施策目標3-1 義務教育に必要な教職員の確保

(基準年度:毎年度・達成年度:毎年度)

  公立義務教育諸学校における学級規模と教職員の配置の適正化を図り、優秀な教職員を確保するとともに、教育課題に対応するための緊急的な教職員配置を行う。

主管課(課長名)

  初等中等教育局財務課(関 靖直)

関係課(課長名)

評価の判断基準

  各達成目標の平均から判断(S=4、A=3、B=2、C=1として計算)。

  • S=3.4~4.0
  • A=2.6~3.3
  • B=1.8~2.5
  • C=1.0~1.7

平成19年度の状況と総合評価結果

  達成目標3‐1‐1(公立義務教育諸学校における学級規模と教職員の配置の適正化)については、一定の成果を上げている。また、達成目標3‐1‐2(優秀な教職員の確保と教育課題に対応するための緊急的な教職員配置)については、計画どおり達成している。

  【総合評価結果】 S

必要性・有効性・効率性分析

必要性の観点

  義務教育費国庫負担制度は、義務教育無償の原則に則り、公立義務教育諸学校の教職員の給与費について都道府県が負担した3分の1を国が負担するものであり、全国すべての地域において優れた教職員を必要数確保し、義務教育の機会均等と水準の維持向上を図る役割を担っている。
  また、学校教育の質的向上を図るため、今日的な教育課題に対応するための緊急的な教職員配置を行う必要がある。

有効性の観点

  本事業により、これまでも全国どの地域においても安定的に公立義務教育諸学校に必要な教職員を配置できるようにしてきたところであり、必要な効果が得られている。
また、今日的な教育課題に対応するための教職員を配置できるようにしてきたところであり、必要な効果が得られている。

効率性の観点

事業インプット

  • 義務教育費国庫負担金に必要な経費 1,665,912百万円(平成19年度予算額)

事業アウトプット

  本事業を実施することにより、全国どの地域においても安定的に公立義務教育諸学校に必要な教職員を配置できるようになる。また、今日的な教育課題に対応するための教職員を配置できるようになる、といった効果が見込まれる。

事業アウトカム

  本事業を実施することにより、憲法の要請に基づく国民の教育を受ける権利が保障される。また、今日的な教育課題に対応することにより、学校教育の質的向上が図られる。
以上より、効率性の観点から妥当である。

今後の課題及び政策への反映方針

予算要求への反映

  これまでの取組を引き続き推進

機構定員要求への反映

  なし

具体的な反映内容について

  全国すべての地域において優れた教職員を必要数確保し、義務教育の機会均等と水準の維持向上を図るため、今後も引き続き事業を実施するとともに、特に緊急の対応を要する今日的な教育課題の解決に向け、教職員定数を措置し、学校教育の質的向上を図る。

関係する施策方針演説等内閣の重要施策(主なもの)

教育振興基本計画(平成20年7月1日閣議決定)

記載事項(抜粋)

第2章 今後10年間を通じて目指すべき教育の姿

  (2)目指すべき教育投資の方向

  小学校以降の初等中等教育段階については、多様な教育課題に対応するとともに一人一人の子どもに教員が向き合う環境づくりの観点から、きめ細かな対応ができる環境を実現するなど、質の高い教育を実現するための条件整備を図る必要がある。

第3章 今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策

  (3)基本的方向ごとの施策

  基本的方向2 個性を尊重しつつ能力を伸ばし、個人として、社会の一員として生きる基盤を育てる

  1 知識・技能や思考力・判断力・表現力、学習意欲等の「確かな学力」を確立する

   ◇ 学習指導要領の改訂と着実な実施
  授業時数や指導内容を増加する新学習指導要領の円滑な実施を図るために、教職員定数の在り方、算数・数学、理科に係る先行実施のための補助教材の作成・配付などの教育を支える条件整備について検討する。

  ◇ 学校現場の創意工夫による取組への支援
  学校現場の創意工夫による取組を支援するため、学級編制基準の弾力化、習熟度別指導・少人数指導の教員や小学校高学年での専科教員の適正配置、定数の適正化、地域の実情に応じた学校選択制の普及、教材開発などの教員のチームによる取組の支援、図書の充実を図る。

  3 教員の資質の向上を図るとともに、一人一人の子どもに教員が向き合う環境をつくる

  教員は、子どもたちの心身の発達に関わり、その人格形成に大きな影響を与える存在であり、その資質・能力を絶えず向上させるため、適切な処遇や教員の養成・研修の充実、厳格な人事管理を促す必要がある。
  教員が、授業等により一人一人の子どもに向き合う環境をつくるため、教職員配置の適正化や外部人材の活用、教育現場のICT化、事務の外部化等に総合的に取り組む。

   ◇ メリハリある教員給与体系の推進
  人材確保法に基づく優遇措置を縮減するとともに、メリハリのある教員給与体系の中でがんばる教員の適切な処遇を推進する。

  ◇ 教員が子ども一人一人に向き合う環境づくり
  教員が子ども一人一人に向き合う環境づくりの観点から、教職員配置の適正化を行うとともに、スクールカウンセラー、特別支援教育支援員、部活動の外部指導者等の学校の専門的・支援的スタッフや退職教員・経験豊かな社会人等の外部人材の積極的な活用を図る。

  (4)特に重点的に取り組むべき事項

  ◎ 確かな学力の保証

  ○ 新学習指導要領の実施
  新学習指導要領の円滑な実施を図るために、教職員定数の在り方、教科書・教材、学校の施設・設備など教育を支える条件整備について検討する。

  ◎ 教員が子ども一人一人に向き合う環境づくり

  ○ 教員の資質向上
  メリハリある教員給与体系の推進(中略)等を行う。

  ○ 教員の子どもと向き合う環境づくり
  教職員配置の適正化を行うとともに、退職教員や経験豊かな社会人などの外部人材の積極的な活用、「学校支援地域本部」等の地域住民による学校支援の取組、調査の見直し、教育現場のICT化、事務の簡素化・外部化などの取組を支援する。

経済財政改革の基本方針2008(平成20年6月27日閣議決定)

記載事項(抜粋)

第5章 安心できる社会保障制度、質の高い国民生活の構築

  2.未来を切り拓く教育

   教育基本法の理念の実現に向け、新たに策定する「教育振興基本計画」に基づき、我が国の未来を切り拓く教育を推進する。その際、新学習指導要領の円滑な実施、特別支援教育・徳育の推進、体験活動の機会の提供、教員が一人一人の子どもに向き合う環境作り、学校のICT化や事務負担の軽減、教育的観点からの学校の適正配置、定数の適正化、学校支援地域本部、高等教育の教育研究の強化、競争的資金の拡充など、新たな時代に対応した教育上の諸施策に積極的に取り組む。

関連達成目標

  なし

政策評価担当部局の所見

  中長期的な観点から、よりアウトカムを捉えた指標を検討すべき。

達成目標3‐1‐1

  公立義務教育諸学校における学級規模と教職員の配置の適正化を図る。

(基準年度:毎年度・達成年度:毎年度)

1.評価の判断基準

判断基準 各都道府県における公立小・中学校教職員定数の充足状況
  • S=全ての都道府県において教職員定数を充足している。
  • A=多くの都道府県において教職員定数を充足している。
  • B=半数の都道府県において教職員定数を充足している。
  • C=一部の都道府県において教職員定数を充足している。

2.平成19年度の状況

  平成19年5月1日現在における公立小・中学校の教職員定数の充足状況(各都道府県において実際に配置されている教職員数が、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(義務標準法)第6条に定める教職員定数を充たしている場合は「充足」、充たしていない場合は「未充足」。)については、充足している県が41県、未充足となっている県が6県がとなっている。
  5月1日時点で未充足となっている原因は、人材不足等により教職員の任用が一部行えない場合があることによるものである。なお、5月2日以降、随時、教職員を配置しており、未充足となっている6県全てについて、年度末までには未充足は解消されている。
  以上から、達成目標3‐1‐1については、一定の成果を上げているものと判断。

指標・参考指標

  平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
公立小・中学校の教職員数が教職員定数を充足している県の数 36県 37県 42県 41県

指標に用いたデータ・資料等

  • 各都道府県における当該年度5月1日現在の公立小・中学校教職員定数及び教職員数

指標の設定根拠

  • 全国すべての地域において教職員が必要数確保されているかどうかを判断するため、公立小・中学校の教職員定数の充足状況を指標として設定している。

3.評価結果

  A

判断理由

  平成19年5月1日現在における公立小・中学校の教職員数が、教職員定数を充足していない県の数は6県であり、多くの県において教職員定数を充足している。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  全国すべての地域において優れた教職員を必要数確保し、義務教育の機会均等と水準の維持向上を図るため、今後も引き続き事業を実施する。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
「義務教育費国庫負担金」
(1,665,912百万円)
義務教育費国庫負担制度は、義務教育無償の原則に則り、公立義務教育諸学校の教職員の給与費について都道府県が負担した3分の1を国が負担するものであり、全国すべての地域において優れた教職員を必要数確保し、義務教育の機会均等と水準の維持向上を図る役割を担っている。 平成19年度は、701,777人(予算人員)の教職員給与費について国庫負担を行った。 継続

達成目標3‐1‐2

  教育課題に対応するための緊急的な教職員配置を行う。

(基準年度:毎年度・達成年度:毎年度)

1.評価の判断基準

判断基準 今日的な教育課題に対応するための緊急的な教職員の配置状況(定数措置に対する実際の教職員配置の割合)
  • S=定数措置に対する実際の教職員配置の割合が100%
  • A=定数措置に対する実際の教職員配置の割合が75%以上~100%未満
  • B=定数措置に対する実際の教職員配置の割合が50%以上~75%未満
  • C=定数措置に対する実際の教職員配置の割合が50%未満

2.平成19年度の状況

  平成19年度は、今日的な教育課題として特に緊急性の高い特別支援教育の推進(LD・ADHD児に対する通級指導の充実・特別支援学校のセンター的機能の充実)及び食育の推進(食に関する指導の充実)のため、331人の定数改善を講じたところであり、この結果、特別支援教育の推進に係る定数措置の総数が2,310人、食育の推進に係る定数措置の総数が161人となっている。この定数措置に対する各都道府県の実際の教職員配置の割合は、特別支援教育の推進及び食育の充実いずれも100パーセントとなっており、各都道府県教育委員会において適切に対応している。
  以上から、達成目標3‐1‐2については、計画どおり達成したものと判断。

指標・参考指標

定数措置に対する実際の教職員配置の割合 平成19年度
特別支援教育の充実(LD・ADHD児に対する通級指導の充実・特別支援学校のセンター的機能の充実) 100%
食育の充実(食に関する指導の充実) 100%
100%

指標に用いたデータ・資料等

   各都道府県における平成19年度の公立義務教育諸学校加配教職員定数の配置数

指標の設定根拠

   緊急の対応を要する今日的な教育課題の解決に必要な教職員が配置されているかどうかを判断するため、定数措置に対する実際の教職員配置の割合を指標として設定している。

3.評価結果

  S

判断理由

  今日的な教育課題として特に緊急性の高い特別支援教育の推進に係る定数措置(2,310人)及び食育の推進に係る定数措置(161人)に対する各都道府県の実際の教職員配置の割合は100パーセントとなっている。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  今後も、特に緊急の対応を要する今日的な教育課題の解決に向け、教職員定数を措置し、学校教育の質的向上を図る。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
「優秀な教職員の確保及び教育課題に対応するための緊急的な教職員配置」
(1,665,912百万円)
今日的な教育課題として特に緊急性の高い特別支援教育及び食育の推進に対応するため、「教育課題対応緊急3か年対策」(平成19~21年度までの3年間で1,510人の定数措置)を策定し、緊急的な教職員配置を実施する。 平成19年度は、教職員配置を見直した上で、特別支援教育の推進のための教員配置311人、食育の推進のための栄養教諭配置20人の計331人の定数改善を講じた。
この結果、特別支援教育の推進に係る定数措置総数が2,310人、食育の推進に係る定数措置の総数が161人となった。
継続

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大臣官房政策課評価室

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