概念の研究開発実施に関する基本協定」が締結されるなど、高速増殖炉サイクル技術の確立に向け、順調に進捗している。
  「もんじゅ」については、改造工事が終了し、プラント確認試験等を着実に進めており、運転再開に向けて順調に進捗している。
継続
ITER(イーター)計画の推進
(5,382百万円)
核融合エネルギーの実現のための重要なステップであるITER(イーター)計画及び幅広いアプローチ活動を推進する。 ITER(イーター)協定及び幅広いアプローチ協定が発効し、両活動を正式に開始した。ITER(イーター)機構への人員等の派遣や両活動において我が国が分担する物納機器の調達を進めるなど、両活動とも順調に進捗している。 継続
独立行政法人日本原子力研究開発機構における高レベル放射性廃棄物処分技術研究開発
(8,937百万円)
高レベル放射性廃棄物地層処分の事業を円滑に進め安全の確保を図るため、地層処分技術の研究開発等を着実に推進する。 深地層の研究施設における坑道掘削及び調査研究等を着実に進めており、処分事業及び安全規制を支える技術基盤の整備に向け、順調に進捗している。 継続

達成目標10‐5‐2

  国民生活の質の向上および産業の発展のため、量子ビームテクノロジー等について、科学技術・学術分野から各種産業にいたる幅広い分野での利活用の促進を図る。

(基準年度:18年度・達成年度:22年度)

1.評価の判断基準

判断基準1 大強度陽子加速器
  • S=想定した以上に順調に進捗している
  • A=概ね順調に進捗している
  • B=進捗にやや遅れが見られる
  • C=想定したとおりには進捗していない。
判断基準2 RIビームファクトリー(RIBF)
  • S=想定した以上に順調に進捗している
  • A=概ね順調に進捗している
  • B=進捗にやや遅れが見られる
  • C=想定したとおりには進捗していない。
判断基準3 重粒子線がん治療研究
  • S=想定した以上に順調に進捗している
  • A=概ね順調に進捗している
  • B=進捗にやや遅れが見られる
  • C=想定したとおりには進捗していない
(参考 中期計画(平成18年度〜平成22年度)において「年間治療患者数を500名」を基準として設定しており、各年度の年間治療患者数を参考にしつつ判断を行う)

2.平成19年度の状況

    大強度陽子加速器については、世界最高レベルのビーム強度を持つ加速器で、平成20年度のビーム供用開始に向け、日本原子力研究開発機構と高エネルギー加速器研究機構が共同で整備を進めているものであり、リニアック、3GeV(ギガ電子ボルト)シンクロトロン、50GeV(ギガ電子ボルト)シンクロトロンの加速器や物質・生命科学実験施設、原子核・素粒子実験施設、ニュートリノ実験施設等の整備を推進している。平成19年度には、リニアック、3GeV(ギガ電子ボルト)シンクロトロンの加速器及び物質・生命科学実験施設の建家が完成した。施設内に設置される中性子源機器の据付を終了し、各種機器の実機による総合試験により所期の目標を達成した。そして、平成19年10月31日には3GeV(ギガ電子ボルト)までの陽子ビームの加速に成功し、平成20年2月末には単パルスで50kW(キロワット)相当以上のビーム出力を実現した。その結果、計画通り、平成20年度に中性子利用実験が開始できる条件が整い、平成20年12月には供用を開始できる見込みである。

  また、RIBFについては、水素からウランまでの全元素のRIを世界最大の強度でビームとして発生する加速器であり、独立行政法人理化学研究所において整備を進めているところ。平成18年度に運転を開始し、平成19年度は基幹実験設備の一つであるゼロ度スペクトロメータの整備を完了するとともに、6月には未知の新同位元素パラジウム125を世界で初めて発見した。またRIビーム発生施設の整備完了を受け、RIBFを利用した研究課題を公募するなど、計画通り順調に進捗している。

  独立行政法人放射線医学総合研究所における重粒子線がん治療研究においては、「がん対策基本法」の施行等を受けて、平成19年度には中期計画での目標(500名)を大幅に上回る641名の患者に対して治療を行なった。また、先進医療症例数も476名(前年比65名増)と大きく伸びている。大腸、子宮等の症例についても引き続き臨床研究を実施している。なお、平成16、17年度に行った普及に向けた装置の小型化要素技術開発の成果を受け、群馬大学にて平成18年度より重粒子線照射施設の建設が順調に進められている。

指標・参考指標

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
(参考1)
中性子実験装置の利用申請日数
6,576 6,710 7,021 6,843 7,328
(参考2)
RIBFを利用した研究課題の応募数
35
1.重粒子線がん治療の治療患者数 333 396 437 549 641

指標に用いたデータ・資料等

  • 参考1 独立行政法人日本原子力研究開発機構調べ
  • 参考2 独立行政法人理化学研究所調べ
  1. 独立行政法人放射線医学総合研究所調べ

指標の設定根拠

  中性子の利用状況を表す一つの参考指標として、現在稼働中の定常中性子源であるJRR-3における中性子実験装置の利用申請日数を示す。
  RIBFの利用に対するニーズの度合いを測る参考指標として、研究課題の応募数を示す。

3.評価結果

  A

判断理由

  各判断基準に照らした結果、A、A、Aとなり、達成目標10‐5‐2は「想定どおり順調に進捗」と判断。

4.今後の課題及び政策への反映方針

    大強度陽子加速器(J-PARC)やRIビームファクトリー(RIBF)について、今後とも着実に建設を進めるとともに、各種ビーム利用に先立って、平成18年6月にとりまとめられた科学技術・学術審議会量子ビーム研究開発作業部会報告書「量子ビームテクノロジーの研究開発・利用推進について」や平成19年6月にとりまとめられた同作業部会報告書(中間取りまとめ)「横断的利用の促進と先端的基盤研究開発の推進」等に基づき、施設の利用促進等に向け、産業界や研究者コミュニティが共同利用しやすい仕組みの構築に取り組み、また、先進的・革新的な量子ビームに係る基盤的要素技術の開発を推進する。

  重粒子線がん治療研究については、難治がんの克服に向けた臨床研究や重粒子線がん治療のさらなる高度化を目指した次世代照射システムの研究開発を行うとともに、専門人材の育成等、普及のための取組みを推進する。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
独立行政法人日本原子力研究開発機構、高エネルギー加速度研究機構における大強度陽子加速器計画
(31,112百万円)
世界最高レベルのビーム強度を持ち、物質・生命科学、原子核・素粒子物理学、エネルギー工学など広範な研究分野に新展開をもたらす大強度陽子加速器(J-PARC)の建設を着実に推進する。 リニアック、3GeV(ギガ電子ボルト)シンクロトロンの加速器、物質・生命科学実験施設を完成し、50GeV(ギガ電子ボルト)シンクロトロンの加速器や原子核・素粒子実験施設等の整備が進捗。平成19年10月には3GeV(ギガ電子ボルト)シンクロトロンにて、3GeV(ギガ電子ボルト)までの陽子ビームの加速・取り出しに成功。20年度からの供用開始に向け、計画通り順調に進捗している。なお、16年度から建設に着手したニュートリノ実験施設についても、当初の計画通り20年度中の完成を予定しており、21年度からの実験開始に向けて順調に進捗している。 残りの施設の建設を継続すると共に、運転維持費を計上していく。
(20年度達成年度到来事業)
ニュートリノ実験施設
(上記の内数)
独立行政法人放射線医学総合研究所における重粒子線がん治療研究
(5,537百万円)
重粒子線がん治療について、臨床試験を進めるとともに、装置の小型化、治療の高度化、次世代照射システムの開発研究及び人材育成等を行い、がんの新しい治療法の確立及び普及を目指す。 19年度に641名(うち先進医療適用476名)の患者を治療した。中期目標の目標値(500名)を大きく超えている。大腸、子宮等の症例についても、引き続き臨床研究を継続している。 継続
独立行政法人理化学研究所におけるRIビームファクトリー計画関連経費(2,842百万円) 水素からウランまでの全元素の同位元素(RI)を世界最大の強度でビームとして創製・利用し、幅広い研究を推進するRIビームファクトリーの建設を推進する。 平成19年度は、基幹実験設備の一つであるゼロ度スペクトロメータの整備が完了するなど、着実に計画が進捗している。また、新同位元素「パラジウム125」の発見や、産業・研究開発用RIの製造・頒布を開始した。 残りの施設の建設を継続すると共に、運転維持費を計上していく。

達成目標10‐5‐3

  原子力にかかる人材の育成・確保、国際協力の推進、電源立地対策としての財政上の措置などを通じ、原子力研究開発の基盤整備を図る。

(基準年度:18年度・達成年度:22年度)

1.評価の判断基準

判断基準1 原子力分野の人材育成
  • S=想定した以上に順調に進捗している
  • A=概ね順調に進捗している
  • B=進捗にやや遅れが見られる
  • C=想定したとおりには進捗していない
判断基準2 原子力分野の国際協力
  • S=想定した以上に順調に進捗している
  • A=概ね順調に進捗している
  • B=進捗にやや遅れが見られる
  • C=想定したとおりには進捗していない
判断基準3 電源立地対策
  • S=想定した以上に順調に進捗している
  • A=概ね順調に進捗している
  • B=進捗にやや遅れが見られる
  • C=想定したとおりには進捗していない

2.平成19年度の状況

    平成19年度より、経済産業省と連携して「原子力人材育成プログラム」を新たに創設し、各大学・高専における優れた原子力分野の人材育成取組に対する支援を行った。また、独立行政法人日本原子力研究開発機構では、原子力・エネルギー技術者への講習の実施や、東京大学大学院原子力専攻をはじめとした原子力に関する教育を行っている大学との連携大学院制度を活用した教育を行った。

  原子力分野の国際協力に関しては、第四世代原子力システムに関する国際フォーラム(GIF)や国際原子力エネルギーパートナーシップ(GNEP)等の先進国との協力に参画するとともに、アジア諸国等を対象とした研修事業等を実施した。また、国際機関への協力として、国際原子力機関(IAEA)や経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)への資金的・人的貢献等を実施した。

  電源立地対策として、各立地自治体等からの申請に基づく補助金・交付金の交付等を行った。これにより、地元地域において社会福祉施設が整備されるなど、地元住民の福祉の向上が図られた。また、「原子力・エネルギーに関する教育支援事業交付金」等を活用し、初等中等教育段階からの理解促進を図った。

指標・参考指標

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
1.独立行政法人日本原子力研究開発機構(旧日本原子力研究所及び核燃料サイクル開発機構)との連携大学院制度を取り入れている大学の専攻数 18 21 21 22 24
2.独立行政法人放射線医学総合研究所との連携大学院制度を取り入れている大学の専攻数 7 8 9 12 16

指標に用いたデータ・資料等

  1. 独立行政法人日本原子力研究開発機構調べ
  2. 独立行政法人放射線医学総合研究所調べ

指標の設定根拠

  原子力研究開発の基盤整備の根幹となる人材育成・確保の状況を表す指標として、研究開発機関と大学の協力による人材育成状況の進捗度合いを用いており、具体的に連携大学院制度取り入れ大学の専攻数を用いている。

3.評価結果

  A

判断理由

  各判断基準に照らした結果、A、A、Aとなり、達成目標10‐5‐2は「想定どおり順調に進捗」と判断。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  • 引き続き「原子力人材育成プログラム」を実施するとともに、産学官が原子力分野の人材育成課題等について協議する原子力人材育成関係者協議会に参画し、今後の原子力分野の人材育成施策への反映等を目指す。
  • 今後とも、GIFやGNEP等の国際枠組みによる国際協力を進め、原子力技術の研究開発を推進することが必要である。
  • また、引き続き、電源立地対策としての財政上の措置を講じるとともに、初等中等教育段階からの原子力・エネルギー教育の支援について、内容の見直しを図りつつさらなる充実を図る。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
原子力人材育成プログラム(150百万円) 経済産業省と連携し、大学や高専における優れた原子力分野の人材育成取組に対して支援を行う。 初年度として、のべ35大学・8高専(うち文科省分のべ13大学・8高専)の人材育成取組に対して支援を行った。 継続
「原子力・エネルギーに関する教育支援事業交付金」(483百万円) 全国の各都道府県が学習指導要領の趣旨に沿って主体的に実施する原子力やエネルギーに関する教育に対し、財政上の支援を講ずる。 19年度においては、交付都府県において、副教材の作成・購入、教員の研修、施設見学等が行われた。 継続
国際協力の推進(−) GIFやGNEP等の国際枠組みによる国際協力を進め、原子力技術の研究開発を推進する。 GIF、GNEP等の政策的会合に当省からも積極的に参加し、我が国原子力技術の研究開発の推進に反映させたほか、諸外国に対して我が国の開発方針が取り入れられるよう取り組んだ。 継続
電源立地地域対策交付金(7,585百万円)
リサイクル研究開発促進交付金(596百万円)
各立地自治体に対し、発電の用に供する施設の設置及び運転の円滑化に資するため等の事業に対し、財政上の措置を講ずる。 19年度においては、交付先地方自治体において公共用施設の整備事業、福祉対策事業、地域活性化事業等が行われた。 継続

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --