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施策目標10-4 ナノテクノロジー・材料分野の研究開発の重点的推進

(基準年度:19年度・達成年度:23年度)

  ナノテクノロジーに関して、我が国における産学官の英知を結集した戦略的な取組みを行うと共に、物質・材料に関して、重点的に投資を行うことにより、総合的かつ戦略的な研究開発を進め、世界に先駆け技術革新につながる成果を創出する。

主管課(課長名)

  • 研究振興局基礎基盤研究課ナノテクノロジー・材料開発推進室(高橋 雅之)

関係課(課長名)

  • 科学技術・学術政策局計画官(柿田 恭良)、研究開発局研究開発戦略官(千原 由幸)

評価の判断基準

  • S=3.4~4.0
  • A=2.6~3.3
  • B=1.8~2.5
  • C=1.0~1.7

平成19年度の状況と総合評価結果

達成目標10‐4‐1 A

  • ナノテクノロジー・材料を中心とした融合新興分野研究開発(キーテクノロジー研究開発の推進)
  • 経済活性化のための研究開発プロジェクト(リーディング・プロジェクト)
  • ナノテクノロジー分野別バーチャルラボ

  といった競争的資金による社会還元を目指す目的志向のプロジェクト研究においては、種々の論文が発表されており、また、有識者からなる外部評価においても、概ね当初の研究の目標が順調に進捗していると評価されている。

達成目標10‐4‐2 B

  独立行政法人物質・材料研究機構による研究開発については、平成19年度は第2期中期目標・計画期間の2年目に相当するが、この計画を着実に実施しており、また、独立行政法人評価委員会基礎基盤部会物質・材料研究機構作業部会による外部評価においても、重点研究開発領域における基礎研究及び基盤的研究開発の進捗状況等の中期目標に掲げている各項目について評価したところ、3項目がS、29項目がA、1項目がBとの評価になっている。

  平成19年度の基本目標10‐4の達成度合いについては、上記の各達成目標の達成度合いが概ね順調であったことから、基本目標10‐4については、一定の成果が上がっており概ね順調と判断できる。
  達成目標の結果は、A、Aとなり、かっこ3たす3かっことじわる2=3.0であった。

  評価結果:A

必要性・有効性・効率性分析

必要性の観点

  キーテクノロジー研究開発の推進の一部である「元素戦略」は、我が国の持続可能な発展を脅かす希少資源の供給問題への対策として、豊富でありふれた元素で置き換えた代替材料の開発を行うものである。第3期科学技術基本計画の戦略重点科学技術においても、「希少資源や不足資源に対する抜本的解決策として、それらの資源の代替材料技術の革新は必須であり、省資源問題の中でも、最も材料技術に期待されているところである。」と記載されているように、資源に乏しく科学技術創造立国を目指す我が国にとって、持続的な経済成長を支える上で極めて重要な研究開発の課題である。

  リーディング・プロジェクトの一部である「次世代の電子顕微鏡の要素技術の開発」は、我が国が、今後とも基礎科学のみならず応用科学の分野で世界を先導し、材料を初めとする産業分野における国際競争力を維持するため、電子顕微鏡を中心とした分析技術のニーズを把握して、性能・機能向上に向けた研究開発を産学官が連携して推進し、欧米に対するイニシアティブを維持するために重要な研究課題である。

有効性の観点

  キーテクノロジーの研究開発の推進においては、競争的資金により産学連携や拠点形成を促進することで、要素技術が実証され、実用化に向けた研究開発が活性化することが期待される。「元素戦略」を例にとると、経済産業省の「希少金属代替材料開発プロジェクト」と公募段階から連携し、両省で情報を共有してそれぞれのプロジェクトへの提案が相応しい課題については再提案を認めるなどの運用も行われており、省庁連携施策の有効事例と評価されている。

  リーディング・プロジェクトは、トップダウンで国として解決すべき課題を課し、比較的短期間で実用化が期待される研究開発を行うものであり、我が国が国際競争力を維持する観点で有効な推進方法であると考える。「次世代の電子顕微鏡の要素技術開発」においては、実際に電子顕微鏡の機器開発を担っている機器メーカー等の参画を必要条件とした産学官連携チームを構成し、参画企業に対しては、技術シーズの実用化に向けた取組を強力に推進するため、自己負担を求めていることから、有効な投資方法と判断できる。

効率性の観点

事業インプット

  • ナノテクノロジー・材料分野の研究開発の推進に必要な経費 4,308百万円
  • ナノテクノロジー・材料を中心とした融合新興分野研究開発(キーテクノロジー研究開発の推進) 2,140百万円
  • 経済活性化のための研究開発プロジェクト(リーディング・プロジェクト) 2,142百万円 等

事業アウトプット

  本事業の実施により、1社会への成果還元に向けた目的志向型のプロジェクト研究により、10~15年後の実用化が期待される研究開発や、比較的短期間で実用化が期待される研究開発が促進される、2独立行政法人物質・材料研究機構による新たな知を生み出す独創的・先端的研究開発が推進される、といった効果が上げられる。

事業アウトカム

  社会還元を目指すナノテクノロジー・材料分野のプロジェクト研究を推進することで、異分野融合研究や産学連携が推進されることが期待される。
  以上より、事業の波及効果も認められ、効率性の観点から妥当である。

今後の課題及び政策への反映方針

予算要求への反映

  これまでの取組を引き続き推進

具体的な反映内容について

  ナノテクノロジー・材料分野発のイノベーション促進を図り、科学技術創造立国を実現するため、「第3期科学技術基本計画」、総合科学技術会議の「分野別推進戦略」、「革新的技術戦略」及び「環境エネルギー技術革新計画」等を反映しながら、引き続き各施策を着実に推進する必要がある。
  各施策において中間・事後評価の時期を迎える課題に対しては、厳格に評価を実施し、施策の継続の可否、内容の見直しの要否、新規施策への反映等について判断する。
  革新的技術戦略である「レアメタル代替材料・回収技術」には、文部科学省「元素戦略」、経済産業省「希少金属代替材料開発プロジェクト」、環境省「回収技術」が対応している。
  「元素戦略」については、希少資源の代替・使用量大幅削減の観点とともに、材料をあらかじめリサイクルしやすい成分で作る等の資源のリサイクルを推進する観点を新たに加え、関係省庁と連携して推進する予定。

関係する施政方針演説等内閣の重要施策(主なもの)

ナノテクノロジー・材料を中心とした融合新興分野研究開発(キーテクノロジー研究開発の推進)

分野別推進戦略(平成18年3月28日、総合科学技術会議)ナノテクノロジー・材料分野

戦略重点科学技術「資源問題解決の決定打となる希少資源・不足資源代替材料革新技術」

  元来資源が少ない日本においては、資源問題は我が国が直面する大きな課題である。希少資源や不足資源に対する抜本的解決策として、それらの資源の代替材料技術の革新は必須であり、省資源問題の中でも、最も材料技術に期待されているところである。日本あるいは世界で資源枯渇の影響のない持続可能な社会の確立を図るためにも、集中配分による技術開発は必須となる。

「革新的技術戦略」(平成20年5月19日総合科学技術会議)

革新的技術一覧 希少資源対策技術、レアメタル代替材料・回収技術

  我が国経済を支える自動車、ロボット、エレクトロニクス等の先端産業においてレアメタルは不可欠。薄型ディスプレイに必須のインジウム等の代替技術や回収・再利用技術を開発することにより、これら先端産業の持続可能性を確保する。

革新的技術一覧 新材料技術 新超伝導材料技術(磁性元素超伝導体等)

  新たな超伝導材料を研究開発することにより、従来にはない「高い超伝導転移温度」、「大電流・強磁場に耐える超伝導材料」が実現すると期待される。これにより、超伝導応用機器の小型化・低コスト化が可能となり実用化が加速する。また、例えば現在技術開発中の超高速大量輸送システムであるリニアモーターカーへの応用も期待される。

「環境エネルギー技術革新計画」(平成20年5月19日総合科学技術会議)

1.低炭素社会実現向けた我が国の技術戦略

(2)中長期的対策(2030年以降)に必要な技術

  2技術のブレークスルーを実現するための基盤技術
新しい技術の芽を実用化するには、多くの技術的障害を乗り越える必要がある。これらの障害のブレークスルーを実現するため、新しい触媒や材料(耐熱・高温材料、超電導材料、白金代替触媒等)などを開発する基礎・基盤的な技術の研究を推進する。

関連達成目標

  なし

達成目標10‐4‐1

  ナノエレクトロニクス領域、ナノバイオテクノロジー領域、材料領域における実用化・産業化を展望した研究開発及び融合研究領域における研究開発を推進し、イノベーションの創出を図る。

(基準年度:14年度・達成年度:23年度)

1.評価の判断基準

  各判断基準の結果の平均から判断する(S=4、A=3、B=2、C=1と換算する。)

判断基準1 ナノテクノロジー・材料を中心とした融合新興分野研究開発(キーテクノロジー研究開発の推進)
(産学官連携型)
  • S=実用化技術として国際標準となり、新たな研究開発領域を構築
  • A=要素技術が実証され、実用化に向けた研究開発への取り組みが活発化
  • B=要素技術の実現に向けた知識、技術が蓄積されるが、手法の優位性が明確ではない、あるいは、課題が多く実用化研究への移行に長期的取り組みが必要となる
  • C=要素技術の確立に多くの課題が見出され、実用化研究開発への移行の道筋が描けない、あるいは、先行して他の手法による高性能な実用化が達成される
判断基準2 ナノテクノロジー・材料を中心とした融合新興分野研究開発(キーテクノロジー研究開発の推進)
(研究拠点形成型)
  • S=世界的に認知された研究拠点として、多数の技術革新を生むとともに、新たな融合研究領域の開拓につながる研究開発成果を上げ、研究拠点の優れたモデルを構築
  • A=技術革新につながる研究開発成果を創出し、当該研究領域の主要な研究拠点として活動
  • B=多様な研究開発成果が創出されるが、技術革新につながる成果が不十分、あるいは、シナジー効果に基づく研究成果創出が不十分のため研究拠点の存在意義が十分に認められない
  • C=技術革新につながる成果を創出できず、拠点としての機能も不十分で存在意義が薄い
判断基準3 経済活性化のための研究開発プロジェクト(リーディング・プロジェクト)
  • S=想定した以上に順調に進捗している
  • A=概ね順調に進捗している。
  • B=進捗にやや遅れが見られる
  • C=想定したとおりには進捗していない
判断基準4 ナノテクノロジー分野別バーチャルラボ論文掲載数
  • S=1課題当たりの論文掲載数が想定以上に増加した場合
  • A=1課題当たりの論文掲載数が想定どおりに増加した場合
  • B=1課題当たりの論文掲載数が想定どおりに増加したとは言えない場合
  • C=1課題当たりの論文掲載数が減少した場合
  • ※ 想定とは前年に比べ約20%増加している場合

   

2.平成19年度の状況

  ナノテクノロジー・材料分野では、総合科学技術会議が取りまとめた「分野別推進戦略」に基づき、ナノエレクトロニクス、ナノバイオテクノロジー、材料の各領域において、基礎的・先導的な研究から実用化を展望した研究開発までを推進している。このため、社会への成果還元に向けた目的志向のプロジェクト研究を以下の2つの競争的資金で実施している。

    • (1)ナノテクノロジー・材料を中心とした融合新興分野研究開発(キーテクノロジー研究開発の推進)
    • (2)経済活性化のための研究開発プロジェクト(リーディング・プロジェクト)
  • また、ナノテクノロジー・材料分野の研究を推進する目的で、以下のプロジェクトを実施している。
    • (3)独立行政法人科学技術振興機構「ナノテクノロジー分野別バーチャルラボ」

(1)ナノテクノロジー・材料を中心とした融合新興分野研究開発(キーテクノロジー研究開発の推進)

(産学官連携型)

  「元素戦略」は、我が国の持続可能な発展を脅かす希少資源の供給問題の対策として、豊富でありふれた元素で置き換えた代替材料の開発を行う研究課題で、平成19年度から5年計画で7件の研究課題を採択して研究開発を実施している。ここでは経済産業省の「希少金属代替開発プロジェクト」と連携して、研究領域の重複の排除などの効率的な研究の推進、研究課題の採択時における審査案件の交換等、効果的、効率的な運用を目指した省庁連携の成功例と評価されている。

  「非シリコン系材料を基盤とした演算デバイス」では、半導体トランジスタの微細化限界を超えたデバイスの開発を目標として原子スイッチを用いたデバイスの開発を行っているが、酸化タンタル系材料を原子スイッチに用いることによって動作電圧を改善した結果、良好なスイッチング動作を確認し、NECが共同研究によってその実用化のための研究開発を進めるなど、当初の目標を越えた速度で研究が進捗している。原子スイッチの研究は平成19年度の文部科学大臣賞を受賞した。

  「超高密度情報メモリの開発」では、従来の記録密度の100倍以上の記録を可能とする情報メモリを開発し、光メモリ分野でブルーレイHDの次世代に位置付けられる光ディスク規格であるHVD(ホログラフィック・バーサタイル・ディスク)において、世界標準の獲得を目標としている。この研究では、プロトタイプデバイスを作成し、光位相変調デバイスのポイントである光位相の連続変化を確認した。また今後の評価に耐える十分な性能の薄膜トランジスタ素子を試作した。さらに光フェーズロック原理検証(記録再生)デモに成功し、フォトポリマ材料試作のためのナノゲル材料を試作するなど、当初掲げた研究目標が順調に進捗している。

  「革新的環境・エネルギー触媒の開発」では、エネルギー変換型光触媒において可視光領域への拡張をなし、選択酸化触媒については構造に起因した特異的選択性を確認して高い活性を実現し、また固体酸触媒では結晶化技術の開発により排ガス触媒への展開の可能性を見いだすなど、いずれも中間評価の目標の達成に目処を得ている。

  「ナノ環境触媒の開発」では、新規開発触媒で水素転化率、過酸化水素選択率のいずれも中間目標を前倒しで達成し、工業化に向けて最終目標の上方修正を行った。

  「組織制御構造体の開発」では、省エネ・省資源、低排出ガスの環境負荷低減に不可欠な複相鋼板の高強度・軽量化に向けた研究開発が実施されているが、複相鋼板中の脆性層マルテンサイトの延性を飛躍的に向上させることで、当初目標として掲げた強度1,200MPa(メガパスカル)、伸び20パーセントの複層材料を達成した。また界面構造の観察から界面強度に影響する因子をいくつか抽出し、複層鋼板の強度や延性バランス向上メカニズムを明らかにするなど、当初掲げた目標に向けて順調に研究が進捗している。

(研究拠点形成型)

  東京大学等に委託しているナノバイオ・インテグレーション拠点形成に関しては、平成19年度中に必要な共用設備の整備はほぼ完了した。
  米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校やスイス連邦工科大学と共同で国際シンポジウムの開催を実現するなど、世界的拠点としての各国の優れた研究機関と対等な地位を確保し、ナノバイオ分野における国際連携を推進した。
  また、拠点内医学工学異分野共同研究は66件に達し、医工融合研究を大幅に促進するなど、本拠点を中心としてナノバイオ融合領域という新興学問分野の確立に貢献した。
  さらに、拠点内で生まれた研究シーズをニコン、富士フイルムなど企業の手で新たな診断及び細胞治療に貢献する細胞解析装置の実用化に結びつけている。また拠点で生まれた人工細胞膜技術を日本メディカルマテリアルにより人工関節の開発に結びつけるなどの成果が得られ、分野融合及び研究シーズのニーズへの連携という観点で成果が上げられていると評価できる。

(2)経済活性化のための研究開発プロジェクト(リーディング・プロジェクト)

(継続課題)

  「次世代の電子顕微鏡の要素技術開発」においては、我が国が優位な分野がある一方で、他国に立ち後れている分野(ドイツで革新的発展が進んだ収差補正、画像検出技術等)がある。このため、分野を限定し、戦略的・集中的に研究資源を投入して次世代の顕微鏡の要素技術開発を行うことが求められている。
  このプロジェクトでは、軟X線平面結像球面回折格子の理論設計と特性評価装置開発、蒸着物質による高回折効率化、実験用電子銃の基本特性評価による高輝度化の確認等を達成することで、単原子に迫る超高分解能電子顕微鏡や、製造現場などで使える電子顕微鏡、光学顕微鏡のメリットを備えた研究用電子顕微鏡の実現に向けた研究開発が、概ね当初の目的どおり順調に進捗している。

(終了課題)

  「次世代型燃料電池プロジェクト」では、燃料電池の実用化において価格面で大きな障害となっている白金触媒の代替が大きな課題となっているが、高比表面積の白金触媒を用いて高温運転することにより白金使用量を大幅に低減できる可能性を明確にした。また、炭化水素系膜利用単セルとしては最長記録となる5,000時間の運転試験に成功するなど、燃料電池の実用化に向けた成果が得られている。

  「ナノテクノロジーを活用した人工臓器の開発」では、人工臓器長寿命化のための血管化技術において非常に高い細胞侵入性と血管誘導能の発現、人工靱帯の生体内での長期にわたる安定性・機能性の特定、人工骨のデバイス化においても配向材の特性等を研究目標に掲げていたが、それらの課題に対して概ね結論が得られ、人工骨についてはペンタックスが事業化する目処が立つなどの成果が得られている。

  「超高感度NMR(核磁気共鳴装置)の開発」では、平成19年10月にS/N感度5,226(600MHz(メガヘルツ)試作機プラス低温常伝導プローブ)を達成することで、対象物質の特定がより容易になった。また、実証マグネット試作では、設計値(21T(テスラ))には及ばないものの、世界最高レベルの19.97T(テスラ)の磁場発生に成功し、従来では観察できなかったタンパク質等の有機物の構造解析等が可能になることで、創薬分野に大きな貢献が期待される。また、試作機(300MHz(メガヘルツ)、日立に設置)を使用した測定やタンパク質のハイスループット精製試験において、大幅なタンパク質の生成時間の短縮と、精製精度の向上が図られた。

  このように、平成19年度は上記のような5件の研究開発課題が終了したが、それぞれの研究課題において、当初掲げられた目標を達成でき、研究成果の一部について企業が事業化の目処を立てるなどの成果も上げられている。
  また、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会ナノテクノロジー・材料委員会において、有識者の視点から研究開発の事後評価を行ったが、概ね順調に進捗したと評価されている。

(指標・参考指標)
  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
1.ナノテクノロジーを活用した新しい原理のデバイス開発
プロジェクト関連論文・研究発表数
76 101 112 133
2.ナノテクノロジーを活用した人工臓器の開発
プロジェクト関連論文・研究発表数
27 53 49 71 203
3.超高感度NMRの開発
プロジェクト関連論文・研究発表数
2 12 41 48 72
4.次世代型燃料電池プロジェクト
プロジェクト関連論文数・研究発表数
44 43 74 116 73
5.極端紫外(EUV)光源開発等の先進半導体製造技術
プロジェクト関連論文・研究発表数
112 205 201 181 177
(指標に用いたデータ・資料等)

  独立行政法人科学技術振興機構調べ

(指標の設定根拠)

  各プロジェクトの成果を客観的に判断する指標として、関連する論文数を用いた。

(3)ナノテクノロジー分野別バーチャルラボ

  独立行政法人科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業における運営費交付金の一部として、平成14年度~平成19年度の6年間に渡り研究開発を実施した。ここでは、3つの戦略目標の下に10の研究領域の下に研究総括を選定し、各研究領域の研究者の公募を実施し、採択されたトップレベルの研究者の緊密な連携の下に10~20年後の実用化・産業化を展望した効果的な研究を開始した。
  全体を1つの「ナノテクノロジー分野別バーチャルラボ」(=姿なき研究所)として捉え、研究領域ごとの研究推進に加え、研究領域を越えた情報交換・コラボレーション、合同シンポジウム・領域会議の開催など有機的な運用・連携を推進した。平成19年度はその最終年度として成果報告会を開催したが、そこでは着実な成果が報告された。

(指標・参考指標)
  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
分野別バーチャルラボにおける論文数 944 1,562 1,928 1,936 1,437

3.評価結果

  A

判断理由

  ナノテクノロジー・材料を中心とした融合新興分野研究開発(キーテクノロジー研究開発の推進)、経済活性化のための研究開発プロジェクト(リーディング・プロジェクト)においては、適宜研究の進捗について報告を受けており、概ね順調に進捗していることを確認している他、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会ナノテクノロジー・材料委員会においても、研究開発の進捗を評価するため、中間評価、事後評価を実施している。
  ここでは、研究課題採択時に掲げられた目標に対して、目的達成度、進捗状況、計画の妥当性、科学的・技術的価値や波及効果等を評価しているが、国際標準とはならないまでも、要素技術が実証され、実用化に向けた研究開発が活発に行われている評価されている。
  ナノテクノロジー分野別バーチャルラボにおいては、研究課題の評価の他に、研究領域としての戦略目標の達成状況についても、研究領域としてのねらいに対する研究成果の達成度、科学技術の進歩に資する研究成果、社会的及び経済的な効果・効用に資する研究成果等の観点で外部有識者による評価がなされており、概ね順調に進捗したと評価されている。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  各施策は概ね順調に進捗しているが、総合科学技術会議が取りまとめた「革新的技術戦略」の重点的に推進すべき課題の一つである「レアメタル代替材料・回収技術」に対応するため、技術の研究開発を促進する必要があり、文部科学省「元素戦略」、経済産業省「希少金属代替材料開発プロジェクト」、環境省「回収技術」が対応している。
  このうち、「元素戦略」については、希少資源の代替・使用量大幅削減の観点とともに、材料をあらかじめリサイクルしやすい成分で作る等の資源のリサイクルを推進する観点を新たに加え、関係省庁と連携して推進する予定。

  一方で、電子顕微鏡は物質・材料を原子スケールで直接観ることを可能とする強力な観察・分析・解析装置であり、最先端のナノテクノロジーの研究領域に不可欠であるとともに、品質管理等で産業を支える基盤技術でもあり、対象物を直接観測可能にする優れたツールであるが、1電子線照射により構造が破壊あるいは分離される「柔らかい」物質の観察、2化学構造・電子状態の動的計測、3磁場中観測等の不得手とする領域の存在が示唆されるようになったが、次世代の電子顕微鏡要素技術の開発で得られた成果を生かしつつ、これらの課題を克服するため、電子顕微鏡の新規な活用領域を開拓する。
  このように電子顕微鏡の活用領域が広がることで、我が国の基礎・応用科学の分野におけるイニシアティブを高めるとともに、材料を初めとする産業分野での国際競争力の強化にもつなげる。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
ナノテクノロジー・材料を中心とした融合新興分野研究開発
(2,140百万円)
最終的な出口である製品・サービスを見据えた融合研究領域における研究を産学連携体制のもとで行うことにより技術革新を創出するとともに、優れたシーズ技術をコアとしてシナジー効果を得ることが期待される新たな融合研究領域の開拓を目指し、研究開発を実施。 産学官連携型において着実に研究開発を進めるとともに、研究拠点形成型において融合研究を推進した。 これまでの施策の効果を維持しつつ、成果創出に向けた研究開発を加速するとともに、平成19年度から開始された「元素戦略」プロジェクトを一層推進。
経済活性化のための研究開発プロジェクト(リーディング・プロジェクト)
(2,143百万円)
5〜10年後の実用化・産業化を目指して、ナノテクノロジーと他分野との融合領域及び共通基盤技術における研究開発を、産学官の連携のもとで推進。 電子顕微鏡基本体の開発、軟X線平面結像球面回折格子の理論設計と特性評価装置開発、蒸着物質による高回折効率化、実験用電子銃の基本特性評価による高輝度化の確認等を達成した。 次世代の電子顕微鏡要素技術の開発以外は平成19年で廃止。
ナノテクノロジー分野別バーチャルラボ
(独立行政法人科学技術振興機構l運営費交付金47,386百万円の内数)
独立行政法人科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業における運営費交付金の一部として研究を実施した。 ナノテクノロジー分野別バーチャルラボにおいて、1,437件の論文掲載(平成19年度)があるなど、研究成果による論文掲載数が順調に増加している。 ナノテクノロジー分野別バーチャルラボは終了するが、この成果を踏まえて、戦略的創造研究推進事業におけるナノテクノロジー関連の研究開発の更なる連携を促進。

達成目標10‐4‐2

  物質・材料研究機構において、物質・材料科学技術に関する基礎研究及び基礎的研究開発等の業務を総合的に行い、物質・材料科学技術水準の向上を図る。

(基準年度:18年度・達成年度:22年度)

1.評価の判断基準

  各判断基準の結果の平均から判断する(S=4、A=3、B=2、C=1と換算する。)

判断基準 独立行政法人評価委員会による評価を基に判断
  • S=全ての項目の評価が「A」以上で、かつ1/3以上の項目において評価「S」
  • A=「A」以上の評価項目が9割以上
  • B=「A」以上の評価項目が9割未満
  • C=一部の項目において評価「C」

2.平成19年度の状況

  独立行政法人物質・材料研究機構は、物質・材料研究を専門にする我が国唯一の独立行政法人であり、物質・材料科学技術に関する基礎研究及び基盤的研究開発を行っている。
  こうした観点から、機構では、平成18年度からの第2期中期目標・計画期間の中で、以下の重点研究開発領域において研究プロジェクトを開始している。

(1)ナノテクノロジーを活用する新物質・新材料の創成のための研究の推進

  • ナノテクノロジー共通基盤技術の開発
  • ナノスケール新物質創製・組織制御
  • ナノテクノロジーを活用する情報通信材料の開発
  • ナノテクノロジーを活用するバイオ材料の開発

(2)社会的ニーズに応える材料の高度化のための研究開発の推進

  • 環境・エネルギー材料の高度化のための研究開発
  • 高信頼性・高安全性を確保する材料の研究開発

  また、平成19年度に世界トップレベル研究拠点(国際ナノアーキテクトニクス研究拠点)に選定されたことを受けて、国際的に開かれた環境の下に、世界の優れた研究者、特に将来を担う若手研究者を集結し、持続可能な発展を実現する新しい物質・材料を開発して社会に提供することを目的として研究開発を実施している。
  具体的には、単なるナノ構造の創出や機能の解明に留まらず、個々のナノ構造の相互作用を良く理解し、かつ、それらを意のままに配置することにより、材料の究極的な機能を引き出して利用する技術の確立を目指すとともに、物質・材料研究の中核的機関としての更なる国際化の推進、テニュアトラックの導入、研究人材の育成等を推進している。

  独法評価委員会による「業務の実績に関する評価」においては、平成19年度には「全体として落ち着いた研究環境になり、量を高いレベルで維持しつつ、質への追求が順調に進行している。」等との評価を受けており、概ね順調に進捗している。また、「世界トップレベル研究拠点(国際ナノアーキテクトニクス:MANA)に採択され、これを契機に若手研究者の独立自立型の研究体制への試みが始まり、新たな体制への試金石として注目。」との評価も受けている。
  (「物質・材料研究開発機構の平成19年度に係る業務の実績に関する評価」より抜粋)

指標・参考指標

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
1.プロジェクト関連論文数 1,155 1,237 1,283 1,351 1,123
2.論文被引用数(平成15〜19年) 7,655
3.論文被引用数ランキング世界順位(材料研究分野、平成15〜19年度) 5
4.特許出願数 549 514 574 516 416

指標に用いたデータ・資料等

   1~3:トムソンサイエンティフィック社ESIデータベース、4.文部科学省調べ

指標の設定根拠

  独立行政法人物質・材料研究機構の研究成果を継続的・客観的に示すものとして、論文数及びその質を示す引用回数を指標とした。

3.評価結果

  A

判断理由

  文部科学省独立行政法人評価委員会物質・材料研究機構作業部会において、物質・材料研究機構の第2期中期目標に掲示されている、重点研究開発領域における基礎研究及び基盤的研究開発の進捗状況や、物質・材料研究の中核的機関としての活動の状況等について評価を行っているが、中期目標に記載されている個々の項目の評価については、3つの項目がS、29の項目がA、1つの項目がBであり、9割以上の項目の評価がAであったため、上記のように評価できる。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  これまでの施策の効果を維持しつつ、研究開発を加速するとともに、第2期中期目標・計画の達成に向けて各研究テーマを引き続き着実に推進する。
  また、現在「ナノテクノロジーを活用した環境技術の開発に関する検討会」を設置して、ナノテクノロジーを活用することで抜本的な機能の向上が図れる環境技術について、人的な研究者ネットワークや開放型の研究インフラの形成や、国際研究ハブとしての機能や人材を育成する土壌の形成の仕方について検討を行っているが、物質・材料研究機構はこの結果を踏まえ、環境・エネルギー材料の高度化のための研究開発を重点的に推進する。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
独立行政法人物質・材料研究機構の運営費交付金による事業
(15,803百万円)
第2期中期目標・中期計画に基づき、ナノテクノロジーを活用する新物質・新材料の創成のための研究、社会的ニーズに応える材料の高度化のための研究開発を実施。 中期目標・計画に基づいて、ナノテクノロジー共通基盤技術の開発、ナノスケール新物質創製・組織制御や環境・エネルギー材料の高度化のための研究開発などの研究プロジェクトを開始し、1,123件の論文を発表。 独立行政法人評価委員会による評価結果を踏まえ、第2期中期目標・計画の達成に向けて研究プロジェクトを着実に推進する。

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大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --