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施策目標1-3 地域の教育力の向上

(基準年度:17年度・達成年度:22年度)

  多様な学習活動の機会や情報提供、様々な機関、団体が連携することにより、地域における学習活動を活性化させ、地域における様々な現代的課題等に対応するとともに、総合的に地域の教育力の向上を図る

主管課(課長名)

  生涯学習政策局社会教育課(森 晃憲)

関係課(課長名)

  生涯学習政策局生涯学習推進課(上月 正博)、生涯学習政策局男女共同参画学習課(高口 努)

評価の判断基準

  各達成目標の平均から判断(S=4、A=3、B=2、C=1として計算)

  • S=3.6以上4.0
  • A=2.6以上3.6未満
  • B=1.8以上2.6未満
  • C=1.0以上1.8未満

●平成19年度の状況と総合評価結果

達成目標1‐3‐1 A

  地域住民のボランティア活動や課題解決活動等を支援する「『学びあい、支えあい』地域教育力活性化事業」へは、のべ100万人が参加しており、「公民館等におけるニート支援モデル事業」、「民間社会教育活動振興費補助金(PTA活動の振興に関し、拠出)」、「人権教育推進のための調査研究」については、達成目標を上まわる人数が参加した。また、「地域の図書館サービス充実支援事業」では、実施館で利用者登録数の増加が見られたほか「地域と共に歩む博物館育成事業」では、博物館の評価等に関する調査が行われ、適切に普及が行われた。社会教育主事講習については、参加者数は減少しているが、平成19年度の講習を受けた者がいる教育委員会の割合は増加している。国立教育政策研究所社会教育実践研究センターにおいては、社会教育の実態や在り方等に係る基礎的な調査研究、先導的な社会教育事業の開発等の調査研究のほか、奉仕活動・体験活動に関する事業が実施されている。
  以上を総合的に判断し、目標の達成に向けて概ね順調に進捗していると判断した。

達成目標1‐3‐2 A

  「生涯学習分野におけるNPO支援事業」により、行政と生涯学習分野におけるNPOとの連携による地域学習活動の充実が図られた。同事業を一昨年度委託した地域において、次年度から委託を受けずに取組を実施するとしている団体が3団体(38パーセント)あり、モデル事業として実施してきた事業が地域に根付きつつある。また、社会教育施設における科学技術分野への女性の進出促進の取組等の調査が行われ、男女共同参画社会の実現のために必要な支援が検討された。よって、目標の達成に向けて概ね順調に進捗していると判断した。

達成目標1‐3‐3 B

  放課後や週末等に小学校の余裕教室等を活用して,子どもたちの安全・安心な活動拠点(居場所)を設け,地域の多様な方々の参画を得て,様々な体験・交流活動等を推進する「放課後子ども教室推進事業」が全国6,300ヶ所で実施された。事業形態の違いもあり、一律的な比較は難しい面もあるが、「地域子ども教室推進事業」の最終年度と比較すると、事業運営に協力した地域の大人の年間参加者数(延べ数)が実施箇所数の減少にともない、約81万人減少しているが、1箇所あたりの年間平均参加者数は増加している。よって、課題はあるものの事業の目標達成に向けて進捗していると判断した。

達成目標1‐3‐4 A

  「団塊世代等社会参加促進のための調査研究」の成果として、教育サポーター制度に関する報告書、パンフレットが市町村教育委員会まで配付された。また、パンフレットについては、住民への配付も始まっており、地域住民への普及も進みつつある。よって、目標の達成に向けて概ね順調に進捗していると判断した。

達成目標1‐3‐5 A

  「学校支援を通じた地域の連帯感形成のための特別調査研究」の実施の効果として、事業実施後、地域住民同士の交流が盛んであると回答する住民が半数以上となる地域が委託先の半数を超えている。よって、目標の達成に向けて概ね順調に進捗していると判断した。

  評価結果:A

必要性・有効性・効率性分析

必要性の観点

  地域の教育力に関する実態調査報告書(平成18年3月文部科学省委託調査)において、保護者に「地域の教育力」を自身の子ども時代と比較してもらったところ、55.6パーセントが「以前と比べて低下している」と回答している。また、「低年齢少年の生活と意識に関する調査報告書」(平成19年2月内閣府調査)では、小・中学生の保護者に子育てや教育の問題点を複数回答で求めたところ、58.3パーセントが「地域社会で子どもが安全に生活できなくなっていること」を挙げている。
  このような状況を踏まえ、多様な学習活動の機会や情報提供、様々な機関、団体が連携することにより、地域における学習活動を活性化させ、地域における様々な現代的課題等に対応するとともに、子どもの安全・安心な活動の場を確保する等、総合的に地域の教育力の向上を図る必要がある。また、社会教育法等の一部を改正する法律(平成20年法律第51号)においても、「放課後子ども教室推進事業」や、「学校支援地域本部事業」を想定した規定が教育委員会の事務として新設されており、同様の取組の一層の促進が求められている。

有効性の観点

  • 本施策目標に関しては、
    • 地域住民のボランティア活動や課題解決活動等を支援による地域のきずなを深める取り組みの推進や、
    • 人権等に関する学習機会の充実に向けた取り組みの推進、
    • 様々な機関・団体等との組織的連携を通じた、地域学習活動や学習成果を生かしたまちづくりに関する取り組みの推進、
    • 男女共同参画の促進に関する取り組みの推進、
    • 放課後・週末などにおける子どもの体験活動の受け入れの場を全国的に拡充することによる地域コミュニティーの充実、
    • 標準的な「教育サポーター」制度を構築し全国的に普及することによる高齢者・団塊世代等の社会参加活動の促進、
    • 学校を支援する活動等を通じての地域の連帯感の形成、

  といった効果が得られる見込みがある。平成19年度においても概ねこのような効果が得られたと考えられ、地域の教育力を向上する効果を達成できたと判断した。

効率性の観点

事業インプット

  • 地域の教育力の向上に必要な経費 8,191百万円(平成19年度予算額)
    • 公民館等におけるニート支援モデル事業 5百万円
    • 地域の図書館サービス充実支援事業 25百万円
    • 地域と共に歩む博物館育成事業 29百万円
    • 「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業 624百万円
    • 人権教育推進のための調査研究 168百万円
    • 民間社会教育活動振興費補助金 149百万円
    • 社会教育を推進するための指導者の資質向上等 91百万円
    • 民間教育事業者等との連携による生涯学習の推進 23百万円
    • 男女共同参画社会に向けた教育・学習支援に関する特別調査研究 20百万円
    • 放課後子ども教室推進事業 6,820百万円
    • 団塊世代等の社会参加促進のための調査研究 35百万円
    • 学校支援を通じた地域の連帯感形成のための特別調査研究 201百万円
  • 教育政策の基礎的な調査研究に必要な経費 2,694百万円の内数(平成19年度予算額)
    • 社会教育実践研究センター事業経費 89百万円

事業アウトプット

  これらの事業の実施により、図書館等の利用者数や地域における教育活動への参加者数が増えた。

事業アウトカム

  先進的な取組事例が広く全国に紹介されることにより、地域における学習活動が活性化され、地域における様々な現代的課題等への対応が推進される波及的な効果が見込まれる。このように、インプット量はモデル事業実施とその成果の波及を目的とした効率的なものであり、地域の知の拠点の充実や、学校教育の負担軽減、学習の成果を生かす活動の充実等、社会的な必要性が高く、他の類似の取組も少ないものとなっており、効率性の観点からも妥当である。

今後の課題及び政策への反映方針

予算要求への反映

  評価対象施策の改善・見直し

具体的な反映内容について

  家庭や地域の教育力の一層の向上や地域の知の拠点の充実、学校教育の負担軽減、学習の成果を生かす活動の充実等、社会的な必要性が高い取組を推進する。
具体的には、平成20年度に引き続き教育委員会、PTA、地元企業等の支援団体の協力を得て、中学校区単位に学校と地域との連携の構築を図り、地域全体で学校教育を支援する体制づくりを推進する「学校支援地域本部事業」や放課後や週末等に小学校の余裕教室等を活用して、子どもたちの安全・安心な活動拠点(居場所)を設け、地域の多様な方々の参画を得て、学習活動や様々な体験・交流活動等を推進する取組を、厚生労働省と連携した総合的な放課後対策(放課後子どもプラン)として実施する放課後子ども教室推進事業等の予算を要求する予定。

関係する施政方針演説等内閣の重要施策(主なもの)

教育振興基本計画(平成20年7月1日閣議決定)(抄)

基本的方向1 社会全体で教育の向上に取り組む

  社会の大きな変化の中で,学校や家庭,地域の在り方やその機能も変化してきた。近年,家庭や地域の教育力の低下などが指摘される一方で,地域の人々が積極的に学校の活動に協力しようとする動きが出てきている。団塊の世代が退職後地域に戻り,ボランティア活動等に取り組もうとする動きもある。こうした状況も十分に踏まえ,地域の自発的な意思を尊重しながら,新たな連携協力の仕組みを構築し,関係者が一体となって教育に取り組む必要がある。
  例えば,地域の人々が様々な形で学校の運営を支援することや,学校が学習の拠点として地域に貢献することなどは,相互の信頼を強化し,今後の新しい関係を構築する上で大きな意義を持つであろう。こうした取組の積み重ねが,学校を変え,地域を変えていく。
  (略)
このほか,社会教育施設の学校教育への協力や当該施設での地域住民のボランティア活動など,教育をめぐる様々な局面で連携は広がりつつある。こうした動きを積極的に支援し,拡大していく必要がある。また,産業界等に対しても,教育への理解と協力を要請するとともに,教育が,社会との積極的な関わりの中でその要請に応えていくことも求められる。

◇ 地域ぐるみで学校を支援し子どもたちをはぐくむ活動の推進

  学校と地域との連携・協力体制を構築し,地域全体で学校を支え,子どもたちを健やかにはぐくむことを目指し,「学校支援地域本部」をはじめ,地域住民のボランティア活動等による積極的な学校支援の取組を促す。こうした取組の成果をすべての市町村に周知し,共有すること等を通じ,広く全国の中学校区で地域が学校を支援する仕組みづくりが実施されるよう促す。あわせて,民間団体を活用し,学校と地域住民や民間団体をつなぐコーディネーター育成の取組を促す。

◇ 図書館・博物館の活用を通じた住民の学習活動や個人と地域の自立支援の推進

  図書館が住民にとって身近な「地域の知の拠点」として,だれもが利用しやすい施設としての機能を果たすよう促す。あわせて,司書の資質の向上を図るため,その履修すべき科目の見直し等養成課程の改善を図る。また,「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」を踏まえ,子どもが読書に親しむ機会の提供と諸条件の整備を支援する。

  地域住民の参画を得ながら,地域の自然,歴史,文化等に関する質の高い博物館・美術館活動が行われるよう,子どもや地域住民が地域の美術品や文化財に触れる機会等の提供を支援するとともに,広域的な地域連携や館種を超えたネットワークの構築等を促す。また,学芸員の資質向上を図るため,その履修すべき科目の見直し等養成課程の改善を図る。

◇ 公民館等の活用を通じた地域の学習拠点づくり

  公民館をはじめとする社会教育施設について,地域が抱える様々な教育課題への対応や社会の要請が高い分野の学習など地域における学習の拠点,さらには人づくり・まちづくりの拠点として機能するよう促す。あわせて,公民館の運営状況に関する評価の実施や,地域住民に対する積極的な情報提供を促す。また,社会教育施設における学習の成果を活用した,地域において必要とされているボランティア活動等を促す。

経済財政改革の基本方針2008(平成20年6月27日閣議決定)(抄)

2.未来を切り拓く教育

   教育基本法の理念の実現に向け、新たに策定する「教育振興基本計画」に基づき、我が国の未来を切り拓く教育を推進する。その際、新学習指導要領の円滑な実施、特別支援教育・徳育の推進、体験活動の機会の提供、教員が一人一人の子どもに向き合う環境作り、学校のICT化や事務負担の軽減、教育的観点からの学校の適正配置、定数の適正化、学校支援地域本部、高等教育の教育研究の強化、競争的資金の拡充など、新たな時代に対応した教育上の諸施策に積極的に取り組む。

社会総がかりで教育再生を‐公教育再生に向けた更なる一歩と「新教育時代」のための基盤の再構築‐(平成19年6月1日教育再生会議第二次報告)(抄)

  親子の確かな絆を育む家庭教育や就学前の教育の役割は重要であり、子供の成長とともに親も共に学び、育児を通じて子供がいる喜びを感じるとともに、地域の子供を地域ぐるみで育むことが重要です。

  国、地方自治体は、地域ボランティアと学校の連携を図るため、PTA、卒業生、地域の人々などが土曜日の補充学習、部活動、施設管理など学校運営を支援する体制が全国で整えられるよう支援する。

社会総がかりで教育再生を‐学校、家庭地域企業団体メディア行政が一体となって、全ての子供のために公教育を再生する‐(平成19年12月25日教育再生会議第三次報告)(抄)

  学校支援地域本部を設置する
国、教育委員会は、PTA、卒業生、地域ボランティアの人々などが、補充学習、部活動、施設管理など学校運営を支援する「学校支援地域本部」が全国の学校で整えられるよう支援する。その際には、地域の企業の協力も積極的に求める。

新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策について‐「知の循環型社会」の構築を目指して‐(平成20年2月19日中央教育審議会答申)(抄)

  さらに、各個人の学習機会の充実のため、また、同時に学習成果の活用のために身近な地域で誰もがボランティア活動に参加できるようにするため、地域社会におけるボランティア活動支援センターの在り方を検討し、ボランティア活動の支援機能の充実を図ることが求められる。このような取組は地域社会全体の教育力を高める様々な活動における人材の確保や、今後特に期待される団塊の世代の力を生かす観点からも重要である。

学校・家庭・地域を結ぶPTA活動の充実

  近年、一部の地域では、共働きや勤務形態の多様化等によりPTA活動に参加したくとも参加できない保護者がある一方で様々な価値観からPTA離れが進んでいるとの指摘もあり、活動が停滞しているPTAもあると考えられる。保護者にとって、PTA活動は、地域の社会活動への参加の端緒となるものであることから、学校・家庭・地域の連携・協力を進める上で重要であり、各地域におけるPTAの活動状況等に関する実態の把握及び活動の充実が求められる。

地域の教育力向上のための社会教育施設の活用

  公民館においては、高齢者を交えた三世代交流等の実施や、各地域において受け継がれている子どもの遊び文化の伝承等を通じて、世代を超えた交流の場として活性化を図ることが必要である。また、地域が抱える課題への対応として、大学・高等専門学校・高等学校との連携講座等、学校と連携した教育活動の実施、高齢者、障害者、外国人等地域において支援を必要としている者への対応、裁判員制度、地域防犯、消費者教育等の社会の要請が高いと考えられる事柄についての学習機会の提供が望まれる。

  図書館においては、レファレンスサービスの充実と利用の促進を図ることはもとより、地域の課題解決に向けた取組に必要な資料や情報を提供し、住民が日常生活を送る上での問題解決に必要な資料や情報を提供するなど、地域や住民の課題解決を支援する機能の充実を図ることが求められる。特に近年、ホームページを開設し、横断検索システムの活用等コンテンツの充実を図っている図書館が増加傾向にあり、今後、さらなる充実を図ることによって、多様な情報源への入り口としての「地域のポータルサイト」を目指すことも重要である。また、子どもの読書活動や学習活動を推進する観点から、学校図書館への支援を積極的に行うことが重要である。

  博物館においては、各館の特色・目的を明確にした上で、地域の歴史や自然、文化あるいは産業等に関連した博物館活動を地域住民の参画を得ながら積極的に展開したり、地元出身の偉人を顕彰する記念館や地域のシンボルである文化財や自然環境等を活用した博物館等を核として、地域住民が地元に対する誇りや愛着を得られるようなまちづくりを実施すること等が望まれる。また、博物館資料を活用した学校教育の支援を積極的に行うことが重要である。

社会教育法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(平成20年5月23日衆議院文部科学委員会)(抄)

  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。

  二 生涯学習・社会教育に係る個人の学習成果が、学校、社会教育施設、その他地域において行う教育活動として生かされるよう、各個人の学習活動と地域社会の教育活動との循環につながるような具体的な取組について支援に努めること。

  三 公民館、図書館及び博物館が自らの運営状況に対する評価を行い、その結果に基づいて運営の改善を図るに当たっては、評価の透明性、客観性を確保する観点から、可能な限り外部の視点を入れた評価となるよう、国がガイドラインを示す等、適切な措置を講じるとともに、その評価結果について公表するよう努めること。

  五 地域における教育力の向上のため、学校、家庭、地域等の関係者・関係機関の連携を推進し、各施設の資料の相互利用や人材の相互利用などを図るとともに、多様な地域の課題等に応じた機能を持つネットワークの構築を推進すること。
  なお、その際、学校、家庭、地域の連携を推進する上で重要な役割を果たすPTAについて、その活動や運営などの実態把握に努め、「学校支援地域本部事業」における連携が円滑に進むよう十分に配慮すること。

社会教育法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(平成20年6月3日参議院文教科学委員会)(抄)

  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。

   一、 生涯学習の振興、社会教育の推進に当たっては、国民のニーズに応じた学習機会の提供と学習活動の支援に努めるとともに、各地域における学習ニーズの継続的な把握、多様な取組に係る情報の収集と提供など、国民の自発的、主体的な学習が担保されるよう、配意すること。

  四、 公民館、図書館及び博物館が自らの運営状況に対する評価を行い、その結果に基づいて運営の改善を図るに当たっては、評価の透明性、客観性を確保する観点から、可能な限り外部の視点を入れた評価となるよう、国が関係団体による評価指標作成等に対して支援する等、適切な措置を講じるとともに、その評価結果について公表するよう努めること。
  その際、公民館運営審議会、図書館協議会及び博物館協議会等を通じて、地域住民等の意見が反映されるよう十分配慮すること。

  六、 地域における教育力の向上のため、学校、家庭、地域等の関係者・関係機関の連携を推進し、各施設資料の相互利用や人材の相互利用などを図るとともに、多様な地域の課題等に応じた機能を持つネットワークの構築を推進すること。
  その際、学校、家庭、地域の連携を推進する上で重要な役割を果たすPTAについて、その活動や運営などの実態把握に努め、「学校支援地域本部事業」における連携が円滑に進むよう十分に配慮すること。

  七、 社会教育主事、司書及び学芸員については、多様化、高度化する国民の学習ニーズ等に十分に対応できるよう、今後とも、それぞれの分野における専門能力・知識等の習得について十分配慮すること。
  また、各資格取得者の能力が生涯学習・社会教育の分野において、最大限有効に活用されるよう、資格取得のための教育システムの改善、有資格者の雇用確保、労働環境の整備、研修機会の提供など、有資格者の活用方策について検討を進めること。

関連達成目標

  2‐10‐1、2‐10‐3、11‐2‐1、12‐1‐3

達成目標1‐3‐1

  地域住民のボランティア活動や課題解決活動等を支援し、地域のきずなを深める取り組みを推進するとともに、人権等に関する学習機会の充実に向けた取り組みを推進する。

(基準年度:16年度・達成年度:19年度)

1.評価の判断基準

判断基準1 公民館におけるニート支援モデル事業参加者数
  • S=1,500人以上
  • A=1,000人以上〜1,500人未満
  • B=500人以上〜1,000人未満
  • C=0人〜500人未満

判断基準2 「平成19年度地域の図書館サービス充実支援事業」実施図書館数に対する、各指標項目達成割合
  • S=100%
  • A=75%以上100%未満
  • B=50%以上75%未満
  • C=50%未満

判断基準3 地域と共に歩む博物館育成事業
  • S=調査研究の成果が広く一般に周知され、博物館運営に活用される内容となっていると認められる
  • A=調査研究の成果が周知され、博物館運営に活用される内容となっている。
  • B=調査研究の成果が博物館関係者に周知され、博物館運営に活用される内容となっているとは認められない。
  • C=調査研究の成果が周知されず、博物館運営に活用される内容となっていない。

判断基準4 「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業数及び参加者数
  • S=1,001事業以上
  • A=1,000〜764事業
  • B=763〜529事業
  • C=528事業以下
  • S=130万人以上
  • A=100万人〜130万人未満
  • B=69万人〜100万人未満
  • C=69万人未満

判断基準5 「人権教育推進のための調査研究事業」のセミナー等参加者数
  • S=前年度比5,000人以上増
  • A=前年度比1人〜5,000人増
  • B=前年度比0人〜5,000人減
  • C=前年度比5,000人以上減

判断基準6 民間社会教育活動振興費補助金(PTA全国大会参加者数)
  • S=20,000人以上
  • A=15,000人以上〜20,000人未満
  • B=10,000人以上〜15,000人未満
  • C=0人〜10,000人未満

判断基準7 研修の参加者数や、教育委員会数に対する社会教育主事講習修了者数の比率の対前年度比
  • S=毎年度講習の参加者数と上記比率が増加している
  • A=本年度の講習の参加者数が増加しており、基準年度に比して上記比率が増加している
  • B=本年度講習の参加者数が減少しているが、長期的に比率が増加している、又は本年度の講習参加者数が増加しているが、基準年度に比して上記比率は減少している
  • C=本年度減少しており、基準年度に比して上記比率が減少している

判断基準8 社会教育の実態や社会教育事業の開発・展開、人材養成並びに奉仕活動・体験活動に係る調査研究等の進捗状況
  • S=調査研究の成果及び全国の先進的なボランティア活動事例が広く一般に周知・活用され、社会教育行政・施策に資する内容となっていると認められる
  • A=調査研究の成果及び全国の先進的なボランティア活動事例が全国の教育委員会等に周知され、社会教育行政・施策に資する内容となっている
  • B=調査研究の成果及び全国の先進的なボランティア活動事例の周知・活用が特定の機関に限られる
  • C=調査研究の成果が周知されず、社会教育行政・施策に資する内容となっていない

2.平成19年度の状況

  上記目標達成のため、公民館、図書館、博物館、人権教育、ボランティア活動に関するモデル事業や調査研究、民間社会教育団体への補助金交付、社会教育指導者の養成のための研修を実施した。

  公民館の事業の振興については、「公民館等におけるニート支援モデル事業」を実施した。地域の教育委員会・公民館等の社会教育施設及びNPO法人が企業等と連携し、ニートを支援する事業をモデル的に実施することにより、全国への事業展開を図っているところである。委託先によってセミナーの方法等はさまざまであるが、開催数、参加者数は増加しており、ニートに対する知識を深めることで誤解や偏見をある程度解消できた。これらのことから、事業の目標は概ね想定達成できたと判断する。

  図書館の事業の振興については、これからの図書館の在り方検討協力者会議を開催し、モデル事業を通じて、今日の図書館の現状や課題を把握・分析し、生涯学習社会における図書館の在り方について調査・検討を行った。また、地域における図書館サービスの充実を一層推進するため、図書館の課題解決支援機能や各種団体・機関との連携・協力、市町村合併等を踏まえた全域サービス等の充実などを図った。
  委託先によって図書館サービスの充実の方法は様々であるが、8割以上で、利用者登録数が増加するとともに、事業委託の翌年度も独自に事業を継続していた。これらのことから、事業の目標は概ね想定通り達成できたと判断する。

  博物館の事業の振興については、「地域と共に歩む博物館育成事業」を実施し、委託研究を行い、今日の博物館の現状や課題を把握・分析し、生涯学習社会における博物館のあり方について調査・検討を行った。
  これらの委託研究においては、「社会教育法等の一部を改正する法律」により、博物館法に規定された博物館の運営状況に関する評価や、従前には情報の乏しかったアジア各国の情報収集、災害等のリスクへの対応に加え、動物園、水族館、植物園といった、個別の館種に関する初めての客観的データの把握と分析を行った。これらの成果は広く配付も行われ、博物館運営に活用される内容となっており、事業の目標は概ね想定通り達成できたと評価する。

  地域住民のボランティア活動の振興については、「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業を実施した。本事業は、地域住民がボランティア活動や家族参加の体験活動、地域の様々な課題等を解決する学習や活動などの取組を通じて、住民同士が「学びあい、支えあう」地域のきずなづくりを推進することを目的としている。
  平成19年度は、直接の委託先の運営協議会が54団体組織され、再委託先の577の実行委員会で、915事業の活動が実施された。活動内容については、防災や安全等の地域課題の解決や外国籍住民の課題対応、環境保全など、多岐にわたるものが実施された。また、対象者についても、青少年から、成人、高齢者とあらゆる世代の市民が活動に関わることができ、述べ100万人を超える参加者があった。本事業は、直接の委託先の運営協議会を64地域程度、再委託先の各実行委員会で15事業程度の実施を想定した。そこで、達成を計る指標として、全国展開される事業数としては1,000事業を目標とする。また、1事業あたり、1,000人程度の参加者を想定した。そこで、事業への参加人数を達成を図る指標とし、100万人の参加を達成目標とする。
  本事業は、平成18年度まで実施された地域ボランティア活動推進事業の後継事業である。地域ボランティア活動推進事業の平成18年度の実績(588地域)と比べると、本事業は約1.6倍の地域で実施されている。
  以上のことから、事業の目標は概ね想定通り達成できたと判断する。

  人権教育の推進については、「人権教育推進のための調査研究事業」により、「人権教育・啓発に関する基本計画」(平成14年3月閣議決定)に基づき、社会教育における人権教育を一層推進するため、人権に関する学習機会の充実方策等についての実践的な調査研究を行うとともに、その成果の普及を図ることを目的とし、平成19年度は75地域(17都府県)で委託事業を行ったところである。平成19年度は、セミナー等の参加者数は増加しており、本年度の達成目標を上回る結果となっていることから、概ね順調に進捗したと判断する。

  「民間社会教育活動振興費補助金」により、社会教育団体(PTA団体)に対して補助を行った。補助対象である日本PTA全国協議会においては、毎年、「教育に関する保護者の意識調査」や「子どもとメディアに関する意識調査」等の調査をし、それらを、補助先が行っているPTAの全国大会にて発表等することでPTAの活動についてPTA関係者に浸透を図っている。大会の参加者数は、基準年度に比して増加しており、各調査において子どもを取り巻く環境等について必要な研究が行われたと解されることから、概ね順調に進捗していると判断する。

  社会教育を推進するための指導者の資質向上等においては、社会教育主事講習、学芸員資格認定試験等が実施された。この評価では、予算(91百万円)の大半を占める、社会教育主事講習(52百万円)について評価した。社会教育法第9条の5に基づき実施される社会教育主事講習は、社会教育に関する専門職である社会教育主事の資格付与のための講習であり、ボランティア活動や人権教育に関する内容は、社会教育における重要な学習分野として必ず講習のプログラムに組み込まれている。そのプログラムの内容も年々変化する社会の情勢に応じて、適宜見直しを図っているところである。指標の比率としては、教育委員会数に対する社会教育主事講習修了者数の比率を用いることとした。
  社会教育主事講習の修了者数について見ると、本年度の講習の修了者数は減少しているが、基準年度に比して上記比率が増加していることから概ね順調に進捗していると判断する。

  国立教育政策研究所社会教育実践研究センターにおいては、体験活動・ボランティア活動の全国的な定着を目指す支援事業として、全国で、コーディネーターの養成及び資質向上のための研修事業を行った。また、学校支援ボランティア活動の実態等に係る「ボランティア活動に関する調査研究」を実施するとともに、社会教育主事や社会教育施設等の職員等を対象に「ボランティ活動推進研究セミナー」を実施し、ボランティア活動の促進方策について研究協議等を行った。さらに、先進的なボランティア活動事例を収集・整理し、活動事例集として全国の教育委員会等に配付し、その推進を図るなど、事業の目標は概ね想定通り達成できたと評価する。

指標

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
公民館等におけるニート支援モデル事業セミナー等回数       19回 39回
公民館等におけるニート支援モデル事業総参加者数       728人 1,060人

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
「地域の図書館サービス充実支援事業」実施図書館数 3 6
事業実施館のうち前年度比で利用者登録者数が増加した図書館 3
(100.0%)
5
(83.3%)
事業実施館のうち翌年度も独自に事業を継続している図書館数 3
(100.0%)
5
(83.3%)

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
博物館の評価基準に関する調査研究 4,300部
博物館の評価等機関に関するモデル調査研究 4,300部
博物館における施設管理・リスクマネージメントに関する調査研究 1,550部
日本の博物館の動向にかかる総合調査研究(動物園水族館) 550部
日本の博物館の動向にかかる総合調査研究(植物園) 1,500部
博物館支援策にかかる各国等比較調査研究 2,000部

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
「地域ボランテイア活動推進事業」を実施した地域数 475 588
「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業を実施した地域数 577
「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業を実施した事業数 915
「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業を実施した参加者数 103万人

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
「人権教育推進のための調査研究事業」セミナー等参加者数 28,164人 26,069人 30,662人 34,389人
「人権教育推進のための調査研究事業」実施事業数   77 71 60 75

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
民間社会教育活動振興費補助金額(社会教育団体) 22,250千円 20,398千円 35,428千円 33,761千円 31,885千円
大会参加者数(総数) 15,980人 15,632人 20,695人 19,523人 17,792人

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
教育委員会数に対する社会教育主事講習修了者数の比率 0.39 0.35 0.38 0.50 0.45
1.社会教育主事講習修了者数 1,317 1,163 982 990 888
2.教育委員会数 3,414 3,323 2,565 1,994 1,974

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
地方公共団体における社会教育計画等の策定及び評価に関する調査研究報告書 1,800部
インターネットを活用した研究セミナー等に関する調査研究報告書 1,200部
家庭教育支援に係る地域の教育力の活性化に関する調査研究報告書 2,000部
社会教育を推進するコーディネーターの役割及び資質向上に関する調査研究報告書 2,000部
参加体験型学習に関する調査研究報告書 2,000部
ボランティア活動に関する調査研究報告書 1,800部
全国体験活動ボランティア活動総合推進センター活動事例集         1,400部

指標に用いたデータ・資料等

  • 文部科学省事業評価書‐平成18年度‐
  • 文部科学省実績評価書‐平成18年度‐
  • 全国教育委員会一覧(平成15年度~平成19年度)
  • 公民館等におけるニート支援モデル事業参加者数、セミナー参加者数
  • 地域の図書館サービス充実支援事業実施数及び実施図書館利用実績
  • 地域と共に歩む博物館育成事業委託実績
  • 「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業実施数及び参加者数
  • 19年度「人権教育推進のための調査研究事業」のセミナー等参加者数
  • 19年度民間社会教育活動振興費補助金額、補助対象団体大会参加者総数
  • 社会教育主事講習参加者数(文部科学省社会教育課調べ)
  • 調査研究事業等の実績(国立教育政策研究所社会教育実践研究センター)

指標の設定根拠

  公民館等におけるニート支援モデル事業については、当初ニート対策、ニート予防3事業の参加者の想定数として、1委託先あたり約300人と想定していた。そこで本事業の達成目標を図る指標として、事業の参加者数1,000人を目標として設定した。
  地域の図書館サービス充実支援事業については、地域における図書館サービスの充実を一層推進するという本事業の目的から、達成目標を図る指標として、委託先図書館のうち、1事業実施前と比較して、図書館サービスを享受する地域の利用者が増加している図書館の割合、2本事業終了後も、事業の成果を活かして図書館サービスの充実を図っている図書館の割合を設定した。
  地域と共に歩む博物館づくり事業については、国内外の博物館の実態等の調査研究を行い、共通の評価指標やマニュアル等を策定し、全国に普及啓発を行うという本事業の目的から、事業の成果の広報が図られたかを判断する指標として、その周知を図る報告書の配付部数を指標として設定した。
  「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業については、直接の委託先の運営協議会を64地域程度、再委託先の各実行委員会で15事業程度の実施を想定した。そこで、達成を計る指標として、全国展開される事業数としては1,000事業を目標とする。また、1事業あたり、1,000人程度の参加者を想定した。そこで、事業への参加人数を達成を図る指標とし、100万人の参加を達成目標とする。
  人権教育推進のための調査研究事業については、人権教育の一層の推進を図る指標として、平成18年度事業からの参加者数の増加数を設定した。
  民間社会教育活動振興費補助金については、補助対象団体が実施する全国大会の開催経費等を補助しており、本事業の達成目標を図る指標として、全国大会の参加者数を設定した。大会の補助を行った団体3団体の、1回の大会において想定されていた参加者が5,000人であるため、判断基準を15,000人としている。
  社会教育を推進するための指導者の資質向上等については、予算(91百万円)の大半を占める、社会教育主事講習(52百万円)について評価した。指標の比率としては、教育委員会数に対する社会教育主事講習修了者数の比率を用いることとした。

3.評価結果

  A

  • 公民館等におけるニート支援事業 A
  • 地域の図書館サービス充実支援事業 A
  • 地域と共に歩む博物館育成事業 A
  • 「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業 A
  • 人権教育推進のための調査研究事業 A
  • 民間社会教育活動振興費補助金 A
  • 社会教育を推進するための指導者の資質向上等 A
  • 社会教育実践研究センター事業経費 A

判断理由

  地域住民のボランティア活動や課題解決活動等を支援する「『学びあい、支えあい』地域教育力活性化事業」へは、のべ100万人が参加しており、「公民館等におけるニート支援モデル事業」、「民間社会教育活動振興費補助金(PTA活動の振興に関し、拠出)」、「人権教育推進のための調査研究」については、達成目標を上まわる人数が参加した。また、「地域の図書館サービス充実支援事業」では、実施館で利用者登録数の増加が見られたほか「地域と共に歩む博物館育成事業」では、博物館の評価等に関する調査が行われ、適切に普及が行われた。社会教育主事講習については、修了者数減少しているが、教育委員会数に対する修了者数の比率は増加している。以上を総合的に判断し、目標の達成に向けて概ね順調に進捗していると判断した。

4.今後の課題及び政策への反映方針

公民館の事業の振興

  公民館等におけるニート支援モデル事業については、参加者が増加したとはいえ委託先の報告には、広報誌・新聞等で情報を流しても面識のないニートの当事者の参加を得ることが容易ではないというところもあり、各事業に多くの方が参加しやすい環境をつくることが課題として挙げられる。一方で、セミナーの開催数、参加者数は増加しており、ニートに対する知識を深め、誤解や偏見をある程度解消でき、公民館で行うニート対策事業の事例として一定の効果をあげたと解され、事業の重点化を図る観点から、平成20年度限りで廃止する。

図書館の事業の振興

  図書館の事業の振興については、図書館の在り方検討協力者会議で図書館の在り方について調査、検討した。また、モデル事業委託先で、利用者登録の増加が見られ、単独で独自に事業継続される地域が増加していることから、図書館の課題解決支援機能等を踏まえた事業として一定の効果をあげたと解され、平成20年度限りで廃止する。今後は事業によって得られた成果について、評価、検討するとともに、全国の図書館サービスの充実が一層促進されるよう、効果的な成果の普及を行っていく必要がある。

博物館の事業の振興

  「新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策について‐知の循環型社会の構築を目指して‐」(平成20年2月中央教育審議会)や「教育振興基本計画について‐「教育立国」の実現に向けて‐」(平成20年4月中央教育審議会)において指摘されている項目について、調査研究やモデル事業を行い、具体的な成果を抽出することが求められていると考える。また、博物館法や「公立博物館の設置・運営上の望ましい基準」(平成15年文部科学省告示)改正の動きに伴い、博物館に求められている役割の重要性がより一層高まりつつある中で、博物館における施設管理の在り方やリスクマネージメントや自己評価の一般的な基準については、様々な博物館にとって必要な情報となると考えられる。そこで、継続的に行うべき研究課題については、作成した報告書に足りない部分を補うよう、平成19年度に報告書を配付した先にアンケート調査を行うなどして、より必要とされる情報を収集する必要がある。

民間の社会教育活動の振興

  民間社会教育活動振興費補助金として、社会教育団体(平成19年度は日本PTA全国協議会)に対して補助金を交付した。毎年「教育に関する保護者の意識調査」や「子どもとメディアに関する意識調査」等を調査をし、それら補助先が行っているPTAの大会にて、発表等することでPTAの活動についてPTA関係者に浸透している。平成20年度より、「保護者を中心とした学校・家庭・地域連携強化及び活性化推進事業」の委託費へ移行することで、他の社会教育団体等による大会等での参加者の増加を期待したい。

地域住民のボランティア活動の振興

  平成19年度は、実施事業数、地域数ともに、全体数としてはおおむね目標を達成しているが、当該事業の趣旨を踏まえた事業内容には、地域におけるあらゆる活動が想定されるため、事業の重点化を図る観点から平成20年度限りで廃止する。
  しかしながら、平成20年度にも、昨年度を上回る事業実施希望があり、地域における学びあう組織づくりが定着、拡大し、地域における活動が活性化しつつある。また、本年度の評価結果では、目標の数値をほぼ想定どおりに達成することができており、引き続き学びあい、支えあう組織づくりを全国展開していく必要性があると考えられる。
  このため、今後は、事業の実践事例や事業展開など、「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業について、報告書、広報活動等により成果を普及していくことで、同様の取組が今後さらに広がっていくことを促す。
  また、当該事業廃止後には、本事業の成果を生かしつつ、対象を学校教育や学生ボランティア活動支援などによる地域の教育力育成に絞り、目的の明確化を図りながら、地域における活動を継続化していくための組織や人材育成をさらに図っていく必要がある。

人権教育の推進

  人権教育推進のための調査研究事業を実施している都府県からは、多くの市民が参加したことや人権学習のリーダーの育成など多くの成果をあげている一方、市町村合併後の調整や参加者の固定化などの課題も残っている。さらに、近年の社会情勢により新たな人権課題(インターネットによる人権侵害、北朝鮮拉致被害者、人身取引など)に取り組むことが指摘されている。これらのことから、より多くの国民に本事業に参画していただく必要があるため、今後も引き続き事業を実施する。また、委託地域、非委託地域に関わらず平成19年度に委託した75地域の事業の成果の普及・啓発を行うとともに、調査対象の種類の増加、セミナーの参加者数の増加など社会教育における人権教育の全国的な活動実態を把握し推進する。

社会教育を推進するための指導者の資質向上等

  質の高い社会教育主事を養成するために、社会情勢や地域をめぐる状況の変化に対応して、適宜講習のプログラム内容の見直しを図るとともに、地域の教育力の向上等のためにも、今後も引き続き事業を実施する。

国立教育政策研究所社会教育実践研究センター

  学校と地域の連携・協力体制の構築を図り、地域全体で学校教育を支援することが求められていることから、学校支援ボランティア活動の推進方策について調査研究を行うとともに、学校支援ボランティアの資質向上のためのモデル研修プログラムを開発する。
また、社会教育を推進するコーディネーターについて、その役割及び活動支援の在り方を明らかにするとともに、社会教育を推進するコーディネーターの養成及び資質向上のためのモデル研修プログラムを開発する。さらに、生涯学習振興行政・社会教育行政の推進において、コーディネーターとしての幅広い資質・能力が求められている社会教育主事について、その資質向上を図り専門性を高めるための研修プログラムを開発する。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
公民館におけるニート支援モデル事業
(5百万円)
(20年度達成年度到来事業)
地域の教育委員会・公民館等の社会教育施設及びNPO法人が企業等と連携し、ニートを支援する事業をモデル的に実施することにより、全国への事業展開を図る。 【得られた効果】
公民館等において、ニート対策事業、ニート予防事業、その後の追跡調査をモデル的に行い、全国の公民館への事業展開が図られた。
   【事務事業等による活動量】
セミナー等開催回数39回総参加者数1,060人
【事業期間全体の総括】
本事業は、保護者やニートの意識改革、ニートを予防するための事業の実施を目的としている。
   事業終了後の報告においては、下記のような成果があり、モデル事業としての目標を達成している。
  • 事業参加者による就労へのステップアップ
  • カウンセリングによるニートの実態の把握
  • 保護者や教員を対象としたニート予防の実施
廃止
1,000名以上がセミナーに参加し、ニートに対する理解を深めるなどの成果を得られた。これらの成果について、全国におけるニート支援がより一層促進されるよう普及を行っていく必要がある。
地域の図書館サービス充実支援事業
(25百万円)
(20年度達成目標到来事業)
地域や住民にとって役に立つ図書館として、より豊かで質の高いサービスを提供できるよう公立図書館のあり方に関する調査研究を行う。 【得られた効果】
図書館の在り方に関する調査研究やモデル事業の実施により、図書館の課題解決機能や各種団体・機関との連携・協力等の地域における図書館サービスの充実の推進が図られた。
   【事務事業等による活動量】
  • これからの図書館の在り方検討協力者会議の開催(計18回)
  • 地域の図書館サービス充実支援事業(モデル事業)の実施(6件)
廃止
事業によって得られた成果について、評価、検討するとともに、全国の図書館サービスの充実が一層促進されるよう、効果的な成果の普及を行っていく必要がある。
地域と共に歩む博物館育成事業
(29百万円)
(20年度達成目標到来事業)
博物館の評価指標の策定や、適切な防災や災害に対する対処方針を策定するため、国内外の博物館の実態等を把握するとともに、共通の 指標やマニュアル等を策定する等、地域の市民の理解を得、地域に支えられることで安定的・継続的に活動を行うことのできる博物館となるための方策について 調査研究を行い、全国に普及啓発を行う。 【得られた効果】
地震や火災などの災害に対する対処や、自己評価の指標などを全国の博物館に普及したことで、博物館の安定的・継続的な活動に資することができた。
   【事務事業等による活動量】
  • 博物館の評価基準に関する調査研究(報告書)
  • 博物館の評価等機関に関するモデル調査研究(報告書)
  • 博物館における施設管理・リスクマネージメントガイドブック(報告書)
  • 日本の動物園水族館総合報告書(報告書)
  • 日本の植物園総合報告書(報告書)
  • 博物館支援策にかかる各国等比較調査研究 アジア9カ国国際比較調査報告書(報告書)
廃止
博物館の評価に関する調査、リスクマネージメントについての調査研究を継続。
「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業
(624百万円)
(20年度達成年度到来事業)
都道府県等に行政関係者、学校教育関係者、NPO等民間団体関係者などで構成する運営協議会を設置し、ボランティア活動などの様々な活動や学習機会の提供、住民が主体的に地域課題等を解決する取組を行うなどの地域活性化推進事業を委託により実施する。 【得られた効果】
当該事業の実施により、幅広い年代層による地域の様々な課題や活性化事業が行われ、「学びあい、支えあう」地域活性化のための基盤作りが図られた。 【事務事業等による活動量】
  • 19年度事業実績
  • 54運営協議会
  • 577実行委員会
  • 917事業
【事業期間全体の総括】
  • 20年度事業予定
  • 57運営協議会
  • 628実行委員会
  • 1,026事業
    (新規事業319)
このように、地域の学習活動や体験活動に広がりが見られ、地域の活性化につながっていると考えられる。
廃止
このように全国に定着しつつあるボランティア活動や体験活動による地域活性化の動きを学校教育への支援や学生のボランティア活動推進のための事業へと発展させていく必要がある。
人権教育推進のための調査研究事業
(168百万円)
「人権教育・啓発に関する基本計画」(平成14年3月閣議決定)に基づき、社会教育における人権教育を一層推進するため、人権に関する学習機会の充実方策等についての実践的な調査研究を行うとともに、その成果の普及を図る。 【得られた効果】
人権に関する学習機会の充実方策等の研究事項について、様々な人権課題を対象としたモデル事業の実施により実践的な調査研究を行い、人権教育の一層の推進が図られた。
   【事務事業等による活動量】
  • 事業実施件数:75
  • セミナー等参加者数:34,389人
継続
民間社会教育活動振興費補助金
(149百円)
社会教育の振興発展に資するため、社会教育団体(以下「団体」という。)が行う社会公共的意義のある事業に対して、団体の自主性を尊重しつつ、当該事業に要する経費の一部を補助することを目的とする。 【得られた効果】
広報活動、全国PTA全国研究大会、全国キャンペーン、関係他団体への補助等により、広くPTA関係者等に周知でき、PTA活動の振興が図られた。
   【事務事業等による活動量】
  • 補助金額:31,885千円
  • 大会等参加者:約18,000人
廃止
平成20年度より委託事業として「保護者を中心とし学校・家庭・地域連携強化及び活性化推進事業」を実施
社会教育を推進するための指導者の資質向上等
(91百万円)
社会教育法に定められている社会教育主事の資格付与のための講習及び博物館法施行規則に定められている学芸員資格認定試験等を実施する。
   また、生涯学習社会を構築する上で重要な役割を担う社会教育主事、学芸員及び司書 等の社会教育専門職員を対象に、社会教育に関する専門的・技術的な研修を実施することにより、指導者の資質向上を図る。
【得られた効果】
地域の社会教育の活性化に資するため,888名の社会教育主事有資格者及び124名の学芸員資格有資格者等の社会教育指導者を養成した。
   【事務事業等による活動量】
社会教育主事講習
全国の13大学及び国立教育政策研究所に委嘱して実施
(国立教育政策研究所は2回実施)
継続
社会教育実践研究センター事業経費(国立教育政策研究所)
(89百万円)
全国の社会教育活動の実態に関する基本調査、地域における充実した社会教育事業の展開を支援するための学習プログラム等の開発や人材養成に関する調査研究及び奉仕活動・体験活動の推進と全国的な定着を図る。 【得られた成果】
社会教育の実態や在り方等に係る基礎的な調査研究や、先導的な社会教育事業の開発等の調査研究のほか、奉仕活動・体験活動に関する事業を推進し、地域の社会教育の推進が図られた。
【事務事業等の活動量】
  • 地方公共団体における社会教育計画等の策定及び評価に関する調査研究(報告書)
  • インターネットを活用した研究セミナー等に関する調査研究(報告書)
  • 家庭教育支援に係る地域の教育力の活性化に関する調査研究(報告書)
  • 社会教育を推進するコーディネーターの役割及び資質向上に関する調査研究(報告書)
  • 参加体験型学習に関する調査研究(報告書)
  • ボランティア活動に関する調査研究(報告書)
  • 全国体験活動ボランティア活動総合推進センター活動事例集
継続

達成目標1‐3‐2

  様々な機関・団体等との組織的連携を通して、地域学習活動や学習成果を生かしたまちづくりに関する取組や、男女共同参画の促進に関する取組を推進する。

(基準年度:16年度・達成年度:22年度)

1.評価の判断基準

判断基準1 生涯学習分野におけるNPO支援事業の委託団体の前年度における委託地域数(8地域)をベースに、次年度も引き続き同様の取組を独自で(委託を受けずに)実施した団体の割合
  • S=50%以上
  • A=25〜50%
  • B=25%未満
  • C=なし
判断基準2 「男女共同参画社会に向けた教育・学習支援に関する特別調査研究」を実施することで、男女共同参画社会の実現に向け、男女共同参画のための学習支援の体制や科学技術分野への女性の進路選択の促進をはじめとした様々な喫緊の課題への対応状況
  • S=予定以上に進捗している。
  • A=予定どおりに進捗している
  • B=概ね予定どおり進捗しているが、一部は進捗していない。
  • C=予定どおりに進捗していない。

   

2.平成19年度の状況

  平成19年度においては、生涯学習分野におけるNPO支援事業を実施し、地域住民の学習ニーズに即応した学習機会を提供するとともに、行政と生涯学習分野におけるNPOとの連携促進を図った。平成18年度は8箇所に委託をし、行政と生涯学習分野におけるNPOとの連携による地域学習活動の充実を支援した。その中でも次年度から委託を受けずに取組を実施するとしている団体が3団体(38パーセント)あり、モデル事業として実施してきた事業が地域に根付きつつあり、想定どおり達成したと判断。
  男女共同参画社会の実現のためにどのような支援が必要とされているかを検討するため、「男女共同参画社会に向けた教育・学習支援に関する特別調査研究」の委託を2件行った。
  「女性の理工系進路選択支援に関する調査研究」においては、科学技術分野への女性の進出促進を支援するため、社会教育施設における女子生徒の科学技術分野に対する関心を高め、理解の増進を図るような効果的な事業実施方策を検討し、その成果について社会教育関係者等へ普及を行った。
もう1件の「女性のライフプランニングに資する学習支援の在り方に関する調査研究」においては、ライフプランニングのための具体的な学習支援に関するニーズや、男女共同参画センター・大学・企業における既存の取組を把握するとともに、今後の学習支援の在り方等の検討を行った。これらの調査研究は、男女共同参画社会の実現に向け、男女共同参画のための学習支援の体制や科学技術分野への女性の進路選択の促進といった喫緊の課題等への対応に寄与するものであり、予定どおりに進捗している。

指標・参考指標

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
生涯学習分野におけるNPO支援事業 委託団体数 12 10 8 18
うち、次年度から自立した団体数   4箇所 3箇所 3箇所  

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
「男女共同参画社会に向けた教育・学習支援に関する特別調査研究」の委託件数 2

指標に用いたデータ・資料等

  • 男女共同参画社会に向けた教育・学習支援に関する特別調査研究委託先数

指標の設定根拠

  生涯学習分野におけるNPO支援事業については、国からの委託によってNPOの特性を活かした事業展開を図りつつ、委託期間終了後も、NPOがその取組を独力で持続させていくことが最終的な目標であることから、本指標を設定した。
  男女共同参画社会に向けた教育・学習支援に関する特別調査研究については、男女共同参画社会の実現に向け、男女共同参画のための学習支援の体制や科学技術分野への女性の進路選択の促進といった喫緊の課題等において、より幅広い課題の解決に資することとなっているかどうかがわかるため、上記指標を設定した。

3.評価結果

  • 生涯学習分野におけるNPO支援事業 A
  • 男女共同参画社会に向けた教育・学習支援に関する特別調査研究 A

判断理由

  「生涯学習分野におけるNPO支援事業」については、平成18年度における当該委託事業では8団体に委託し、そのうち3団体が委託終了後も自立した活動を継続させており、想定どおり順調に進捗したと判断する。「男女共同参画社会に向けた教育・学習支援に関する特別調査研究」については、平成19年度における当該調査研究の委託件数は2件であり、各調査において男女共同参画社会の実現のために必要な支援のあり方等について検討することができた。このことから、想定どおり順調に進捗したと判断する。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  多様化する社会のニーズに応えるため、行政のみならずNPO等「民」による生涯学習の充実が求められている。これまで実施してきた「生涯学習分野におけるNPO支援事業」の分析や、有識者会議からの「今後は、地域の教育力の向上を図る上で、従来のようなNPOの支援にとどまらず、NPOと他の民間教育事業者等との連携を促進することでより効果的な成果が得られる」という指摘を踏まえ、平成20年度以降はNPOを中心として産官学民とのパートナーシップにより広域的な取組を支援する「NPOを核とした生涯学習活性化プロジェクト」を実施している。
  また、男女共同参画社会の実現のためには、男女共同参画基本計画(第2次)に掲げられている教育・学習の充実、新たな取組を必要とする分野として挙げられている科学技術分野等を中心に、男女共同参画の推進のために求められる支援のあり方等について検討する必要があるため、引き続き、男女共同参画社会に向けた教育・学習支援に関する特別調査研究を実施し、調査研究の成果をもって、様々な喫緊の課題等に対応していく。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
生涯学習分野におけるNPO支援事業
(12百万円)
地域住民の学習ニーズを的確に把握し、これに即応した学習機会を提供するために、行政と生涯学習分野におけるNPO等との連携促進を図る。
  • 事業委託件数:18件
行政とNPO等が連携して事業を行ったことで、住民の多様な学習ニーズの把握や、地域資源(人材、情報、ノウハウ等)の有効な活用が図られ、それぞれの地域の特色を活かした事業展開となった。
   このような成果を踏まえ、平成20年度からはより発展的な事業展開を図るため「NPOを核とした生涯学習活性化プロジェクト」を実施。この事業は、従来 のNPO支援にとどまらず、NPOのコーディネート力等の特性を活かし、産官学民のパートナーシップによる広域的な取組を支援することを目的とする。
19年度で廃止
男女共同参画社会に向けた教育・学習支援に関する特別調査研究
(20百万円)
男女共同参画社会の実現のためにどのような支援が必要とされているかを検討するため、本調査研究を実施。
  • 委託件数:2件
男女共同参画社会の実現のために必要な支援のあり方について検討するため、「女性の理工系進路選択支援に関する調査研究」及び「女性のライフプランニン グに資する学習支援の在り方に関する調査研究」を行い、各調査において現状を把握するとともに、求められる支援のあり方等について検討を行った。 【事業全体の総括】
調査研究の実施により、男女共同参画社会に向けた学習支援や科学技術分野への女性の進路選択の促進といった喫緊の課題等に対応した支援のあり方について検討し、必要な支援のあり方を把握することができた。
廃止
調査研究を通じて把握された、男女共同参画社会の実現のために必要な支援のあり方を踏まえ、必要な事業に発展させていく予定。

   

達成目標1‐3‐3

  放課後・週末などにおける子どもの体験活動の受け入れの場を全国的に拡充することにより、地域コミュニティーの充実を図る。

(基準年度:19年度・達成年度:21年度)

1.評価の判断基準

判断基準 「放課後子ども教室推進事業」の実施箇所数及び運営に協力した地域の大人の1箇所当たりの年間平均参加者数の対前年度比(平成16年度〜18年度は「地域子ども教室推進事業」)
  • S=実施箇所数が前年度より増加し、参加者数も全ての都道府県で増加
  • A=実施箇所数は前年度より増加したが、参加者数は全ての都道府県では増加しなかった
  • B=実施箇所数は前年度より減少したが、参加者数は増加した都道府県もある
  • C=実施箇所数が前年度より減少し、参加者数も全ての都道府県で減少

2.平成19年度の状況

  放課後や週末等に小学校の余裕教室等を活用して、子どもたちの安全・安心な活動拠点(居場所)を設け、地域の多様な方々の参画を得て、様々な体験・交流活動等を推進する「放課後子ども教室推進事業」を、厚生労働省と連携した総合的な放課後対策「放課後子どもプラン」として、平成19年度は全国約6,300箇所で実施したところである。

  「放課後子ども教室推進事業」は、平成16年度~18年度に国が全額を負担する委託事業として実施していた「地域子ども教室推進事業」の取組を踏まえ、平成19年度から、実施形態を国1/3、都道府県1/3、市町村1/3(政令指定都市、中核市は2/3)をそれぞれ負担する補助事業として実施したものである。初年度であったことから、一時的に全国での実施箇所数が下がっている状況であるが、「地域子ども教室推進事業」初年度と比べて、実施箇所数は増加している。

  事業形態の違いもあり、一律的な比較は難しい面もあるが、「地域子ども教室推進事業」の最終年度と比較すると、事業運営に協力した地域の大人の年間参加者数(延べ数)が実施箇所数の減少にともない、約80万人減少しているが、1箇所あたりの年間平均参加者数は増加しており、事業の目的である子どもの安全・安心な居場所が確保され、地域における教育の質は向上していると考えられる。

指標・参考指標

  平成19年度
「放課後子ども教室推進事業」 実施箇所数 6,328
運営に協力した地域の大人の年間参加者数 安全管理員 約206万
学習アドバイザー 約96万
約303万
運営に協力した地域の大人の1箇所当たりの年間平均参加者数 478
運営に協力した地域の大人の1箇所当たりの年間平均参加者数が昨年度に比べて増加した都道府県数 8
大人の意識の変化:地域の子どもに対する意識・関心が高まった 安全管理員・学習アドバイザー 72%
教室に参加する子どもの保護者 48%
子どもの意識の変化:学校に行くのが楽しくなった 48%
(参加者数は延べ数)
(平成16年度〜平成18年度「地域子ども教室推進事業」)
  平成16年度 平成17年度 平成18年度
「地域子ども教室推進事業」 実施箇所数 5,321 7,954 8,272
運営に協力した地域の大人の年間参加者数 約171万 約337万 約383万
運営に協力した地域の大人の1箇所当たりの年間平均参加者数 320 424 463
運営に協力した地域の大人の1箇所当たりの年間平均参加者数が昨年度に比べて増加した都道府県数 32 32

  (参加者数は延べ数)

指標・参考指標に用いたデータ・資料等

  • 平成19年度文部科学省補助事業「放課後子ども教室推進事業」の実施箇所数及び安全管理員、学習アドバイザーとして運営に協力した大人の参加者数。
  • 「放課後子どもプラン実施状況調査(文部科学省・厚生労働省)」

指標の設定根拠

  「放課後子ども教室」の運営に当たっては、地域住民のボランティアによる参加など、地域の多くの大人が自発的に事業に係わることが、地域コミュニティーの充実及び地域の教育力の活性化に大きく資するものであり、実施箇所数の全国的な拡充とともに、地域住民の協力の充実が非常に重要であることから指標として実施箇所数、地域の大人の参加者数を挙げ、1.のとおり判断基準を設定する。

3.評価結果

  B

判断理由

  前年度と比較し、実施箇所数及び大人の延べ参加者数は一時的に減少しているが、1箇所当たりの参加人数は増加していることから、地域の教育力が向上し、事業の目的はある程度達成していると判断する。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  子どもが犠牲となる犯罪・凶悪事件が相次いで発生し社会問題化していることや、子どもを取り巻く家庭や地域の教育力の低下が指摘される中で、放課後の子どもの安全・安心な活動場所の確保を図ることは依然として重要な課題であり、地域社会の主体的な居場所づくりに向けた取組を支援することにより、社会の宝である子どもたちを地域で見守り育む安全・安心な地域の子育て環境を整備することが必要となる。
  平成18年度と比較し、実施箇所数が減少した要因としては、平成19年度から事業形態が委託事業から地方にも費用負担がかかる補助事業に変わったことにより、地方での予算確保が困難であったこと等が挙げられる。
  このような問題を解決していくために、国として様々な支援を継続的に行なっていくことが必要である。具体的には放課後子ども教室に協力してもらえる公益法人等の活動内容を周知したり、学校長等から、学校において放課後子ども教室を行なうことによって教育に与える相乗効果などを紹介してもらい、その内容を各地方に発信し事業の取組を促していくことや、地方において予算が確保できるよう自治体への説明や訪問を行なっていく。
  また平成19年度の実施上、参考指標から分かるように、本事業が子どもの意識に変化を与え、安全管理員等として参加した大人や保護者の地域の子どもに対する意識や関心に高まりが見られるため、平成20年度からは、上記のような観点を踏まえ、全国約1万5千の小学校区での実施を目指し、本事業を、19年度に引き続き「放課後子どもプラン」として厚生労働省と連携しながら実施することとする。
  なお、実施に際しては、本年7月29日に政府としてとりまとめた「5つの安心プラン」等に基づき、「放課後児童クラブ」との更なる一本化の方向での改善策も検討しつつ、放課後子ども教室が早期に全国の小学校区で実施されるよう、国及び地方の両者において本事業の推進に努めていく。

  →予算、機構定員要求等への考え方

  平成21年度の予算要求は「放課後子どもプラン」の3年目として、地方の意見等を踏まえつつ必要な要求を行い、本事業により地域の教育力の向上が図られるよう努める。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
放課後子ども教室推進事業(放課後子どもプラン)
(6,820百万円)
放課後や週末等に学校の余裕教室等を活用して、子どもたちの安全・安心な活動拠点(居場所)を設け、地域の大人の協力を得て、学習や様々な体験学習等を実施する。
  • 実施箇所数:6,328箇所
  • 実施市町村数:856
  • 年間平均開催日数:123.9日
各都道府県において、推進委員会を設置し、総合的な放課後対策事業を検討するとともに、安全管理員等に対する研修を行い、事業の推進を図った。各市町村においても同様に運営委員会を設置し、実際の運営について検討を重ね、地域における放課後対策の向上を図った。
平成21年度の予算要求は「放課後子どもプラン」の3年目として、地方の意見及び今後の課題等を踏まえつつ必要な要求を行い、本事業により地域の教育力の向上が図られるよう努める。

達成目標1‐3‐4

  標準的な「教育サポーター」制度を構築し全国的に普及することにより、高齢者・団塊世代等の社会参加促進を図る。

(基準年度:19年度・達成年度:21年度)

1.評価の判断基準

判断基準 団塊世代等社会参加促進のための調査研究
  • S=地域住民や関係団体等へ周知されるとともに、教育サポーターに関する取組が根付き始めた
  • A=地域住民や関係団体等へ周知された
  • B=都道府県・市町村教育委員会へ周知された
  • C=都道府県教育委員会へ周知された

2.平成19年度の状況

  標準的な教育サポーター制度の構築に向けて、教育分野における高齢者等の活躍実態に関する「団塊世代等社会参加促進のための調査研究」を実施し、報告書を都道府県教育委員会へ配付した。
当該調査研究では、教育サポーター類似制度とその取組、教育サポーターの登録・派遣に係る実態、各地の先進的な取組事例等についての詳細な調査と、当該調査結果に基づき各地の取組事例に見る制度の現状と課題の検討を行った。このことにより、全国的な制度としての「教育サポーター制度」のあり方の検討に資する重要な資料を得ることができた。

  教育サポーター制度創設検討委員会を設置し、上記調査研究の成果を活用しつつ、標準的な教育サポーター制度の在り方、制度の周知・普及等にかかる検討等を行い、「『教育サポーター制度』について‐報告書‐」をとりまとめ、全国の教育委員会等へ配付した。
  当該検討委員会による報告書は、1教育サポーター制度創設の意義、2人材発掘・登録や活動前研修の内容例、活動後の支援・評価等、教育サポーター制度構築に向けた提言、3各地で行われている既存の取組の活用方法や教育サポーター制度の周知・普及方法等の、教育サポーター制度の普及・定着についての提言が具体的に示されており、当該制度への理解と導入が促進される提言となっている。

  教育サポーター制度が全国に周知され根付くことで、団塊世代等が教育サポーター等として生きがいを感じながら社会参加できるよう、上記検討委員会の下教育サポーター制度PRパンフレットを作成し、全国の教育委員会等へ配付した。パンフレットは、「『教育サポーター制度』について‐報告書‐」の要素をわかりやすくまとめており、制度理解の促進が期待できる成果物となっている。

指標・参考指標

(部)

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
団塊世代等社会参加促進のための調査研究報告書 配付部数 200
『教育サポーター制度』について−報告書− 配付部数 10,000
教育サポーター制度PRパンフレット 配付部数 40,000

指標に用いたデータ・資料等

  「団塊世代等社会参加促進のための調査研究(教育サポーター制度の創設)」にかかる配付物作成実績

指標の設定根拠

  標準的な教育サポーター制度を構築し、また、団塊世代等が生きがいをもって社会参加できるよう、広報啓発を行うという事業の目的から、教育サポーター制度の広報が図られたかを判断する指標として、教育サポーター制度の周知を図るパンフレットや報告書の配付部数を指標として設定した。

3.評価結果

  A

判断理由

  「団塊世代等社会参加促進のための調査研究報告書」は都道府県教育委員会に配付され、今後は各都道府県教育委員会から市町村へ適宜情報提供が行われ、各地での積極的な取組の推進されることから、想定どおり制度の普及が達成された。
  「『教育サポーター制度』について‐報告書‐」は、各都道府県教育委員会及び各市町村教育委員会へ配付され、制度の周知・普及に供したため、想定どおり制度の普及が達成された。
  「教育サポーター制度PRパンフレット」は、都道府県教育委員会に各30部、市町村教育員会には各20部配付され、広く制度の周知に供し、自治体によっては、すでに地域住民等へも配付されており、当該パンフレットにより制度の普及・啓発が着実に進められていると評価できることから、これらの評価を総合的に勘案して、本年度の施策に対する評価はAとした。

4.今後の課題及び政策への反映方針

   「教育サポーター制度」の認知度・理解度を全国的に高めるため、今後は、HP等を活用した平成19年度の成果の発信や、パンフレット以外の広報手段を用い、関係機関・団体及び国民に対する広報啓発をさらに進めていく。

  平成20年度においては、平成19年度の調査研究の成果を踏まえて、試行的に教育サポーター制度を導入するトライアル事業を実施し、評価を行い、より実効性の高いモデルを構築する。また、トライアル事業の実施状況や普及状況と、教育サポーターと活動の場とのマッチングの事例分析など個別課題に関する調査研究を行い、その成果を普及し、全国における「教育サポーター制度」の定着を推進する。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
団塊世代等社会参加促進のための調査研究(教育サポーター制度の創設)
(35百万円)
高齢者や団塊世代が、知識や経験を活かして地域社会で活躍できるよう、実態調査・検討を行い、標準的な教育サポーター制度を構築する。
  • 【事業の効果】
    • 高齢者等の活躍の実態を調査する「団塊世代等社会参加促進のための調査研究」の実施
  • 【事務事業による活動量】
    • 上記調査の研究及び教育サポーター制度の在り方等の検討を行う「教育サポーター制度創設検討委員会」の開催(計6回)、及び報告書のとりまとめ
    • 教育サポーター制度PRパンフレット「教育サポーター制度の普及に向けて」の作成・配付(4万部)
継続

達成目標1‐3‐5

  学校を支援する活動等を通じての地域の連帯感を形成する。

(基準年度:19年度・達成年度:21年度)

1.評価の判断基準

判断基準1 事業実施後の地域の交流に関する意識調査において、「交流が盛んである」と回答している地域住民の割合が「盛んでない」と回答した地域住民の割合と同等若しくは上回っている地域数。
  • S=11〜13地域
  • A=7〜10地域
  • B=3〜6地域
  • C=0〜2地域

判断基準2 地域の交流に関し、事業実施前後の比較調査を行っている地域において、「交流が盛んである」と回答した地域住民の増加ポイント数の平均。
  • S=10%以上
  • A=5〜9.9%
  • B=2〜4.9%
  • C=0〜1.9%

2.平成19年度の状況

  達成目標に資するため、「学校支援を通じた地域の連帯感形成のための特別調査研究」を実施した。
  平成19年度の状況を見ると、13地域中、地域の交流に関する意識調査を行っていることが確認できた9地域中7地域において、「地域の交流が盛んである」という回答が「盛んでない」という回答より同等若しくは上回っており、想定どおり順調に進捗している状況である。
  また、住民の意識について、事業の実施以前と以後を比較できた地域において、「交流が盛んである」と回答した地域住民の割合が、事業実施前と比べ平均で5.5ポイント増加しており、想定どおり順調に進捗している状況と考えられる。
なお、具体的には、「子どもたちと地域で挨拶などをする機会が増加した」「学校内の気づいたことを先生に話せるようになった」「地域住民の学校や子どもへの意識が高まった」といった成果が報告されている。

判断基準1:指標

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
帯広市・意識調査結果
(※学校・家庭・地域の連携事業)
(している)         93.5%
(していない)         6.5%
青森県・意識調査結果
(※地域において交流をもっているか)
(そう思う)         85%
(そう思わない)         15%
杉並区・意識調査結果
(※地域の子ども達との交流状況)
(盛んである)         68.4%
(盛んでない)         31.6%
茨城県・意識調査結果
(※近所の人たちとの交流状況)
(盛んである)         50%
(盛んでない)         50%
横浜市・意識調査結果
(※地域の交流状況)
(盛んである)         87%
(盛んでない)         13%
新居浜市・意識調査結果
(※近所の人たちとの交流状況)
(盛んである)         47.3%
(盛んでない)         50.8%
高知県・意識調査結果
(※近所の人たちとの交流状況)
(盛んである)         64.9%
(盛んでない)         35.1%
由布市・意識調査結果
(※近所の人たちとの交流状況)
(盛んである)         45.9%
(盛んでない)         53.1%
別府市・意識調査結果
(※近所の人たちとの交流状況)
(盛んである)         52.4%
(盛んでない)         47.6%

判断基準2・指標

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 増加ポイント数
青森県・意識調査結果
(※地域において交流をもっているか)
事前調査         83% 2.0
事後調査         85%
横浜市・意識調査結果
(※地域の交流状況)
事後調査         83.4% 3.6
事後調査         87%
高知県・意識調査結果
(※近所の人たちとの交流状況)
事前調査         57.5% 7.4
事後調査         64.9%
別府市・意識調査結果
(※近所の人たちとの交流状況)
事前調査         43.5% 8.9
事後調査         52.4%
平均           約5.5

指標に用いたデータ・資料等

  • 「学校支援を通じた地域の連帯感形成のための特別調査研究」事業報告書

指標の設定根拠

  地域の大人が学校を支援する活動等を通じて、地域の連帯感を形成するとともに、子どもたちが多様な人と交流することで、いわゆる「生きる力」を身に付けることができる社会づくりを行うという本事業の目的から、達成目標を図る指標としては、事業実施後に住民に対して実施した地域の交流に関する意識調査において、「地域の交流が盛んである」「交流をもっている」と回答した数が「盛んでない」「交流をもっていない」といった回答数より多くなること、及び事業の実施以前と以後を比較できる場合は、「地域の交流が盛んである」と答える住民の割合が以前より増加することを目標とする。

3.評価結果

  A

判断理由

  平成19年度の状況を見ると、13地域中7地域において、「地域の交流が盛んである」という回答が「盛んでない」という回答より同等若しくは上回っている。また、事業の実施以前と以後を比較できた地域において、「交流が盛んである」と回答した地域住民の割合が平均で5.5ポイント増加している。
  こうしたことから、本事業を通して地域の連帯感が形成され、想定どおり順調に進捗している状況だと判断する。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  本調査研究については、地域の学校への関心の高まりや、学校教育活動の充実などの成果が報告されており、一定の効果をあげていると考える。
  今後は、今年度の事業から分析される成果や課題を参考にしながら、地域ぐるみで学校を支援する取組を全国で推進することが必要である。
  平成20年度においては、「学校支援を通じた地域の連帯感形成のための特別調査研究」の成果を、「学校支援地域本部事業」に引き継ぎ、地域住民が学校支援活動に取り組んでいくことを一層支援していく。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
学校支援を通じた地域の連帯感形成のための特別調査研究(201百万円) 地域住民の積極的な学校支援を通じて、地域の連帯感を醸成するためのモデル事業を実施する。 【得られた効果】
当該事業の実施により、学校支援ボランティア活動が充実し、地域の連帯感の醸成が図られた。
   【事務事業の活動量】
13地域においてモデル事業を実施。
19年度で廃止

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大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --