ここからサイトの主なメニューです

施策目標2-11 一人一人のニーズに応じた特別支援教育の推進

(基準年度:19年度・達成年度:22年度)

  障害のある全ての幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行う特別支援教育を推進する。

主管課(課長名)

  初等中等教育局特別支援教育課(永山 裕二)

関係課(課長名)

評価の判断基準

  各達成目標の平均から判断(S=4、A=3、B=2、C=1として計算)。

  • S=3.4~4.0
  • A=2.6~3.3
  • B=1.8~2.5
  • C=1.0~1.7

平成19年度の状況と総合評価結果

達成目標2‐11‐1 S

  幼稚園から高等学校までを通じた、発達障害を含む障害のある子ども一人一人の教育的ニーズを把握し適切な支援を行うための体制整備等の推進について、平成19年度においては、全国の公立小中学校において、校内における全体的な支援体制を整備するための校内委員会の設置率が99.5パーセントとなり、また校内の関係者や関係機関との連絡調整、保護者の相談窓口等の役割を果たす特別支援教育コーディネーターの指名率が99.5パーセントとなり、前年度に比べて増加し、特別支援教育の体制整備が想定通り進んでいる。

達成目標2‐11‐2 A

  特別支援学校に在籍する児童生徒の障害の重度・重複化、多様化等に対応した適切な指導や必要な支援を行うための教員の専門性の向上や指導内容・方法等の改善について、平成19年度においては、国による専門性向上研究協議会の事後アンケートにおいて、全回答者のうち約96パーセントから講習全体に関して肯定的な回答を得ることができた。また、特別支援学校教諭等免許状保有者の割合については、制度改正に伴う集計方法の変更もあり、単純な比較はできないが、前年度比7.2パーセントの増加となっており、全体として、特別支援学校教員の専門性の向上や、それによる指導方法・内容の改善が図られたと判断できる。

  これらのことから、一人一人のニーズに応じた特別支援教育の推進のための取組みは、全体として、想定した以上に順調に進捗したと判断した。

  評価結果:S

必要性・有効性・効率性分析

必要性の観点

  近年、児童生徒等の障害の重複化や多様化に伴い、一人一人の教育的ニーズに応じた適切な教育の実施や、学校と福祉、医療、労働等の関係機関との連携がこれまで以上に求められているという状況に鑑み、平成19年度より改正学校教育法が施行され、児童生徒等の個々のニーズに柔軟に対応し、適切な指導及び支援を行う観点から、複数の障害種別に対応した教育を実施することができる特別支援学校の制度を創設するとともに、小中学校等における特別支援教育を推進すること等により、障害のある児童生徒等の教育の一層の充実を図ることが法律上も明確に規定された。
  このような状況において、特別支援教育支援体制整備状況調査(調査基準日:平成19年9月1日)では、公立小・中学校における校内委員会の設置率や特別支援教育コーディネーターの指名率が99パーセントを超えており、小・中学校における教育支援体制整備に関し、一定の成果が上がっている。一方で、幼稚園・高等学校においては、進みつつあるもののまだ整備が遅れている状況である。また、幼・小・中・高の学校段階を問わず、個別の教育支援計画の作成や専門家チームの活用に関しては、達成割合が低く、支援の質の向上が望まれる。
  教員の専門性の向上については、特別支援学校教諭等免許状保有率が増加したとはいえ、依然低い状況にある。このような状況に対し、各都道府県教育委員会等において教員の免許取得等の措置を積極的に講じていくとともに、免許保有者についても障害に対する幅広い知識とともに一層の専門性の向上を図ることが必要である。さらに、障害者基本計画の後期重点施策実施5か年計画においては、平成24年度には全都道府県において、特別支援学校教諭免許状保有率向上を中期計画等に位置づけることを政府目標として掲げており、保有率向上に向けた都道府県の取組を促していく必要がある。

有効性の観点

  本施策は、発達障害を含む障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという観点に立ち、子ども一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導及び必要な支援を行うため、外部専門家の活用を含めた特別支援教育の体制整備を総合的に推進するものである。
本施策を継続することにより、特別支援教育の推進に向け、幼稚園から高等学校までの各段階における支援体制整備の一層の推進、教員の専門性の向上や指導内容・方法等の改善等の目指す効果が達成できると判断した。

効率性の観点

事業インプット

  • 一人一人のニーズに応じた特別支援教育の振興に必要な経費 7,053百万円(平成19年度予算額)
    • 特別支援教育体制推進事業 194百万円
    • 発達障害早期総合支援モデル事業 51百万円
    • 高等学校における発達障害支援モデル事業 21百万円
    • 職業自立を推進するための実践研究事業 70百万円
    • 障害のある子どもへの対応におけるNPO等を活用した実践研究事業 17百万円
    • 特別支援教育就学奨励費負担等 6,665百万円 等

事業アウトプット

  本施策の実施により、幼稚園から高等学校までの各段階における支援体制整備の一層の推進、教員の専門性の向上や指導内容・方法等の改善等、外部専門家の活用を含めた特別支援教育の体制整備が総合的に推進される。

事業アウトカム

  特別支援教育の推進により、発達障害を含む障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に大きく貢献することが期待される。
以上より、事業の波及効果も認められ、効率性の観点から妥当である。

今後の課題及び政策への反映方針

予算要求への反映

  これまでの取組を引き続き推進

具体的な反映内容について

  小・中学校における特別支援教育の校内体制整備では一定の成果が得られている。一方で、幼稚園・高等学校では進みつつあるもののまだ整備が遅れている状況であり、幼稚園・高等学校も含めた学校全体では引き続き体制整備等を推進する必要がある。
  また、特別支援学校等教諭免許状保有率が増加したとはいえ、依然低い状況にある。このような状況に対し、各都道府県教育委員会等において教員の免許取得等の措置を積極的に講じていくとともに、免許保有者についても障害に対する幅広い知識と共に一層の専門性の向上や指導内容・方法等の改善を図ることが必要である。
これらのことから、特別支援教育の推進に係る事業につき更なる充実を図る。

関係する施政方針演説等内閣の重要施策(主なもの)

教育振興基本計画(平成20年7月1日閣議決定)

基本的方向2 個性を尊重しつつ能力を伸ばし、個人として、社会の一員として生きる基盤を育てる

6.特別なニーズに対応した教育を推進する

  改正教育基本法第4条第2項において、障害のある者への教育上の支援について新たに規定された。障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行う特別支援教育を推進する。

  【施策】

特別支援教育の推進
  幼稚園から高等学校までを通じて、発達障害を含む障害のある子ども一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な支援を行うため、特に、特別支援教育支援員の配置を促すとともに、小・中学校に在籍する障害のある児童生徒に対して「個別の指導計画」等が作成されるよう促すなど、体制整備を推進する。
  また、特別支援学校については、外部専門家の活用を含めた教員の専門性の向上や就職率の改善のための取組への支援を推進する。あわせて、障害のある子どもと障害のない子どもとの相互理解を深めるための活動を推進する。
特別支援学校の在籍児童生徒等の増加に伴う大規模化等に対する地方公共団体等の取組を支援する。

第169回国会における福田内閣総理大臣施政方針演説(平成20年1月18日)

記載事項(抜粋)

(特別支援教育、幼児教育の振興等)

  発達障害を含む障害のある子どもたち一人ひとりの教育的ニーズに応じた特別支援教育や、海外子女、外国人児童生徒の教育を推進します。

重点施策実施5か年計画(平成19年12月25日障害者施策推進本部決定)

記載事項(抜粋)

4 教育・育成

  基本方針
発達障害を含む障害のある子ども一人一人のニーズに応じた一貫した支援を行うために、各関係機関等の連携によりすべての学校における特別支援教育の体制整備を進めるとともに、特別支援教育に携わる教員の専門性の向上等により、特別支援教育の更なる充実を推進する。
  また、障害のある社会人等に対しても、ニーズに応じた学習の機会を提供していくことにより、着実な支援の推進を図る。
(以下略)

経済財政改革の基本方針2007(平成19年6月19日閣議決定)

記載事項(抜粋)

第4章 持続的で安心できる社会の実現

  2.教育再生

  【具体的な手段】

  (1)学力向上の取組

2.分かりやすく、魅力のある授業
  教科書の質量両面での充実、国語、英語などの充実、社会の要請に対応した教育内容・教科再編、全教室でITを授業に活用、発達障害児など特別な支援の必要な子どものための教員・支援員の適正配置や外部専門家の活用などすべての子ども一人ひとりに応じた教育。

社会総がかりで教育再生を-第2次報告-(平成19年6月1日教育再生会議)

記載事項(抜粋)

1.学力向上にあらゆる手立てで取り組む‐ゆとり教育見直しの具体策‐

  提言2 全ての子供にとって分かりやすく、魅力ある授業にする

全ての子供一人ひとりに応じた教育

   国、地方自治体は、発達障害など特別支援の必要な子供のニーズに対応したきめ細かな支援を行うため、教員や支援員の配置、外部専門家の活用、全教員に対する研修の実施などにより、小・中学校、特別支援学校、更に幼稚園、高等学校における特別支援教育体制の強化に努める。

  国は、発達障害など特別支援教育に関する総合的なプロジェクトのモデル地区での実施や、教育指導方法や支援機器、ソフトの活用に関する研究、成果の普及を行う。

新健康フロンティア戦略(平成19年4月18日新健康フロンティア戦略賢人会議)

記載事項(抜粋)

3.戦略の具体的内容

  第1部.国民自らがそれぞれの立場に応じて行う健康国家

  1.子どもを守り育てる健康対策(子どもの健康力)

(2)発達障害児等を支援する体制の構築

  1. 発達障害児等に対する包括的な支援体制の構築
    • 早期療育から教育、就労への切れ目のない継続的支援、連携体制の構築
  2. 発達障害児等に関する国民全体の理解の促進
    • 発達障害児等に関する国民の理解を高めるための普及啓発や情報発信
  3. 発達障害児等を含む障害のある子どもへの特別支援教育の充実
    • 発達障害のある児童生徒を指導する教員の専門性の向上
    • 特別支援教育への応用を目指した発達障害の子どもの脳とこころの発達に関する研究の推進

関連達成目標

  なし

達成目標2‐11‐1

  幼稚園から高等学校までを通じて、発達障害を含む障害のある子ども一人一人の教育的ニーズを把握し適切な支援を行うため、体制整備等を推進する。

(基準年度:15年度・達成年度:22年度)

1.評価の判断基準

  指標の結果(又は指標の結果の平均)から判断する。

判断基準1 公立小・中学校における校内委員会設置率の対前年度比
  • S=上昇率3%以上
  • A=上昇率3%未満
  • B=下落率3%未満
  • C=下落率3%以上

判断基準2 公立小・中学校における特別支援教育コーディネーターの指名率の対前年度比
  • S=上昇率3%以上
  • A=上昇率3%未満
  • B=下落率3%未満
  • C=下落率3%以上

2.平成19年度の状況

  平成19年度においては、前年度に引き続き、発達障害を含め障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに応じて、各地域や学校における乳幼児期から就労に至るまでの一貫した計画的な支援体制の充実を関係機関と連携しつつ図る「特別支援教育体制推進事業」を47都道府県に委嘱して実施した。本事業等により、校内委員会や専門家チームの設置、特別支援教育コーディネーターの指名、巡回相談の実施などの体制整備の充実を図った結果、全国の公立小中学校において、校内における全体的な支援体制を整備するための校内委員会の設置率が99.5パーセントとなり、また校内の関係者や関係機関との連携調整、保護者の連絡窓口等の役割を果たす特別支援教育コーディネーターの指名率が99.5パーセントとなる等、特別支援教育の体制整備が想定通り進んだ。

  さらに、本事業を通じて、関係機関との連携の元に乳幼児期から学校卒業後までを見通した支援の目標や内容を盛り込んだ「個別の教育支援計画」の策定が進められている。

  これらを踏まえると、平成15年度から平成19年度まで実施してきた「特別支援教育体制推進事業」においては、19年度までに全ての小・中学校における障害のある児童生徒等に対する支援体制を進めるという当初の目標は概ね達成できたものと考える。

  「発達障害者支援法」(平成17年4月1日施行)に明記された発達障害のある幼児への早期発見・早期支援に取り組むため、教育、医療、保健、福祉等の関係機関が連携し、発達障害の早期発見の方策並びに発達障害のある幼児及びその保護者に対する教育相談、研修会の実施、学校等への円滑な移行方法の工夫等について実践研究を行う「発達障害早期総合支援モデル事業」を平成19年度より新たに実施した。平成19年度においては、従来の乳幼児健診以外の早期発見方法の検討や発達障害を発見するためのチェックシートの作成、保護者の発達障害に対する理解の向上による教育相談会の充実などの成果が見られた。

  また、平成19年度から、高等学校をモデル校として指定し、在籍する発達障害のある生徒に対して、専門家を活用したソーシャルスキルの指導や授業方法・教育課程上の工夫、就労支援等について実践的な研究を行う「高等学校における発達障害支援モデル事業」を新たに実施した。平成19年度は14校をモデル校として指定し、実践的な研究を行った。これらモデル校の報告によれば、校内の支援体制の整備が進んだ、教員の発達障害に対する理解が向上した等の成果が見られた。

指標・参考指標

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
1.公立小・中学校における校内委員会設置率 57.4% 74.8% 87.8% 95.8% 99.5%
2.公立小・中学校における特別支援教育コーディネーターの指名率 19.2% 49.3% 77.9% 92.5% 99.5%

指標に用いたデータ・資料等

  • 「特別支援教育体制整備状況調査」(文部科学省調べ)

指標の設定根拠

  「校内委員会の設置」や「特別支援教育コーディネーターの指名」は、学校における特別支援教育の体制整備を推進するにあたっての基礎となる重要なものである。そのため、上記2つの指標を当該達成目標の指標として採用した。

3.評価結果

  S

判断理由

  いずれの指標においても平成19年度は、前年比で3パーセント以上の上昇を見せており、特別支援教育体制の整備は進んでいるものと判断できる。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  平成19年度まで実施した「特別支援教育体制推進事業」は、公立の小・中学校において校内委員会の設置、特別支援教育コーディネーターの指名がいずれも99.5パーセントになる等、特別支援教育体制を推進するという当初の目標を達成することができた。平成20年度においては、「特別支援教育体制推進事業」を継承する「発達障害等支援・特別支援教育総合推進事業」を新たに実施する。実施に当たっては、巡回指導や専門家チームの派遣の拡充を行うほか、新たに一般教員だけでなく管理職も対象にした研修の実施、厚生労働省の事業とも連携し、乳幼児期から就労まで一貫した支援を行うグランドモデル地域の指定や理解・啓発のための事業を実施する。「発達障害早期総合支援モデル事業」においては、平成19年度指定した17地域に加え、新たに10地域を指定し、引き続き、早期発見・早期支援のための実践的な研究を実施する。また、「高等学校における発達障害支援モデル事業」においては、平成19年度指定した14校に加え、新たに11校を指定し、引き続き、高等学校における発達障害支援のための実践的な研究を実施する。

  小・中学校における特別支援教育の校内体制整備では一定の成果が得られている。一方で、幼稚園・高等学校においては、校内体制整備は進みつつあるもののまだ遅れている状況である。障害者基本計画の後期重点施策実施5か年計画においては、幼稚園・高等学校における校内委員会の設置率及び特別支援教育コーディネーターの指名率の向上を政府目標として掲げており、幼稚園・高等学校における校内体制整備の向上に向けた都道府県や市町村の取組を促していく必要がある。また、小・中学校においても、児童生徒一人一人のニーズに応じた支援の充実が求められている。「発達障害早期総合支援モデル事業」については、早期への支援を充実させることで、社会や集団へうまく適応できる場合があるなど、その後の成長過程における支援の度合いが軽減する等の効果が期待できるが、幼稚園における特別支援教育体制の整備については、進みつつあるもののまだ整備が遅れている状況である。早期発見・早期支援には教育、医療、福祉、保健等の多岐にわたる関係機関の連携が欠かせないが、そのツールである個別の教育支援計画の策定方法等の研究をさらに進める必要がある。
  さらに、発達障害のある幼児や保護者にとって効果的な支援を行うためには、身近な市町村レベルにおいて、特別支援教育体制の整備を図ることが望ましいが、全国の約1,800市町村における事情は様々であり、当事業がモデル事業として効果を発揮するためには、引き続き実践研究を進め、良事例を収集する必要がある。また、「高等学校における発達障害支援モデル事業」についても、毎年、多様な実践事例を全国に提供することで、支援体制の一層の充実を促すことが必要である。したがって、平成21年度概算要求に当たっては、引き続き、「発達障害等支援・特別支援教育総合推進事業」「発達障害早期総合支援モデル事業」「高等学校における発達障害支援モデル事業」の予算要求することを検討する。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
特別支援教育体制推進事業
[194百万円]
発達障害を含め障害のある一人一人の教育的ニーズに応じて、各地域や学校における乳幼児期から就労に至るまでの一貫した計画的な支援体制の充実を図る。平成19年度からは、これまでの内容に加え、教員養成系大学等の学生を学生支援員として活用し、障害のある児童生徒等に対する支援を実施する。
  • 47都道府県に委嘱
平成19年度特別支援教育体制整備状況調査結果から、校内支援体制の整備が着実に図られていることが読み取れる。 小・中学校は基礎的な体制は整備されつつあるものの、今後は、一人一人のニーズに応じた支援の一層の充実が求められる。また、幼稚園・高等学校においては、まだ体制整備が遅れている状況であり、引き続き体制整備を進める必要がある。
  平成21年度概算要求に当たり、これまでの本事業の有用性に鑑み、支援体制の推進に係る事業について引き続き要求する。
発達障害早期総合支援モデル事業
[51百万円]
発達障害のある幼児に対し、早期発見・早期支援を行う効果的な方策についての実践研究を実施する。 平成19年度は、17地域をモデル地域に指定し、実践的研究を行った。平成19年度においては、従来の乳幼児健診以外の早期発見方法の検討や発達障害を発見するためのチェックシートの作成、保護者の発達障害に対する理解の向上による教育相談会の充実などの成果が見られた。 平成20年度においても新たに10地域をモデル地域として指定したところ。幼稚園における発達障害への支援体制は遅れており、関係機関が連携し、きめ細かな支援を行うツールである個別の教育支援計画の策定方法の研究や、全国のモデルとなる良事例をさらに収集するために、平成21年度も引き続き要求する。
高等学校における発達障害支援モデル事業
[21百万円]
高等学校における発達障害のある生徒を支援するため、専門家を活用したソーシャルスキルの指導や授業方法・教育課程上の工夫、就労支援等について実践的な研究を実施する。 平成19年度は、14校をモデル校に指定し、実践的研究を行った。各モデル校からの報告においては、各モデル校の支援体制の整備が進む、教員の発達障害に対する理解や意識の向上が図られた等の成果が見られた。 平成20年度においても新たに14校をモデル校として指定したところ。まだまだ高等学校における発達障害への支援体制は遅れており、平成19年度モデル校の成果を全国に広め、平成20年度指定校が継続して研究を実践し、また、新たにモデル校を指定するために平成21年度も引き続き要求する。
障害のある子どもへの対応におけるNPO等を活用した実践研究事業
[17百万円]
民間活力を活用するという観点から、障害のある子どもの教育に先導的な取組を行っているNPO等に対し研究を委嘱し、その研究成果をもって、今後の一人一人のニーズに応じた適切な支援の在り方等の検討に資する。 当該事業は平成18年度より実施しており、研究期間は2か年と定めている。
  平成18年度は7団体、平成19年度は6団体を新規に委嘱し、研究を行っているところであり、初回の研究成果は平成20年度に報告される予定である。
平成21年度概算要求に当たり、これまでの本事業の有用性に鑑み、引き続き要求する。

達成目標2‐11‐2

  特別支援学校に在籍する児童生徒の障害の重度・重複化、多様化等に対応した適切な指導や必要な支援を行うため、教員の専門性の向上や、指導内容・方法等の改善を図る。

(基準年度:18年度・達成年度:22年度)

1.評価の判断基準

判断基準1 特別支援学校教員の専門性向上
  • S=国による講習会の参加者に対する事後アンケートにおいて大いに肯定的な評価(85%以上)が得られた。
  • A=国による講習会の参加者に対する事後アンケートにおいておおむね肯定的な評価(75%以上)が得られた。
  • B=国による講習会の参加者に対する事後アンケートにおいて否定的な評価(50%以上)が見られた。
  • C=国による講習会の参加者に対する事後アンケートにおいて大いに否定的な評価(75%以上)が見られた。

判断基準2 特別支援学校教員の特別支援学校教諭等免許状保有状況
  • S=大幅に増加
  • A=増加
  • B=変化なし
  • C=減少

2.平成19年度の状況

  特別支援学校教員の専門性を向上する「特別支援学校教員専門性向上事業」については、平成19年度においては、児童生徒の障害の重度・重複化、多様化等に適切に対応するため、「特別支援学校教員専門性向上研究協議会」により、幅広い障害に係る基礎的な知識・技能についての講義や研究協議を行う講習会を実施した。当該講習会は、各都道府県における専門性の向上を目的とした講習会の指導者となる教員や指導主事等を対象とし、国立特別支援教育総合研究所との共催により、全国2ブロックに分けて計2回開催した。講習会には、各ブロックとも約80名、全体で153名の参加があり、事後に行った講習内容についてのアンケートにおいて、全回答者のうち約96パーセントから肯定的な評価が得られた。
  また、児童生徒の障害の重度・重複化、多様化等に適切に対応するために、特別支援学校の現職教員の専門性を向上させるため、「特別支援学校教員専門性向上事業」を教員養成課程を持つ大学に委嘱して実施した。当該事業では、全国14の大学において、専門性の向上を目指した講習が合計57講座開催され、2,431人の受講者を得た。
  さらに、平成19年12月25日には障害者基本計画に基づく「重点施策実施5か年計画」を策定し、その中に「特別支援学校教諭免許状保有率の向上」を目標として記載したところであり、各種会議を通じてその趣旨の普及を図り、各都道府県における免許状保有率向上に対する積極的な取組を促したところである。
  これらを受けて、都道府県・指定都市においては、免許状非保有者に対する認定講習会が全国で開催され、のべ29,560名の受講があり、受講者は1,284人の増加となっており、現職教員の専門性の向上に寄与したと評価できる。
また、免許状保有者の割合は全体で前年度比7.2パーセント増の68.3パーセントとなり、免許状保有率について想定どおりの成果を上げることができたと判断した。

  特別支援学校高等部に在籍する生徒の就労を促進するための実践研究を行う「職業自立を推進するための実践研究事業」については、平成19年度には9道府県24地域において研究を実施した。
  事業の実施地域においては、就労促進を目指した関係機関や企業関連団体との連携構築や、ジョブコーチ、就労サポーター等の専門家の適切な活用、リーフレット等の配付を通じた企業への理解啓発、卒業生に対する就労後の職場定着支援、就労支援に関する取組をまとめたマニュアルの作成などの取組により、以下に例示されるような就労支援の充実が図られた。

調査研究地域A

  一般企業への就職を希望する生徒の89.7パーセントが就職を実現した。障害のある生徒の雇用に対するアンケート調査において、95パーセントの企業が理解を示した。

調査研究地域B

  障害のある生徒の就労状況の紹介や就労支援のノウハウなどをまとめた企業向け就労支援マニュアルの配付(500社)や、企業訪問による理解啓発の結果、15社の新規現場実習先を確保。卒業生の約40パーセントが企業就労を実現。

調査研究地域C

  理解啓発用リーフレットの配付や、職場訪問、職場開拓マニュアルの作成・配付などにより、32社の新規現場実習先を確保。事業開始前年度に比べ、2倍以上の新規実習先を開拓し、就職率は約4割となった。

指標・参考指標

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
1.特別支援学校教諭免許状非保有者の認定講習会受講者数     25,543 28,276 29,560

  2.特別支援学校教諭等免許状保有者の割合

  • 平成15年度〜18年度の数値は、在籍校種の免許状保有者の割合。平成19年度は、担当学級の障害種と自立教科等の免許状保有率を併せたもの。
52.6% 55.6% 58.3% 61.1% 68.3%

指標に用いたデータ・資料等

   1..2.とも、「特別支援学校教員の特別支援学校教諭等免許状保有状況等調査」(文部科学省調べ)

指標の設定根拠

  国や大学による講習会の受講者が、講習内容を十分理解し、その内容を講習会を通じて適切に普及していくことは、各都道府県における特別支援学校教員の専門性を向上するための有効な手段である。また、特別支援学校教諭免許状の取得は、特別支援学校教員の専門性を図る指標の一つとなりうる。以上のことから、上記2つの指標を当該達成目標の指標として採用した。

3.評価結果

  A

判断理由

  平成19年度における、国による専門性向上研究協議会の事後アンケートにおいて、全回答者のうち約96パーセントから講習全体に関して肯定的な回答を得ることができた。また、特別支援学校教諭等免許状保有者の割合については、制度改正に伴う集計方法の変更もあり、単純な比較はできないが、前年度比7.2パーセントの増加となっており、全体として、特別支援学校教員の専門性の向上や、それによる指導方法・内容の改善が図られたと判断した。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  特別支援学校教諭等免許状保有率が増加したとはいえ、依然低い状況にある。このような状況に対し、各都道府県教育委員会等において教員の免許取得等の措置を積極的に講じていくとともに、免許保有者についても障害に対する幅広い知識とともに一層の専門性の向上を図ることが必要である。
  また、障害者基本計画の後期重点施策実施5か年計画においては、平成24年度には全都道府県において、特別支援学校教諭免許状保有率向上を中期計画等に位置づけることを政府目標として掲げており、保有率向上に向けた都道府県の取組を促していく必要がある。
  特別支援学校における職業教育の充実については、昨年度の取組により改善は見られるものの、今後は、指定地域における課題を踏まえた更なる取組の推進を図り、その成果を全国に普及させていくことが必要である。
  このため、今後も引き続き事業を実施することが必要である。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
特別支援学校教員専門性向上事業
(10百万円)
特別支援学校に在籍する児童生徒等の障害の重度・重複化、多様化等に対応した適切な指導や必要な支援を行うため、特別支援学校教員の専門性の向上を図る。 当該事業により、特別支援学校教諭免許状等保有者の割合が増加し、また、都道府県等において指導的立場にある指導主事等の専門性の一層の向上が図られた。 継続
職業自立を推進するための実践研究事業
(70百万円)
学校・教育委員会、労働関係機関、企業等の緊密な連携・協力の下、地域の企業関係者と協力した職業教育の改善、新たな職域の開拓や現場実習の充実、地域の企業に対する特別支援学校の生徒及び職業教育についての理解啓発など、障害のある生徒の就労を促進するための実践研究事業を行う 当該事業の実施により、各都道府県において、就労促進を目指した関係機関の連携構築や、ジョブコーチ、就労サポーター等の専門家の適切な活用、就労支援に関する取組をまとめたマニュアルの作成など、障害のある生徒の就労を促進するための着実な研究成果が得られた。 継続
特別支援教育就学奨励費負担金等
(6,665百万円)
教育の機会均等の趣旨に則り、かつ特別支援学校及び特別支援学級への就学の特殊事情に鑑み、これらの学校等に就学する幼児児童生徒の保護者等の経済的負担を軽減するために必要な援助を行い、もってこれらの学校への就学を奨励するとともに特別支援教育の振興を図る。 保護者等の経済的負担能力に応じて就学に係る経費を支給することができ、家庭の貧困等の経済的理由による未就学者、長期欠席者等が減少しているほか、障害の状況に応じ、教育を受けるための就学意欲を高め、特別支援教育の振興に著しい効果をあげている。 継続

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --