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施策目標9-3 科学技術振興のための基盤の強化

(基準年度:13年度・達成年度:24年度)

  先端的な研究施設・設備・機器、知的基盤等は、独創的・先端的な基礎研究からイノベーション創出に至るまでの科学技術活動全般を支える基盤として不可欠なものであることから、その整備や効果的な利用を促進する。

主管課(課長名)

  • 研究振興局研究環境・産業連携課(田口 康)

関係課(課長名)

  • 研究振興局情報課(舟橋 徹)、同基礎基盤研究課(大竹 暁)、
  • 同基礎基盤研究課ナノテクノロジー・材料開発推進室(高橋雅之)、同ライフサイエンス課(菱山 豊)

評価の判断基準

  各達成目標の平均から判断(S=4、A=3、B=2、C=1として計算)。

  • S=3.4~4.0
  • A=2.6~3.3
  • B=1.8~2.5
  • C=1.0~1.7

平成19年度の状況と総合評価結果

達成目標9‐3‐1:S

  公的研究試験機関等における知的基盤の整備状況について、研究用材料、計量標準、計測方法・機器等については、戦略目標を上回るペースで整備が進捗している。データベースについては、一部想定通りではなかったが、材料物性データベースについては、計画どおりに整備が進捗している。以上により、本達成目標は、概ね順調に進捗している。

達成目標9‐3‐2:A

  大学、独立行政法人等が有する先端的な研究施設の産業界による利用については、各機関で当初予定していたマシンタイムの131パーセントを共用に供しており、着実に本事業により利用者を確保している。有償利用体制が整備された機関数については、事業開始前の平成18年度に対して、5機関増加し、本格的な有償利用に向けて体制整備進んでおり、また有償利用実績については、平成18年度に有償利用実績があった機関において、平成18年度と比較して、有償利用件数が平均で109パーセントにのぼり、各機関で昨年度以上に有償利用が図られていることが確認された。以上より、本達成目標は、事業開始直後としては概ね順調に進捗している。

達成目標9‐3‐3:A

  先端研究施設共用イノベーション創出事業(ナノテクノロジー・ネットワーク)については、産業界の利用も含めて大学や研究開発独立法人等が所有している先端的な施設や装置の共用化が活発に推進され、年間1,200件以上の研究支援が行われるなど、概ね順調に進捗している。また、シンポジウム等の開催や、ホームページの公開により、ナノテクノロジーに関する情報収集・発信、研究者の交流促進が推進されており、本事業は概ね順調に進捗している。

達成目標9‐3‐4:A

  次世代スーパーコンピュータプロジェクトのハードウェアの設計、施設整備、ソフトウェアの研究開発については、概ね計画通りに進捗している。また、共用については、18年度から19年度にかけて基本的な方針に対する意見募集を実施した。さらに、グリッドミドルウェアについては、仮想組織(Vo)機能を備え、100テラプロップス級のグリッド環境を構築しうるミドルウェアを完成させた。以上より、本達成目標は概ね計画通りに進捗している。

達成目標9‐3‐5:A

  X線自由電子レーザー装置の開発・整備については、加速器製作と装置収納建屋等の整備を昨年度に引き続き実施するなど概ね計画通りに進捗している。また、利用研究については、平成18年度に採択した課題のうち10件を継続し、ライフサイエンス分野を中心に新たに8件の課題を採択して研究開発を開始するなど概ね計画通りに進捗している。以上より、本達成目標は、概ね計画通りに進捗している。

達成目標9‐3‐6:A

  SPring-8における施設利用者等の発表論文数は、平成9年10月の供用開始以降、特に平成15年度より導入された重点利用研究課題制度等の利用研究成果創出を重視した利用促進施策により、毎年度増加傾向にある。基準年度である平成19年度においても、平成20年1月末時点で400報以上の発表論文が登録されている。

  各達成目標の評価は、それぞれS、A、A、A、A、Aであり、平均点は3.3点であるため、総合評価はA評価と判断した。

  総合評価結果:A

必要性・有効性・効率性分析

必要性の観点

  先端的な研究施設・設備・機器、知的基盤等は、独創的・先端的な基礎研究からイノベーション創出に至るまでの科学技術活動全般を支える基盤として不可欠なものであることから、その整備や効果的な利用を促進する必要がある。このため、特定先端大型研究施設であるSPring-8、次世代スーパーコンピュータ、X線自由電子レーザーの整備・共用、先端研究施設の共用、先端計測分析技術・機器の開発等を推進する。

有効性の観点

  知的基盤については、概ね順調に整備が進んできており、例えば、国立大学等において保存されている動物(マウス系統)数は5,219系統であり、2010年度の戦略目標である4,000系統の134パーセントにあたり、引き続き、整備を促進することで戦略目標を達成できる見込みである。
  先端研究施設の共用については、引き続き、大学等における体制整備を促進することで、産業界への共用が進み、イノベーションにつながる利用成果の創出に貢献していくことが期待される。
  次世代スーパーコンピュータについては、2010年度の稼働、2012年の完成に向け、システムは詳細設計段階、施設は建設段階、ソフトウェアについても、研究開発段階であり、また、共用についても基本的な方針に対する意見募集を実施するなど概ね順調に進捗しており、引き続き、整備の促進、共用の検討を行うことで目標を達成できる見込みである。
  X線自由電子レーザー装置の整備は、おおむね順調に進捗している。引き続き、加速器や光源等の装置製作と装置収納建屋等の整備を着実に実施し、平成22年度までの完成を目指す。また、X線レーザーを利用するために必要となる技術開発を継続することにより、装置完成直後から遅滞なく利用研究が実施できる見込みである。
  特定放射光施設(大型放射光施設(SPring-8))については、平成19年度には施設利用者等の発表論文数(査読あり原著論文等)は432報であり、利用体制の整備を充実することによって、研究成果の一層の質的・量的向上を達成できる見込みである。

効率性の観点

事業インプット

  • 科学技術振興の基盤の強化に必要な経費 21,988百万円(平成19年度予算額)
    • 先端研究施設共用イノベーション創出事業 3,180百万円
    • 特定先端大型研究施設の開発に必要な経費 2,719百万円
    • 特定先端大型研究施設の共用の促進に必要な経費 13,096百万円
    • 特定先端大型研究施設整備に必要な経費 2,980百万円 等

事業アウトプット

  • 大学等における知的基盤の整備が進展した。
  • 大学、研究開発型独立行政法人等が有する先端研究施設の共用が促進された。
  • ナノテクノロジー・材料分野の研究基盤が構築された。
  • 次世代スーパーコンピュータの開発、整備が進展した。
  • X線自由電子レーザーの開発、整備が進展した。
  • 特定放射光施設(SPring-8)の共用が促進されるとともに、質の高い研究成果が創出された。

事業アウトカム

  世界最先端の研究施設や知的基盤等が整備され、効果的な利用が促進されることで、革新的な研究成果を基にしたイノベーションの創出が図られる。

今後の課題及び政策への反映方針

予算要求への反映

  これまでの取組を引き続き推進

機構定員要求への反映

  機構定員要求に反映

具体的な反映内容について

  達成目標9‐3‐1については、引き続き、国として戦略的に整備する必要のある研究用材料について体系的な収集、保存、提供を推進する。また、計測方法・機器等については、適宜制度の改善を行いつつ、開発・整備を促進する。以上を踏まえ、2010年までに世界最高水準の知的基盤の整備を図る。

  達成目標9‐3‐2については、各機関が単に施設の外部利用を可能とするだけでなく、施設共用技術指導研究員を中心に機関側が技術的経験やノウハウなどの知的支援を行いつつ、引き続き効果的な産業界への共用を推進し、イノベーションにつながる利用成果の創出を図るとともに、自立的な共用体制の構築を促進する。また、大学等が有する先端的な研究開発施設等の共用を促進するために、施設共用企画係長1名を定員要求する。

  達成目標9‐3‐3については、ナノテクノロジー・材料分野発のイノベーション促進を図り、科学技術創造立国を実現するため、「第3期科学技術基本計画」、総合科学技術会議の「分野別推進戦略」、「革新的技術戦略」及び「環境エネルギー技術革新計画」等を反映しながら、引き続き各施策を着実に推進する。

  達成目標9‐3‐4については、次世代スーパーコンピュータプロジェクトのハードウェアの設計、施設整備、ソフトウェアの研究開発を引き続き着実に実施するとともに、共用についても意見募集を踏まえ、方針の改定のための検討を進める。また、次世代スーパーコンピュータについては、今後の共用開始に向けて、着実な施設の運用を図っていくために計算科学技術推進室の新設の要求並びに計算科学技術推進室長(振替1名)、室長補佐(新規1名)、共用係長(新規1名)、企画推進係長(振替1名)を要求する。

  達成目標9‐3‐5については、引き続き装置開発・施設整備を推進する。また、利用推進研究について、ライフサイエンス、ナノテクノロジー・材料等の重要な分野の課題を推進するとともに、広報活動についても積極的に進める。

  達成目標9‐3‐6については、利用者の利用ニーズに対応した施設利用可能リソースの拡大・高度化及び当該リソースの安定的な提供等に留意しつつ、利用研究成果の一層の質的・量的向上を促進する。

関係する施政方針演説等内閣の重要施策(主なもの)

・第169回国会における福田内閣総理大臣施政方針演説(平成20年1月18日)

記載事項(抜粋)

技術革新の加速

  世界最高水準の研究拠点の整備を進めるとともに、研究成果を適切に保護し、成長につなげていくため、知的財産戦略を着実に実行します。

・経済財政改革の基本方針2007(平成19年6月19日)

記載事項(抜粋)

第2章 成長力の強化

  3 成長可能性拡大戦略‐イノベーション等

  (4)イノベーションの加速

   1..社会システムの改革戦略(「イノベーション25」)の推進

関連達成目標

  なし

政策評価担当部局の所見

  達成目標9‐3‐1について、整備された知的基盤が利用者の視点から有用なものとなっているかを捉える指標を検討すべき。

達成目標9‐3‐1

  知的基盤整備計画(科学技術・学術審議会平成13年8月)及び知的基盤整備計画について(科学技術・学術審議会 技術・研究基盤部会平成19年9月)に基づき、知的基盤の着実な整備を促進する。

(基準年度:平成13年度・達成年度:平成22年度)

1.評価の判断基準

  各判断基準の平均から判断する(S=4、A=3、B=2、C=1と換算)。

判断基準1 研究用材料(微生物等の生物遺伝資源など)の整備状況(全4指標)
  • S=Aを満たした上で、指標の内、平成22年度の目標に対し上回っている指標が1以上ある。
  • A=平成19年度の想定基準に対し、上回っている指標が4(全て)。
  • B=平成19年度の想定基準に対し、上回っている指標が2~3。
  • C=平成19年度の想定基準に対し、上回っている指標が1以下。
判断基準2 計量標準の整備状況(全2指標)
  • S=Aを満たした上で、指標の内、平成22年度の目標に対し上回っている指標が1以上ある。
  • A=平成19年度の想定基準に対し、上回っている指標が2(全て)。
  • B=平成19年度の想定基準に対し、上回っている指標が1以下。
判断基準3 計測方法・機器等の整備状況(全1指標)
  • S=Aを満たした上で、指標の内、平成22年度の目標に対し上回っている指標が1以上ある。
  • A=平成19年度の想定基準に対し、上回っている。
  • B=平成19年度の想定基準に対し、下回っている。
判断基準4 データベースの整備状況(全2指標)
  • S=Aを満たした上で、指標の内、平成22年度の目標に対し上回っている指標が1以上ある。
  • A=平成19年度の想定基準に対し、上回っている指標が2(全て)。
  • B=平成19年度の想定基準に対し、上回っている指標が1以下

    ※ 平成19年度は10か年計画の7年目(初年度から6年経過)に当たるため、研究用材料、計量標準に係る指標については整備目標に対する想定基準を全体計画の66.7パーセントとする。

2.平成19年度の状況

  知的基盤整備計画(科学技術・学術審議会平成13年8月30日答申)が策定され、2010年までの我が国全体での知的基盤(1研究用材料(微生物等の生物遺伝資源等)、2計量標準、3計測方法・機器等、4データベース)整備を着実に実施するための具体的方策を定めた。その後、平成19年度において、本整備計画策定以降5年を経た平成17年度の進捗状況をもとに成果や課題を「知的基盤整備計画について」(平成19年9月4日科学技術・学術審議会 技術・研究基盤部会決定)でまとめた。

   1.研究用材料(生物遺伝資源等)、2.計量標準については、本年度において想定基準を上回っており、順調に整備が進められている。
  3.計測方法・機器等、ライフサイエンス分野の計測方法・機器の国内企業の国内市場シェアが本計画では掲げられており、平成19年度の整備状況はまだ不明であるが、平成18年度においては、想定基準を大きく上回っており、順調に進捗していることが確認できる。
  4.データベースの達成度合いは、個々のデータベースの特性に応じた評価が必要であるが、本計画では、ゲノム配列等のデータベースへの年間登録数、材料物性データベースのデータ数を指標として評価を行っている。ゲノム配列等のデータベースの年間登録数については、全国の研究者による塩基配列の解析状況に依存するため、毎年登録数が上下し、当初想定とは、乖離した状況にあるが、今後、最新の解析技術の開発・導入等により順次増えることが予想される。その一方で、材料物性データベースのデータ数については、順調に進捗していることが確認できる。

  以上により、一部の指標を除いて、各施策等の進捗により、順調に進捗していることが確認できる。

指標・参考指標

指標名 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
研究用材料(微生物等の生物遺伝資源等) (1)国立大学、独立行政法人等の研究機関において保存されている微生物数 24万 30万 45万 137万 165万 152万
(参考)目標に対する割合(2010年の目標は60万) 39.2% 49.5% 75.7% 228.5% 274.2% 252.9%
(2)国立大学、独立行政法人等の研究機関において保存されている動物細胞数 1万3千 2万7千 3万7千 7万1千 5万7千 6万7千
(参考)目標に対する割合(2010年の目標は5万) 26.1% 54.0% 74.0% 142.0% 114.0% 134.0%
(3)国立大学、独立行政法人等の研究機関において保存されている動物(マウス系統)数 539 223 223 4,142 2,912 5,219
(参考)目標に対する割合(2010年の目標は4,000) 13.5% 5.6% 5.6% 103.6% 72.8% 130.5%
(4)国立大学、独立行政法人等の研究機関において保存されている植物遺伝資源・作物遺伝資源数 80万 69万 57万 161万 151万 135万
(参考)目標に対する割合(2010年の目標は60万) 133.3% 115.0% 95.0% 268.3% 251.7% 225.0%
計量標準 (5)物理標準 152種 179種 197種 232種 252種 271種
(参考)目標に対する割合(2010年の目標は250種) 60.8% 71.6% 78.8% 92.8% 100.8% 108.4%
(6)標準物質 150種 184種 196種 225種 242種 260種
(参考)目標に対する割合(2010年の目標は250種) 60.0% 73.6% 78.4% 90.0% 96.8% 104.0%
計測方法・機器等 (7)ライフサイエンス分野の計測方法・機器の国内企業の国内市場シェア 41.9% 42.1% 41.7% 47.9% 48.9%
(参考)目標に対する割合(2010年の目標は50%) 83.8% 84.2% 83.4% 95.8% 97.8%
データベース (8)DDBJに1年間に登録された塩基配列データ数 1,015Mbps(メガビットパーセカンド) 342Mbps(メガビットパーセカンド) 1,644Mbps(メガビットパーセカンド) 2,090Mbps(メガビットパーセカンド) 952Mbps(メガビットパーセカンド) 931Mbps(メガビットパーセカンド)
(参考)目標に対する割合(2010年の目標は6,000Mbps(メガビットパーセカンド)) 16.9% 5.7% 27.4% 34.8% 15.9% 15.5%
(9)材料物性データベースのデータ数 59万 125万 175万 158万 151万 167万
(参考)目標に対する割合(2010年の目標は180万データ) 32.8% 69.4% 97.2% 87.8% 83.9% 92.8%

指標に用いたデータ・資料等

  文部科学省調べ

指標の設定根拠

  知的基盤整備計画について(科学技術・学術審議会 技術・研究基盤部会平成19年9月)に基づき、平成22年度までに整備すべき知的基盤4種類、9指標(1.研究用材料(微生物等の生物遺伝資源等)4.指標、2.計量標準2指標、3.計測方法・機器等1指標、4.データベース2指標)を設定し、各種知的基盤の整備の進捗状況把握を行った。

3.評価結果

  S

判断理由

  各判断基準に照らした結果、それぞれS、S、S、Bとなり、平均点は3.5点であるため、S評価と判断した。4.今後の課題及び政策への反映方針

  「ナショナルバイオリソースプロジェクト」においては、第3期科学技術基本計画に挙げられている「2010年までに世界最高水準の知的基盤の整備・活用」を目指し、研究開発の進展や経済的・社会的ニーズ、国際情勢に対応した取り組みに応じるべく、量的観点のみならず、質的観点をより重視するとともに、バイオリソース事業の永続的な運営体制の構築に向けて、引き続きバイオリソースの収集、保存、提供体制の整備、保存技術を始めとする開発事業、ゲノム関連情報を付加した情報の整備を進める。
  計測方法・機器等については、その開発・整備を中長期的な観点から進めるため、先端計測分析技術・機器開発事業の制度改善を行いつつ、更に強化していく必要がある。ユーザーを取り込んだ開発体制を強化する等の改善を図りつつ、更なる推進を図る。また、適宜制度の改善を行いつつ、開発・整備を促進する。
  計量標準については、文部科学省における主な政策手段はないが、その開発と整備はわが国の国家計量標準機関である独立行政法人産行技術総合研究所計量標準総合センターを中核として、引き続き推進し、効果的かつ効率的な整備・利用を図っていく。
  データベースについては、材料物性データベースに関して、文部科学省では、NIMS物材・材料データベースの整備により、ポリマー、無機材料および金属の基礎物性から構造材料の強度特性まで統合検索できるようになった。データの拡充とシステムの統合は概ね順調に進捗しており、引き続き目標達成に向けて取り組んでいく。
  以上を踏まえつつ、今後も2010年に世界最高水準の知的基盤が整備されるように推進していく。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度予算要求への考え方
ナショナルバイオリソースプロジェクト(3,236百万円)
  • ※ 理化学研究所運営費交付金を含む
実験動植物(マウス等)や、各種細胞、各種生物の遺伝子材料等のバイオリソースのうち、国として戦略的に整備する必要があるものについて体系的に収集、保存し、提供するための体制の整備並びにバイオリソースの更なる品質向上のための開発を推進する。 プロジェクト実施機関における体制の整備も進み、生物遺伝資源の収集は着実に実施されている。例えば、平成19年度には、マウスが 2,859系統から3,261系統、シロイヌナズナが390,185系統から544,235系統と着実に保存系統数を増やしており、順調に進捗。 継続
NIMS物質・材料データベースの整備(独立行政法人物質・材料研究機構運営費交付金15,803百万円の内数) 研究基盤としての材料開発、材料選択、材料の最適な使用に活用できる物質・材料データベースを構築する。 平成19年度においてもポリマ−、構造材料、拡散データについてデ−タを拡充した。また、システムのインデックスを拡張した。 継続
先端計測分析技術・機器開発事業(5,500百万円)
  • ※ 独立行政法人科学技術振興機構運営費交付金
最先端の研究ニーズに応えるため、将来の創造的・独創的な研究開発に資する先端計測分析技術・機器及びその周辺システムの開発を推進する。 ライフサイエンス関連の課題を平成16年度に14課題(全体で29課題)、17年度に9課題(全体で18課題)、18年度に6課題 (全体で12課題)採択した。16、17年度採択した課題の一部が終了し、独創的な計測分析技術が開発された。その他の課題も順調に進捗しており、開発さ れた機器のプロトタイプが本年度から共用に供される予定であることから、計測機器の国内シェア向上に寄与するものと考えられる。 継続

達成目標9‐3‐2

  大学、独立行政法人等の有する先端研究施設・機器の産学官による共用を推進し、研究開発投資の効率化及びイノベーションにつながる成果の創出を図るため、共用に係る体制及び有償利用体制の構築を促進する。

(基準年度:平成18年度・達成年度:平成23年度)

1.評価の判断基準

  各判断基準の平均から判断する(S=4、A=3、B=2、C=1と換算する)。

【先端研究施設共用イノベーション創出事業(産業戦略利用)の利用拡大】

判断基準1 先端研究施設共用イノベーション創出事業(産業戦略利用)によって産業界が利用したマシンタイムの平均
  • S=各機関で予定していたマシンタイムの100%以上
  • A=各機関で予定していたマシンタイムの100%
  • B=各機関で予定していたマシンタイムの90%~99%
  • C=各機関で予定していたマシンタイムの ~89%

【先端研究施設共用イノベーション創出事業(産業戦略利用)の波及効果】

判断基準2(注1) 新規利用拡大で利用した企業の内、課題終了後、共同研究や有償利用等で再度当該施設を利用した企業数の割合
  • S=100%
  • A=80%~99%
  • B=60%~79%
  • C= ~59%

【成果の創出状況】

判断基準3(注1) 戦略分野利用推進を利用した企業による特許出願件数(1企業あたり)
  • S=1.0件~
  • A=0.8~0.9件
  • B=0.6~0.7件
  • C= ~0.5件

【有償利用体制の整備状況】

判断基準4 有償利用体制が整備されている機関数
  • S=全機関
  • A=前年度より増加
  • B=前年度と同数
  • C=前年度より減少

【有償利用の実績】

判断基準5 基準年度に有償利用の実績があった機関の有償利用による課題件数(対前年度平均)
  • S=121%~
  • A=111%~120%
  • B=101%~110%
  • C= ~100%

   (注1)事業初年度のため、成果が出ていないことから、事業の進捗に従って、評価を実施する予定である。

2.平成19年度の状況

  大学・独立行政法人等が有する産業利用のポテンシャルが高い先端的な研究施設・機器について、広範な分野における共用を促進し、イノベーションにつながる成果を創出するため、平成19年度より、先端研究施設共用イノベーション創出事業(産業戦略利用)(以下、本事業という。)を開始し、17機関を採択した。本事業は、国家的、社会的課題に対応した技術課題に係る戦略分野を実施する「戦略分野利用推進」と、これまで施設を利用したことのない利用者やこれまで施設で実施されたことない利用分野の産業利用を推進する「新規利用拡大」の2つの利用メニューで構成されている。
  1本事業によって、産業界が利用したマシンタイムについては、技術指導研究員のリクルートに時間を要したこと等による共用体制の整備が遅れた機関もあったが、各機関とも順調にマシンタイムを確保し、全機関平均で当初予定マシンタイムの131パーセントを共用に供している。4有償利用体制が整備されている機関については、基準年度に対して4機関増加し、整備の拡大が図られていると言える。5基準年度に有償利用の実績があった機関の、本年度の有償利用による課題件数については、平均で109パーセントに上り、昨年度以上に有償利用が図られていると言える。

指標・参考指標

  平成18年度 平成19年度
1.本事業によって産業界が利用したマシンタイムの平均 131%
2.新規利用拡大で利用した企業の内、課題終了後、共同研究や有償利用等で再度当該施設を利用した企業数 0
3.戦略分野利用推進を利用した企業からの特許出願件数 0
4.有償利用体制が整備されている機関数 5 9
5.基準年度に有償利用の実績があった機関の有償利用による課題件数(対前年度平均) 109%

指標に用いたデータ・資料等

  文部科学省調べ

指標の設定根拠

  本事業による目標達成に向け、判断基準として、5分野(本事業の利用拡大、本事業の波及効果、成果の創出状況、有償利用体制の整備状況、有償利用の実績)それぞれ1指標を設定した。
  「本事業の利用拡大」として、1.本事業による産業界への利用拡大を評価するため、産業界が利用したマシンタイムを当初予定と比較して評価した。
  「本事業の波及効果」として、2.本事業から有償利用や共同研究等に波及したことを評価するため、新規利用拡大を利用した企業の内、課題が終了した後に、共同研究や有償利用等で再度当該施設を利用した企業数の割合を評価指標とした。
  「成果の創出状況」として、3.戦略分野利用推進において、国家的、社会的課題に対応した技術課題を実施している企業の成果の創出状況を評価するため、特許出願件数の評価指標とした。
  「有償利用体制の整備状況」として、4.基準年度に対して、有償利用体制が整備された機関数を評価した。
  「有償利用の実績」として、5.基準年度に有償利用実績があった機関の翌年度の有償利用実績を評価するため、基準年度に対する有償利用実績件数の評価を行った。
  なお、2、3については、本事業初年度のため、まだ成果はなく、事業の進捗に従って、評価を実施していく予定である。

3.評価結果

  A

判断理由

  各判断基準に照らした結果、それぞれS、‐、‐、A、Bとなり、平均点は3.0点であるため、A評価と判断した。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  各機関が単に施設の外部利用を可能とするだけではなく、施設共用技術指導研究員を中心に機関側が技術的経験やノウハウなどの知的支援を行いつつ施設の共用を促進し、さらに本事業開始後2年目となる平成20年度は、引き続き効果的な産業界への共用を推進し、イノベーションにつながる利用成果の創出を図るとともに、有償利用体制等の構築を促進する。
  本事業の採択機関に加え、先端研究施設を有する独立行政法人や大学等の当該施設の共用を行うために必要な経費を交付することによって、当該施設の産業界等への共用促進を図っていくことを検討していく。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
先端研究施設共用イノベーション創出事業(産業戦略利用)[3,180(百万円)の内数] 独法・大学等の有する先端研究施設の共用を進めるため、施設の利用時間を適切な範囲で確保して産学から共同研究や産業利用等の提案を募るとともに、その共用に係る体制を構築するための経費を支援することにより、イノベーション創出を促進する。 実施機関として17機関を採択し、各機関における共用体制の構築に係る支援を実施。 継続

達成目標9‐3‐3

  先端的な機能を有する研究機関の施設・設備を共用化することで研究環境の整備を図り、イノベーションの創出を図る。

(基準年度:18年度・達成年度:23年度)

1.評価の判断基準

  各判断基準の結果の平均から判断する(S=4、A=3、B=2、C=1と換算する。)

判断基準1 技術支援
  • S=共用利用が活発に進行した上で、産業利用が増加してイノベーションに向けた研究成果が多数生じる。
  • A=共用利用が活発に進行して、利用件数が増加。
  • B=基礎研究の支援サービスのみ行われ、産業への展開を目指すような支援が行われない。利用者に不満が多い。
  • C=基礎研究、産業化への支援が質・量ともに不十分。

判断基準2 情報支援
  • S=シンポジウム、交流プログラム等が予定通り進行した上で、情報・交流を元に、ナノテク事業、共同研究事例が多数生じる。
  • A=シンポジウム、交流プログラム等が予定通り進行。
  • B=シンポジウム、交流プログラムは行われたが、参加者の一部に不満が見られる。
  • C=シンポジウム、交流プログラムが質・量ともに不十分。

2.平成19年度の状況

  先端研究施設共有イノベーション創出事業(ナノテクノロジー・ネットワーク)は、平成14年度~平成18年度までの5年間で推進したナノテクノロジー総合支援プロジェクト(参加14機関)を改良した事業で、大学や研究開発独立行政法人等の参画機関を26機関に拡大し、これらの機関が保有する先端的な施設・機器の共用を進め、研究機関・研究分野を超え、横断的に異分野が融合した研究開発活動を促進することで、継続的に産学官の知の融合によるイノベーションの加速を目指す事業である。
  科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会では、「着実に実施すべき課題と判断する」「有効性、効率性についても、現段階の計画として十分検討されているものと判断する」との評価を受けている。
  判断基準1については、本事業が共用化を促進することで異分野の融合を目指すことを目的としていることから、事業における支援件数を評価指標として用いる。平成19年度の支援件数は1,293件であり、特に産業界の利用が増えて前年度のナノテクノロジー総合支援プロジェクトにおける実績を大幅に上回っている。支援件数が伸びた理由は、参加機関が平成18年度の14機関から26機関に増えたこともあるが、前年度までの成果や活発な広報活動によって本事業が広く認知されたことにより、利用者が増加したことによる。
  また、先端的な設備・装置が研究成果を論文にする際に利用されることが多いことから、本支援事業が関連した研究発表(論文、誌上、口頭の合計)で成果を評価する。研究発表の数は、前年度と同程度の1,500件程度に達する見込み(全26機関中14機関集計時点で841件)で、学術的に優れた成果が多く発表されている。支援件数の大幅な伸びに比べて発表件数が伸びていないのは、知的財産の保護のために産業利用の成果発表が控えられていること等によると考えられる。
  具体的な当該事業の成果としては、独立行政法人物質・材料研究機構と東京都神経科学総合研究所、北海道曹達株式会社、株式会社プライマリーセル、財団法人ノーステックが連携し、生体適合性に優れ、生分解性が高いキトサンナノ繊維を用いた細胞培養基材の開発に成功した例が挙げられる。これは、従来の基材と比較して特別な処理が不要で取り扱いが容易な細胞培養が可能なこと、既存製品よりも神経細胞の接着、成長が良好で、活発な神経の伸長が見られる等、医療・バイオ分野の研究者、医薬・化粧品メーカー、試験研究機関など多くの方が活用していただける材料を開発した好事例であり、ここで開発された材料は、無償提供されるなど、産業界等の社会に与える影響も少なくない。

  判断基準2については、本事業を取りまとめている物質・材料研究機構のナノテクノロジー融合支援プロジェクトセンターにおいてナノテクノロジーに関する情報を掲載したホームページの公開、最新の動向紹介などからなるメールマガジンの配信等、インターネットを活用したシステムを構築した。
  また、「第6回ナノテクノロジー総合シンポジウム」を始めとするシンポジウムにより我が国の最新のナノテクノロジーの研究を紹介するとともに、日米・日仏・日独シンポジウムや日米若手研究者交流を計画通り実施するなど、ナノテクノロジーに関する情報収集・発信、研究者の交流促進を強力に推進している。
  このように、総合的な支援を通じたナノテクノロジー研究の戦略的な推進に貢献していることから、本事業は概ね順調に進捗していると判断できる。

指標・参考指標

平成年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
1.プロジェクト関連支援件数
(うち、産業界利用数)
799
(224)
777
(219)
820
(188)
766
(197)
1,293
(255)
2.プロジェクト関連論文・研究発表数 1,049 1,466 1,928 1,560 841(注2)
3.ナノテクノロジー総合シンポジウム参加者数 1,223 869 962 1,036 648(注3)
  • ※ 平成18年度以前の数字は、ナノテクノロジー総合支援プロジェクトにおける実績を記載
  • (注2)26機関中14機関集計時点
  • (注3)18年度までは2日間の延べ人数、19年度は1日のみの開催

指標に用いたデータ・資料等

  文部科学省調べ

指標の設定根拠

  本事業が共有化を促進することで異分野の融合を目指すことを目的としていることから、事業における支援件数やそれを促進するためのナノテクノロジー総合シンポジウムの参加者数を評価指標として用いるとともに、先端的な設備・装置が研究成果を論文にする際に利用されることが多いことから、本支援事業が関連した研究発表で成果を評価する。

3.評価結果

  A

判断理由

  上記2平成19年度の状況にあるように、先端設備の共用利用が活発に行われ、利用件数は前年度に比べて大きく伸びた。産業界利用数も伸びているが、イノベーションに直接つながる成果はまだほとんど得られていない。また、情報支援事業としてシンポジウム等は予定通り実施されたが、共同研究を大幅に増加させるような成果にはつながっていない。これらの状況を1の判断基準に照らし合わせた結果、上記の評価結果が妥当と判断される。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  研究拠点内において情報共有や技術交流によって分野融合を進め、産業利用や共同研究の増加に資する基盤整備を一層進める必要がある。本事業の利用数は順調に伸びており、今後も同様の傾向を維持するためには、高い技術を持った質の高い支援員の安定的な雇用、共用装置の能力維持および更なる先進化のための方策が重要である。また、近隣や関係する複数の機関がネットワークを形成し、相互補完的な支援体制を構築して支援の効率化を図る必要がある。
  一方、予算は減少傾向であるために事業の質・量ともにその維持が困難になりつつある。これに対して、各機関の課金制度整備の取り組みが進んでいるが、課金による収入は僅かであって十分な補填には大きく届かない。今後も予算の減少が続けば、大学の運営費交付金から持ち出しや拠点の教職員の無償貢献、さらには設備の利用制限などの事態が発生・深刻化し、事業の継続に大きな支障をきたすことが危惧される。本事業はこれまで順調に推移しており、産業界・学界のニーズに引き続き応えるためには、安定的な運営のための必要最低限の予算の確保を図る。
  また、利用に当たっての課金については、機関内で内規等を作成する等により、検討が進められているところであり、更なる定着を促していく。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
先端研究施設共用イノベーション創出事業(ナノテクノロジー・ネットワーク)
(1,800百万円)
ナノテクノロジー関連の研究施設の共用化を推進し、ナノテクノロジー研究基盤を構築、強化する。 我が国の研究機関・開発機関におけるナノテクノロジーの相対的なポテンシャル向上に寄与するとともに、学術的に優れた成果が多数得られている。多くの支援や支援による研究成果発表が行われており、本事業の目的は達成されたものと判断。 事業の運営に当たり、支援員の人件費や装置の運転費が逼迫していることから、安定的な事業の運営に必要な予算を要求。

達成目標9‐3‐4

  世界最先端・高性能の次世代スーパーコンピュータ及びそれを最大限利活用するためのソフトウェアを開発し、その施設の共用を図る。

(基準年度:18年度・達成年度:24年度)

1.評価の判断基準

  各判断基準の平均から判断する(S=4、A=3、B=2、C=1と換算する。)

判断基準1 次世代スーパーコンピュータを平成22年度の稼働、平成24年の完成を目指し開発し、共用を図る。
  • S=計画以上に進捗している。
  • A=計画通りに進捗している。
  • B=計画より若干遅れている。
  • C=計画より大幅に遅れている。

判断基準2 ナノテクノロジーの分野で、従来のスパコンの性能では不可能だった複雑で多様な現象系全体のシミュレーション等を実問題で可能とする。
  • S=理論・方法論や高並列アルゴリズムの開発を行い、シミュレーションソフトウェアの開発が計画以上に進捗している。
  • A=理論・方法論や高並列アルゴリズムの開発を行い、シミュレーションソフトウェアの開発が計画通り進捗している。
  • B=理論・方法論や高並列アルゴリズムの開発が若干遅れている。
  • C=理論・方法論や高並列アルゴリズムの開発が大幅に遅れている。

判断基準3 ライフサイエンスの分野で、従来のスパコンの性能では不可能だった複雑で多様な現象の系全体のシミュレーション等を実問題で可能とする。
  • S=理論・方法論や高並列アルゴリズムの開発を行い、シミュレーションソフトウェアの開発が計画以上に進捗している。
  • A=理論・方法論や高並列アルゴリズムの開発を行い、シミュレーションソフトウェアの開発が計画通り進捗している。
  • B=理論・方法論や高並列アルゴリズムの開発が若干遅れている。
  • C=理論・方法論や高並列アルゴリズムの開発が大幅に遅れている。

判断基準4 我が国発のスーパーコンピューティング技術が世界のトップであり続けるための基盤技術の確立を目指す。
  • S=優れた研究成果を上げる一方、産学官の強固な連携が確立されている。
  • A=目標が適切に設定され、優れた成果が得られている。
  • B=妥当な目標を立てて研究開発を実施しているが、研究開発テーマ間の連携等が不十分である。
  • C=目標が適切に設定されておらず、達成目標の実現性に疑問がある。

2.平成19年度の状況

  次世代スーパーコンピュータプロジェクトのハードウェアの設計については、文部科学省及び総合科学技術会議において概ね妥当であるとの評価を受けており、平成19年9月にシステム構成をスカラ演算部とベクトル演算部からなる複合システムに決定し、独立行政法人理化学研究所及びメーカー3社(富士通、NEC、日立)で詳細設計を実施している。
  施設整備については、計算機棟は、実施設計を完了し、平成20年3月から建設に着手した。研究棟は、実施設計を実施している。
  共用については、18年度から19年度にかけて基本的な方針に対する意見募集を実施した。
  ソフトウェアの研究開発に関しては、次世代ナノ統合シミュレーション及び次世代生命体統合シミュレーションの研究開発を引き続き実施している。平成19年11月から中核拠点において外部有識者による評価を実施している。
  グリッドミドルウェアについては、国立情報学研究所を中核拠点として、研究開発を実施し、異なる組織や遠隔地の研究者間のコミュニティを形成する仮想組織(Vo)機能を備え、100テラフロップス級のグリッド環境を構築しうるミドルウェアを完成させた。

3.評価結果

  A

判断理由

  ハードウェアについては、平成22年度末の一部稼働を目指し、19年度は詳細設計を開始しており、計画どおり、次の試作・評価フェーズに向け、順調に進捗している。(A)
施設整備についても、平成22年度前期の完工を目指し、19年度は計算機棟は建設着工、研究棟は実施設計を開始し、計画どおり、順調に進捗している。(A)
共用についても、その開始に向けて検討を進めており、順調に進捗している。(A)
ソフトウェアの研究開発に関しては、平成23年度初めからの実証に向け、19年度も引き続き研究開発を実施しており、順調に進捗している。(A)
グリッドミドルウェアについても、NAREGIミドルウェアver1.0の開発を完了し、公開した。(A)
以上のとおり、各判断基準に照らした結果、A、A、A、Aとなり、達成目標9‐3‐3は「想定どおり順調に進捗」と判断。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  ハードウェアの設計については、これまで概ね順調に進捗していることから、引き続き着実に詳細設計を実施していく。
  施設整備についても、これまで概ね順調に進捗していることから、引き続き計算機棟の建設及び研究棟の実施設計を実施していく。
  共用についても、今後意見募集を踏まえ、方針の改定のための検討を進める。
  また、ソフトウェアの研究開発についても、次世代ナノ統合シミュレーション及び次世代生命体統合シミュレーションともに、これまで、研究が概ね順調に進捗していることから、引き続き目標達成に向けた研究開発を実施していく。
  さらに本施設を中心とする研究教育拠点の形成について、検討を行っていくことが必要である。

  →予算、機構定員要求等への考え方

  19年度の実績評価をふまえ、今後とも情報科学技術の発展のため、引き続き関連予算の充実に努める。
  また、今後の共用開始に向け、着実な施設の運用を図っていくために計算科学技術推進室の新設の要求並びに計算科学技術推進室長(振替1名)、室長補佐(新規1名)、共用係長(新規1名)、企画推進係長(振替1名)を要求する。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
最先端・高性能汎用スーパーコンピューターの開発利用
(7,700百万円)
理論、実験と並び、現代の科学技術の方法として確固たる地位を築きつつある計算科学技術をさらに発展させるため、長期的な国家戦略を 持って取り組むべき重要技術(国家基幹技術)である「次世代スーパーコンピュータ」を平成22年度の移動、平成24年の完成を目指して開発する。 次世代スーパーコンピュータプロジェクトのハードウェアの設計については、平成19年9月にシステム構成を決定した。現在、理化学研究所及びメーカー3社で詳細設計を実施している。
施設整備については、計算機棟は、実施設計を完了し、平成20年3月から建設に着手した。研究棟は、実施設計を実施している。
共用については、18年度から19年度にかけて基本的な方針に対する意見募集を実施した。
ソフトウェアの研究開発に関しては、次世代ナノ統合シミュレーション及び次世代生命体統合シミュレーションの研究開発を引き続き実施している。平成19年11月から中核拠点において外部有識者による評価を実施している。
グリッドミドルウェアについては、100テラフロップス級のグリッド環境を構築しうるミドルウェアを完成させた。
継続

達成目標9‐3‐5

  原子レベルの超微細構造、化学反応の超高速動態・変化を瞬時に計測・分析することを可能とする世界最高性能の研究基盤であるX線自由電子レーザー装置を開発し、施設の共用を図る。

(基準年度:18年度・達成年度:23年度)

1.評価の判断基準

判断基準 X線自由電子レーザー装置の開発・共用
  • S=想定した以上に順調に進捗している
  • A=概ね順調に進捗している
  • B=進捗にやや遅れが見られる
  • C=想定したとおりには進捗していない。

2.平成19年度の状況

  X線自由電子レーザーは、放射光とレーザーそれぞれの特徴を併せ持つ究極的な光源であり、国家基幹技術としての位置付けの下、特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律に基づく特定放射光施設として開発・整備が進められている。
  装置開発・建屋整備にあたっては、平成18年6月にプロトタイプ機によるレーザー発振に成功し、実機建設に技術的な目途をつけた。このプロトタイプ機の開発により得られた情報等をもとに詳細設計を行い、加速器の製作と装置収納建屋等の整備を前年度に引き続き実施した。また、SPring-8へ電子ビームを輸送する施設や、共用部分の整備にも着手した。
  X線レーザーの利用研究については、有識者より構成される「X線自由電子レーザー利用推進協議会」において、平成18年度に採択した課題のうち10件を継続するとともに、新たな課題公募を実施し、ライフサイエンス分野を中心に8件の課題を採択して研究開発を開始した。また、利用の裾野を拡げるため、シンポジウムを開催するなど広報活動を行った。
  現在、平成23年度からの共用開始を目指し計画通り整備を行っている。

3.評価結果

  A

判断理由

  平成23年度の目標達成に向け、5ヵ年計画通りに順調に進捗しているため。具体的には、以下の通り。

  • 平成19年度は、線形加速器収納部建屋の建設、入射器、加速器の製作を引き続き実施するとともに、アンジュレータ収納部建屋の建設、共同実験棟・共同研究棟の設計、ビームライン、電子ビーム輸送系、電子ビーム輸送系トンネルの設計及び電子ビーム制御系の製作に着手することを計画していたが、全て予定通り実施された。
  • X線レーザーを利用するために必要な技術開発を行うため、平成19年度は、新たに8件の課題を採択し、合計18課題の研究開発を進めた。

  なお、平成19年8月の総合科学技術会議評価専門調査会「大規模研究開発の事前評価のフォローアップ結果」においても、「X線自由電子レーザーの開発・共用については、全体として概ね指摘事項に沿った対応が図られている」と評価されている。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  装置開発・施設整備については、概ね計画通りに進捗している。今後ともコストに配慮をしつつ、計画を推進する。
  利用研究については、概ね計画通りに進捗している。ライフサイエンス等の重要な分野の課題を推進することに配慮しつつ、広報活動を含めて計画を推進する。

  →予算、機構定員要求等への考え方

  上記事項を踏まえて、引き続き、必要な予算額を確保する。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度予算要求への考え方
特定先端大型研究施設整備費補助金
(1,811百万円)
アンジュレータ収納部、共同実験棟・共同研究棟、ビームライン等の共用施設や、線形加速器収納部、加速器、電子ビーム輸送系等を整備する。 アンジュレータ収納部建屋の建設、共同実験棟・共同研究棟の設計、ビームラインの製作に着手した。 引き続き、必要な施設整備等を着実に推進するとともに、完成する建屋の運営費を確保する。
独立行政法人理化学研究所施設整備費補助金(X線自由電子レーザー整備費)
(8,155百万円)
線形加速器収納部建屋の建設、入射器、加速器の製作を引き続き実施するとともに、電子ビーム輸送系、電子ビーム輸送系トンネルの設計及び電子ビーム制御系の製作に着手した。
理化学研究所運営費交付金(放射光研究推進費のうちX線自由電子レーザー整備費)
(232百万円)
X線自由電子レーザー装置の利用研究
(572百万円)
装置の完成後ただち本格的な利用研究を実施すべく、X線レーザーを利用するために必要な技術開発を行う。 新たに8件の課題採択し、合計18課題として研究開発を進めた。 平成18年度・19年度に採択した課題の進捗を確認し、実用化に向けた課題絞込み(中間評価)を行う。

達成目標9‐3‐6

  我が国の代表的な先端研究施設である特定放射光施設(大型放射光施設(SPring-8))において、研究成果の一層の質的・量的向上を図ることにより、研究成果の社会還元を促進し、もって我が国の科学技術の振興に寄与する。

(基準年度:19年度・達成年度:24年度)

1.評価の判断基準

(1)平成19年度までの判断基準

判断基準
  • S=産業利用が基準年度の2倍以上
  • A=産業利用が基準年度の1.5倍以上
  • B=産業利用が基準年度以上1.5倍未満
  • C=産業利用が基準年度と同じかそれ未満

(2)平成20年度からの判断基準

判断基準
  • S=年間発表論文数が基準年度10%増以上
  • A=年間発表論文数が基準年度5%増以上10%増未満
  • B=年間発表論文数が基準年度同数以上5%増未満
  • C=年間発表論文数が基準年度未満

   ※ 平成17年から平成19年にかけての発表論文数の伸び率が継続すると仮定した場合、平成24年度(達成年度)においては対基準年度比で約5パーセントの伸びが期待されることを元に判断基準を設定している。

2.平成19年度の状況

  SPring-8(Super Photon ring 8 GeV)は、世界最高性能の放射光を発生することができる大型放射光施設である。光速近くまで加速された電子がその進行方向を磁石などで曲げられた際に発生する、極めて明るく、細く絞られた電磁波である「放射光」を利用し、多種多様な分析等を行うことができる。
  SPring-8は、「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律」(平成6年法律第78号)に定める特定放射光施設として、平成9年10月の供用開始以降、国内外の産学官利用者に対し広く施設利用を促進している。
  また、SPring-8における施設利用者等の発表論文数は、平成9年10月の供用開始以降、特に平成15年度より導入された重点利用研究課題制度等の利用研究成果創出を重視した利用促進施策により、毎年度増加傾向にある。基準年度である平成19年度においても、平成20年1月末時点で400報以上の発表論文が登録されている。
  「大型放射光施設(SPring-8)に関する中間報告書」(平成19年7月科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会)を踏まえ、今後はSPring-8における研究成果の質的・量的評価を行うため、査読あり発表論文数を評価指標に用いるが、SPring-8利用促進の重要な柱の一つである産業利用の状況についても、引き続き参考指標として示す。

指標・参考指標

論文発表年(年度相当)または年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
基準年度
平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度
SPring-8における施設利用者等の発表論文数(査読あり原著論文等)   425
(98.4%)
385
(89.1%)
432
(−)
ユーザータイム100シフト(800時間)あたりの発表論文数   1.92 1.69 1.84          
SPring-8の産業利用率
  • 共用ビームライン産業利用率
12.4% 18.6% 20.1% 19.7%
  • ※ 発表論文数は毎翌年1月末時点での前年登録論文数。なお、発表論文は年単位(暦年)で登録されているが、これを年度に相当するものと定義。
  • ※ かっこは基準年度に対する割合。
  • ※ 産業利用率とは、SPring-8共用ビームラインにおける産業利用課題数(産業界に所属する研究者等が実験責任者として実施した利用研究課題数)の全利用課題数に占める割合。

指標に用いたデータ・資料等

  • SPring-8利用者情報(Web公開データ)

3.評価結果

  A

判断理由

  基準年度(平成16年度)と比べ、平成19年度の産業利用率は1.59倍となっているため。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  近年、SPring-8の年間運転時間(5,000時間程度)や、放射光共用施設(共用ビームライン)及び放射光専用施設(専用ビームライン)本数等の施設利用可能リソースがほぼ横這いの状況においても発表論文数は堅調に推移しており、共用促進法の目的が適切に達成されているものと評価できる。
  今後、利用者の利用ニーズに対応した施設利用可能リソースの拡大・高度化及び当該リソースの安定的な提供等に留意しつつ、利用研究成果の一層の質的・量的向上を促進する。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
大型放射光施設(SPring-8)の共用の促進(9,251(百万円)) 新たな共用ビームライン1本の稼動開始(平成19年度下期)に伴うビームライン技術支援要員の増員や重点利用研究課題制度の実施、経年劣化対策等により、供用開始10年を迎えた施設のより安定な運転を図り、施設の利用を促進している。 重点利用研究課題支援や研修会、講習会等の利用プロモーション活動の継続実施により、利用研究課題応募数も増加している。 継続
(施設利用の促進を引き続き実施するとともに、利用研究成果の一層の質的・量的向上を促進するための施策を展開する。)

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --