3.施策の効果分析 2 その他施策の効果分析

(1)政策目標に対する施策分野の貢献度

1.最近のオリンピック大会(アテネ大会/ソルトレークシティ大会)

  ロジックモデルのアウトカム1を対象として、最近のオリンピック大会(アテネ大会/ソルトレークシティ大会)での成績への影響度を競技団体に尋ねたところ、下図のような結果となった。

  図表2‐37 最近のオリンピック大会での成績への影響度
図表2‐37 最近のオリンピック大会での成績への影響度

  影響度大とした団体の割合で見ると、「国際経験」が最も高く76.8パーセントで、以下、「合宿」が66.7パーセント、「指導者」が65.2パーセント、「定常的な試合出場」が63.8パーセント、「日常的なトレーニング」が60.9パーセント、「適切な選手選考」が59.4パーセントの順となっている。
  影響度大と中の合計の割合で見ると、「国際経験」「日常的なトレーニング」が84パーセントで最も高く、以下「定常的な試合出場」が81.2パーセント、「適切な選手選考」「合宿」が79.7パーセント、「指導者」が78.2パーセント、「選手発掘」が76.2パーセントの順となっている。
 なお、個人種目と団体種目、夏季種目と冬季種目、オリンピックの成績によって、比較的傾向に差が出たものについて以下に列挙する。

a)個人種目と団体種目

  • 個人種目の方が影響度の割合が高い項目としては、「選手選考」「合宿」などが挙げられる。
  • 団体種目の方が影響度の割合が高い項目としては、「選手の発掘」「情報戦略」「有利なルール」「定常的な試合出場」「競技人口」「用品・用具」などが挙げられる。
  図表2‐38 影響度大の割合の比較
  個人種目(a)(有効回答47種目) 団体種目(b)(有効回答17種目) 差異(aマイナスb)
選手発掘 36.2パーセント 70.6パーセント マイナス34.4パーセント
一貫指導 44.7パーセント 41.2パーセント 3.5パーセント
日常的なトレーニング 66パーセント 64.7パーセント 1.3パーセント
合宿 76.6パーセント 58.8パーセント 17.8パーセント
指導者 70.2パーセント 70.6パーセント マイナス0.4パーセント
医・科学サポート 48.9パーセント 58.8パーセント マイナス9.9パーセント
情報戦略 25.5パーセント 70.6パーセント マイナス45.1パーセント
定常的な試合出場 61.7パーセント 88.2パーセント マイナス26.5パーセント
国際経験 83パーセント 82.4パーセント 0.6パーセント
競技人口 31.9パーセント 64.7パーセント マイナス32.8パーセント
用品・用具 34パーセント 58.8パーセント マイナス24.8パーセント
選手選考 71.1パーセント 52.9パーセント 18.2パーセント
有利なルール 17パーセント 52.9パーセント マイナス35.9パーセント

b)夏季種目と冬季種目

  • 夏季種目の方が影響度の割合が高い項目としては、「国際経験」「合宿」「日常トレーニング」「医・科学サポート」などが挙げられる。
  • 冬季種目の方が影響度の割合が高い項目としては、「用品・用具」「選手選考」「情報戦略」「競技人口」「有利なルール」などが挙げられる。
  図表2‐39 影響度大の割合の比較
  夏季種目(a)(有効回答50種目) 冬季種目(b)(有効回答14種目) 差異(aマイナスb)
選手発掘 44パーセント 50パーセント マイナス6パーセント
一貫指導 44パーセント 42.9パーセント 1.1パーセント
日常的なトレーニング 68パーセント 57.1パーセント 10.9パーセント
合宿 78パーセント 50パーセント 28パーセント
指導者 72パーセント 64.3パーセント 7.7パーセント
医・科学サポート 54パーセント 42.9パーセント 11.1パーセント
情報戦略 34パーセント 50パーセント マイナス16パーセント
定常的な試合出場 68パーセント 71.4パーセント マイナス3.4パーセント
国際経験 86パーセント 71.4パーセント 14.6パーセント
競技人口 36パーセント 57.1パーセント マイナス21.1パーセント
用品・用具 34パーセント 64.3パーセント マイナス30.3パーセント
選手選考 62.5パーセント 78.6パーセント マイナス16.1パーセント
有利なルール 24パーセント 35.7パーセント マイナス11.7パーセント

c)オリンピックの成績

  • オリンピックの成績が良い方が影響度の割合が高い項目としては、「国際経験」「合宿」などが挙げられる。
  • オリンピック不出場の方が影響度の割合が高い項目としては、「選手発掘」「有利なルール」「一貫指導」「情報戦略」「競技人口」「選手選考」「用品・用具」などが挙げられる。
  図表2‐40 影響度大の割合の比較
  メダル獲得(有効回答13種目) 入賞(有効回答17種目) 出場(有効回答23種目) 不出場有効回答11種目)
選手発掘 46.2パーセント 41.2パーセント 39.1パーセント 63.6パーセント
一貫指導 46.2パーセント 41.2パーセント 39.1パーセント 54.5パーセント
日常的なトレーニング 76.9パーセント 58.8パーセント 65.2パーセント 63.6パーセント
合宿 84.6パーセント 70.6パーセント 73.9パーセント 54.5パーセント
指導者 61.5パーセント 76.5パーセント 73.9パーセント 63.6パーセント
医・科学サポート 61.5パーセント 41.2パーセント 56.5パーセント 45.5パーセント
情報戦略 46.2パーセント 23.5パーセント 34.8パーセント 54.5パーセント
定常的な試合出場 69.2パーセント 64.7パーセント 73.9パーセント 63.6パーセント
国際経験 92.3パーセント 76.5パーセント 87パーセント 72.7パーセント
競技人口 23.1パーセント 47.1パーセント 39.1パーセント 54.5パーセント
用品・用具 30.8パーセント 35.3パーセント 43.5パーセント 54.5パーセント
選手選考 54.5パーセント 58.8パーセント 73.9パーセント 72.7パーセント
有利なルール 23.1パーセント 23.5パーセント 17.4パーセント 54.5パーセント

2.今後の国際競技力(オリンピック大会等の国際大会での成績)

  一方、同じく、ロジックモデルのアウトカム1を対象として、今後の国際競技力(オリンピック大会等の国際大会での成績)への影響度を競技団体に尋ねたところ、下図のような結果となった。

  図表2‐41 今後の国際競技力(オリンピック大会等の国際大会での成績)への影響度
図表2‐41 今後の国際競技力(オリンピック大会等の国際大会での成績)への影響度

  影響度大とした団体の割合で見ると、「指導者」「日常的なトレーニング」が最も高く88.4パーセントで、以下、「選手発掘」「一貫指導」が85.5パーセント、「国際経験」が84.1パーセント、「合宿」が81.2パーセントの順となっている。
  影響度大と中の合計の割合で見ると、「一貫指導」が92.7パーセントで最も高く、以下、「日常的なトレーニング」「合宿」「指導者」「定常的な試合出場」「国際経験」が91.3パーセント、「選手発掘」が89.8パーセント、「医・科学サポート」「競技人口」が88.4パーセントの順となっている。
  なお、個人種目と団体種目、夏季種目と冬季種目、オリンピックの成績によって、比較的傾向に差が出たものについて以下に列挙する。

a)個人種目と団体種目

  • 個人種目の方が影響度の割合が高い項目はほとんどない。
  • 団体種目の方が影響度の割合が高い項目としては、「競技人口」「選手発掘」「有利なルール」「一貫指導」などが挙げられる。
  図表2‐42 影響度大の割合の比較
  個人種目(a)(有効回答52種目) 団体種目(b)有効回答16種目) 差異(aマイナスb)
選手発掘 87.8パーセント 100パーセント マイナス12.2パーセント
一貫指導 87.8パーセント 100パーセント マイナス12.2パーセント
日常的なトレーニング 91.8パーセント 100パーセント マイナス8.2パーセント
合宿 85.7パーセント 87.5パーセント マイナス1.8パーセント
指導者 91.8パーセント 100パーセント マイナス8.2パーセント
医・科学サポート 77.6パーセント 87.5パーセント マイナス9.9パーセント
情報戦略 63.3パーセント 68.8パーセント マイナス5.5パーセント
定常的な試合出場 73.5パーセント 81.3パーセント マイナス7.8パーセント
国際経験 89.8パーセント 87.5パーセント 2.3パーセント
競技人口 59.2パーセント 87.5パーセント マイナス28.3パーセント
用品・用具 53.1パーセント 56.3パーセント マイナス3.2パーセント
選手選考 79.2パーセント 75パーセント 4.2パーセント
有利なルール 34.7パーセント 62.5パーセント マイナス27.8パーセント

b)夏季種目と冬季種目

  • 夏季種目の方が影響度の割合が高い項目としては、「指導者」「合宿」「国際経験」「選手発掘」などが挙げられる。
  • 冬季種目の方が影響度の割合が高い項目としては、「競技人口」「用品・用具」などが挙げられる。
  図表2‐43 影響度大の割合の比較
  夏季種目(a)(有効回答51種目) 冬季種目(b)(有効回答14種目) 差異(aマイナスb)
選手発掘 92.2パーセント 85.7パーセント 6.5パーセント
一貫指導 92.2パーセント 85.7パーセント 6.5パーセント
日常的なトレーニング 94.1パーセント 92.9パーセント 1.2パーセント
合宿 96.1パーセント 50パーセント 46.1パーセント
指導者 96.1パーセント 85.7パーセント 10.4パーセント
医・科学サポート 80.4パーセント 78.6パーセント 1.8パーセント
情報戦略 66.7パーセント 57.1パーセント 9.6パーセント
定常的な試合出場 76.5パーセント 71.4パーセント 5.1パーセント
国際経験 92.2パーセント 78.6パーセント 13.6パーセント
競技人口 62.7パーセント 78.6パーセント マイナス15.9パーセント
用品・用具 49パーセント 71.4パーセント マイナス22.4パーセント
選手選考 80.4パーセント 69.2パーセント 11.2パーセント
有利なルール 43.1パーセント 35.7パーセント 7.4パーセント

c)オリンピックの成績

  • オリンピックの成績が良い方が影響度の割合が高い項目はほとんどない。
  • オリンピック不出場の方が影響度の割合が高い項目としては、「有利なルール」「選手発掘」「医・科学サポート」「一貫指導」などが挙げられる。
  図表2‐44 影響度大の割合の比較
  メダル獲得(有効回答13種目) 入賞(有効回答15種目) 出場(有効回答24種目) 不出場(有効回答13種目)
選手発掘 84.6パーセント 80パーセント 95.8パーセント 100パーセント
一貫指導 76.9パーセント 86.7パーセント 95.8パーセント 100パーセント
日常的なトレーニング 84.6パーセント 93.3パーセント 95.8パーセント 100パーセント
合宿 92.3パーセント 73.3パーセント 87.5パーセント 92.3パーセント
指導者 92.3パーセント 86.7パーセント 95.8パーセント 100パーセント
医・科学サポート 69.2パーセント 73.3パーセント 83.3パーセント 92.3パーセント
情報戦略 61.5パーセント 80パーセント 58.3パーセント 61.5パーセント
定常的な試合出場 76.9パーセント 86.7パーセント 70.8パーセント 69.2パーセント
国際経験 92.3パーセント 93.3パーセント 87.5パーセント 84.6パーセント
競技人口 53.8パーセント 73.3パーセント 66.7パーセント 69.2パーセント
用品・用具 38.5パーセント 66.7パーセント 58.3パーセント 46.2パーセント
選手選考 84.6パーセント 73.3パーセント 73.9パーセント 84.6パーセント
有利なルール 23.1パーセント 40パーセント 33.3パーセント 76.9パーセント

3.国の支援に対する必要性

  さらに、これらについて、国の支援に対する必要性を見ると、下図のようになり、「合宿」が87.5パーセントで最も高く、以下、「日常的なトレニーング」が73.2パーセント、「国際経験」が69.6パーセント、「指導者」が51.8パーセント、「一貫指導」が48.2、「医・科学サポート」が46.4パーセントの順となっている。

  図表2‐45 国の支援の必要性
図表2‐45 国の支援の必要性

  なお、個人種目と団体種目、夏季種目と冬季種目、オリンピックの成績によって、比較的傾向に差が出たものについて以下に列挙する。

a)個人種目と団体種目

  • 個人種目の方が国の支援の必要性の割合が高い項目としては、「選手発掘」「医・科学サポート」「指導者」「合宿」「国際経験」「日常的なトレーニング」などが挙げられる。
  • 団体種目の方が国の支援の必要性の割合が高い項目としては、「情報戦略」などが挙げられる。
  図表2‐46 国の支援の必要性の比較
  個人種目(a)(有効回答45種目) 団体種目(b)(有効回答11種目) 差異(aマイナスb)
選手発掘 33.3パーセント 18.2パーセント 15.1パーセント
一貫指導 48.9パーセント 45.5パーセント 3.4パーセント
日常的なトレーニング 77.8パーセント 54.5パーセント 23.3パーセント
合宿 91.1パーセント 72.7パーセント 18.4パーセント
指導者 57.8パーセント 27.3パーセント 30.5パーセント
医・科学サポート 53.3パーセント 18.2パーセント 35.1パーセント
情報戦略 11.1パーセント 36.4パーセント マイナス25.3パーセント
定常的な試合出場 20パーセント 27.3パーセント マイナス7.3パーセント
国際経験 73.3パーセント 54.5パーセント 18.8パーセント
競技人口 15.6パーセント 18.2パーセント マイナス2.6パーセント
用品・用具 4.4パーセント 0パーセント 4.4パーセント
選手選考 0パーセント 9.1パーセント マイナス9.1パーセント
有利なルール 0パーセント 0パーセント 0パーセント

b)夏季種目と冬季種目

  • 夏季種目の方が国の支援の必要性の割合が高い項目としては、「合宿」「国際経験」「一貫指導」などが挙げられる。
  • 冬季種目の方が国の支援の必要性の割合が高い項目としては、「情報戦略」「医・科学サポート」などが挙げられる。
  図表2‐47 国の支援の必要性の比較
  夏季種目(a)(有効回答46種目) 冬季種目(b)(有効回答10種目) 差異(aマイナスb)
選手発掘 30.4パーセント 30パーセント 0.4パーセント
一貫指導 50パーセント 40パーセント 10パーセント
日常的なトレーニング 73.9パーセント 70パーセント 3.9パーセント
合宿 95.7パーセント 50パーセント 45.7パーセント
指導者 52.2パーセント 50パーセント 2.2パーセント
医・科学サポート 43.5パーセント 60パーセント マイナス16.5パーセント
情報戦略 13パーセント 30パーセント マイナス17パーセント
定常的な試合出場 21.7パーセント 20パーセント 1.7パーセント
国際経験 78.3パーセント 30パーセント 48.3パーセント
競技人口 15.2パーセント 20パーセント マイナス4.8パーセント
用品・用具 4.3パーセント 0パーセント 4.3パーセント
選手選考 2.2パーセント 0パーセント 2.2パーセント
有利なルール 0パーセント 0パーセント 0パーセント

c)オリンピックの成績

  • オリンピックの成績が良い方が国の支援の必要性の割合が高い項目としては、「指導者」「医・科学サポート」「日常トレーニング」「国際経験」「競技人口」などが挙げられる。
  • オリンピック不出場の方が国の支援の必要性の順位の高い項目としては、「選手発掘」「情報戦略」「一貫指導」などが挙げられる。
  図表2‐48 国の支援の必要性の比較
  メダル獲得(有効回答13種目) 入賞(有効回答14種目) 出場(有効回答21種目) 不出場(有効回答8種目)
選手発掘 0パーセント 28.6パーセント 38.1パーセント 62.5パーセント
一貫指導 46.2パーセント 35.7パーセント 47.6パーセント 75パーセント
日常的なトレーニング 69.2パーセント 78.6パーセント 81パーセント 50パーセント
合宿 84.6パーセント 85.7パーセント 90.5パーセント 87.5パーセント
指導者 76.9パーセント 50パーセント 42.9パーセント 37.5パーセント
医・科学サポート 46.2パーセント 71.4パーセント 38.1パーセント 25パーセント
情報戦略 15.4パーセント 14.3パーセント 4.8パーセント 50パーセント
定常的な試合出場 15.4パーセント 21.4パーセント 28.6パーセント 12.5パーセント
国際経験 76.9パーセント 50パーセント 85.7パーセント 50パーセント
競技人口 30.8パーセント 14.3パーセント 14.3パーセント 0パーセント
用品・用具 15.4パーセント 0パーセント 0パーセント 0パーセント
選手選考 7.7パーセント 0パーセント 0パーセント 0パーセント
有利なルール 0パーセント 0パーセント 0パーセント 0パーセント

4.総括

  以上3つのデータを整理し、一覧化すると以下の表のようになる。
  まず、直近の大会と今後の大会で比較すると、「選手発掘」「一貫指導」「日常的なトレーニング」「指導者」「医・科学サポート」「情報戦略」「競技人口」を影響度大とする割合が大幅に高まっているのが特徴的である。
  また、今後の国際競技力向上に対する影響度の大きいものは、国の支援を期待する割合も高い傾向も見られる。

  図表2‐49 国際競技力への影響度及び国の支援の必要性の比較
  国際競技力への影響度大の割合 国の支援の必要性
直近の大会(a) 今後の大会(b) 差異(aマイナスb)
選手発掘 42パーセント 85.5パーセント 43.5パーセント 30.4パーセント
一貫指導 40.6パーセント 85.5パーセント 44.9パーセント 48.2パーセント
日常的なトレーニング 60.9パーセント 88.4パーセント 27.5パーセント 73.2パーセント
合宿 66.7パーセント 81.2パーセント 14.5パーセント 87.5パーセント
指導者 65.2パーセント 88.4パーセント 23.2パーセント 51.8パーセント
医・科学サポート 47.8パーセント 75.4パーセント 27.6パーセント 46.4パーセント
情報戦略 34.8パーセント 60.9パーセント 26.1パーセント 16.1パーセント
定常的な試合出場 63.8パーセント 71パーセント 7.2パーセント 21.4パーセント
国際経験 76.8パーセント 84.1パーセント 7.3パーセント 69.6パーセント
競技人口 37.7パーセント 62.3パーセント 24.6パーセント 16.1パーセント
用品・用具 37.7パーセント 50.7パーセント 13パーセント 3.6パーセント
選手選考 59.4パーセント 72.5パーセント 13.1パーセント 1.8パーセント
有利なルール 24.6パーセント 39.1パーセント 14.5パーセント 0パーセント

 図表2‐49 国際競技力への影響度及び国の支援の必要性の比較

(2)各施策の必要性

  平成13年度以降に文部科学省が実施した20の国際競技力向上施策について、各競技団体の活用状況と成果を整理すると次ページの図のようになった。
  「活用し成果が得られた」と回答した団体の割合を見ると、「強化事業等(国内・海外合宿)に対する助成」が82.6パーセントで最も高く、以下、「強化合宿事業」が76.8パーセント、「オリンピック等への選手派遣助成」が71パーセント、「日常的なトレーニングに対する助成」と「専任コーチ設置」が63.8パーセント、「国際競技大会等の開催助成」と「TSC事業」が62.3パーセントの順となっている。

  以上を踏まえると、効果については、「合宿」「国際経験」「医・科学サポート(TSC含む)」「指導者」などに対する評価が高いことがわかる。

  また、「活用したかったが活用できなかった」と回答した団体の割合を見ると、「普及活動等助成」が39.1パーセントで最も高く、以下、「若手指導者在外研修助成」が33.3パーセント、「クラブ支援」が26.1パーセント、「競技者育成プログラム」と「重点競技強化事業」が24.6パーセント、「選手発掘・育成強化支援」が23.2パーセント、「JISSスポーツ医・科学事業」「JISS施設提供事業」「国際競技大会の開催助成」が21.7パーセント、「JISSスポーツ情報事業」20.3パーセントの順となっている。

  一方、施策の必要性について整理すると次々ページの図のようになった。
  「不可欠」と回答した団体の割合を見ると、「強化事業等助成」が88.4パーセントで最も高く、以下、「オリンピック等派遣助成」が87パーセント、「強化合宿」78.3パーセント、「JISS・TSC事業」と「国際競技大会等の開催助成」が75.4パーセント、「専任コーチ設置」が73.9パーセント、「選手発掘・育成強化支援」と「重点競技強化」が72.5パーセントの順となっている。

  以上を踏まえると、「合宿」「指導者」「国際経験」「医・科学・情報サポート(TSC含む)」「一貫指導」などに対する必要性が高いことがわかる。

  図表2‐50 国が実施している支援策の活用の有無と成果
図表2‐50 国が実施している支援策の活用の有無と成果

  図表2‐51 国が実施している支援策の必要性
図表2‐51 国が実施している支援策の必要性

  なお、個人種目と団体種目、夏季種目と冬季種目、オリンピックの成績によって、比較的傾向に差が出たものについて以下に列挙する。

1.重点競技強化事業

  メダル獲得など、オリンピックでの成績の良い種目ほど施策を活用した割合が高く、施策の効果が現れているといえる。

  図表2‐52 重点競技強化事業の活用の有無と成果
図表2‐52 重点競技強化事業の活用の有無と成果

2.スポーツ医・科学研究事業(JISS)

  個人種目より団体種目、夏季種目より冬季種目の方が、活用の成果が高く評価される傾向にある。
  また、オリンピック不出場種目は、活用したかったができなかったとする割合が高い。

  図表2‐53 スポーツ医・科学研究事業(JISS)の活用の有無と成果
図表2‐53 スポーツ医・科学研究事業(JISS)の活用の有無と成果

3.スポーツ診療事業(JISS)

  オリンピックでの成績が良い種目ほど、活用の成果を高く評価する割合が高い傾向にある。

  図表2‐54 スポーツ診療事業(JISS)の活用の有無と成果
図表2‐54 スポーツ診療事業(JISS)の活用の有無と成果

4.施設提供事業(JISS)

  団体より個人の方が、また、オリンピック出場種目の方が、活用した種目の割合が高く、活用の成果も高かったとする割合が高い傾向にある。逆に、オリンピック不出場種目は、活用したかったができなかったとする割合が高い。

  図表2‐55 施設提供事業(JISS)の「活用の有無と成果
図表2‐55 施設提供事業(JISS)の「活用の有無と成果

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --