施策目標4-1 大学などにおける教育研究の質の向上

(基準年度:毎年度・達成年度:毎年度)

  各高等教育機関の個性・特色の明確化に向けた改革の取組みなどを積極的に支援することや、事前・事後の評価の適切な役割分担と協調を確保すること等により、大学などにおける教育研究の質の向上を図る。

主管課(課長名)

  • 高等教育局高等教育企画課(片山 純一)

関係課(課長名)

  • 高等教育局大学振興課(義本 博司)、同専門教育課(藤原 章夫)、同医学教育課(新木 一弘)、
  • 同学生支援課(下間 康行)、同国立大学法人支援課(永山 賀久)

評価の判断基準

判断基準 各達成目標の平均から判断(S=4、A=3、B=2、C=1として計算)
  • S=3.4~4.0
  • A=2.6~3.3
  • B=1.8~2.5
  • C=1.0~1.7

平成19年度の状況と総合評価結果

達成目標4‐1‐1 A

  大学等の特色や個性に即した各種プログラムを継続的に実施することで、各大学等が自主的に特色・個性ある多様な取組を実施している。各大学等は申請の検討過程等で教育改革に意欲的に取り組むと共に、フォーラム等へ積極的に参加する等、各大学等において積極的・意欲的な教育改革の取組が実施されている。
  また、産学連携による高度専門人材育成及び教育研究機能の充実を図り、各大学等における産学連携による質の高い実践的な教育手法の普及・定着を促しているところである。
  更にFD(ファカルティ・ディベロプメント)を行う大学、厳格な成績評価(GPA)を行う大学は順調に増加して来ており、大学において授業の質を高めるための取組も普及しつつある。
  このように各種プログラムの定着、豊富化を行ったことにより、意欲的な取組が全国の大学等に広がっており、また各大学等における日常的な教育内容・方法の改善も進捗している。以上より本達成目標は想定どおり達成された。

達成目標4‐1‐2 A

  平成19年度までに専門職大学院の60パーセント以上(149専攻中89専攻(共同取組も含む))で、高度専門職業人の養成を目的としたプログラムによる支援を受け、教育内容・方法の開発・充実等を図る取組を実施しており、本達成目標は想定した以上に達成された。

達成目標4‐1‐3 A

  「21世紀COEプログラム」については、平成19年度には、平成15年度及び平成16年度採択拠点に対し継続的支援を行うとともに、平成14年度に採択された拠点について事後評価を行い、約87パーセントの拠点が「設定された目的は十分達成され、期待以上の成果があった」、「設定された目的は概ね達成され、期待どおりの成果があった」との評価を受けている。平成15年度、16年度採択拠点については、進捗状況の確認を行う中間評価において、97パーセントの拠点が「当初目的の達成が可能」との評価を受けており、着実に拠点形成が図られているところである。
  また、平成19年度より、世界的な卓越した教育研究拠点の形成をより重点的に支援する「グローバルCOEプログラム」を実施している。平成19年度には、28大学63拠点(申請:111大学281拠点)を採択した。
  これらの成果により、両事業は着実に進展しているところであり、本達成目標は想定どおり達成された。

達成目標4‐1‐4 A

  大学設置認可の弾力化が進められたことで、大学設置認可の弾力化による新たな大学等の参入や組織改編は届出制導入以前よりも増加しており、時代に即応した人材育成や新たな学問分野を研究する個性豊かな大学の発展に役立っている。
  また、認証評価制度については、実施校数が順調に増加しており、制度開始から4年で全体の約4割の大学・短大・高専が認証評価を受けた。また認証評価機関の整備も一層の充実が図られている。
  このように、事前関与としての設置認可制度と事後関与としての大学評価システムは一体となって機能し、各大学等の個性・特色の明確化に向けた改革の取組が積極的に行われ、教育研究の質の向上が概ね進展している。以上より、本達成目標は想定どおり達成されたと判断した。

達成目標4‐1‐5 A

  国立大学の教育研究体制の整備・充実を図るため、所要の国立大学法人運営費交付金を確保している。
  また、更なる基盤強化のため、国立大学法人への寄附の活発化を図るための税制改正を行っているほか、国立大学法人等が運用できる金融商品の範囲を拡大するなどの制度改正により、質の高い教育研究を行うことができるよう環境整備が進められている。以上より、総体的に判断して本達成目標は想定どおり達成されたと判断した。

  評価結果:A

必要性・有効性・効率性分析

必要性の観点

  新しい知識・情報・技術が政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す知的基盤社会においては、高等教育は、個人の人格の形成の上でも、社会・経済、文化の発展・振興や国際競争力の確保等の国家戦略の上でも極めて重要である。特に、人々の知的活動・創造力が最大の資源である我が国にとって、優れた人材の養成と科学技術の振興は不可欠であり、高等教育の危機は社会の危機でもあると言え、大学等の教育研究の質の向上は、極めて必要性が高い。

有効性の観点

  大学等の特色や個性に即した各種プログラムを実施することで、各大学等から毎年多くの申請が提出されるなど、選定された大学等だけでなく、選定されなかった大学等も申請の検討過程等で教育改革に意欲的に取り組んでおり、今後の教育改革に確実に繋がっている。また、フォーラム等への積極的な参加もあり、各大学等において積極的・意欲的な教育改革の取組が実施されているところである。

  加えて、学長等を対象とした調査研究の結果からは、これらの事業の一般的効果として、選定の有無、申請の有無を問わず高等教育全体、地域、高等学校、企業等に好影響を与えていると過半数が回答しており、その中でも事業の選定効果として、「優れた教育方法」、「学習支援システム」、「カリキュラム」、「学生の意欲・満足度」、「学生の学習効果」、「教員の力量」などに効果があったとして、約9割が評価している。さらに、事業の支援期間終了後も、8割以上の大学で同規模若しくは規模を拡大して事業を継続しており、これらのことから、大学の人材育成機能の強化が図られているものと考えられる。

  また、平成18年度において、FD(ファカルティ・ディベロップメント)を行う大学は前年度比53校、厳格な成績評価(GPA)を行う大学は前年度比46校と、それぞれ増加しているほか、大学において授業の質を高めるためのこれ以外の取組(ティーチング・アシスタントの活用、学生による授業評価の実施、履修登録単位数の上限設定等)も普及しつつあるところである。

  各事業等の実施により、競争的環境の下、高等教育の活性化に向けた各大学の自主性・自律性に基づく特色ある優れた取組は着実に展開されている。

   1.各大学等の特色・個性ある、多様で自主的な取組の推進、2高度専門職業人の養成、3国際競争力のある世界最高水準の教育研究拠点の形成の推進、4大学評価システムの機能化、5国立大学における基盤的環境整備を複合的に行うことで、大学等の教育研究の質の向上のために有効と判断される。

効率性の観点

事業インプット

  • 大学における教育研究拠点の形成等に必要な経費 44,955百万円(平成19年度予算額)
    • 大学院教育改革支援プログラム 3,501百万円
    • 「魅力ある大学院教育」イニシアティブ 1,229百万円
    • 派遣型高度人材育成協同プラン 234百万円
    • サービス・イノベーション人材育成推進プログラム 150百万円
    • ものづくり技術者育成支援事業 150百万円
    • 先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム 798百万円
    • グローバルCOEプログラム 15,758百万円
    • 21世紀COEプログラム 22,016百万円
    • 大学教育の国際化推進プログラム(研究拠点形成費等補助金) 638百万円 等
  • 大学等における教育改革に必要な経費 15,611百万円(平成19年度予算額)
    • 特色ある大学教育支援プログラム 3,097百万円
    • 現代的教育ニーズ取組支援プログラム 5,088百万円
    • 大学教育の国際化推進プログラム(大学改革推進等補助金) 1,146百万円
    • 専門職大学院等教育推進プログラム 1,312百万円
    • 地域医療等社会的にニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム 1,305百万円
    • がんプロフェッショナル養成プラン 1,400百万円
    • 新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム 1,590百万円
    • 大学改革研究委託事業(大学評価研究委託) 146百万円

事業アウトプット

  本事業の実施により、1各大学等の特色・個性ある、多様で自主的な取組の推進、2高度専門職業人の養成、3国際競争力のある世界最高水準の教育研究拠点の形成の推進、4大学評価システムの機能化、5国立大学における基盤的環境整備の効果が見込まれる。

事業アウトカム

  各種事業に選定された大学等だけでなく、選定されなかった大学等も申請の検討過程等で教育改革に意欲的に取り組み、今後の教育改革に繋がる。
  また大学等の教育研究の質の向上は、我が国の最大の資源である人々の知的活動・創造力の発展へとつながり、高等教育が我が国の活力ある発展を続けるための時代の牽引役となることが期待される。
  以上のように事業の波及効果も認められ、効率性の観点からも妥当と判断した。

今後の課題及び政策への反映方針

予算要求への反映

  これまでの取組を引き続き推進。

機構定員要求への反映

  定員要求に反映。

具体的な反映内容について

  達成目標4‐1‐1については、順調に進捗しているが、各種プログラムについて一層社会の負託に応えるものとすべく、更なる充実に向けた検討を行い、今後も引き続き事業を実施する。
  また、教育の質を高めるための取組について、各大学に自主的な取組を促すとともに、大学教育の新たな展開に対応する各大学の取組を引き続き支援する。

  達成目標4‐1‐2については、順調に進捗しているが、本事業で支援した取組に関して実態調査を実施し、その結果を事業内容に反映したうえで、引き続き事業を実施する。

  達成目標4‐1‐3については、順調に進捗しているが、世界的に卓越した教育研究拠点の形成をさらに強力に推進するため引き続き事業を実施する。

  達成目標4‐1‐4については、順調に進捗しているが、更なる充実が必要であるため、制度改正の効果や認証評価を受けた大学等について調査・検証し、引き続き事業を実施する。

  達成目標4‐1‐5については、順調に進捗しているが、更なる教育研究の質の向上を目指し、引き続き財政面を含めた基盤強化を図る。

  • 平成21年度機構定員要求においては、以下のとおり反映している。
    • 大学の国際化の連携・推進のため、国際連携推進専門官1名定員要求する。
    • 大学間連携推進体制の強化のため、大学間連携推進専門官1名定員要求する。
    • 大学設置履行状況等調査体制の強化のため、設置計画調査専門官1名、大学設置調査係員1名定員要求する。
    • 専門職大学院における教育の推進体制の強化のため、専門職大学院室長補佐1名、法科大学院1名定員要求する。
    • 大学病院における運営評価体制の強化のため、大学病院運営評価専門官1名定員要求する。
    • 大学を中核とした地域医療体制の充実・強化のため、地域医療人材育成専門官1名定員要求する。

関係する施政方針演説等内閣の重要施策(主なもの)

我が国の高等教育の将来像(平成17年1月28日 中央教育審議会答申)

「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」(平成18年7月 閣議決定)

第2章 成長力・競争力を強化する取組

1.経済成長戦略大綱の推進による成長力の強化

  (5)生産性向上型の5つの制度インフラ

  • 競争的資金の拡充、研究・技術人材の育成
  • 高等教育の教育研究資金の確保、第三者評価に基づく重点投資を図る。

「社会総がかりで教育再生を ‐第二次報告‐」(平成19年6月1日 教育再生会議)

   地域、世界に貢献する大学・大学院の再生

「社会総がかりで教育再生を ‐第三次報告‐」(平成19年12月25日 教育再生会議)

   大学・大学院の抜本的改革

教育振興基本計画(平成20年7月1日閣議決定)

第3章 今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策

(2)施策の基本的方向

   基本的方向3 教養と専門性を備えた知性豊かな人間を養成し、社会の発展を支える

関連達成目標

  なし

政策評価担当部局の所見

  達成目標4‐1‐2について、今後、アウトカムを捉える指標を検討すべき。

達成目標4‐1‐1

  大学における教育内容・方法等の改善・充実を図り、各大学の個性・特色を踏まえた人材の育成機能を強化する。

(基準年度:毎年度・達成年度:毎年度)

1.評価の判断基準

判断基準1 競争的環境の下、高等教育の活性化に向けた各大学の自主性・自律性に基づく特色ある優れた取組の展開状況
  • S=大きく展開された。
  • A=着実に展開された。
  • B=十分には展開されなかった。
  • C=展開されなかった。

判断基準2 FDやGPA等に取り組む大学数
  • A=増加。
  • B=横ばい。
  • C=減少。

2.平成19年度の状況

  以下の各種事業を実施することで、各大学等が自主的に特色・個性ある多様な取組を実施した。

  • 特色ある優れた教育改革の取組を支援する「特色ある大学教育支援プログラム」
  • 社会的要請の強い政策課題に対応した取組を支援する「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」
  • 大学院における優れた組織的・体系的な教育の取組を支援する「大学院教育改革支援プログラム」
  • 大学院における若手研究者養成の意欲的かつ創造的な取組を支援する「『魅力ある大学院教育』イニシアティブ」
  • 海外の複数大学と連携した先端的な教育活動や大学等の教職員等の海外派遣の優れた取組を支援する「大学教育の国際化推進プログラム」
  • 専門職大学院や教員養成を行う大学等において、教育方法等の開発や充実を行う取組に対し支援する「専門職大学院等教育推進プログラム」
  • 地域医療など社会のニーズに適切に対応できる質の高い医療人養成の取組を支援する「地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム」
  • がん医療の担い手となる高度な知識・技術を持つがん専門医師等、がんに特化した医療人養成の取組を支援する「がんプロフェッショナル養成プラン」
  • 新たな社会的ニーズに対応した優れた学生支援の取組を支援する「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」

  これらのプログラムの実施に当たっては、各大学等から毎年多くの申請が提出されるなど、選定された大学等だけでなく、選定されなかった大学等も申請の検討過程等で教育改革に意欲的に取り組んでおり、今後の教育改革に確実に繋がっている。また、フォーラム等への積極的な参加もあり、各大学等において積極的・意欲的な教育改革の取組が実施されているところである。

  加えて、学長等を対象とした調査研究の結果からは、これらの事業の一般的効果として、選定の有無、申請の有無を問わず高等教育全体、地域、高等学校、企業等に好影響を与えていると過半数が回答しており、その中でも事業の選定効果として、「優れた教育方法」、「学習支援システム」、「カリキュラム」、「学生の意欲・満足度」、「学生の学修効果」、「教員の力量」などに効果があったとして、約9割が評価している。さらに、事業の支援期間終了後も、8割以上の大学で同規模若しくは規模を拡大して事業を継続しており、これらのことから、大学の人材育成機能の強化が図られているものと考えられる。

  また平成18年度において、FD(ファカルティ・ディベロップメント)を行う大学は前年度比53校、厳格な成績評価(GPA)を行う大学は前年度比46校と、それぞれ増加しているほか、大学において授業の質を高めるためのこれ以外の取組(ティーチング・アシスタントの活用、学生による授業評価の実施、履修登録単位数の上限設定等)も普及しつつあるところである。

FD(Faculty Development:ファカルティ ディベロップメント)

  教員が授業内容・方法を改善し、向上させるための組織的な取組の総称。その意味するところは極めて広範にわたるが、具体的な例としては、教員相互の授業参観の実施、授業方法についての研究会の開催、新任教員のための研修会の開催などを挙げることができる。

  このほか、産学協同により大学院生を対象とする質の高い長期インターンシッププログラムを開発・実施する「派遣型高度人材育成協同プラン」、サービスにおける生産性向上やイノベーション創出に寄与しうる人材を育成するための教育プログラムを開発・実施する「サービス・イノベーション人材育成推進プログラム」、ものづくり技術者の育成を図るため、地域や産業界と連携した実験・実習と講義の有機的な組み合わせによる優れた教育プログラムを開発・実施する「ものづくり技術者育成支援事業」、世界最高水準のIT人材として求められる専門的スキルを有し、企業等において先導的役割を担う人材の育成拠点形成を支援する「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」を実施することで、産学連携による高度専門人材育成及び教育研究機能の充実を図った。また、選定プロジェクトについて、ホームページ等により、広く社会に情報提供を行った。これらのプログラムの推進により、各大学等における産学連携による質の高い実践的な教育手法の普及・定着を促しているところである。

  各々の事業についてはその知名度や取組が大学関係者の間に相当程度浸透しており、一層のプログラムの豊富化も進んでいることから、それぞれの大学等の特色や個性に即した事業を利用できる体制も整備されつつあることとも相まって、選定に向けた意欲的な取組の推進が全国の大学等に広がりつつあると評価できる。これら各大学等における特色ある取組の普及とともに、各大学等における日常的な教育に関する内容・方法の改善も進捗していることから、当該達成目標については、想定どおり達成と判断した。

指標

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
1.ファカルティディベロップメントの取組を行っている大学数 大学数 482 534 575 628 未調査
割合 69% 75% 81% 86% 未調査
2.厳格な成績評価(GPA)の取組を行っている大学数 大学数 171 214 248 294 未調査
割合 24% 30% 35% 40% 未調査

参考指標

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
3.「特色ある大学教育支援プログラム」選定件数(申請件数) 選定件数 80 58 47 48 52
申請件数 664 534 410 331 331
4.「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」選定件数(申請件数) 選定件数   86 84 112 119
申請件数   559 509 565 600
5.「大学教育の国際化推進プログラム(長期海外留学支援)」選定件数(申請件数) 選定件数     75 107 143
申請件数     85 141 178
6.「大学教育の国際化推進プログラム(戦略的国際連携支援)」選定件数(申請件数) 選定件数     15 5  
申請件数     104 78  
7.「大学教育の国際化推進プログラム(先端的国際連携支援)」選定件数(申請件数) 選定件数         6
申請件数         51
8.「大学教育の国際化推進プログラム(海外先進教育研究実践支援)」選定件数(申請件数) 選定件数     26 281 245
申請件数     108 430 385
9.「大学院教育改革支援プログラム」選定件数(申請件数) 選定件数         126
申請件数         355
10.「『魅力ある大学院教育』イニシアティブ」選定件数(申請件数) 選定件数     97 46  
申請件数     338 268  
11.専門職大学院等教育推進プログラム(平成16~18年度は「法科大学院等専門職大学院教育推進プログラム」と「資質の高い教員養成推進プログラム」をあわせた選定件数(申請件数) 選定件数   63 42 38 38
申請件数   127 126 132 108
12.「地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム」選定件数(申請件数) 選定件数     20 22 16
申請件数     55 110 72
13.「がんプロフェッショナル養成プラン」採択件数(申請件数) 選定件数         18
申請件数         22
14.「派遣型高度人材育成協同プラン」採択件数(申請件数) 選定件数     20 10  
申請件数     55 30  
15.「サービス・イノベーション人材育成推進プログラム」採択件数(申請件数) 選定件数         6
申請件数         35
16.「ものづくり技術者育成支援事業」選定件数(申請件数) 選定件数         12
申請件数         79
17.「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」採択件数(申請件数) 選定件数       6 2
申請件数       26 8
18.「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」採択件数(申請件数) 選定件数         70
申請件数         272

指標に用いたデータ・資料等

  • 資料:1~18(文部科学省)

指標の設定根拠

  上記の各種事業等は、各大学が教育面での改革の推進や個性・特色の一層の明確化を図るために、各大学において自主的に取り組むべきものや、国として各大学の教育改革への取組を支援するものである。このため、本達成目標を計るにあたり、当該各種事業の申請数・選定数や、大学教育改革の取組の一つであるFDやGPAに取り組んでいる大学数を指標として設定する。

3.評価結果

  A

判断理由

  競争的環境の下、高等教育の活性化に向けた各大学の自主性・自律性に基づく特色ある優れた取組は着実に展開されている。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  国公私立大学を通じて教育改革を支援する各プログラムについては、各大学等からの申請状況、アンケート結果、フォーラム実施への社会的反響等から判断し、各大学等における積極的な教育改革の取組に役立っていると判断できることから、大学教育改革の進捗状況を踏まえつつ、一層の社会的ニーズを踏まえるなど必要な見直しを行い、引き続き、継続的に事業を実施することが重要である。

  平成20年度からは、「特色ある大学教育支援プログラム」と「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」を発展的に統合し、各大学等が、大学設置基準改正等へ積極的に対応しつつ、それぞれの人材養成目的に沿った確実な計画のもとに教育の質向上を図ろうとする優れた取組を支援する「質の高い大学教育推進プログラム」を新たに実施することで、高等教育の質の保証を図る。
  また、平成17年度から実施している「『魅力ある大学院教育』イニシアティブ」については、新たな社会のニーズに応えられる創造性豊かな若手研究者の養成機能の強化を図るため、大学院における意欲的、独創的な教育の取組を支援するものであり、このプログラムの実施により、各大学において、コースワークの充実・強化や大学院学生の学修・研究環境の充実等、積極的な教育改革の取組が行われている。これらの実績や大学院設置基準改正等を踏まえ、引き続き、大学院教育の抜本的強化を図るために、平成19年度より「大学院教育改革支援プログラム」を実施し、大学院における優れた組織的・体系的な教育の取組を支援しているところである。
  同じく平成17年度から実施している「地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム(平成17年度選定分については達成年度到来。18,19年度選定分については継続支援中)」については、各大学においてへき地を含む地域医療を担う医療人養成や全人的医療を実現できる医師・歯科医師の養成が積極的に行われている。平成20年度からは質の高い専門医や臨床研究者養成のため「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」を実施し、引き続き大学における取組を支援しているところである。

  このほか、我が国の高等教育の国際競争力の強化等を図るため、海外の複数の大学等と連携し、ダブル・ディグリーや英語による授業を総合的に実施する等、大学等の国際化に向けた取組を支援する「大学教育の国際化加速プログラム(国際共同・連携支援)」、産学連携教育の充実を一体的に推進していくため、「派遣型高度人材育成協同プラン」、「ものづくり技術者育成支援事業」及び「サービス・イノベーション人材育成推進プログラム」を発展的に統合し、大学等の実践型人材育成機能の抜本的強化を図る「産学連携による実践型人材育成事業」を新たに実施することにより、各大学が多様な社会ニーズに応えられるよう多様なプログラムを設け、各大学の特色ある取組を支援することで、より一層の高等教育の活性化を図る。
  なお、平成18年度より実施している「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」については、各人材育成拠点において一定の成果が得られつつあり、今後はそれらの成果を効果的・効率的に全国の大学に普及展開していくための事業を進めていくこととしている。

  また、大学において授業の質を高めるための取組の一層の普及を図るためには、今後とも引き続き、様々な機会を捉えて、各大学の自主的な取組を促すとともに、大学教育の新たな展開に対応する各大学の取組を支援、促進したり、その状況について調査を行い、その結果を広く提供し、あわせて高等教育行政施策の企画立案への活用に取り組むことも重要である。平成20年度以降も、FD(ファカルティ・ディベロップメント)やGPA(厳格な成績評価)をはじめとする大学において教育の質を高めるための取組の導入の促進を図りつつ、大学教育の新たな展開も視野に入れた高等教育行政施策を行うこととし、その企画立案等に資するため、「大学改革研究委託事業(先導的大学改革推進委託)」を実施し、その成果について、大学関係者等の間で共有を図る。

  なお、平成21年度概算要求においては、各種事業の内容等を見直しつつ、引き続き関連予算の充実に努める。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度予算要求への考え方
「特色ある大学教育支援プログラム」(3,097百万円)
(平成20年度達成年度到来事業)
大学における教育改革の種々の取組の中から、特色ある優れた取組を選定し、支援を行うとともに、広く社会に情報提供を行うことにより、高等教育の活性化を図る。 【事業期間全体の総括】
平成15年度の事業開始以来、15年度に80件、16年度に58件、17年度に47件、18年度に48件、19年度に52件、合計285件の優れた取組を選定し、複数年度にわたる継続的な支援を含め、財政支援を行い、教育改革の取組の更なる促進を図った。
また、各大学の教育改革の取組に資するため、事例集の作成やフォーラムの開催などにより、広く社会に情報提供を行った。
このプログラムの実施により、各大学において積極的な教育改革の取組が行われている。
廃止
  • ※引き続き、大学教育改革の取組を推進するため、平成20年度より「質の高い大学教育推進プログラム」を実施しており、21年度からは再編し、「学士力確保と教育力向上プログラム」を実施し、大学等の教育の質向上を図ろうとする優れた取組を支援する。
「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」(5,088百万円)
(平成20年度達成年度到来事業)
各種審議会からの提言等、社会的要請の強い政策課題に対応した大学等の種々の取組の中から、特に優れた教育取組を選定し、支援を行うとともに、広く社会に情報提供を行うことにより、高等教育の活性化を図る。 【事業期間全体の総括】
平成16年度の事業開始以来、16年度に86件、17年度に84件、18年度に112件、19年度に119件、合計401件の優れた取組を選定し、複数年度にわたる継続的な支援を含め、財政支援を行い、教育改革の取組の更なる促進を図った。
また、各大学の教育改革の取組に資するため、ホームページの開設やフォーラムの開催などにより、広く社会に情報提供を行った。
このプログラムの実施により、各大学において積極的な教育改革の取組が行われている。
「大学教育の国際化推進プログラム」(1,784百万円)
(平成20年度達成年度到来事業)
海外の複数大学と連携した先端的な教育活動、大学等の教職員等の海外派遣の優れた取組を選定し、財政支援を行うことで、高等教育の国際化の推進を図る。 【事業期間全体の総括】
平成17年度の事業開始以来、「長期海外留学支援」では17年度は75人、18年度は107人、19年度は143人を派遣する取組、「海外先進教育研究実践支援」では17年度に26件、18年度に281件、19年度に245件の取組、「戦略的国際連携支援及び先端的国際連携支援」では17年度に15件、18年度に5件、19年度に6件の取組を選定し、財政支援を行うことにより、大学教育の国際化の推進を図った。
このプログラムの実施により、各大学において積極的な海外大学との連携協力や、学生の学位取得を前提とした海外派遣の取組が行われている。
廃止
  • ※引き続き、大学教育の国際化を推進するため、平成20年度より「大学教育の国際化加速プログラム」を実施しており、21年度からは新たに「海外進出・ネットワーク形成支援事業」を実施し、海外の有力大学との継続的・組織的な連携構築等の優れた取組を支援する。
「大学院教育改革支援プログラム」(3,501百万円) 社会の様々な分野で幅広く活躍する高度な人材を育成するため、大学院における優れた組織的・体系的な教育の取組を支援する。 61大学126件の優れた取組を選定し、財政支援を行い、大学院教育の組織的展開の更なる強化を図った。 継続
「『魅力ある大学院教育』イニシアティブ」(1,229百万円)
(平成19年度達成年度到来事業)
現代社会の新たなニーズに応えられる創造性豊かな若手研究者の養成機能の強化を図るため、大学院における意欲的かつ創造的な教育の取組を支援する。 【事業期間全体の総括】
平成17年度に45大学97件、平成18年度に35大学46件の優れた取組を選定し、財政支援を行うことにより、新たな社会のニーズに応えられる創造性豊かな大学院の若手研究者の養成機能の強化を図った。また、各大学の教育改革の取組に資するため、ホームページの開設やフォーラムの開催などにより、広く社会に情報提供を行った。
このプログラムの実施により、各大学において、コースワークの充実・強化や大学院学生の学修・研究環境の充実等、積極的な教育改革の取組が行われている。
廃止
  • ※引き続き、大学院教育の抜本的強化を図るために、平成19年度より「大学院教育改革支援プログラム」を実施し、大学院における優れた組織的・体系的な教育の取組を支援する。
専門職大学院等教育推進プログラム(1,312百万円)
(平成20年度達成年度到来事業)
高度専門職業人養成を行う専門職大学院や学校教員の養成を行う大学等において、理論と実務を架橋した実践的な教区方法等の開発・充実を行う優れた取組を支援する。 【事業期間全体の総括】
平成16年度の事業開始以来、16年度に63件、17年度に42件、18年度に38件、19年度に38件、合計181件の優れた取組を選定し、複数年度にわたる継続的な支援を含め1財政支援を行い、高度専門職業人養成のための教育方法の開発・充実が推進された。
継続
「地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム」(1,305百万円)
(平成19年度達成年度到来事業(平成17年度選定取組分))
地域医療や患者本位の全人的医療を実現できる大学病院等における医療人養成の取組について財政支援を行うことにより、教育研究病院である大学病院等の教育の活性化を促進するとともに、地域医療への貢献を図る。 【事業期間全体の総括】
平成17年度に20件の優れた取組を選定し、財政支援を行った。平成18年度には22件の優れた取組を新たに選定するとともに、平成17年度選定取組に対して継続的に財政支援を行うことにより、大学病院等が、地域医療等社会的ニーズに対応し、その使命・役割を十分に果たすための教育機能の一層の強化を図った。平成19年度も16件の優れた取組を新たに選定するとともに、平成17、18年度選定取組に対して継続的に財政支援を行うことにより、取組の着実な実施を支援した。
このプログラムの実施により、各大学において、へき地を含む地域医療を担う医療人養成や全人的医療を実現できる医師・歯科医師の養成が積極的に行われている。
平成20年度においては、平成18、19年度選定取組に対して継続的に財政支援を行うことにより、取組の着実な実施を支援し、また、広く社会へ情報提供を行うこととしている。
  • 注:17年度に事業評価を受けた「6年制薬学教育支援プログラム」の内容を含む。
継続
「がんプロフェッショナル養成プラン」(1,400百万円) がん医療の担い手となる高度な知識・技術を持つがん専門医師等、がんに特化した医療人を養成する取組の支援を行った。 18件の優れた取組を選定し、財政支援を行うことにより、大学教育の活性化を促進し、今後のがん医療を担う医療人の養成を推進した。 継続
「派遣型高度人材育成協同プラン」(234百万円) 産学連携による、大学院生を対象とする、企業現場等の実践的環境を活用した質の高い長期インターンシッププログラムの開発・実施を行うことにより,高度専門人材を育成し,もって我が国における科学技術関係人材の育成機能強化を図る。 平成17年度及び平成18年度に選定した教育プロジェクトを引き続き推進するとともに、平成17年度に選定した教育プロジェクトについて、事業の効率的で効果的な推進に資するため中間評価を行った。 廃止
  • ※産学連携教育の充実を一体的に推進していくため、平成19年度より「派遣型高度人材育成協同プラン」、「ものづくり技術者育成支援事業」及び「サービス・イノベーション人材育成推進プログラム」を発展的に統合し、大学等の実践型人材育成機能の抜本的強化を図る「産学連携による実践型人材育成事業」を実施
「サービス・イノベーション人材育成推進プログラム」(150百万円) ビジネス知識、IT知識、人間系知識等の分野融合的な知識を兼ね備え、サービスに関して高いレベルの知識と専門性を有するとともに、サービスにおいて生産性の向上やイノベーション創出に寄与しうる資質をもった人材を育成するための教育プログラムの開発を大学に委託する。 35件のプロジェクトの申請があり、有識者等で構成する「サービス・イノベーション人材育成推進委員会」による審査によって、6件のプロジェクトが選定され、サービスに関して高いレベルの知識と専門性を有するとともに、サービスにおいて生産性の向上やイノベーション創出に寄与しうる資質をもった人材を育成するための教育プログラムの開発・実施が進められた。
「ものづくり技術者育成支援事業」(150百万円) 地域や産業界と連携した実験・実習と講義の有機的な組み合わせによる教育プログラムの開発・実施を通じ、ものづくり分野を革新させる高度な知識及び確かな技術を併せ持ち、ものづくり過程の全体を見渡し技術の目利きをすることのできるものづくり技術者の育成を図る。 79件の申請があり、有識者等で構成する「ものづくり技術者育成推進委員会」による審査によって、12件のプロジェクトが選定され、高度な知識と豊かな技術を併せ持ち、ものづくり過程全体を見渡し技術の目利きをすることのできるものづくり技術者育成をするための教育プログラムの開発・実施が進められた。
「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」(798百万円) 産学連携による教育内容・体制の強化により、世界最高水準のIT人材として求められる専門的スキルを有し、企業等において先導的役割を担う人材を育成する教育拠点の形成の支援を行った。 平成18年度に選定された6大学において、世界最高水準のソフトウェア技術者の育成拠点の形成が推進された。また、新たに情報セキュリティ分野に関して8件の申請があり、有識者等で構成される「先導的情報セキュリティ人材育成推進委員会」による審査によって、2件の教育プロジェクトが選定され、その教育拠点の形成が推進された。 継続
各種機会を通じた各大学の自主的な取組の促進(−)
  • 今後の大学改革課題に機動的に対応するための先導的調査研究(継続)
  • 各大学の教育内容等の改革状況調査
平成18年度において、FDを行う大学は前年度比53校、GPAを行う大学は前年度比46校、それぞれ増加している。 継続
「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」(1,590百万円) 学生の人間力を高め人間性豊かな社会人を育成するため、各大学・短期大学・高等専門学校における、入学から卒業までを通じた組織的かつ総合的な学生支援のプログラムのうち、優れたプログラムを選定し、財政支援を行うとともに、広く社会に情報提供を行うことにより、学生支援機能の充実を図る。 70件の特色ある優れた取組を選定し、財政支援を行うことにより、各大学等における学生支援機能の充実を図った。
また、各大学の教育改革の取組に資するため、事例集の作成やフォーラムの開催などにより、広く社会に情報提供を行った。
このプログラムの実施により、各大学において積極的な教育改革の取組が行われている。
継続

達成目標4‐1‐2

  高度専門職業人の養成を推進するため、法科大学院をはじめ、各種の専門職大学院における教育内容・方法の開発・充実等を図る。

(基準年度:16年度・達成年度:20年度)

1.評価の判断基準

判断基準 申請対象となる専攻数に占める「専門職大学院等における高度専門職業人育成教育推進プログラム」において支援を行った専攻数の割合
  • S=80%以上
  • A=60~80
  • B=20~80
  • C=20%未満

2.平成19年度の状況

  専門職大学院は、科学技術の進展や社会・経済のグローバル化に伴う、社会的・国際的に活躍できる高度専門職業人養成へのニーズの高まりに対応するため、高度専門職業人の養成に目的を特化した大学院として、平成15年度に創設された。

  国際的に活躍できる高度専門職業人の養成を積極的に推進するため、平成16、17年度に「法科大学院等専門職大学院形成支援プログラム」、平成18年度に「法科大学院等教育推進プログラム」を実施し、教育内容・方法の開発・充実に取り組む優れた取組を行う専門職大学院に対し、重点的に支援を行ったている。(平成16年度選定:63専攻63件、平成17年度選定:18専攻8件、平成18年度選定:21専攻14件)平成19年度は、「専門職大学院等教育推進プログラム」を実施し、平成18年度に選定した14件に加え、法科大学院を対象に新規公募を行い、48件の申請の中から、36専攻20件を選定し、新たに支援を開始した。
  なお、達成目標の達成度については、設置されている専攻のうち、本事業で支援した実専攻数の割合から、教育内容・方法の開発・充実が進められている状況を測定することとする。

指標・参考指標

  平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
専門職大学院等教育推進プログラム
(平成16、17年度は「法科大学院等専門職大学院形成支援プログラム」、18年度は「法科大学院等専門職大学院教育推進プログラム」の件数)
支援専攻数(実数)(注1)(延べ) 63 78 86 89
選定専攻数(注2) 63 18 21 36
設置専攻数 93 122 140 149
支援専攻数/設置専攻数 68% 64% 61% 60%
《参考》選定件数 63 8 14 20
《参考》申請件数 127 25 40 48
  • (注1)財政支援した実専攻数(共同取組への参加を含む)。複数の取組が選定された専攻でも「1」とカウント。
  • (注2)各年度に新規選定された専攻数(共同取組への参加を含む)

指標に用いたデータ・資料等

  • 資料:文部科学省

指標の設定根拠

  上記の補助事業は、各大学が教育内容・方法の開発・充実を図る取組を支援するものであるため、設置されている専門職大学院の専攻のうち、当該事業により支援した専攻数(実数)の割合を指標として設定する。

3.評価結果

  A

判断理由

  共同取組を含め、平成19年度までに89専攻(累積)が当該プログラムによる支援を受けており、専門職大学院の60パーセントが、高度専門職業人の養成を目的とした教育内容・方法の開発・充実等を図る取組を実施していることから、想定どおり達成したと判断した。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  平成20年度以降は、産業界等との連携に基づき、国際競争力の向上や教育の質の保証等の政策課題に対する先導的な取組について支援し、高度専門職業人養成等の一層の強化を図る。
また、本事業で支援した取組が教育の質の向上にどのように寄与したか、成果をどのように活用しているかについて把握するため、平成20年度の「専門職大学院における教育研究活動等に関する実態調査」において調査を実施し、その調査結果を踏まえ、21年度概算要求の事業内容に反映するとともに、次回の実績評価の達成度の測定の在り方を検討する。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
専門職大学院等教育推進プログラム(1,312百万円) 各種の専門職大学院における教育内容・方法の開発・充実等を図るため、優れた教育プロジェクトを行う専門職大学院に対して重点的に支援を行った。 継続取組(平成18年度選定14件)の実施のほか、新規に48件の申請があり、有識者等で構成する「専門職大学院等教育推進プログラム選定委員会」において20件の取組が選定され、専門職大学院における優れた教育内容・方法の開発・充実等を目的とした取組が実施された。 継続

達成目標4‐1‐3

  国公私立大学を通じた競争的環境の下で、各大学の個性や特色を活かした世界的な研究教育拠点を形成し、国際競争力のある世界最高水準の大学づくりを推進する。

  (基準年度:16年度・達成年度:20年度)

1.評価の判断基準

判断基準 競争的環境の下で、各大学の個性や特色を活かした世界的な研究教育拠点が形成され、国際競争力のある世界最高水準の大学づくりの進捗状況
  • S=大幅に進展した。
  • A=着実に進展した。
  • B=十分には進展しなかった。
  • C=進展しなかった。

2.平成19年度の状況

  「新時代の大学院教育」(平成17年9月中央教育審議会答申)等において、21世紀COEプログラムをより充実・発展させて引き続き世界最高水準の卓越した教育研究拠点に対して支援を行うことが必要であると提言されたことを踏まえ、平成19年度より、世界的な卓越した教育研究拠点の形成をより重点的に支援する「グローバルCOEプログラム」を実施している。平成19年度には、28大学63拠点(申請:111大学281拠点)を採択した。

  また、平成14年度より実施されている、「大学の構造改革」の一環として、学問分野別に第三者評価を行い、主として研究上のポテンシャルの高い研究教育拠点(大学院博士課程レベル)に対し、高度な人材育成機能も加味した重点支援を行うことにより、世界最高水準の大学づくりを推進する「21世紀COEプログラム」については、これまでに、平成14年度に50大学113拠点(申請は、163大学464拠点)、平成15年度に56大学133拠点(申請は、225大学611拠点)、平成16年度に24大学28拠点(申請は、186大学320拠点)を採択した。平成19年度には、平成15年度及び平成16年度採択拠点に対し継続的支援を行うとともに、平成14年度に採択された拠点について事後評価を行い、約87パーセントの拠点が「設定された目的は十分達成され、期待以上の成果があった」、「設定された目的は概ね達成され、期待どおりの成果があった」との評価を受けている。平成15年度、16年度採択拠点については、進捗状況の確認を行う中間評価において、97パーセントの拠点が「当初目的の達成が可能」との評価を受けており、着実に拠点形成が図られているところである。

  21世紀COEプログラムへの申請が契機となり、若手研究者の雇用増加(ポスト・ドクター2.2倍(1,803人から4,029人)、リサーチ・アシスタント2.6倍:3,157人から8,178人)、企業の研究開発部門への就職者数増加(3割増(600人から797人))、大学院生の学会、論文発表数増加(論文3割増(約9千件から約1万1千件)、国外の学会発表数5割増)など優れた若手研究者の養成、国内外の大学・研究機関・企業等との共同研究の増加(5割増(約1万件から約1万5千件))など研究水準の向上について進展が確認されたほか、採択拠点以外の各大学においても、学部・研究科の壁を越え、学長によるマネジメント体制の下、全学的視野に立った戦略的な研究教育体制の構築に取り組むなど、国公私立大学を通じた大学間の競争的環境の醸成等が促され、これらの成果により、両事業は着実に進展しているところであり、本達成目標については想定どおり達成しているものと判断した。

指標・参考指標

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
1.「グローバルCOEプログラム」 採択件数         63
申請件数         281
2.「21世紀COEプログラム」 採択件数 133 28      
申請件数 611 320      
中間評価において当初目的の達成が可能との評価を受けた拠点数及び割合 拠点数   101(平成14年度採択拠点) 127(平成15年度採択拠点) 27(平成16年度採択拠点)  
割合   89% 97% 96%  
事後評価において「設定された目的は十分達成され、期待以上の成果があった」、「設定された目的は概ね達成され、期待どおりの成果があった」との評価を受けた拠点数及び割合 拠点数         99(平成14年度採択拠点)
割合         87%

指標に用いたデータ・資料等

  • 資料:1~2(文部科学省)

指標の設定根拠

  上記プログラムは、第三者評価に基づく競争原理により、国公私立大学を通じて、国際競争力のある卓越した教育研究拠点の形成を重点的に支援し、もって国際競争力のある世界最高水準の大学づくりを推進することを目的としている。
  プログラムへの申請を通じて、採択拠点はもとより、それ以外の大学においても、全学的視野に立った戦略的な教育研究体制の構築が促進されるなど、国公私立大学を通じた大学間の競争的環境の醸成等が期待されることから、当該事業の達成目標を計る指標として、申請件数・採択件数を設定している。

3.評価結果

  A

判断理由

  研究水準の向上や全学的視野に立った戦略的な研究教育体制の構築など、競争的環境の下で、各大学の個性や特色を活かした世界的な研究教育拠点が形成され、国際競争力のある世界最高水準の大学づくりが着実に進展している。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  グローバルCOEプログラムについては、「21世紀COEプログラム」の基本的な考え方を継承しつつ、世界最高水準の卓越した教育研究拠点の形成という目的を踏まえ、

  1. 支援の一層の充実
  2. 国際的な場でリーダーシップをとれる研究者の育成機能の強化を図るため、博士課程学生に対する経済的支援や、若手研究者が自立して活躍できる機会を与えるなど、若手研究者がその能力を十分に発揮できるような環境整備の更なる促進
  3. 国際競争力を評価するための審査・評価体制の強化(外国人レフェリーによる審査の実施)
  4. 国内外の優れた研究機関との連携を促進するため、「21世紀COEプログラム」では申請を認めていなかった他大学と連携した取組も対象に追加

  等を行う。

  21世紀COEプログラムについては、世界最高水準の大学づくりに役立っており、今後も採択拠点に対しては必要な財政支援を行うことが重要である。また、拠点としての機能をより適切に果たしていくためには、間接経費の拡充を併せて行うことが効果的である。
  平成20年度においては、引き続き、「21世紀COEプログラム委員会」による中間評価結果等を踏まえつつ、これまでに採択された拠点に対する重点支援を着実に行うことを通じ、国際競争力を有する世界最高水準の大学づくりを図る。また、平成15年度に採択された研究教育拠点に対する事後評価を実施する。

  これらの取組を行うなど、両事業は着実に進展していることから、引き続き目標達成に向けて、創造性・柔軟性豊かな質の高い研究者の養成が期待される卓越した教育研究拠点に対する重点的支援を一層強力に展開することが重要である。

  平成21年度においては、平成19年度採択拠点について厳格な中間評価を行い、評価結果に応じて平成22年度以降の補助金の重点配分を実施する。また、新規公募を実施し、国際的にも新たな学問分野の創造とそれを担う人材育成や諸外国の教育研究機関等との連携も含めたCOEに相応しい優れた取組を厳選して支援するために必要となる支援の拡充を図ることとする。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
グローバルCOE
プログラム
(15,758百万円)
「21世紀COEプログラム」の成果を踏まえ、世界的な卓越した教育研究拠点の形成をより重点的に支援する。 28大学63拠点を採択し、経済的支援の更なる充実や、国内外の大学・機関との連携強化を含め国際的に卓越した教育研究拠点の形成に対する重点支援を行った。 継続
21世紀COEプログラム
(22,016百万円)
(平成20年度達成年度到来事業)
第三者評価に基づく競争原理により、国公私立大学を通じて、世界的な研究教育拠点の形成を重点的に支援し、もって国際競争力のある世界最高水準の大学づくりを推進。 【事業期間全体の総括】
平成14年度の事業開始以来、14年度に113拠点、15年度に133拠点、16年度に28拠点、合計274拠点の優れた計画を採択し、複数年度にわたる継続的支援を行うことにより拠点形成の促進を図った。
なお、平成19年度においては、14年度採択拠点に対し事後評価を行い、約87%の拠点が「設定された目的は十分達成され、期待以上の成果があった」、「設定された目的は概ね達成され、期待どおりの成果があった」と評価された。これらの取組を通じ、国際競争力のある世界最高水準の大学づくりが進められている。
廃止

達成目標4‐1‐4

  各大学の継続的な教育研究の質の向上に資するよう、事前・事後の評価の適切な役割分担と協調の確保を図る。

(基準年度:16年度・達成年度:22年度)

1.評価の判断基準

  指標の結果(又は指標の結果の平均)から判断する。

判断基準1 届出制の導入で大学設置認可が弾力化したことによる大学等の参入や組織改編の促進状況
  • S=−
  • A=促進された。
  • B=促進されなかった。
  • C=−
判断基準2 事後関与として評価機関の認証状況
  • S=事後関与として評価機関の認証を行い、認証された評価機関すべてが評価を実施した。
  • A=事後関与として評価機関の認証を行い、評価が実施された。
  • B=事後関与として評価機関の認証を行った。
  • C=事後関与として評価機関の認証が行われなかった。
判断基準3 各機関の評価数の合計の対前年度比
  • S=大幅に増加(76%以上増)
  • A=増加(26~75%増)
  • B=同程度(0~25%増)
  • C=減少

2.平成19年度の状況

  平成15年度から、届出制の導入により、大学設置認可の弾力化が進められた。これにより、平成20年度開設分は、大学設置認可件数が85件、届出件数が258件、合計で343件の組織改編がなされた。届出制導入以前である平成13~15年度開設分の組織改編数の平均(303件)よりも増加している。このことから、大学設置認可の弾力化による組織改編は、順調に進捗していると言える。また、大学設置認可における審査基準でもある、大学設置基準等の改正を行い、学部等における教育力向上のための必要な措置を講じるとともに、その教育の質を保証する上で備えるべき基準をより明確にしたところである。

  平成16年4月から始まった、大学等の質保証を目的とする認証評価制度については、1機関別、2専門職大学院における分野別の評価がある。1については、大学・短大・高専の評価実施校数は平成19年度が205件あり、平成16年度から累計すると458件となっている。制度開始から4年で全体の約4割の大学・短大・高専が認証評価を受けたことになり、認証評価制度が順調に機能してきていると言える。さらに、2については、法科大学院のみで平成19年度が22件あり、累計すると24件となっている。

  また、認証評価機関の整備も一層の充実が図られ、THE ALLIANCE ON BUSINESS EDUCATION AND SCHOLARSHIP FOR TOMORROW, a 21st century organization(ABEST21)、国際会計教育協会が、新たに専門職大学院における分野別の評価機関として認証された。よって、専門職大学院の認証評価機関は、法科大学院3機関(大学評価・学位授与機構、日弁連法務研究財団、大学基準協会)、経営分野1機関(ABEST21)、会計分野1機関(国際会計教育協会)となった。

指標・参考指標

  平成13~15年度開設分平均 平成16年度開設分 平成17年度開設分 平成18年度開設分 平成19年度開設分 平成20年度開設分
1.大学等の設置届出の件数 1 276 265 356 243 258
2.大学等の設置認可の件数 302 196 127 126 110 85

  平成14年度開設分 平成15年度開設分 平成16年度開設分 平成17年度開設分 平成18年度開設分 平成19年度開設分
3.大学機関別認証評価実施数(専門職大学院)     34 83 136(2) 205(22)

指標に用いたデータ・資料等

  • 資料:1、2、3 文部科学省

指標設定根拠

  ここでいう「適切な役割分担と協調」とは、両制度が「連動」することを意味するものではなく、事前評価としての設置認可制度と、事後評価としての認証評価制度それぞれが、制度の趣旨を踏まえて適切に実施されている状態であれば、総合的に見て、「適切な役割分担と協調」が確保されている状態であるということを意味している。
  平成14年度の学校教育法改正において、認証評価制度が導入されると同時に、設置認可制度の弾力化(認可事項の縮減、届出制度の導入)及び大学設置基準の準則化等を行ったことによって、事前評価と事後評価の適切な役割分担を図っており、この役割分担が適切に行われているかを定量的に判断するためには、設置認可制度としては、当該改正によって導入された届出制度の活用状況を、一方の認証評価制度についても、当該制度の活用状況を見ることによって判断することが現時点においては最も適切である。

3.評価結果

  A

判断理由

  届出制度の導入により、毎年度、届出件数は250件前後で推移しており、各大学における組織改編は順調に進捗していると判断した。また、各判断基準に照らした結果及び平成19年度の状況から、各大学等の継続的な教育研究の質の向上に資するための大学評価システムは、大学設置認可の弾力化と合わせて順調に機能しており、想定どおり達成と判断した。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  大学等に対する事前関与としての大学設置認可の弾力化は、時代に即応した人材育成や、新たな学問分野を研究する個性豊かな大学の発展に役立っており、今後も継続した取組が重要である。
一方で、届出制度については、制度改正から5年が経過したことから、届出により設置された学部等の教育課程、教員組織、施設設備の状況及び制度改正の効果等を検証する必要がある。

  また、事後関与としての認証評価制度において、機関別認証評価については、平成16年度以前に設置された大学等は、平成22年度までに認証評価を受けなければならないため、今後3年間に、大学等からの認証評価機関に対する評価申請が集中することが予測される。このためすべての大学等が、法令で定める期間内に遅滞なく認証評価を受けられるよう、更なる充実が必要である。

  さらに、専門職大学院における分野別評価については、平成16年度以前に設置された専門職大学院は、平成20年度までに認証評価を受けなければならない。法科大学院については、平成18年度から認証評価が開始され、平成20年度はほとんどの法科大学院が認証評価を受けることになる。また、法科大学院以外の専門職大学院については、一部の分野に認証評価機関が存在しないため、専門職大学院が法令で定める期間内に延滞なく認証評価等を受けられるよう、更なる充実が必要である。

  大学設置基準の弾力化と大学の質保証制度の双方が一体であって初めて、魅力ある大学の発展に資することから、大学等に対して自らの教育研究の質の維持向上を図るため、自己点検・評価の実施、計画的な認証評価を受けることが必要である。また、大学等において、自己点検・評価や認証評価による評価結果が大学運営に反映されるよう、各大学等の自主性・自律性に基づいた自助努力を促していく必要がある。

  平成19年度以降も引き続き魅力ある大学の発展に資するよう、学科等の新設や改廃を目指す大学等に助言・指導を行うと同時に、大学等が法令で定める期間内に認証評価を受けるよう促す。既に認証評価を受けた大学等については、いかに評価結果が大学運営に反映され、大学等の質の保証・向上につながっているかを調査・検証する必要がある。大学評価の質向上について、大学等と評価機関が行う効率的な評価方法の開発等を促し、参考となる多様な事例を集積・提供すること等により、大学評価の充実と教育の質の向上を図ることを検討する。
  →予算、機構定員等への考え方

  大学等の機関別認証評価、専門職大学院の分野別認証評価ともに認証評価制度の更なる充実が必要であり、今後も事業を継続する。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
大学認証評価制度の導入(平成16年4月1日施行)
(146百万円)
平成16年4月1日より、国公私の全ての大学・短期大学・高等専門学校が定期的に文部科学大臣の認証を受けた評価機関による評価を受けることとする制度を導入。 227件の認証評価が実施され、大学等の質保証に一定の効果があった。また、専門職大学院の分野別の認証評価機関を新たに認証しており認証評価制度が着実に充実しつつある。 継続

達成目標4‐1‐5

  国立大学が質の高い教育研究を行うことができるよう、基盤的な環境の整備を図る。

(基準年度:毎年度・達成年度:毎年度)

1.評価の判断基準

判断基準 国立大学法人が個性・特色をより明確にしていけるような制度改正等の環境整備の進捗状況
  • S=大幅に進展した。
  • A=着実に進展した。
  • B=十分には進展しなかった。
  • C=進展しなかった。

2.平成19年度の状況

  平成16年4月に89の国立大学法人が成立し、各大学がより自主性・自律性を拡大し、自らの判断と責任でこれまで以上に創意工夫を重ねながら、教育研究の高度化や個性豊かな大学づくりに向けた取組を行っている。更なる教育研究体制の整備・充実を図るため、所要の国立大学法人運営費交付金を確保している。

  国立大学法人の更なる基盤強化のため、国立大学法人への寄附の活発化を図るよう、税制改正を行っている。なお、厳しい経済・財政状況を反映して、近年、寄附受入額はほぼ横ばいに留まっている。

  また、余裕金の運用対象について、国立大学法人法第35条において準用する独立行政法人通則法第47条第1号の「文部科学大臣が指定する有価証券」を指定して、国立大学法人等が運用できる金融商品の範囲を拡大した。

指標・参考指標

  平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
1.寄附金受入額 653億円 722億円 698億円 計算中

指標に用いたデータ・資料等

   資料:1(文部科学省)

指標の設定根拠

  寄附金受入額の増減を参考指標として、国立大学法人の基盤強化の一因となる寄附の活発化が図られているかを確認する。寄附の活発化の一因として、税制改正による寄附の受入体制の整備が考えられ、環境整備の進捗状況を計る上での参考指標となる。

3.評価結果

  A

判断理由

  近年の寄附金受入額はほぼ横ばいに留まっているが、寄附の受入体制の整備として税制改正を行っているほか、余裕金の運用対象範囲の拡大など制度改正を行っているため、総体的に環境整備が着実に進展していると判断した。(なお、平成17年度の寄附金受入額には、一個人からある大学への40億円という高額な寄附が含まれている。)

4.今後の課題及び政策への反映方針

  国立大学法人制度が円滑に定着し、各大学が法人化のメリットを最大限に活かすことで、更なる教育研究活動の活性化が図られるよう、国立大学法人運営費交付金の確保など、財政面も含めた支援を図ることが重要である。
  引き続き、各国立大学法人の教育研究基盤を支えるために必要な運営費交付金を確保するとともに、国立大学法人への寄附の活発化を図るため税制改正要望を行うなど、国立大学法人における教育研究の充実と活性化のための教育研究基盤整備を図る。

5.主な政策手段

名称(19年度予算額(百万円)) 概要 19年度の実績 21年度予算要求への考え方
国立大学法人運営費交付金
(1,204,377百万円)
国立大学法人に対し、「渡し切りの交付金」である運営費交付金を交付。(使途を特定しないため、各大学の判断の下、弾力的に執行することが可能。) 各大学の判断により、弾力的な予算の執行が可能となること、教育研究の充実や学生サービスの向上、地域・社会貢献への積極的な参画など、機動的かつ迅速な取組が行われている。 引き続き、各国立大学の教育研究基盤を支えるために必要な運営費交付金を確保し、教育研究の充実と活性化を図る。
寄附金控除の拡充 個人寄附に係る控除上限の引き上げ。 個人から国立大学法人に対する寄附について、寄附者の控除限度額を「年間総所得の30%」から「年間総所得の40%」に引き上げた。 個人から国立大学法人に対する寄附について、寄附者の控除限度額を「年間総所得の40%」から「年間総所得の50%」に引き上げる。
資産運用の対象となる有価証券の範囲の拡大
(平成20年3月28日付文部科学省告示第32号)
国立大学法人等が運用できる金融商品の範囲の拡大。 国立大学法人等の余裕金の運用対象について、国立大学法人法第35条において準用する独立行政法人通則法第47条第1号の「文部科学大臣が指定する有価証券」を指定して、国立大学法人等が運用できる金融商品の範囲を拡大した。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --