政策評価6 社会・国民に支持される科学技術の推進

科学技術が及ぼす倫理的・法的・社会的課題への取組や科学技術の国民意識の醸成に向けた取組により、科学技術に対する社会・国民の支持や信頼の獲得を図る。

施策目標6‐1 科学技術が及ぼす倫理的・法的・社会的課題への責任ある取組の推進

(科学技術の社会的信頼を獲得するために、生命倫理問題やナノテクノロジーの社会的影響等科学技術が及ぼす倫理的・法的・社会的課題への対応を強化する。)
【主管課:研究振興局ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室、同基礎基盤研究課ナノテクノロジー・材料開発推進室】

評価結果の概要  ライフサイエンスの発展に伴い生じる生命倫理に係る諸課題への対応については、ES指針に基づく樹立計画及び使用計画の審査(計28件)を実施するとともに、研究実施機関に対するES指針の周知徹底を行った。
 また、ライフサイエンス研究の進展や社会的動向等を踏まえ、ES細胞を必要とする研究機関の増大や海外への分配の必要性等に対応するため、ES指針の改正について検討を行った。
(平成19年5月に改正ES指針を告示)
 さらに、総合科学技術会議意見を踏まえ、人クローン胚の研究目的の作成・利用のあり方に係る検討を行うとともに、生殖補助医療目的でのヒト受精胚の作成・利用に関するガイドラインを策定するための制度的枠組みの検討等を実施した。
 平成18年度においては、ES指針及び特定胚指針の違反事例はなく、ES指針の改正に向けた手続きや特定胚指針の見直しに向けた検討等も着実に進められたことから、生命倫理に係る諸課題への対応については、ほぼ適切に実施されたものと考えられる。
 ナノテクノロジーの社会的影響に関しては、物質・材料研究機構において、平成19年度から「ナノマテリアルの社会受容のための基盤技術の開発」を開始し、ナノマテリアルの標準化された技術基盤の開発を進めている。
評価結果の政策への反映状況

(平成19年度以降の取組)
【概算要求】
 生命倫理等に関する諸課題への対応を着実に実施するため、35百万円を概算要求に盛り込んだ。
(平成19年度予算額:34百万円)

施策目標6‐2 科学技術に関する国民意識の醸成

(科学技術の社会的信頼を獲得するために、成人の科学技術に関する基礎的素養(科学技術リテラシー)を高める活動を推進する。また、幼少期から高齢者まで広く国民を対象として、科学技術に触れ、体験・学習できる機会の拡充を図る。)
【主管課:科学技術・学術政策局基盤政策課】
【関係課:生涯学習政策局社会教育課、初等中等教育局教育課程課】

評価結果の概要  「日本科学未来館」及び「国立科学博物館」の入館者数は増加し、科学技術に触れ、体験・学習できる機会の拡充は図られている。
 また、サイエンスチャンネル(科学技術番組)のモニター調査において、「知識・教養」「平明性」などの評価が良好であり、科学技術に関する基礎的素養(科学技術リテラシー)の向上も進みつつある。したがって、達成目標は、概ね順調に進捗していると判断した。
 国民が科学技術に触れ体感する機会を提供し、社会や自らの生活と科学技術との関係への理解を深めるという達成目標について、順調に進捗していると判断できる。
 よって、引き続き事業を継続する予定である。
評価結果の政策への反映状況

(平成19年度以降の取組)
【概算要求】
 児童生徒、保護者等を対象に科学館、博物館等が行う地域における理科や科学技術に関する実験教室等の取組等の支援及び科学技術理解増進活動を推進する地域ネットワークを構築するための基盤整備の支援のため、「地域の科学舎推進事業」として、982百万円を概算要求に盛り込んだ。
(平成20年度予算案額:782百万円)
 青少年をはじめとする国民の科学技術に対する関心の喚起、理解の増進を図るため、科学技術番組を製作・CS放送等を通じ配信する「IT活用型科学技術情報発信事業」として、170百万円を概算要求に盛り込んだ。
(平成20年度予算案額:160百万円)
 最先端の科学技術及び理解増進手法に関する情報の内外への発信と交流のための総合拠点として「日本科学未来館」の運営を行うため、2,859百万円を概算要求に盛り込んだ。
(平成20年度予算案額:2,830百万円)
 自然科学等分野に関する調査研究、ナショナルコレクションの体系的な構築と継承を行うとともに、その成果等を活用して人々の科学リテラシーの向上を図る拠点として「国立科学博物館」の運営を行うため、4,912百万円を概算要求に盛り込んだ。
(平成20年度予算案額:3,125百万円)
 科学技術に興味・関心を示していなかった層の科学技術への関心と理解を深めるとともに、科学者と国民の対話を促進し、科学者が国民の要望を受けとめる機会を充実するため、新たに「科学技術と文化を融合させた理解増進活動推進」として、100百万円を概算要求に盛り込んだ。
(予算編成過程で廃止した。)

施策目標6‐3 原子力の安全及び平和利用の確保

(原子力の研究開発利用活動による災害及び放射線による障害を防止し、公共の安全を確保するため安全規制を行うとともに、核物質の適正な計量と管理を行うことにより、その平和利用を確保する。国民の信頼を得るために安全規制活動の透明性を確保する。)
【主管課:科学技術・学術政策局原子力安全課】
【関係課:科学技術・学術政策局原子力安全課原子力規制室、同原子力安全課放射線規制室、同原子力安全課保障措置室】

評価結果の概要  「原子力の研究開発利用活動による災害及び放射線による障害を防止し、公共の安全を確保するため安全規制を行うとともに、核物質の適正な計量と管理を行うことにより、その平和利用を確保する。
 国民の信頼を得るために、安全規制活動の透明性を確保する。」という施策目標は、平成18年度において、原子力災害及び一般公衆の放射線障害の発生が0件であったこと、核燃料物質、放射性同位元素等の防護を破る盗取・妨害破壊行為が発生しなかったこと、国内にある核物質が核兵器等に転用されていないことが確認されたこと、及び必要な情報発信やプレス発表が行われていたことから、「想定どおり達成」したと評価する。
 なお、達成目標の結果は、「試験研究用原子炉、核燃料物質、放射性同位元素等に係る災害及び放射線障害の発生を防止する。」という目標については、順調に進捗しており、「核燃料物質、放射性同位元素等を防護する。」という目標については、順調に進捗しており、「国内の核物質が、核兵器やその他の核爆発装置に転用されていないことを検認する。」という目標については、順調に進捗しており、「情報公開を通じ、透明性を確保するとともに、説明責任を果たし、国民の理解を得る。」という目標については、順調に進捗している。
評価結果の政策への反映状況

(平成19年度以降の取組)
 原子力の安全及び平和利用の確保という目標の性質上、今後とも目標が達成され続ける必要があり、そのために必要となる、下記の措置を行った。
【概算要求】
 平成20年度概算要求においては、事業を精査した上で、所要の4,500百万円を盛り込んだ。
 本要求においては、従来の安全規制業務及び保障措置業務を着実に実施するとともに、最新の技術的知見、国際的な基準、指針類等の取入れ等を行うこととした。
(平成20年度予算案額:4,300百万円)
【機構・定員要求】
 また、これら業務を行うために、機構・定員要求により、放射線障害防止法に基づく審査検査体制の強化のため、審査係の新設要求を行うこととした。
(第一審査係長、第二審査係長各1名措置)
 急増する保障措置業務への対応のため、保障措置室及び保障措置企画専門官の新設要求を行うこととした。
(保障措置室及び保障措置企画専門官1名措置)

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