2.ロジックモデルのアウトカム2・3の達成状況

1 アウトカム2

  アウトカム2については、「有望な若手競技者が安定的、継続的に育成されること」「トップレベル競技者の競技水準が向上すること」「大会においてその時点の競技力が最大限発揮されること」「大会において的確なプランや戦略が実施されること」の4点であり、アウトカム1からアウトカム2、さらには、アウトカム3へのロジック下図の通りである。

  図表2‐14 アウトカム1から基本目標までのロジックモデル
図表2‐14 アウトカム1から基本目標までのロジックモデル

  アウトカム2の団体アンケート調査をもとにした達成状況は次ページの図の通りである。
  若手競技者の安定的・継続的な育成については、非常にうまくいっているという回答の団体が7.2パーセント、ある程度うまくいっている団体が79.7パーセントとなっている。また、ジュニア世代の国際大会の成績(過去4年間)によると、半分以上の団体が向上しており、下降した団体は22パーセントとなっている。
  トップの競技水準の向上については、国際大会での最高順位(過去4年間)によると、半分弱の団体が向上しており、下降した団体は20パーセントとなっている。
  大会での競技力の発揮については、発揮できているという回答が15.9パーセント、どちらかと言えば発揮できているという回答が63.8パーセントとなっている。
  大会でのプランや戦略の実施については、十分に実施できているという回答が14.5パーセント、ある程度実施できているという回答が69.6パーセントとなっている。
 4つのアウトカム2は、いずれもさらに改善の余地があると考えられるが、その中でも、若手競技者の安定的・継続的な育成の達成度が比較的低い状況にあると言える。

  なお、若手競技者の安定的・継続的な育成、競技力の発揮、戦略やプランの実行の自己評価は、いずれもオリンピックでの成績が良い団体ほど、達成度も高い傾向にある。また、戦略やプランの実行については、あまり実行できていないとする団体が、団体種目は0パーセントであるのに対して、個人種目は17.6パーセントとなっている。

  図表2‐15 アウトカム2の指標

1.若手競技者の安定的・継続的な育成
<競技団体の自己評価>
競技団体の自己評価
<ジュニア世代の国際大会成績(回答23)>
ジュニア世代の国際大会成績(回答23)
2.競技力の発揮
<競技団体の自己評価>
競技団体の自己評価

3.競技水準の向上
<国際大会の最高位(回答26)>
国際大会の最高位(回答26)
※ランクとは、メダル獲得、入賞、出場、不出場を指す。

<夏季オリンピックの成績ポイントの変動>
夏季オリンピックの成績ポイントの変動
※ポイントは、JOCの算定方式を用いた。

4.プラン・戦略の実行
<競技団体の自己評価>
競技団体の自己評価

 

  図表2‐16 若手競技者の安定的・継続的な育成に関する競技団体の自己評価
図表2‐16 若手競技者の安定的・継続的な育成に関する競技団体の自己評価

  図表2‐17 大会における競技力の発揮に関する競技団体の自己評価
図表2‐17 大会における競技力の発揮に関する競技団体の自己評価

  図表2‐18 大会における戦略やプランの実現に関する競技団体の自己評価
図表2‐18 大会における戦略やプランの実現に関する競技団体の自己評価

2 アウトカム3

  アウトカム3である国際競技力の向上については、オリンピック夏季大会・シドニー大会(平成12年)ではメダル獲得率1.94パーセント(金5銀8銅5)で、アテネ大会(平成16年)では同3.98パーセント(金16銀9銅12)、冬季大会・長野大会(平成10年)では同4.88パーセント(金5銀1銅4)、ソルトレイクシティ大会(平成14年)では同0.85パーセント(金0銀1銅1)という結果となっている。
  直近のアテネ大会とソルトレイクシティ大会の合計では3.35パーセントとなっており、国際競技力向上施策の基本目標である「平成22年度までにオリンピック競技大会においてメダル獲得率3.5パーセントを実現する」という水準に限りなく近づいている。但し、基本目標の趣旨は、一時点でのメダル獲得率ではなく、安定的に3.5パーセント程度のメダル獲得率を維持することであり、引き続き、さらに国際競技力を高めるための有効な施策展開が必要だと考えられる。

  図表2‐19 オリンピック大会における日本のメダル獲得率
図表2‐19 オリンピック大会における日本のメダル獲得率

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